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ごぼう(牛蒡)の花言葉に驚愕!気になるネガティブ過ぎる花言葉の由来とは?

茶色く長細いイメージのあるごぼうですが、その花は普段目にする野菜の形からは想像できない姿をしています。そんなごぼうの花言葉は、驚くほどネガティブでした。どうして、なぜ、そんなにも?小首を傾げてしまうほど後ろ向きなごぼうの花言葉を、由来と共にご紹介します。
2020年8月27日
沢可
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ご存知ですか?ごぼうの花

皆さん、ごぼうはよく知っていますよね。煮物やきんぴら、サラダなどにすると美味しい、食物繊維たっぷりの根菜です。では、ごぼうの花はご存知でしょうか? 実はゴボウはキク科の植物。アザミに似た独特の形の、愛らしい紫色の花を咲かせるんです。ただしそれを見られるのは種を植えてから2年目のこと。1年で食用のごぼうとして収穫してしまう畑では見ることの出来ない、ちょっとレアなお花です。

このごぼうの花。ユーモラスな見た目とは裏腹に、とてもネガティブで切ないメッセージを花言葉にしているんです。一体どんな花言葉なのか、それをこれからご紹介したいと思います。

牛蒡(ゴボウ)という名の由来

ごぼうの花言葉に触れる前に、ごぼうという名前の由来について少しお話しましょう。ごぼうの名前は、漢字で「牛蒡」と書きます。この文字もまた、ごぼうの花言葉に関係があるのです。

牛蒡の文字は中国から

ごぼうの漢字表記「牛蒡」は、中国の漢語からそのまま持ってきたものです。それを音読みでごぼう、と読むようになったのだとか。 牛の字は、ごぼうの花が牛の尾に似ていることから。蒡の字はとても特殊で、食べられる草、という意味の特別な漢字のようです。たしかにお花の形をよく見ると、牛の尻尾の先のように見えないこともない…かもしれません。

ごぼうの花言葉①私に触らないで

ごぼうの花言葉として恐らく一番有名なのがこの言葉。どうか私に触れないでください、と丁寧に記すこともありますが、いずれにせよ強い拒絶の言葉です。 花言葉は時として愛の告白などにも用いられる情熱的な、あるいは希望に満ちた言葉が文字通り花の数ほどありますが、こんなにもネガティブで、それでいてストレートな拒絶を意味するメッセージにはなかなかお目にかかれません。


西洋での花言葉もそのままずばり「touch me not(私に触らないで)」。ごぼうの花とよく似ている、同じキク科のアザミにも「触らないで」という花言葉がありますが、あちらはどこか気高く孤高の印象を受ける花言葉が多いのに対し、ごぼうの花はどうにも後ろ向きで弱気な印象を受けます。

ごぼうの花言葉②いじめないで

続けて、こちらの花言葉も実にネガティブ。いえ、必死の訴えかもしれません。触らないで、いじめないで、どうか放っておいてください。そんな後ろ向きなメッセージが心に伝わってきてしまうようです。 あんなにもユーモラスで、それでいて慎ましやかな愛らしい花なのに、どうしてこんなにもネガティブな意味の言葉ばかりが並ぶのでしょうか。それにはごぼうの花のもうひとつの形と、本来の生息地が関わっていました。

ごぼうの花言葉のネガティブすぎる由来、その理由

西洋での名称は「いがのついた雑草」

ごぼうの花言葉は他に、「用心深い」「しつこくせがむ」などがあります。どれもこれも明るいとは言えない意味合いのものばかり。その理由は、ごぼうの花と実の形が由来でした。

ごぼうの花は、花をくるむ苞葉に柔らかいとげがついています。とげはやがて実の水分が少なくなるにつれ硬くなり、いがへと変化します。これが西洋でのごぼうの名称Burdock(いがのついた雑草)の語源であり、花言葉のネガティブメッセージの元なのです。

国花と雑草

同じキク科で、似たような花を咲かせるアザミとごぼう。このふたつの花につけられた花言葉に大きな違いがあるのは、アザミにはある逸話があるからです。

アザミの種子は固く、またとげは鋭く、踏めば大の男も悲鳴を上げる。そんなアザミの実を踏んでしまった哀れなヴァイキングたちは、上げた悲鳴を聞きつけたスコットランド兵たちによって侵略を阻止されました。スコットランドに伝わる、国の花・アザミの古い言い伝えです。


しかし、ごぼうの種子にはアザミほどの強さはありません。大掛かりな逸話もありません。ユーラシア大陸ではさほど珍しくもない種で、しかも一部の地域以外では食用にすることもない。 ごぼうでなくとも、ここまで明確に区別されてしまえば後ろ向きにもなろうというものです。殻に閉じこもってしまっても仕方がありません。

いがのとげ

ごぼうのいがの使い方は、動物などにそのとげでくっつき、より遠くまで運ばれようとするものです。花言葉のひとつ「しつこくせがむ」は、一度くっついたら取るのが大変な様子から生まれたのでしょう。 またいがにびっしり生えたとげは、触るのを思わずためらってしまう見た目をしています。そのことから、「用心深い」「触らないで」「いじめないで」などの花言葉が生まれたのだと思います。

しかしだとすると、ごぼうの花言葉の意味は、単純にネガティブな言葉ではないのかもしれません。もっと優しく、温かいメッセージが隠れているのではないでしょうか。 たとえば「私に触らないで」。これがいがの鋭く見えるとげの見た目から発祥したならば、次に続くメッセージは「あなたが傷ついてしまうから」など、相手を慮る言葉が繋がるのではないかと考えることもできます。 「いじめないで」のメッセージには、「どうか見た目で判断しないで、優しくしてください」というごぼうからの切実な願いが込められているように思えてきます。

ごぼうの花言葉③人格者

またごぼうの花言葉には、ネガティブでないものも存在します。それが「人格者」という言葉。これは、昔から野菜として食してきた日本人には生み出せなかった花言葉です。なぜかといえば、ごぼうは日本と一部地域を除いて食用野菜ではなかったからです。

薬の材料として扱われてきたごぼう

西洋では、昔からごぼうは食用野菜ではありませんでした。では一体なんだったのか。欧米のほとんどではただの雑草でしたが、一部のヨーロッパでは身近なハーブとして、また中国などでは生薬の材料として親しまれてきたのです。


その効用は利尿、発汗作用や、にきびなどの皮膚疾患の治癒促進。新陳代謝を促したり炎症予防の他に抗菌作用もあるようで、近年ではガンの予防に取り入れられないか研究されているほどです。 基本的には食用と同様に根を使いますが、解毒効果やむくみへの作用には種子を使うことも。地域によっては葉が食用に使われたりもするそうです。この優秀な薬効が、3つめの花言葉の語源なのです。

どこにでも咲いている強い味方

自生しておらず、人工栽培とそこから種が飛び野生へ帰化したものしかない日本と違い、ユーラシア大陸にはメジャーな植物だったごぼう。 まだ医学の発展が途上で医者にかかるのも苦労する時代に、どこにでも咲いていて、風邪やにきびなど身近な怪我や病気に対応してくれるごぼうは、まさにどんな相談も真摯に聞いて解決してくれる「人格者」のようだったのでしょう。

また、その薬効の高さにもかかわらず薬としての知名度が低かったことも、人格者という言葉を得るのに相応しいと当時の人々に思われたのでしょう。 他人からの評価に左右されず、自分の仕事を十全にこなす。人格者の名に相応しい人物は、もしかしたらごぼうのようにひっそりと野に埋もれているのかもしれません。

ごぼうの花言葉・まとめ

いかがだったでしょうか?「触らないで」「いじめないで」「しつこくせがむ」と、一見わがままに思えるごぼうの花言葉。しかしそれは、とげとげした見た目から生まれた誤解がそのまま花言葉になっていたのです。 実際のごぼうという花は、周囲の悪評に怯むことなく救いを求める声に応える、正しく人格者のような花でした。そしてごぼうの薬効で救われた人たちから与えられた「人格者」という花言葉も、ネガティブな花言葉があったからこそ生まれたのでしょう。

もしもごぼうの花を見る機会があったら、ネガティブとポジティブ、正反対の意味の花言葉を思い出してください。そして自分がこの花に花言葉をつけるなら、どういうメッセージを綴るだろうかと想像してみるのも、きっと楽しいと思いますよ。