クレマチスを種類別に美しく
クレマチスは、「つるの女王」と呼ばれるほどの多彩な美しさが人々を魅了してやまない植物です。 クレマチスの種類には、つる性や横ばい性のものなどがあります。 ここでは、主につる性のクレマチスについて紹介していきます。 背丈や花姿、花の色や複色の美しい種類、八重咲や四季咲きの種類など詳しく紹介していきますね。 お気に入りのクレマチスを見つけるのに役立ってくれると嬉しいです。
クレマチスとは
昔、日本に自生していた植物、「鉄線」や「風車」が江戸時代に作られ、園芸品種として広く栽培されていました。 今のクレマチスというのは、この風車や鉄線などを品種改良がなされて、明治時代に輸入されたものです。 現在のクレマチスの品種は、約2,000をも超える園芸品種があるといわれているほどです。 クレマチスという名前の由来は、ギリシア語で「klema」というつるという意味を持つ言葉が語源です。 イングリッシュガーデンでは欠かすことのできないアイアンアーチによく絡まってくれる植物として、イギリスでは特に愛されている人気の植物です。 そのため、「つる性の花の女王」と呼ばれています。
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科名・属名:キンポウゲ科・クレマチス属 和名:クレマチス 別名:テッセンソウ・カザグルマソウ 原産地:日本の本州・中国・ヨーロッパ・アメリカなど 色:赤・ピンク・白・青・紫・黄・クリーム色・複色 開花時期:5月~10月で、四季咲き・一季咲きなどで異なる
クレマチスは花芽の付き方で ・「旧枝咲き」 ・「新枝咲き」 ・「新旧両枝咲き」 の3つのタイプに分けられます。 クレマチスには剪定が必至ですが、花芽のつき方によって剪定の仕方は変わってきます。 これからクレマチスを購入しようと思っている場合は、事前にどの種類のクレマチスなのかチェックしておくとよいでしょう。
クレマチス基本情報
まずは、クレマチスの基本情報を紹介していきます。 たくさんの種類があるクレマチスですが育てやすいのは日本の原種でしょう。 ここでは日本原種のクレマチスの情報と、花言葉を紹介します。
日本原種クレマチス「トリガタハンショウヅル」
種類・系統:カンパネラ系。日本の原種のクレマチスです。 開花時期:一季咲き・5月から6月に開花します。 花の色:クリームイエロー 咲き方:半鐘形に下向きに咲かせます。 草丈:0.8から2.2m 横ばい性:0.3から1m 成長速度:早い 特徴:日本の本州や九州に分布している日本のクレマチスの原種です。 カンパネラ系のクレマチスで、日本の土壌に良くなじみ成長が早いのが特徴です。
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クレマチスの日本原種です。 チュウリップ型の花を下向きに咲かせています。 クリームイエローのようでもあり、クリームホワイト色のようにも思える 野性味を感じるクレマチスです。
クレマチスの花言葉:「精神の美」「旅人の喜び」
クレマチスの花言葉は、 ・「精神の美」 ・「旅人の喜び」 ・「策略」 です。 花言葉の由来は、花は大きいのに芯が細く、その花姿に対して「精神の美」とつけられました。 またヨーロッパの風習で、家に泊まる人にクレマチスの花でもてなし、良い旅を贈れるようにと願ったことから 「旅人の喜び」とつけられました。
クレマチス誕生花
クレマチスの誕生花は、5月3日・5月9日・7月1日・7月2日・9月12日 です。 春から秋にかけてのたくさんの誕生日にクレマチスが選ばれています。
クレマチスの育て方・全種類
クレチマスはつる性の植物です。 そのため、地面や壁面に沿って細長いつるを伸ばして、フェンスに這わせるのが一般的な育て方です。 クレマチスの花は大きく華やかな花を咲かせます。 実は、花びらのように見えているは、花のがくなんです。 額が変化して、たくさんのカラフルな色を付けています。 クレマチスの品種は広く、種類は約300種の原種が存在しています。 花をきれいに毎年育てるためには、強剪定と肥料やりなどの育て方が必要です。 覚えてしまえば育てやすく、初心者でも取り組みやすい品種があります。 それでは、クレマチスを育て方を見ていきましょう。
植え付け
休眠期に入る12月ごろまでに行います。 植え替えも同様鵜の季節に行いましょう。 だいたい2年に1回は植え替えするとよいでしょう。 つる性なので植え替えや植え付けの季節は、活発に生育している期間は傷んでしまうので控えましょう。
土作り
クレマチスは、水もちのよい土を好みます。 地植えの場合は、バーミキュライトを混ぜ込んで、肥料をすきこんでおlきましょう。 また、鉢植えの場合は赤玉土:腐葉;バキュームライトの土を5:3:2の割合で混ぜ合わせて土を作ると水持ちもよくなります。 クレマチス用の用土がある場合は、使っても構いません。
水やり
クレマチスは、耐暑性も耐暑性もある健常な植物です。 そのため、あまりたくさんの水やりは必要としません。 しかし、乾燥も嫌う植物なので土の表の状態をよく見て、土が乾いていたらたっぷりと与えるようにしましょう。 また、夏場は高温多湿を嫌いますが、水切れしてしまうと花が咲きません。
場所
日当たり・置き場所は、クレマチスにとって重要なポイントになってきます。 クレマチスは、日当たりをよく好み無植物です。 逆に日当たりの悪いところで栽培してしまうと、花つきも悪くなり、株も大きくなりません。 また、夏の直射日光には弱い特徴があるので、どうしても動かせない場合は日差しを遮る木の下に植え付けるなどして対応しましょう。 可能出れば、北向きの庭に置くとよいでしょう。
肥料
クレマチスは、たくさんの肥料を必要とします。 肥料は、生育期の春・秋には十分に与えましょう。 あまりあげすぎると株が甘えてしまい、伸びなくなってしまうので、肥料の量はパッケージ通りに遣るようにします。 冬場は、寒肥としてゆっくり聞いてくる固形の肥料を根元に置いておくとよいと思います。
害虫病に注意
バラと同じくらいに弱いので、病気や害虫駆除は早めに行いましょう。 うどんこ病は湿度が低く気温が高い季節に出来る病気です。白い粉をはたいたようになってしまい枯れて死んでしまうこともあります。そのため、発生する前に殺菌剤を散布して予防しておくことが大事です。
クレマチスの種類の見分け方
クレマチスには、たくさんの種類があります。 種類によっての見分け方は、 ・「旧枝咲き」 ・「新枝咲き」 ・「新旧両枝咲き」 とあり、これは剪定の仕方が変わってきます。 また、花の大きさでの見分け方もあります。 さらに開花時期によっうての見分け方もあります。 ここでは、花の形・花の大きさでの見分け方を紹介していきます。
花の形・花径の大きさでの見分け方
大輪クレマチスの品種です。 ・中国原産の「フロリダ系」 ・日本原産の「パテンス系」 ・新交配で産出された「ジャックマニー系」 また、中輪・小輪のクレマチス系統も紹介します。 ・中輪で下向きの花が特徴「ビチセラ系」 ・チューリップ型の「テキセンシス系」 の見分け方を見ていきましょう。
テキセンシス・ビオルナ系
テキセンシス・ビオルナ系のクレマチスは、ベル形・つぼ形・チューリップ咲きなど、大きいスズランのような形がかわいらしい人気のクレマチスの品種が多いのが特徴です。 花は、枝の節々にたくさんつけて一斉に咲かせます。 育てやすい品種が多く、この系統には耐暑性や耐寒性があり、育て方も簡単です。 見分け方は、花の形を見ればすぐにわかりますね。 一つ一つの花は小さいですが、たくさんの花をつけるので見ごたえがあります。 剪定・追肥を行って返り咲きをするタイプの品種も多く、人気のクレマチスです。
ビチセラ系の種類
ビチセラ系のクレマチスの人気品種です。 見分け方は、小~中輪の花のクレマチスというところです。 小さくても細い枝の節々に次々と花を咲かせます。 成長を早いので、育てやすいのが特徴です。 返り咲きがしやすいので、人気のクレマチスになっています。 耐暑性・耐寒性に強く、強健な性質をもっているので初心者でも育てやすい人気のクレマチスの系統です。
フロリダ系の種類
フロリダ系のクレマチスの見分け方は、大輪の花を咲かせるところです。 クレマチスの品種の中で一番大きいサイズの花を持つのがこの系統ですので、見分け方も簡単だと思います。 また、花のカラーも派手なものではなく落ち着いた色合いなので、主張しすぎないところが人気のクレマチスです。 開花時期が長いので、バラと組み合わせるなど人気の強い品種が多く入っている系統です。 育て方には少しコツがあります。日本の寒冷地では、戸外での越冬が難しい場合もあります。 戸外に入れられるように、鉢植えの育て方をしておくとよいでしょう。
パテンス系(早咲き大輪系)
パテンス系のクレマチスは、早咲き大輪系とも呼ばれています。 そのため、開花時期の見分け方ができますね。 この系統のクレマチスは、中~大輪で多彩な色合いをしている品種が多いです。 他の草花と組み合わせるというよりも、クレマチスだけでも豪華に飾ることができる人気の種類です。 日本に自生している「風車」の品種改良から作出されているので、日本の土壌に良くなじみます。 育て方も比較的簡単で、育てやすい品種が多い系統です。
ジャックマニー系(遅咲き大輪系)
ジャックマニー系のクレマチスは、遅咲き大輪系のことを言います。 そのため、見分け方も簡単です。 主に冬咲きで、大輪の見ごたえある花を咲かせます。 たくさんのクレマチスを組み合わせて、アーチやフェンスを作りたい場合は、 遅咲きのこの系統を入れておくとクレマチスの花の開花時期が長くなって重宝します。 バラと組み合わせたりと、人気の育てやすいクレマチスの系統です。
クレマチスの人気種類
クレマチス「プリンス・チャールズ」
種類・系統:ビチセラ系の暮マッチすの品種です。 開花時期:5月から7月・8月から9月の四季咲き 花の色:爽やかなパステル色のブルー系。花弁は薄く透き通って見える。 咲き方:うなだれるような咲き方をします。 草丈:200cmから300cm 横ばい性:40cmから60cm 成長速度:普通 特徴:花弁が大きく、その大きさはジャックマーニ系から引き継いでいるといわれています。 草丈が高くまで伸びるので、フェンスに絡ませて高い位置からの干渉に適しています。 バラとの組み合わせに非常に便利で、ガーデナーからは絶大な人気を持っている品種です。 強剪定することができるので、育てやすい種類です。
四季咲きのクレマチスの種類
画像はシロマンエです。最初は緑のように見ます。 咲き進んでいく姿を見るのも楽しみの一つにしてくれる、人気のクレマチスです。
クレマチス「白万重」(シロマンエ)
種類・系統:フロリダ系のクレマチスです。 開花時期:四季咲き 花の色:オフホワイト 咲き方:八重咲き 草丈:200cmから300cm 横ばい性:40cmから60cm 成長速度:普通 特徴:中国の花が品種改良されてできた品種のクレマチスです。 最初は緑色の花ですが、咲き進んでいくうちに八重咲になり美しい何とも言えないホワイトになっていきます。 画像の写真では、まだ花が咲ききってないので八重咲には見えませんね。 洋風はもちろんですが、和風のお庭にも合わせることができる美しいクレマチスとして人気です。
八重咲のクレマチスの種類
画像のクレマチスは、パテンス・ブルーライトという品種です。 八重咲でたくさんの花弁がフリルんのように見えて豪華絢爛な印象を持たせてくれる華やかなクレマチスです。
クレマチス「パテンス・ブルーライト」
種類・系統:パテンス八重系 開花時期:一季咲き 花の色:淡い紫 咲き方:八重咲き 草丈:20cmから200cm 横ばい性:20cmから40cm 成長速度:普通 特徴:パテンス八重咲き系(早咲き大輪系)の系統で、元は原種のクレマチス「カザグルマ」から品種改良された 八重咲きの美しいクレマチスです。 八重咲きのたくさんの花が折り重なったように見える、華やかさは開花時期が早いということでも人気です。 剪定も簡単なので育て方も優しいのがおすすめの品種です。 画像のように、中心部にまだまだ開く花弁が残っていますね。 八重咲きの品種は、組み合わせなくてもお庭のシンボルになってくれます。1枚1枚、八重咲きの花弁が広がってゆくのを見るのも情緒があっていいと思います。
育てやすいクレマチスの種類
育て方がコツのあるクレマチスの品種だと、失敗してしまうこともありますよね。 そんな時は比較的簡単な育て方でも大丈夫な、健常な品種のクレマチスを選びましょう。 画像のクレマチスは、ハンショウヅルという品種です。 ベル型に咲くほうが育て方が簡単といわれています。
クレマチス「ハンショウヅル」
種類・系統:ベバエンセラ系 開花時期:4月中旬から5月の一季咲き 花の色:先端にかけて白になる赤の花 咲き方:下向きのチュウリップ咲き 草丈:4000cmから600cm 横ばい性:50cmから80cm 成長速度:早い 特徴:趣のある野生種のようなクレマチスですね。 この系統は、「ハンショウヅル系」とも呼ばれており、日本の気候でとても育てやすいのが特徴です。 画像のように、下向きに咲く鐘のようなきれいなチューリップ咲きをしていて赤褐色とクリームホワイトの二層になっています。 成長速度も速いので、冬に強剪定をしてもどんどん枝を伸ばします。 そのため、すぐに画像のようにかわいらしい花が見られます。初心者にもおすすめの人気のクレマチスですよ。
青色のクレマチスの種類
青色クレマチスは、お庭を爽やかな印象にしてくれますね。 画像のクレマチスはジャスタです。バラともよく組み合わせて使われているポピュラーな品種ですね。
クレマチス「スイセイ2号」
種類・系統:パテンス八重咲き系の品種です。 開花時期:四季咲き 花の色:濃い青色 咲き方:八重咲き 草丈:1.5m 横ばい性:30cm 成長速度:普通 特徴:画像のように美しいはっきりとした花を咲かせます。四季咲きなので剪定は控えめにし、肥料をたっぷりと与えることで美しい色が引き出せます。 花径は大きく、12cmほどにもなり人気のクレマチスです。八重咲きで華やかさを出したいお庭にはぴったりの品種ですね。
複色のクレマチスの種類
複色のクレマチスがお庭にあれば、どんな季節も」華やかさをキープすることが出来そうです。 遅咲きの品種や、つるの高さを調整してクレマチスの開花時期を長く保つことができれば美しいクレマチスガーデンになりますね。 画像のクレマチスは、ドクター・ラッペルです。 そんな複色のクレマチスについて紹介します。
クレマチス「ドクター・ラッペル」
種類・系統:パテンス・ラヌギノーサ系 開花時期:四季咲き 花の色:ピンクで中心が赤色をした花 咲き方:一重咲き・八重咲きの品種もある 草丈:250cm 横ばい性:50cm 成長速度:早い 特徴:2色のピンクと赤がかわいらしい女性に人気のクレマチスです。 四季咲きで、花期が長いのが特徴です。 開花時期は、4月中旬から8月・9月から10月末までとなっています。 古くから愛されてきた品種のクレマチスなので、初めて挑戦する人にもお勧めできますよ。
バラに合うクレマチスの種類
バラに合わせてクレマチスを植える人が多いのが特徴で、組み合わせの種類も無限にあります。 バラの開花時期と合わせて、バラの色味や形によって好みのクレマチスを選んでくださいね。 バラにも四季咲きの品種が多く、クレマチスの四季咲きの開花時期とよく重なります。 そのため、組み合わせて使うお庭が多いんですね。
クレマチス「エトワール・バイオレット」
種類・系統:ビチセラ系 開花時期:5月中旬から7月・8月末から11月の四季咲き 花の色:濃い紫 咲き方:新枝咲き 草丈:200cmから300cm 横ばい性:40cmから60cm 成長速度:早い 特徴:花径が整っていて花数が多いのが特徴です。健常な性質のクレマチスで、育てやすい種類で人気です。 耐寒性・耐暑性にも強く、育て方も簡単なのでしっうぱいおが少ないクレマチスといえると思います。 つるは柔らかくしなやかなので、誘引しやすいので初心者にも育てやすい種類のクレマチスですね。 イングリッシュガーデンには、必ずといっていいほどバラと組み合わせて使われています。
つる種類のクレマチス画像
クレマチスは、立ち木性のものもありますがほとんどがつる性のものが多いです。 そのため、クレマチスはフェンスやパーゴラ、アーチなどに誘引して眺めるとお良いと思います。 ここからは、クレマチスを上手に誘引されているおすすめの画像を紹介していきます。
庭のフェンスに
シンプルにクレマチスだけを誘引している画像ですね。 お庭の一角に、こんなフェンスがあったら毎日の作業もはかどりそうです。 クレマチスの枝はしなやかに細いので、花だけが目立ってよく映えます。 後ろの背景も木になっているので、より一層自然な感じが引き立ちいます。
つる性を活かす
このつる性を生かして、木にそのまま誘引することも可能です。 目隠しのように、お庭と道路のフェンスに誘引すれば美しい生垣にもなります。 つる性で、草丈がそれぞれ違うので、高いものと低いものを組み合わせれば、上下でよいバランスが取れたクレマチスの生垣ができると思います。
クレマチスを組み合わせた庭
クレマチスを組み合わせてみましょう。 バラとクレマチス以外にも、映えるクレマチスのデザインがあります。 クレマチスもカラーを同系色にして、花の大きさも別別にしてもこんなに美しく調和します。 この画像では、 ・シロマンエ ・ピール ・キリ・テ・カナワ の3色をミックスして混色しています。 八重咲き、一重咲きなどもミックスしても楽しめますね。
クレマチス×スイトピー
四季咲きの品種なら、季節に合わせた様々な植物と見事に調和します。 画像はスイトピー×クレマチスです。 そのほかにも秋には結実した植物とも掛け合わされ、自然の趣を感じさせてくれます。 いろいろな表情が楽しめるクレマチスですので、お庭の植物と思うように組み合わせて見てはどうでしょうか?
育てやすいクレマチスの庭
クレマチスは、その花姿や花色に誰もが魅了されてきました。 最大の特徴は、つる性ということですね。つる性ならではの面白い飾り方ができるものです。 誘引もしやすく、初心者でもコツをつかんでしまえば育てやすいのでこれからも根強い人気になっていくと思います。 今年からは、あなたもクレマチスを育ててみませんか?