生姜の基本情報
世界中で親しまれている生姜
生姜は世界中で親しまれている香辛料野菜です。食用の他に漢方として用いられるなど、健康にも良い野菜のひとつです。
生姜の歴史
生姜の原産地は不明
世界中で親しまれている生姜ですが、原産地は不明です。東南アジアの熱帯地域、現在のマレージアやインドのあたりが原産とされていますが、野生種は発見されていません。日本には中国の当時の王朝である呉を通じて3世紀ころに伝わったと言われています。
日本での生姜の広がり
生姜については日本最古の歴史書である「古事記」にも記されています。古事記の時代には生姜(しょうが)という呼び名ではなかったようです。「根の辛いもの」という意味であるハジカミと生姜は呼ばれていました。日本における生姜の栽培は奈良時代に始まったようです。
生姜に含まれる成分と効能
漢方にも用いられるなど健康食品として知られる生姜。ではどんな成分が含まれているでしょう。生姜に含まれる成分において、ジンゲロール、ショウガオール、ジンゲロン、精油成分の4つが重要です。それぞれの効果・効能をご紹介します。
生姜の成分と効能①:ジンゲロールは生姜の代表的な成分
ジンゲロールの効能は?
ジンゲロールは生の生姜に多く含まれている辛味成分です。ジンゲロールは、免疫細胞を活性化、殺菌作用、胆汁分泌の促進、抗炎症作用、吐き気・頭痛を抑える作用、老化を防ぐなどの効能があります。
ジンゲロールは酸化しやすい
ジンゲロールは酸化しやすい成分で、空気に触れて約3分後には消滅してしまいます。また加熱や乾燥をすることで別の成分に変わってしまいます。ジンゲロールを摂取したい場合は食べる直前にすり下ろす方法が効果的です。
生姜の成分と効能②:加熱することで発生するジンゲロン
ジンゲロンはダイエットや成人病予防の効果
ジンゲロールは加熱や感想することで別の成分が生成されます。そのひとつがジンゲロンという成分です。 ジンゲロンは、血行を促進する効果や血圧を安定化、新陳代謝の向上、脂肪の燃焼を促進、発汗作用などの効果・効能があります。ダイエットや成人病の予防の効果があります。
生姜の成分と効能③:加熱することで発生するショウガオール
がん予防の効果を持つショウガオール
ショウガオールも生姜を乾燥や加熱することで生成される成分です。 ショウガオールは体を温める効果、殺菌作用、ガン細胞の増殖を抑制、活性酸素の除去、中枢神経系の調整作用などの効能があります。
冷え性の改善には加熱した生姜が効果的
ショウガオールはジンゲロールよりも、体を温める作用が強いです。そのため冷え性の改善には、生の生姜よりも乾燥・加熱させてショウガオールを生成させた生姜の方が効果的です。
生姜の成分と効能④:生姜の皮にも効能あり
見逃せない生姜の皮の効能
生姜の皮の部分にも効能がある様々な成分が含まれています。健胃作用、腰痛、風邪、吐き気、発汗、利尿、解毒、むくみの改善などの効果・効能があります。
冷え性改善のための効果的な生姜の使い方
冷え性対策の正しい生姜の使い方
冷え性対策に生姜が効果的なのは有名ですね。しかし、使い方を間違って逆効果なんていうこともあります。冷え性対策のための正しい生姜の使い方を紹介します。
冷え性対策に生の生姜はNG
最も気をつけなければならないのが冷え性対策に生の生姜を使うことです。上記の成分で紹介した生の生姜に含まれるジンゲロールには冷え性改善の効能はありません。冷え性では身体の深部を温める必要があります。生の生姜ではその効果は期待できません。
冷え性改善には加熱した生姜を
冷え性に効果を発揮するのは加熱することによって生じるショウガオールの効果です。冷え性は血流が悪くなり、血の巡りが滞っている可能性があります。
ショウガオールは血管を拡張して血の巡りを良くしてくれる効果があります。ジンゲロールは身体の表面を温める効果を持ちますが、ショウガオールは身体の中から温めてくれるんですね。
生姜を加熱する際の注意点
生の生姜を加熱するとジンゲロールが冷え性に効果を発揮するショウガオールに変わります。しかし、この際の加熱時の温度にも注意が必要です。100℃以上の熱が加わると、ショウガオールが破壊されてしまいます。加熱時の温度には気をつけましょう。
乾燥生姜で冷え性対策!
家庭でも簡単にできる生姜の乾燥
ショウガオールを生成させる方法は加熱だけではありません。乾燥によっても生成させることが可能です。方法がわかれば家庭でも簡単に生姜を乾燥させることができます。その方法を紹介します。
レンジを使って簡単に乾燥生姜
乾燥生姜を作るにはレンジを使う方法が簡単です。 厚さ約3センチにスライスした生姜をレンジ600Wで8~9分ほど過熱するだけで乾燥生姜になります。しかし、レンジの種類によっては生姜が燃えてしまうこともあります。時々中を確認するなどして注意しましょう。
天日干しで乾燥生姜をつくろう
レンジを使わなくても乾燥生姜を作ることができます。生姜を皮ごと約1~2ミリほどにスライスします。あとは重ならないようにして1~2日天日干しにすれば完成です。冬であれば室内干しでも乾燥生姜をつくれます。
冷え性改善おすすめレシピ、生姜の上手な使い方
冷え性対策おすすめレシピをご紹介
冷え性対策には乾燥させた生姜か加熱した生姜が効果的なんですね。ではどういった取り入れ方があるでしょう。簡単にできるおすすめレシピを紹介します。
身体の芯から暖まる生姜湯
材料も少なく作り方もシンプルな生姜湯は冷え性対策の強い味方です。すりおろした生姜に熱い湯を入れて後はお好みでハチミツや砂糖を入れましょう。片栗粉を入れるととろみが出ます。
朝におすすめジンジャーココア
朝のココアに生姜を入れることで朝からポカポカの冷え性対策になります。牛乳に生姜を入れて温めて、最後にココアを溶きましょう。お手軽簡単にジンジャーココアの完成です。
冬に暖か生姜入りの鍋
いつもの鍋に生姜を入れることで美味しく冷え性改善ができます。調味料と一緒に生姜も加えましょう。後はお好みの具材で鍋に入れるだけ。冬におすすめの冷え性対策です。
まだまだある生姜の暖か絶品レシピ
おすすめ健康レシピ生姜のはちみつ漬け
はちみつも健康に良いとされる食材のひとつです。生姜とはちみつという2つの健康食材を使ったおすすめレシピをご紹介します。
生姜のはちみつ漬けの作り方
生姜のはちみつ漬けは簡単に作ることができます。皮を向いた生姜を適当な大きさをカットします。後は煮沸した瓶にはちみつを入れて生姜を漬け込むだけです。翌日から食べられますが、1週間くらい寝かせた方が良い味が出ます。
生姜のはちみつ漬けの使い方
完成した生姜のはちみつ漬けは、そのままお湯で割って飲んだり、ヨーグルトに混ぜたり、料理の際の調味料に使ったりなど様々な場面で活用できます。あなただけのお気に入りの生姜のはちみつ漬けの使い方を探してみましょう。
生姜のはちみつ漬けはどれくらい持つ?
生姜のはちみつ漬けは、3ヵ月くらいは食べられます。長く食べる場合は容器の煮沸消毒には特に気を使いましょう。常温保存も可能ですが、はちみつが減って生姜が出るようになったら冷蔵庫に入れることをおすすめします。
簡単美味しい生姜の佃煮
ご飯のお供に生姜の佃煮
生姜の佃煮も簡単に作れる料理です。保存もきいて、ご飯とも相性が抜群の生姜の佃煮の作り方をご紹介します。
生姜の佃煮の作り方1生姜を切って水を切る
生姜の佃煮には皮を向いて適当な大きさに切った生姜を使います。細かすぎず、太すぎずという大きさがおすすめです。お好みの大きさを見つけましょう。切った生姜は軽く茹でた後に、水切りをします。
生姜を煮て佃煮に
水気を切った佃煮にを煮ます。醤油、酒、みりん、砂糖を合わせた調味料を湧いてきたら生姜を投入します。落し蓋をして中火で10分くらい煮たら完成です。美味しく頂きましょう!
気をつけよう!生姜の副作用
生姜の副作用①:摂取しすぎは注意
生姜の副作用として摂取しすぎることよる胃腸の荒れがあります。生姜には胃や腸を刺激する作用があります。食べ過ぎでお腹を壊すこともあります。また生まれつき胃腸が弱い人も注意が必要です。
生姜の副作用②:妊婦さんや子どもは注意
生姜の副作用として妊婦さんや子どもも注意が必要です。乾燥したしょうがを過剰摂取するとお腹の赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があります。摂取について不安な方はお医者さんに相談しましょう。また、6歳以下の子どもも食品以外での摂取は控えた方がいいとされています。
副作用を起こさないために生姜の適量は?
生姜の副作用を避けるために生姜の適量を覚えておきましょう。生姜の適量は1日に5〜10グラムと言われています。生姜一欠片ほどになります。あまり多くはないですね。毎日少しずつ摂取するようにしましょう。
意外に知らない生姜の雑学①
生姜と新生姜の違いは?
生姜と新生姜の違いをご存知でしょうか?私達が普段見ている生姜はひね生姜と呼ばれるものです。ひね生姜は収穫してから2ヶ月以上保管されています。保管期間があることで、皮が堅く、繊維質も多めで、辛味が強くなっています。
新生姜は季節の食べ物
新生姜はその名の通り収穫してすぐに出荷されます。ひね生姜を保管期間を置かずにすぐに出荷したものを新生姜と言います。その他にも本来の収穫時期よりも早く夏に収穫したものも新生姜と言うようです。
新生姜を美味しく食べよう
新生姜はひね生姜よりもみずみずしく、辛味が弱いのが特徴です。この新生姜が保管期間を経て、ひね生姜になっていくんですね。 新生姜は夏から秋口までが旬の食べ物になります。見かけたら季節の野菜として美味しく頂きましょう。
意外に知らない生姜の雑学②
お寿司屋さんのガリの由来は?
お寿司屋さんに必ずと言っていいほどおいてあるガリ。これは生姜の甘酢漬けです。いつも何となく食べているガリ、その名前の由来をご存知でしょうか。ガリは食べた時に「ガリ」っという音がすることからガリと名付けられたそうです。 お寿司屋さんに言ったらつい話したくなる雑学ですね。
家庭菜園で生姜をつくろう
生姜の栽培方法
健康の強い味方の生姜を家庭で作れたら素敵ですよね。実は生姜は家庭菜園でも作ることができます。ただ生姜の栽培にはいくつか注意点があります。生姜栽培のポイントと注意点をご紹介します。
生姜栽培のポイント①:生姜は寒い地域とは相性が悪い
生姜の栽培は小さなスペースでもできますが、栽培の際にいくつかポイントがあります。生姜は元々が熱帯地域の野菜です。そのため、低音では育てることができません。生姜は25度〜28度が適温と言われており、15度以下では生育が止まってしまいます。 生姜は寒い地域での栽培は相性が悪いかもしれません。
生姜栽培のポイント②:直射日光も極力避けよう
生姜は熱帯地域の野菜のため直射日光と相性が良さそうですが、実はそうではありません。生姜は直射日光や強い光を避けて栽培しましょう。また多湿も乾燥も苦手な野菜です。水やりは土が乾燥する前にふんだんに行いましょう。
生姜の栽培ポイント③:生姜は連作できない
自宅で生姜を栽培する際には連作をしないように注意しましょう。生姜は最低4〜5年は栽培期間をあけた方がよいとされています。同じ場所や同じ土で栽培し続けることは出来ないんですね。またジャガイモとの相性が悪く輪作(一定の順序で循環して作付けする農法)は避けましょう。
健康野菜生姜のまとめ
生姜と上手に美味しく付き合おう!
生姜の成分や効能、効果的な使い方や美味しいレシピを紹介してきました。生姜は美味しいだけでなく健康効果がたくさんあるんですね。それぞれの用途に従って、適量を守りつつ、生姜と上手に美味しく付き合っていきましょう。