ブルーベリーってどんな植物?
ブルーベリーはツツジ科スノキ属、北アメリカが原産の落葉果樹です。ドウダンツツジのような花も鑑賞価値があります。
樹高は3m近くなりますが、品種によっては1.5mくらいのコンパクトなものもあり、剪定でコンパクトに育てることが出来るため、鉢植えでも気軽に育てられます。
日本に自生するクロマメノキやコケモモも同じ仲間の植物です。ツツジ科の植物の特徴である酸性土壌を好み、根が浅く乾燥に弱い傾向はブルーベリーも同じです。栽培の仕方は簡単で、病害虫もあまりなく、味もよく収量も多い人気の果樹です。
ブルーベリーの品種とその比較
ブルーベリーは大きく分けてノーザンハイブッシュ、サザンハイブッシュ、というハイブッシュ系とラビットアイ系の品種があります。どちらもお勧めの人気品種があります。
比較すると皮が薄く食味がよいのがハイブッシュ系、丈夫で暑さや乾燥にも強く収量が多いのがラビットアイ系のブルーベリーになります。どちらも人気があります。住んでいる地域の気候と相性が合ったものを選んで楽しみましょう。
ハイブッシュ系ブルーベリー
ハイブッシュブルーベリーは生食用に栽培される食味に優れた品種です。長らく暑さに弱く寒い地域に向いた品種と言われてきましたが品種改良も進み、今では日本全国で栽培が可能です。
同じハイブッシュ系ブルーベリーの中に、ノーザンハイブッシュ、サザンハイブッシュと言う品種系統があります。どちらも収穫時期は6月〜7月です。サザンハイブッシュブルーベリーはノーザンハイブッシュと比較して気温が高い地域でもよく育ちます。
比較的新しいブルーベリー品種の系統です。東北以北の寒い地域はノーザンハイブッシュがおすすめです。
ラビットアイ系ブルーベリー
ラビットアイ系のブルーベリーはハイブッシュ系と比較して、暑さや乾燥に強く、土壌の酸度もあまり選ばない特徴があります。ブルーベリーの中では適応性のある品種になりますので、初心者におすすめです。
ラビットアイの収穫時期は7月〜9月です。ハイブッシュ系と比較して収穫時期が遅いので二つの系統を上手く組み合わせて育てると長く収穫を楽しむことが出来ます。完熟前の実がウサギの目の様に赤くなることからラビットアイと名前がつけられたそうです。
ブルーベリーの育て方
1.苗を購入する
ブルーベリーは苗から育てます。気軽に楽しむならホームセンターや楽天やAmazonなどのネットショップでも購入出来ますし、品種にこだわりたい方は下記に紹介する育苗業者で苗を入手することをおすすめします。
2.ピートモス主体の酸性土壌に植える
ブルーベリー栽培には酸性土壌が必要です。ピートモス主体の土に植えるのですが、初心者の方はブルーベリー専用用土も販売されていますので、そういったものを利用すると安心です。
3.水を切らさない
ブルーベリーは細根が浅く広がるため乾燥に弱いです。土が乾き始めたらたっぷりと水やりしましょう。夏場は朝夕二回の水やりをします。また土の表面にマルチングをするなどして乾燥を防ぐとよいです。鉢植えだったら夏場などには特に、こんな給水グッズを利用してもよいかも知れません。
ブルーベリーの苗を入手するには
ブルーベリー苗の状態について
販売されている苗は多くは1年生〜3年生の間のものです。写真はかなり大きなラビットアイ系の苗です。大きくなればなるほど価格も上がります。2年生か3年生以上のものが価格も手ごろでよいでしょう。
育てられるか心配、と言う方は枝張りが充実した3年目以降の株を入手することをおすすめします。苗には根が丈夫な品種の台木に接ぎ木した接ぎ木苗と、挿し木苗があります。ブルーベリーは挿し木でも増やせます。
ブルーベリーの苗の入手時期
苗の購入や植え付けの時期は11月〜2月を目安にします。この時期のブルーベリーは葉も落ちて枝だけの状態のものがほとんどです。素っ気ない感じがしますが、他の落葉果樹と同様、株が休眠している間に植え付けをします。
3月でもギリギリ間に合いますが、気候や個体差で場合によっては3月には休眠を終えて苗が活動を始めるので、2月の内に植え付けを済ませるのがおすすめです。
そうは言っても、やっぱりブルーベリーの実をすぐに楽しみたい!と言う方は、春になると観賞用の実付きブルーベリーの鉢植えが出回りますので、そういった苗を購入するのがおすすめです。実際に品種毎に葉や実の形、大きさにも特徴がありますので、比較して購入出来る点はお勧めです。
但し、園芸店で販売されている実が沢山ついている鉢植えは、2年生か大きくても3年生のものが多く、この時期にたわわに実をつけると、株が弱くなるので、実を早めに収穫して、なるべく株の体力を消耗しないようにしてあげましょう。
ブルーベリーの苗の入手先は?
ブルーベリーの苗は、楽天やアマゾンでも気軽に入手出来ます。品種名も明記されているので、お住まいの土地の気候と相性のよい品種を選ぶとよいでしょう。
最新品種や品質のよい苗をしっかり選んで購入したい人は、信頼のおけるナーセリーで希望の品種の苗を購入しましょう。株も充実していておすすめです。初心者の方で、まずは実物を見て、安価に試して見たい、という人は、ホームセンターなどでも春先に苗を入手出来ます。
最新品種のブルーベリーを入手したいなら
最新品種の紹介にも力を入れているブルーベリー専門のナーセリーがいくつかあります。オンラインショップがあり、ブルーベリー栽培の情報が充実していたり、資材が販売されていたりします。写真はピンクレモネードという品種でブルーベリーですが赤い実がなります。
身近な品種のブルーベリー苗はホームセンターもおすすめ
季節になるとホームセンターのガーデニングコーナーもブルーベリーの品種の品揃えが充実します。全国に店舗があるコメリはオンラインショップでもブルーベリーの苗を販売しています。ホームセンターとしてはかなり品種が充実していて、価格も安く苗を入手出来ます。
ブルーベリー品種の選び方
ブルーベリーは家庭でも栽培しやすい果樹ですが、気温、土壌と相性のよい品種系統の特徴や選び方を知っておくことは肝心です。選び方のポイントをいくつか以下にまとめますので参考にして下さい。3つのポイントを押さえれば比較的、というかかなり栽培しやすい果樹で収穫もたくさん出来ます。
土地の気候との相性を考えた選び方
涼しい気候と相性がよく、主に関東以北で栽培されているのがノーザンハイブッシュ系のブルーベリーになります。耐寒性が強いのですが、その分暑さに弱い系統です。ただし味はハイブッシュ系のブルーベリーが人気です。
ラビットアイ系のブルーベリーと比較して皮が薄く、種がほとんど気にならず、口当たりがよく、香り、食味に優れています。
サザンハイブッシュは暑さにも耐性があるという特徴があり、日本全国で栽培可能と言われています。味もハイブッシュ系の特徴の美味しさをしっかり持っていて、近年人気の品種です。
気温の高い地域でもハイブッシュ系のブルーベリーの味を味わいたい方はサザンハイブッシュ系の品種がおすすめです。比較的新しい系統の品種ですので苗の入手はブルーベリー専門のナーセリーがおすすめです。
ラビットアイ系のブルーベリーは暑い地域で栽培されてきた品種です。丈夫で土壌適応性もあり、初心者の方にはおすすめとされています。
ラビットアイ系のブルーベリーは果実の皮がノーザンハイブッシュ系のブルーベリーと比較して少し厚く、食べたときに種の粒が口の中で気になり、食味の点で今一つと言われてきました。
近年は品種改良がすすみ、種のザラつきがほとんど気にならない、大粒で食味に優れ、収量も多い、という言うことなしの特徴を持った品種も栽培されています。
受粉を考えた選び方:ブルーベリーは2品種選ぶ
ブルーベリーは自家受粉があまり得意ではない、あるいは自家受粉しない、という特徴を持っています。ノーザンハイブッシュ、サザンハイブッシュは自家受粉で実がなりますが、自家受粉が得意というわけではなく、やはり2品種植えてあった方が実が大きく、味もよく、収量も増えます。
ラビットアイ系の注意点
ラビットアイは自家受粉しませんので、必ず同じラビットアイ系で相性のよい2品種を栽培する必要があります。受粉樹としてはティフブルーやパウダーブルーといったベーシックな品種がおすすめといわれています。
選び方が分からない方は、楽天やAmazonなどだと初めから相性のよい品種が2〜3種セットで苗が販売されているので、そういったセットもおすすめです。
土壌との相性を考えた選び方
ブルーベリーは酸性土壌を好む特徴を持っています。栽培において、庭や畑に植える場合は土壌の酸度が重要です。アルカリ性の土地は向きません。ph4.5〜5.2の酸度が必要になります。
通常の土地でも酸度無調整のピートモスを植え付けの際には土にたくさん投入して酸度を調整しますので、もともとアルカリ性の土壌の場合はポット植えの方が地植えと比較して管理が楽になるでしょう。
特にハイブッシュ系はしっかり酸性の土を好みます。ラビットアイは土壌の酸度に対しては比較的寛容な特徴を持っています。土壌との相性について、系統の持つ特徴を考えた選び方は重要です。
ブルーベリーの人気おすすめ9品種の紹介
ブルーベリーの品種の選び方も分かったところで、実際にどんな品種が育てやすく、味も美味しいか、系統毎の人気品種、おすすめ品種をいくつかピックアップしました。
家庭で楽しみのために栽培する目的をベースにしていますので、たくさんある品種の中から際だった特徴のあるもの、育てやすいものを紹介します。選び方の参考にして頂ければと思います。
人気おすすめブルーベリー品種①
詳細
系 統:ノーザンハイブッシュ系ブルーベリー 品種名:チャンドラー 果 実:特大 受 粉:自家結実しますが相性のよい受粉樹があると果実の収量、品質がよくなります。
最大級の大きさの実
500円玉大の実がなるブルーベリー。他の品種と比較して、最大級の大きさで、味もよいので人気の品種です。大粒の実を収穫するために少し摘果した方が一粒一粒が充実します。大粒の実がなるからでしょうか、枝振りもしっかりした品種です。
人気おすすめブルーベリー品種②
詳細
系 統:ノーザンハイブッシュ系ブルーベリー 品種名:スバルタン 果 実:特大 受 粉:自家結実しますが相性のよい受粉樹があると果実の収量、品質がよくなります。
味、香り共に人気
比較するとチャンドラーよりわずかに小ぶりですが、こちらも大粒の実がなる品種です。味、香りともによいので、個人の愛好家の間でも人気の品種です。
人気おすすめブルーベリー品種③
詳細
系 統:ノーザンハイブッシュ系ブルーベリー 品種名:ダロウ 果 実:特大 受 粉:自家結実しますが相性のよい受粉樹があると果実の収量、品質がよくなります。
大粒で濃い味
大粒で味の濃い、酸味のしっかりした実がなります。甘いだけのブルーベリーでは物足りない方にお勧めです。チャンドラーの交配親品種でもあります。
人気おすすめブルーベリー品種④
詳細
系 統:サザンハイブッシュ系ブルーベリー 品種名:オニール 果 実:大 受 粉:自家結実しますが相性のよい受粉樹があると果実の収量、品質がよくなります。
強い甘みが特徴
サザンハイブッシュの中でも特に甘みが強く香りもよい実が楽しめます。樹勢も強くて収穫量が多いので、暖地での栽培におすすめの品種です。
人気おすすめブルーベリー品種⑤
詳細
系 統:サザンハイブッシュ系ブルーベリー 品種名:ミスティー 果 実:大 受 粉:自家結実しますが相性のよい受粉樹があると果実の収量、品質がよくなります。
大粒で品質の良い果実
大粒で果実の品質がとてもよいです。常緑生が強く暖地では冬でも葉が落ちません。花はピンク色です。観賞用としても価値のある品種です。
人気おすすめブルーベリー品種⑥
詳細
系 統:サザンハイブッシュ系ブルーベリー 品種名:サンシャインブルー 果 実:中 受 粉:自家結実しますが相性のよい受粉樹があると果実の収量、品質がよくなります。
観賞用におすすめ
暖地では常緑になります。濃い目のピンク色の花が咲きますので観賞用としても楽しめます。風味が豊かな実がなります。樹勢は強く直立性で、樹高は100cm程度ですのでコンパクトに育てられます。ベランダなどの鉢植えにお勧めの品種です。
人気おすすめブルーベリー品種⑦
詳細
系 統:ラビットアイ系ブルーベリー 品種名:タイタン 果 実:極大 受 粉:自家結実しません。必ずラビットアイ系の品種を2種以上一緒に育てて下さい。
新しいラビットアイ種
ラビットアイの中でも新しい品種です。ハイブッシュ系のブルーベリーの実のように果皮や種の口当たりもよく、極大粒の実がなります。収量もとても多い品種。育てやすいラビットアイ系統なので、今後のブルーベリー栽培の歴史を塗り替えるのではないか、と言われるほどの品種です。
人気おすすめブルーベリー品種⑧
詳細
系 統:ラビットアイ系ブルーベリー 品種名:パウダーブルー 果 実:中 受 粉:自家結実しません。必ずラビットアイ系の品種を2種以上一緒に育てて下さい。
ティフブルーの進化形
ティフブルーとメンデイトの交配品種。ティフブルーの進化形で、実はティフブルーより大粒で、収量も多い名品種です。同じティフブルーとメンデイトの交配の更なる進化形のブライトウェルとともに人気があります。
人気おすすめブルーベリー品種⑨
詳細
系 統:ラビットアイ系ブルーベリー 品種名:ブライトウェル 果 実:中 受 粉:自家結実しません。必ずラビットアイ系の品種を2種以上一緒に育てて下さい。
安定したおいしさが魅力
ティフブルーとメンデイトの交配品種の素晴らしい名品種。味濃く甘い実がたくさん収穫できます。安定して美味しい実がなる中核の品種です。
まだまだある!人気おすすめブルーベリー品種
ノーザンハイブッシュ、サザンハイブッシュ、ラビットアイ。どの系統のブルーベリーも、魅力的な品種はまだまだあってここで紹介しきれないのが残念です。ご興味のある方はネットショップや、上記で紹介したナーセリーの情報など、是非チェックしてみて下さい。
春先の花を愛でて、初夏〜晩夏にかけて果実を楽しみ、秋には見事な紅葉を楽しむ。ブルーベリーは1年中楽しめる家庭果樹です。鉢植えでも簡単に育てられて、収穫も出来ますからぜひ育てて見て下さい。