コデマリとは
春になると小さい花をびっしりとつけた小さいまり状の花を咲かせる昔ながらの名花といえば、コデマリですね。 コデマリは、小さし花ながらも細い枝葉がまったく見えなくなるほどたくさんの白い花を咲かせて枝垂れるようにして咲きます。 そんな真っ白な姿が美しく、よく庭木に選ばれています。 最近では生け花や、ドライフラワーを使ったアクセサリーなど、利用される幅も広がってきました。 そんな、春を代表する花木「コデマリ」についてここから紹介してきます。
科名
コデマリの科名は、バラ科・シモツケ属です。 バラ科の花なんですね。
学名
コデマリの学名は、Spiraea・cantoniensisです。
花名由来
コデマリの花名の由来は、コデマリ=小手毬と書く通りで、 小さな白の花が集まって咲く姿が、まるで手毬のように見えることからきています。 また、別名で、鈴懸(スズカケ)とも呼ばれることがあります。 これも鈴のように見えることから付けられていますね。
コデマリの品種・原種
コデマリの原産国や、品種などを紹介します。
原産地
コデマリの原産国は、中国南東部です。
分布域
中国・日本全土・九州となっています。
ヤエコデマリ
コデマリは、一重咲きですが八重咲きの品種もあります。 八重コデマリという品種で、花弁はコデマリよりも少し大きく八重咲きの愛らしい花がたくさんつきます。 女性に人気のコデマリの品種です。
コデマリの花言葉・開花時期
それでは、コデマリの開花時期や花言葉も見ていきましょう。
花言葉:「優雅」「上品」「友情」
コデマリの花言葉は、 ・「優雅」 ・「上品」 ・「友情」 でした。 確かに、コデマリの小さくもまとまった花姿を見ると「優雅」な気分にさせてくれますよね。 その花言葉の由来が気になります。
由来
コデマリの花言葉の「優雅」「上品」というのは、 透き通った白の小さな花がまり状になり、気品のある花姿に由来として、「優雅さ」や「上品さ」の象徴とされました。 また、小さな花たちが集まっているので「友情」という花言葉が付けられたようです。
開花時期
コデマリの開花時期は、4月~5月です。 開花してからは花期が長く、花もちがよいため生け花にも利用されます。
コデマリの育て方・栽培方法
それではここからは、コデマリの詳しい育て方を紹介していきます。
難易度
コデマリは、耐寒性が強い植物で、初心者でも育てやすい植物です。 土質も選ばず病害虫にも強いことから、ローメンテナンスの低木として知られています。 剪定の必要はありますが、簡単な手入れのみでローメンテナンスで長く花を楽しめます。
土づくり
コデマリは特に土質は選ばずに栽培することができます。 少し湿り気のある土のほうが育ちやすいため、腐葉土などで有機物を多めの土にしましょう。 また、湿り気のある土壌だとよく育ちます。 そのため、地植えにする時は庭の土が粘土質の多い場所でしかうまく育ちません。 鉢植えの場合は、赤玉土:腐葉土を7:3の割合で混ぜた土を使います。 どんな土でも大丈夫なので市販の培養土でもよいでしょう。
時期
花は春の4月から5月です。 紅葉は9月ごろから楽しむことができます。
植え付け
コデマリの植え付けは、2月中旬から4月頃、もしくは10月から11月が適期です。 コデマリは本来1~1.5mの低木である程度は大きく育ちます。 コンパクトに育てたい場合は、幼苗の1年生苗から鉢植えで育てられますよ。
鉢植え
コデマリは、若い苗ならば鉢植えでの栽培も可能です。 鉢植えで育てる場合は、苗よりも1回り大きな鉢に植え付けるとよいでしょう。 耐寒性はありますが、耐暑性にはやや弱く、夏の直射日光は当たらないように気を付けたほうがよいと思います。 鉢植えだと移動が可能なので、できれば夏場は半日陰の風通しのよい場所で栽培しましょう。
水やり
土の表面が乾いたらたっぷりと、を基本に水やりをします。 粘り気・湿気のある土のほうが育ちがよいので、夏場はこまめに土の状態を観察しましょう。
肥料
コデマリの肥料のタイミングは2回です。 2月頃に寒肥と、6月の花が終わった後にやるお礼肥で与えます。 寒肥は、休眠期が終わって根が活動を始めた時のために、最初に前もって冬に置き肥をするものです。 この場合は、油粕に骨粉を3割ほど混ぜた土をすきこみます。 また、お礼肥というのは化成肥料が適していて、花の後に消耗した株の体力を回復させる役割があります。 すぐに効くタイプの細かい化成肥料か、液体肥料を水に薄めて施すとよいと思います。
剪定
コデマリは剪定するのが必須条件です。 剪定の時期は、5月から6月に行うとよいと思います。 剪定する枝は、勢いが強い枝、長く伸びすぎたを、枝が分岐している根元のほうから切り落とします。 また、コデマリは毎年秋に伸びた新しい枝に花を付ける特徴があるので、時期は逃さずに早めに剪定をしたほうがいいでしょう。 また、枝がたくさん伸びすぎて込み合ってくると風通しが悪くなってしまいます。 そのため、すっきりとさせるためにも全体の3割ほどを短く強剪定して、風通しをよくしていきます。
増やし方
挿し木や株分けで増やすことができます。 コデマリの挿し木の時期は、3月頃です。 株分けに適した季節は、休眠で落葉中の11月から3月頃になっています。
場所
コデマリは、日当たりのよい場所を好みます。 しかし夏場の強い直射日光には弱いところがあります。 また、少しの日陰にも耐える健常さも持ち合わせているので日中はよく日が当たり、 夏場は半日陰の場所でもきれいに花を咲かせます。
挿し木
コデマリを挿し木する場合は、3月が適した時期です。 剪定の際に取った枝でも挿し木に出来ますが、基本的には3月に前年度に伸びた枝を10~15cm切り取って使いましょう。 1時間ほど切り口を水に浸けて給水させます。 その後、赤玉土に挿して日陰で養生させます。 発根促進剤などを含んだ水を給水させると成功率が上がります。
植え替え
地植えのコデマリの場合は、植え替えの必要はありません。 鉢植えでは根が回ってきた2~3年に1度、一回り大きな鉢に植え替えを行います。 株が大きくなりすぎてしまった場合は、株わけをして新しい枝に更新します。
コデマリの特徴
ここからは、コデマリの豆知識など詳しい情報を紹介していきます。
オオデマリとの違い
コデマリと聞くと、オオデマリの仲間だと思ってしまうと思います。 しかし、コデマリとオオデマリは全く違う植物です。 コデマリは「バラ科」に属しています。 しかし、オオデマリは「スイカズラ科」に属している全く違う科・属の植物なんですね。 しかし花姿はとてもよく似ていてるものです。 見分けがつきにくいですが、アジサイの季節と同じ時期に咲くのがオオデマリです。
コデマリの歴史
コデマリと同じシモツケ属の中は、ユキヤナギなどの比較的健常で育てやすい品種の低木が多く分類されています。 このシモツケ属には、花が美しい名花や花木が含まれていて、約100種類が分布されています。 その中でも日本に古くから親しまれてきたのがコデマリでした。 コデマリは、江戸時代に中国から渡り日本全土で広く栽培されてきた歴史があります。 そのため、野生種のように自生しているコデマリは大きくなっているものもあり、日本の気候によく合います。 育てやすいのも、江戸時代から栽培されてきた人気の秘密かもしれません。
紅葉
コデマリは広葉樹なので、美しい紅葉も人気の花木です。 冬は葉を落としてしまい寂しいですが、その分紅葉はとても鮮やかです。 四季を感じることのできる庭木ですね。
コデマリのその他おすすめ情報
コデマリは、寄せ植えには向きませんが切り花を使って生け花にはよく利用されます。 白の小さな花をいっぱいに咲かせて、清楚で可憐な印象を受ける花なので 生け花の材料には、とても適しています。 華やかさと上品度を兼ね備えたコデマリの花は、名わき役にもメインの花にもなります。 花持ちがよいので、他の草花との相性や持ちがよいのが特徴です。 コデマリの株が大きくなって、たくさん花を咲かせてきたら このように自宅で生けてみるのも楽しみになりそうですね。
まとめ
いかがでしたか? コデマリは花言葉も美しく、花姿は可憐で華やかさを持っています。 紅葉した姿も楽しめる低木の庭木なので、お庭に迎えると毎年花が楽しみになってしまいそうですね。 剪定も簡単なので、初心者でも栽培しやすい樹木でした。 庭木で低木の花を探している方は、ぜひコデマリに挑戦して見てはいかがでしょうか?