スイカってどんな果物?
スイカとは、ウリ科スイカ属に分類されるつる性の植物で原産地はアフリカです。夏によく食べられている甘くて、緑と黒の縞模様が特徴的な野菜です。そんなスイカですが、実は昔は黒一色や緑一色のものがほとんどでした。 スイカは、つるを伸ばして成長していきます。品種によって見た目は様々ですが、果肉の90%は水分が含まれています。夏の水分補給にぴったりの野菜ですよね。
スイカは野菜?果物?
スイカが野菜なのか、果物なのか疑問に思ったことが一度はあるのではないでしょうか?実はスイカは「野菜」に分類されています。ですが、食事の最後に出されることが多いので果物という認識をしている方が多いです。
野菜と果物の分け方は実は決まっています。農林水産省で4つの特徴を持っている植物を野菜と定めています。その4つの特徴とは、「草木性であること」「畑で栽培できること」「食べるための加工が不要」「副食物に使用できる」です。スイカはこの4つに当てはまるので野菜に分類されています。
スイカの花言葉
花言葉「かさばったもの」
スイカの花言葉には、「かさばったもの」「どっしりしたもの」という花言葉があります。この二つの花言葉の由来は、スイカが重くてどっしりとしている姿からつけられています。スイカは手に持ったときずっしりと重みが伝わりますよね。スイカは重ければ重いほどおいしいといわれています。
スイカの開花時期と旬の季節
スイカの旬の時期は夏です。開花時期は6月で、6月に花を咲かせた後7月~8月頃にずっしりとおもい実を付けます。スイカには小玉スイカと大玉スイカがあり、小玉スイカのほうが収穫が早いです。
一見、スイカは暖かい地域しか育てられないと思いがちですが、実は寒い地域でも育てることができます。国内でのスイカの生産量は、4割ほどが熊本県や山形県などが占めています。
スイカは家庭菜園で栽培できる?
スイカは家庭菜園で栽培できる!
スイカの栽培は、家庭菜園で行うことができます。もちろん、品種によって育て方の方法も変わってきます。家庭菜園に向いているのは、小玉スイカです。狭い場所でも育てることができて、育て方も簡単です。家庭菜園でチャレンジする夏の野菜にぴったりです。もちろん、ほかの品種でも家庭菜園で育てることもできますよ。
スイカは育て方や栽培のコツをしっかり守って育てることで、甘いスイカを収穫することができます。剪定や水やりを行ったり、害虫対策などをしてあげなければいけません。家庭菜園を初めて行う人にはすこし難しさを感じてしまうかもしれませんね。
スイカの栽培できる品種と種類
1「大玉スイカ(赤肉系)」
大玉スイカとは、平均3kg~5kgほどの大きさのスイカです。大きいものになると9kgになることもあります。真っ赤な果肉はとても水分を含んでいて、甘みもしっかりあります。しゃりっとした歯ごたえもまさに「スイカ」を感じることができます。 「紅まくら」や「祭ばやし」などの品種がよく販売されています。
2「小玉スイカ(赤肉系)」
小玉スイカは、手のひらに収まるほどの大きさのスイカです。重さは約3kg未満のものがほとんどです。一人で食べる分には十分な大きさで、値段もお手頃価格です。薄い皮と甘い果肉が特徴的で、かわいらしい見た目も人気です。プランターでの育て方も簡単な品種です。 「ひとりじめ」や「金福」などの品種がよく販売されています。
3「黄肉スイカ」
黄肉スイカとは、別名「クリームスイカ」といわれているスイカです。果肉がきれいな黄色で、最近の品種改良によって甘い果肉のものが販売されています。 「ひまわり」や「ゴールドマダーボール」などの品種がよく販売されています。
4「角形スイカ」
角型スイカは、育て方に特徴があります。スイカの成長途中で型にはめて形を作っていきます。角型スイカの他にも、ハート形や三角など様々な形のスイカがあります。プレゼントの贈ると喜ばれそうなスイカですね。
スイカの栽培方法のポイント
今回の記事では、家庭菜園で栽培しやすい品種「小玉スイカ」の育て方について説明していきます。小玉スイカを栽培するコツについて説明していきます。
小玉スイカの栽培のコツ
小玉スイカの育て方のコツは、「追肥」にあります。小玉スイカは、「果実が大きくなる時期」に追肥を与えることが育て方のコツです。 実は大きくなりはじめたタイミングで追肥を与えることによって、おいしいスイカを作ることができます。スイカの実は大きくなりはじめてくると急速に成長が進んでいきます。その時期に追肥を与えることを忘れてしまわないようにしてあげてください。 「追肥を忘れないこと」が育て方のコツです。
スイカの栽培方法1「植え付け方法」
スイカの植え付けには、種まきと苗植えがあります。その二つの植え方について説明していきます。
種まき方法
小玉スイカの種まき時期は3月~4月です。畑やプランターに直接種を蒔くこともできますが、育苗ポットで苗を育ててからプランターなどに植え付ける植え方のほうが生育がそろいやすくなるのでおすすめです。これから育苗ポットで苗を育てる方法について説明します。
種の植え方について説明します。 まず、育苗ポット(3号がおすすめ)に赤玉土(小粒)や種まき用培養土を入れていきます。種の植え方は、中央に指で穴をあけて2粒ずつ種を植えていきます。種を植え終わったら、上から土をかぶせて水やりを行ってください。この時の水やりはたっぷり行ってくださいね。 土が乾いてしまわないように水やりをして管理していきます。温かい場所で管理してください。発芽してからは、土が乾いてから水やりを行います。本葉が4枚になったらプランターや地植えに植え付けてあげてください。
苗の植え方(プランター)
苗を手に入れたら、プランターや地植えにしていきます。プランターへの植え方について説明します。プランターの大きさは、90cmのプランターに2株が目安です。土は、野菜専用培養土を使用すると初めから肥料が入っているのでおすすめです。 プランターに土を入れたら苗がすっぽりと入るほどの穴をあけます。苗の植え方のコツは、浅植えの植え方で植えることです。植え付け後は水やりを行ってください。
苗の植え方(地植え)
地植えを行う場合は、植え付けの2週間前から土作りを行います。苦土石灰を1㎡あたり100g混ぜ込んでいきます。よく耕したら、その1週間後に堆肥2kg、100gの化成肥料を混ぜ合わせていきます。土作りが終わったら、畝を作りましょう。幅90cm~150cm、高さ20cmの畝を作ってください。
植え付けは、スイカの苗が90cm以上間隔があくように植え付けていきます。ここでも浅植えで植え付けておきましょう。寒さに弱いため、マルチングをしてあげてください。
スイカの栽培方法2「水やりと肥料」
水やり
水やりの方法について説明します。苗を植えてから2週間くらいは乾燥してしまわないように水やりを行います。 2週間目以降の水やりは、地植えの場合水やりの必要がほとんどありません。プランターの場合は、土の表面が乾いたら水やりを行ってあげてください。
肥料
スイカの栽培に必要な肥料について説明します。植え付けのときに十分な量の肥料を土に混ぜておけば追肥の必要はありません。なので、植え付けの時に肥料をたっぷり混ぜ込んでおくのが上手に育てるコツです。 追肥のタイミングは、株の成長やスイカの実がなってきたタイミングで追肥を与えてあげます。実がこぶしほどの大きさに成長したら野菜用に化成肥料を与えてください。スイカの栽培のコツでも紹介したように、追肥を与えてあげるタイミングを間違えないようにしっかり与えてあげましょう。
スイカの栽培方法3「支柱立て」
小玉スイカはつるをどんどん伸ばして成長する植物です。なので、植え付け時に支柱も一緒に準備しておきましょう。プランターで栽培するときは、とくに支柱は必要です。スペースが狭いので、空中栽培が行えるように支柱をたててあげなければいけません。 支柱と一緒に麻ひもも準備しておくと、つるを支柱に結ぶのに便利ですよ。
スイカの栽培方法4「剪定」
スイカは、つるを伸ばしていくので剪定をしてあげる必要があります。他にも、剪定をすることによって小玉スイカの収穫量を減らし、栄養をいきわたらせるようにする役割もあります。剪定方法を説明します。
摘心方法
摘心は、脇芽を増やしてあげる役割があります。脇芽を増やしてあげれば、収穫量を減らすことができます。摘心の方法を説明します。まず、親づるが5節ほど育ったタイミングで摘心を行います。つるの先端を摘み取り、小つるを増やしていきます。小つるが生えて来たら、3本ほど生育の良いものを選んで他のつるは摘み取ってあげてください。 摘み取るときは剪定ばさみを使用してください。
摘果方法
摘果は、剪定のなかでも重要な作業です。スイカは、一つのつるに対して一つの実だけを育てるようにしてあげます。複数の実が育ち始めたら、実が一つになるように剪定してあげてくださいね。こちらも剪定ばさみを使用してくださいね。
スイカの栽培方法5「収穫」
人工授粉の方法
小玉スイカはか、人工授粉を行わなくても勝手に受粉してくれます。しかし、人工授粉してあげると実がなる確率が上がります。なので、できるかぎり人工授粉してあげてください。人工授粉の方法について説明していきます。
人口受粉は、雌花にその日咲いた雄花を摘み取って花粉を付けていきます。綿棒で雄花の花粉をとって雌花につけても受粉できます。雄花と雌花の違いは、花の付け根にあります。花の付け根が膨らんでいる花は、雌花です。雌花と雄花を間違えてしまわないようにしてくださいね。
収穫方法
スイカの収穫方法について説明します。小玉スイカは、花を咲かせてから約40日後に収穫することができます。収穫できるかどうかの確認は、スイカの実をたたいて判断します。スイカの実をたたいたとき、低い音がすれば収穫時期です。収穫時期は、叩いて確認するようにしてください。スイカの収穫の時期を間違えないようにしてくださいね。 収穫の時は、剪定の時に使用した剪定ばさみを使用しても問題ありません。
スイカが割れてしまう原因と対策
いよいよ収穫、というときにスイカの実が割れてしまっている場合があります。大切に育ててきたスイカが割れていたらとてもショックですよね。どうしてスイカが割れてしまうのか、その原因と対策について説明してきます。
原因
スイカの実が割れてしまう現象のことを「裂果」といいます。スイカが割れてしまう原因は、ほとんどスイカの性質からくるものなので病気にかかっていたというものではありません。スイカの割れてしまう原因は、スイカの成長速度の差によって割れてしまいます。小玉スイカは特に皮が薄いので割れてしまいやすいです。
スイカの成長速度の差は、土の水分にあります。スイカは乾燥に強いので水が少なくても問題はありません。そして、スイカの実ができた後は水やりを今まで以上に控えることによって甘くスイカを作ることができます。 スイカを甘く育てるために水やりを控えているときに、雨などで急激に水を与えてしまうとスイカの中と外で成長の速度が変わってしまいます。このことが原因でスイカが割れてしまうことが多いのです。では、スイカが割れない対策につてみていきましょう。
対策
スイカが割れてしまわない対策として、水を与える量を急激にかえないことが大切です。水を与えすぎないようにすることはもちろん、雨などで必要以上の水分をスイカに与えないようにしてあげなければいけません。 プランターの場合は、雨の時はプランターごと移動させてあげましょう。地植えの場合は、水が土に染みこんでしまわないようにマルチを畝に敷いてあげても対策になります。
マルチは、雑草の繁殖も抑えてくれたり、温度の上昇も抑えてくれる働きをしてくれます。地植えの場合は、マルチをしておくことをおすすめします。皮が薄い品種はやはり割れやすいので、十分に気を付けてあげてください。割れにくい小玉スイカの品種は、「ひとりじめ」などです。
スイカが大きくならない原因と対策
土と肥料
スイカが大きく育ってくれない原因の一つに、土作りが挙げられます。スイカは、栽培期間も長く、つるをたくさん伸ばします。そのため、肥料をしっかりと土になじませておかなければいけません。大きく育ってくれなかった場合は、土作りと追肥を見直してみましょう。
追肥は、効き目の早い化成肥料を使用してあげましょう。追肥は、スイカの実を大きく育てるために重要なものです。追肥のタイミングや時期を間違えないようにしてくださいね。
実を制限していない
スイカは一つのつるに対して、一つの実だけを育てるようにしてください。制限をしてあげることによって、一つの実に栄養が集中して届けることができます。このような育て方で育てると、甘くて大きいスイカを収穫することができます。
スイカの栽培で気を付けたい病気と害虫
連作障害
スイカは、同じ土に植え続けると連作障害にかかってしまう植物です。連作障害にかかってしまうと、生育不良を起こしてしまいます。同じウリ科だと連作障害が起こってしまいます。 同じ場所で栽培する場合は、5年ほど間隔をあけてあげるようにしてください。土を入れ替えてあげるのも予防の一つです。
うどんこ病
うどんこ病は、茎や葉がうどんの粉をまぶしたようになってしまうカビが原因の病気です。真夏の高温時期以外の時期にかかりやすいです。粉上のカビが株の全体にいきわたってしまうと生育不良を起こしてしまいます。光合成ができないほかに、栄養を奪われてしまいます。 甘みの少ない小さな実を付ける原因になります。しっかり病気の対策を行っておきましょう。風通しがよくなるような植え方をしたり、剪定を行うなどの工夫してあげましょう。被害にあった場合は、殺菌剤を使用してください。
炭疽病(たんそびょう)
炭疽病は、梅雨の時期に起こりやすい病気です。梅雨明けから葉や果実に黒の斑点を見つけたら、炭疽病にかかっていることを疑ってください。病気なっている葉はすべて取り除いておきます。殺菌剤をまくことで、病気の拡大をふせぎます。水やりをした時に土が跳ね返ってしまい、その土から感染する場合もあります。マルチなどをしておくとそれだけでも予防につなげることができますよ。
ウリハムシ
ウリハムシは、8mmほどの大きさのオレンジ色の虫です。幼虫は葉を、成虫は葉や実を食べてしまいます。このウリハムシは、農薬に耐性があるものもいます。なので、発生した場合は手作業で取り除いていくほうが確実です。
ワタヘリクロノメイガ
ワタヘリクロノメイガは、背中に2本の白いすじが入っている緑色の芋虫です。この芋虫から羽にしろい模様が入った蛾に成長していきます。5月~10月に3回ほど発生します。幼虫は葉や実を食べてしまうので駆除する必要があります。このワタヘリクロノメイガは農薬に強いので、見つけ次第葉ごと切り取って駆除していきます。防虫ネットをかぶせておくことも予防になりますよ。
家庭菜園で栽培してスイカを楽しもう!
スイカは、意外なことに家庭菜園でも楽しむことができます。スイカと聞くと、大きな畑が必要なイメージがありますよね。この記事を読んでそんなイメージが変わってくれれば幸いです。 スイカは、大玉スイカより小玉スイカを家庭菜園で栽培することをおすすめします。小玉スイカのほうが育て方が簡単で、収穫時期も早く来ます。小玉スイカは手のひらに収まるサイズなので、小さく食べごたえがないと思っていませんか?小玉スイカは皮がとても薄いので意外と食べられる部分は多いんです。
小玉スイカの植え方や追肥の与え方を間違えないようにすれば、簡単に育てることができます。小玉スイカの栽培になれたら、今度は大きなスイカの栽培を行ってみるのもいいですね。小玉スイカの大玉スイカも育て方はほぼ変わりません。スイカを栽培して夏を満喫してみてはいかがでしょうか?