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ピーマンの育て方と栽培方法!気になる収穫までのコツと時期毎の管理とは

家庭菜園で育てやすいピーマン。庭や畑がなくても、プランター・鉢を使った育て方なら、ひと株から栽培できます。方法は簡単で、初めてでも大丈夫。追肥してあげれば、秋頃まで長く収穫を楽しめますよ! 追肥、ピーマンの育て方、栽培方法をご紹介します。
2020年8月27日
三ツ矢ナオ
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初めてでも大丈夫! ピーマンの育て方

家庭菜園の時期毎管理が分かる!

家庭でよく使う野菜のひとつが、ピーマンです。庭やベランダで栽培すれば、もぎたての新鮮なピーマンを毎日食卓に並べることができますよ。栄養満点で、料理の幅が広く、育てるのもさほど難しくないピーマン。初めての方でも、コツさえ押さえればきっと収穫できますよ。家庭菜園向きの育て方をご紹介します!

ピーマンの基本データ

あたたかい春~秋に栽培する野菜

ピーマンはナス科トウガラシ属の植物です。そういえば、シワのある身体がどことなく、トウガラシに似ていますよね。原産地は熱帯アフリカで、あたたかな環境を好みます。なので、霜の心配がなくなった春から栽培をスタートさせましょう。学名は「Capsicum annuum L.」といいます。

ピーマンの栄養

ビタミンCを豊富に含んでいます。カロテンも豊富で、赤色のピーマンは緑色のピーマンより栄養価が高いと言われているんですよ。料理の彩りにもなるので、サラダや肉料理にして、ぜひご家庭の食卓に取り入れたい野菜です。

ピーマンとパプリカの違いって?

よく似たピーマンとパプリカは、どちらもナス科トウガラシ属の野菜なんです。「じゃあ、どこが違うの?」という疑問にお答えします。

緑色のものがピーマン、黄色や赤色のものがパプリカ……という認識が一般的ですよね。味はピーマンのほうが苦く、パプリカは甘みが強いです。お子さまでも食べやすいのはパプリカでしょう。また、パプリカのほうが肉厚です。加熱調理向きなのはピーマン、生でもそのままおいしく食べられるのがパプリカなのです。

日本に入ってきた時期

パプリカは1993年から日本にも輸入されるようになりました。昔は日本になかった野菜なのです。「子供のころは見かけなかった」という方が多いのも、まだ輸入が開始されていなかったからなのですね。ちなみに日本でのピーマンの歴史は、戦後からです。

「カラーピーマン」はパプリカと違う

ピーマンの中には、パプリカのようにカラフルな色をした「カラーピーマン」があります。熟すと、黄色、赤、紫といった色になり、パプリカとややこしい存在です。でも、カラーピーマンはあくまで「ピーマン」ですから、パプリカとは違います。カラーピーマンはパプリカより小ぶりで、実の厚みもパプリカほどありません。

ピーマンとパプリカは、育て方が違うの?

ほぼ同じです。同時に育てる時は、名前を書いたタグを付ける等、どちらがどちらだか分からなくならないよう工夫しておきましょう。一緒に栽培することで、料理のレパートリーも広がりますよ。

ピーマンの育て方1.種まき

初心者さんは苗から育てることをおすすめしますが(種からの栽培はやや難易度が高いため)、種からでも育てることができます。

種まきの時期

3月~4月の温暖な時期になるまで待ってから、種まきをします。ただし、発芽温度は25℃~なので、この時期はまだ寒く、外にほったらかしていると厳しいです。ピーマンの種まきは、育苗箱を保温(25~30℃)できる環境のある方向きです。ただ、家庭菜園でもやりやすい裏技的な種まき方法もあります。詳しくは次の大項目をチェック!

種まきの方法

育苗箱に育苗用の土を入れ、種と種が重ならないよう5ミリ以上間隔を空けてまきます。種を覆う土は5ミリほどがベストです。たっぷりと水やりをしておきましょう。うまくいけば、1週間ほどで発芽します。

種まき後の移植

発芽後は、混み合った場所を間引きます。本葉が2枚になったところで移植しましょう。ポットへ移し、大きく育てていきます。

種まきのポイント


・温度管理をしっかりする ・夜間も20℃以上を保つ ・セルトレーにまくより、育苗箱にまいたほうが、温度管理しやすい ・種まき後2週間くらいしても芽が出ないなら、温度管理に問題がある可能性が高い ・温度管理が難しいなら、種からは栽培せず、苗を買ってきて5月に植え付けるのがおすすめ

家庭菜園でもできる!? 種まきの裏技的な方法

種まきを4月以降にする

苗の植え付けが遅れてもいいなら、4月に種まきをして、6月に植え付けるのが家庭菜園では一番簡単です! この時期の種まきなら、保温向きな育苗箱がなくても、ポリポットやセルトレーで育てられます。

種まきが遅いと、収穫も遅れるの?

収穫時期はちょっと遅れちゃいますが、夏野菜はどんどん実を付けてくれるので、あまり気にしなくても良いかもしれません。収穫時期の実付きの良さは、家庭では収穫が追いつかなくなることもあるくらいです。しかもピーマンは収穫できる時期がナスと共に長く、10月~11月になってもまだ実がつきます。

ピーマンの育て方2.土、プランターの準備

※種まきをせず、苗を買ってきて育てるなら、ここから読んでください!

プランター栽培の場合

ひとつの苗に対して、深さ・直径が30センチの鉢を用意します。横長のプランターであれば、2株植えるのに同様の深さと、70センチくらいの横幅が必要です。鉢の底には「鉢底ネット」を敷き、穴をふさぎましょう。底に穴が空いていないプランターや鉢は水はけが悪いので、なるべく使用を避けてください。その上から、底が見えなくなるくらいまで鉢底石を敷きます。鉢底石には軽石を用いると、鉢が軽くなり、移動させるのも楽ですよ。用意する土は、「野菜の土」と書かれている培養土でかまいません。ホームセンターで売っています。

地植え(露地栽培)の場合

地植えは植え付け後に場所移動をするのが簡単ではないので、ピーマンの好む水はけ・日当たりのよい場所をきちんと最初から探しておきましょう。場所が決まったら、石灰、緩効性肥料を元肥として施し、畝立てをします。地面より土が盛り上がるようにする作業です。畝立てをすると、水はけがよくなり、また人の通り道も確保しやすいですよ。余裕があればマルチングをするのがおすすめですが、家庭菜園ならそこまでしなくても、たまに雑草取りをしてあげるだけで育ちます。

プランター栽培と地植え、どっちがいいの?

プランター栽培のメリット

・場所移動ができる ・雨や台風の被害を受けにくい ・ベランダや玄関前の省スペースでも育てられる ・クワや鋤(すき)を使った土づくり、畝立ての必要がないから楽

プランター栽培のデメリット

・水やりが頻繁に必要 ・ピーマンに合ったサイズの鉢やプランター、鉢底石、鉢底ネットが必要

地植え(露地栽培)のメリット

・根が伸びて地中の水を吸い上げてくれるから、水やりがあまり必要ない ・ぐんぐん大きく育ちやすい

地植え(露地栽培)のデメリット

・土作りや畝立てが重労働で、初心者にはやや難しく感じられる ・庭や畑がないと難しい ・家庭によっては、庭を掘り返してみると土壌が地植えに向かないこともある(粘土質、ゴロゴロした石だらけ、等)

ピーマンの育て方4.苗の植え付け時期

がっちりしている苗を選んで買ってきたら(もしくは種まきから育てた苗が、10枚以上葉をつけるようになったら)、いよいよ植え付けを行います。この後は収穫まで基本的に植え替えないため、この作業は「定植」と呼ばれます。

最適なタイミング

5月上旬~下旬が望ましいです。4月頃から苗をホームセンターで見かけることもありますが、ピーマンは寒さに弱く暖かいのが好きな植物。早まって植えるのは危険です。最初の花が付いたときに定植するのが王道のタイミングだと覚えましょう。

ピーマンの育て方5.苗の植え付け方法

プランター栽培の場合


鉢底ネット、鉢底石を敷いておいたプランターや鉢に、野菜用の培養土を入れます。その真ん中にポットから抜いた苗を固定したら、溝を埋めるように土を注ぎましょう。根をほぐしてあげる必要はありません。土を入れるときは、ウォータースペースといって、水やりをしたときに土や肥料成分が流れ出ない余裕を設けておきます。鉢の縁ぎりぎりまで土を入れてはいけません。3センチくらい余裕を取っておきましょう。植え終わったら、たっぷり水やりします。

地植え(露地栽培)の場合

土を立てておいた場所に、ポットから苗を抜き取って植えつけます。株周りの土は少し盛り上げるようにしてください。たっぷりと水やりをして完了です。まだ寒さが心配な時期に植えた場合、ホットキャップで保温してあげると安心です。

ピーマンの育て方6.支柱立てと摘心

上へ上へとピーマンは伸びていきます。植え付け後には支柱立てをして、固定してあげましょう。

支柱立ての方法

ピーマンは勢いが強い3本の枝に沿って、支柱を立ててあげます。特に一番最初の花が咲いた枝はよく伸びるので、支柱で固定しましょう。誘引し、紐でしばります。下の方のわき芽は摘み取り、整枝します。

摘心について

4本仕立て~2本仕立てにすることもあります。2本仕立てにするときは、主軸の摘心を行いましょう。

ピーマンの育て方7.水やり

地植え(露地栽培)の水やり

ピーマンは地植えした場合、ほとんど人の手で水やりしなくても大丈夫です。特に、株が大きくなってからは、自分で根を伸ばして地中の水分を吸いこんでくれます。ただ、夏場の野菜ですから、暑い日は土が乾きやすくなります。雨があまり降らないようであれば、朝か夕方の気温が低い時間に水やりをしてあげましょう。

鉢栽培・プランター栽培の水やり

鉢栽培・プランター栽培の場合、水やりは土の表面が乾いたときに行います。

ピーマンの育て方8.追肥

追肥の時期

収穫が始まる頃に追肥をスタートさせます。

追肥の方法

2週間に1回くらい、化成肥料を4株に対してひと握りばらまきましょう。場所は株周りです。ばらまいたら、土にすき込んでなじませます。水やりを兼ねて、液体肥料を与えても良いでしょう。

ピーマンの育て方9.病気、病害虫

うどんこ病

うどんの粉をまぶしたかのように、ピーマンが白っぽくなる病気です。薬剤を散布しましょう。

アブラムシ

植物につきやすい、代表的な病害虫のひとつです。こちらも見つけたら薬剤を散布して対応します。

ピーマンの育て方10.収穫

栽培の醍醐味! いよいよ収穫

長い栽培のあとは、いよいよ収穫です! 実が大きくなってきたら、料理しておいしくいただきましょう。カラフルな色に熟したピーマンを収穫するには、少し時間がかかるので、1ヵ月くらい待ちます。


ピーマンの栽培を長く楽しむ方法

方法1.こまめに収穫する

畑を借りて、週末に家庭菜園を楽しんでいる……という方にとっては難しいかもしれませんが、できるだけ新しいピーマンができていないかこまめに見に行ってください。大きくなった実を放置せず、まめに収穫することで、株もちが良くなり、長く栽培できますよ。

方法2.追肥する

特に鉢栽培だと重要なのが、追肥です。水やりのたびに、肥料成分が流れ出てしまいますから、追肥で実を作る栄養を足してあげましょう。追肥を行うのは、収穫が始まるころから。2週間に1度、化成肥料か液体肥料を与えます。液体肥料の場合、水で薄めるのをお忘れなく。どれくらい薄めればいいのかは、パッケージに書いてありますよ。家庭菜園をされている方なら、液体肥料のほうが、省スペースで使い回しも効くので良いかもしれません。地植えの場合も、追肥は行いましょう。

方法3.「若採り」する

まだピーマンは充分大きくなっていない、若い状態で収穫してしまうことを「若採り」と言います。ピーマンは最初にできた実を若採りすることで、その後の実付きが良くなりますよ。たくさん実ができたときも、若いうちから収穫してしまいます。 実は、じっくり作物が大きくなるのを待っていると、次に見たら大きくなりすぎていた……なんてことは、家庭菜園でよくあることなんです。大きくなりすぎた作物は、種が目立ったり、皮が分厚かったりして食べ応えに欠けますから、収穫が遅れるよりは「若採り」してしまった方が良い、という考えもあるほど。やや好みの分かれるところではあるかもしれませんが、株を老化させたくないなら若採りがおすすめです。

ピーマンをおいしく食べる方法

方法1.ピーマンの肉詰め

みんな大好き、「ピーマンの肉詰め」! 苦みがあるからお子さまに嫌われがちなピーマンも、お肉と一緒にすれば食べてくれるかもしれません。画像のように、カラーピーマンと組み合わせれば彩りも抜群! さらにハーブをトッピングして、おしゃれに盛りつけるとGood。

方法2.お弁当の彩りに

肉や冷凍食品で、ついつい茶色くなってしまいがちなお弁当。葉物の野菜を入れても、シャキシャキ感が長持ちしないので、緑の彩りを加えるのって難しいですよね。そんなときこそ、ピーマンの出番! ピーマンは調理後、時間が経ってもおいしく食べられる野菜です。お弁当に溜まりがちな汁の影響も受けにくく、緑で明るい印象のお弁当にもできて、便利&万能です!

方法3.チンジャオロース

ピーマンはやっぱり、お肉との相性が抜群に良い野菜。お肉と一緒にもりもり食べられちゃうピーマン料理の代表が、チンジャオロースです。こちらもパプリカと一緒に炒めて、彩りを出しています。ピーマンを育てるなら、パプリカやカラーピーマンも一緒に栽培すれば、カラフルな料理が作れますね! 家庭菜園でたくさん採れすぎてしまったとき、たっぷりピーマンを消費するのにも向いているのがチンジャオロースなんです。

方法4.酢豚

酢豚にもピーマンが欠かせません! パイナップルの黄色、にんじんのオレンジが加わり、とっても彩り豊かです。こってりとした味がやみつきになりますね。肉と野菜を同時にたくさん採れて、エネルギーのつく料理です!

ピーマンの育て方まとめ

家庭菜園向きの野菜

ピーマンは家庭菜園向きの、簡単に栽培できる野菜です。おいしい実を収穫して、新鮮なうちに料理しましょう! ナスをはじめとした他の夏野菜との食べ合わせもよく、追肥をしてこまめに収穫すれば、秋あたりまで楽しむことができます。育てておいて損はない、家庭でおなじみの野菜・ピーマン。初めての方も、ぜひ挑戦してみてくださいね。