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生きる魚雷!オニカマスの正体とは?時には人をも襲う危険なやつ!

「バラクーダ」の別名を持ち、人間を襲うこともある海の危険生物「オニカマス」出会わないのが一番ですが、いったいどんな魚で、どんな生態なのか?食べることはできるのか?など、生きる魚雷ともいわれるオニカマスの生態や特徴を紹介していきます。
2020年8月27日
咲良09
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目次

凶暴!オニカマス

一口にカマスといっても、その種類や生態、料理にした時の味も様々。そんなカマス達の中で「生きる魚雷」と恐れられているのがオニカマスです。鬼の名を持つ通り、カマスの中でも特に大きい体と口を持ち、その口には鋭く強靭な歯をいくつも備えています。 オニカマスとだけ言うと、その危険性はちょっとわかりにくいですが、2003年公開の有名なアニメ「ファインディング・ニモ」の冒頭部分で主人公を襲った魚、と言うと馴染み深い方も多いのではないでしょうか?アニメの中でも描かれた通り、オニカマスは人間にとっても様々な危険性を秘めた魚なのです。

オニカマスの特徴

オニカマスを含むカマスの仲間は細長い円筒状の体型を持ち、大きい口とやや突き出たアゴに鋭い歯を備えています。広く間隔を開けた2つの背ビレと、5本のトゲ状の背ビレを持ち、身体の細長さが似ているタチウオより攻撃的でなフォルムをしている、細長いボディと鋭い歯が特徴の魚です。多くのカマスは成魚でも20~30センチほどの大きさですが、オニカマスは全長180センチ、大型のものは2メートルに達することもある大型のカマスです。 このオニカマス以外にも、名前に「オニ」とつく魚介類は他の種より大型であったり、凶暴な性質をしていたり、シガテラ毒をはじめとする強烈な毒を含んでいる可能性が高いので、注意が必要です。

オニカマスの生態や生息環境


オニカマスは東部を除く太平洋全域やインド洋、大西洋など幅広い海に生息し、日本でも沖縄や小笠原諸島のほか、九州周辺や相模湾以南の太平洋側など、暖かな海に生息しています。沿岸のサンゴ礁や岩礁から、やや沖合にかけて生息しており、人間が立ち入りやすい海域に生息していることも、その危険性を高めています。性質は肉食性で、その鋭い歯で、主に小魚や甲殻類を捕食します。 オニカマス特有の特徴として、カマスはその多くが幼魚になると河川の汽水域に移動しますが、オニカマスは川を遡ったりせず、移動したとしても川などの淡水域に入ることはありません。これから紹介する「シガテラ毒」も、ある意味その特徴があるから生まれたものと言えます。

オニカマスの「シガテラ毒」とは?

オニカマスの体内には「シガテラ毒」という毒が含まれており、産地によっては食品衛生法によって販売を禁止され、料理することを固く禁じられている場所もあります。シガテラ毒はプランクトンが生み出す毒素を含んだ魚を食べることにより起こる食中毒の一種で、食後から1~8時間に吐き気や腹痛などの症状が出るようになり、他にも目まいや血圧の低下など神経系の症状も出るようになり、何よりシガテラ毒の特徴として、ドライアイスに触れた時のような「冷たさ」を感じるようになり、一度発症してしまうと1週間程度、ひどい場合は半年ほど症状が続く場合があり、治療法も確立されておらず「シガテラ毒を含む魚は絶対食べない」以外の対処法はありません。 なんとも厄介ですが、シガテラ毒は「猛毒」で有名なフグ毒のように毒性物質の蓄積により出来るものなので、オニカマス自体が毒魚と言うわけではありません。オニカマスの真の危険性は、この毒ではないのです。

時に人を襲うことも!

オニカマスの危険性はシガテラ毒もですが、なんといっても人間を襲う場合がある事です。過去に何度かニュースになるほど、その凶暴性は知られており、2メートル近くある巨体に加え、鋭い歯で噛みつかれたら大怪我どころか命にかかわる場合もあります。地方によってはサメより危険とされていることもあり、見かけても近づかない様にしたい魚です。ダイバーのみでなく、ボートに乗っていたら海から飛び出し攻撃されたという報告もあり、人間を襲う法則がよくわかっていないというのが、尚危険性を高めています。

オニカマスは食べられる?

オニカマスはシガテラ毒があるので料理できない、と書きましたが、その毒は主にサンゴ礁に生息するプランクトンが生成するものが蓄積されたもの。サンゴ礁のない海域のオニカマスは毒性が強くなく、食用にされる場合もあります。と言っても食品衛生法によって販売を禁止された魚なので、オニカマス料理はゲテモノ中のゲテモノ、と認識したほうがよさそうです。

オニカマスのさばき方


オニカマスは販売が禁止されているので、この項ではオニカマスではなく、その仲間であるカマスのさばき方を紹介していきます。カマスはまず、ウロコを引きエラを切り取ることから始めます。エラを切り取った後は、お腹の下から包丁を深く押し込み、そのまま頭ごと落としてしまいましょう。頭を落としたら、胴体をまな板の上に立てて、包丁でヒレを押さえるようにして取り除き、最後に内臓を出してしっかり水洗いを行います。 頭のほうも包丁で割り開き、残ったエラも指で外していきましょう。衛生面が気になるという場合は、手袋をつけ行うとよいでしょう。これで3枚おろしの準備が整いました。

さばき方の後半部分、いわば3枚おろしはどんなやり方でも構いません。普段やっているさばき方で行うのが一番ですが、この項ではあらかじめリードを切り込むさばき方を紹介します。お腹部分の骨は他の骨より硬めなので、包丁を骨に向けて下向きにするようにしましょう。中骨の感触を感じつつ、その上を滑らせるように包丁を動かし、皮一枚で繋がっている状態にまでしましょう。この時は付け根から走る硬い部分を避けるように包丁を動かしましょう、避けずに動かすと面倒なだけでなく、この部分ごとおろしても後で掃除しないと食べるとき骨に当たってしまいます。骨が当たるのが嫌という場合は、最初から付けない様にしてしまおうというわけです。皮を切り離したら、あとは反対の身も同じようにおろし、3枚におろしたところで、カマスのさばき方は完了です。 さばき方の途中で余ってしまった骨や尻尾も、徹底的に火を通しカリカリに揚げれば、美味しく頂け無駄になりません。

シガテラ毒は除去不可能!食べるならカマスを

オニカマスに限らず、魚の中には毒性を含んでいるものも少なくありません。その毒のほとんどは冷凍や加熱によって取り除くことができるのですが、シガテラ毒はそうではありません。シガテラ毒の原因となるシガトキシンは、神経毒の一種なので加熱調理を行ったり、冷凍保存を行っても毒性が分解されることはありません。シガテラ毒に一般的な毒の除去法は通用しないと覚えておきましょう。もしも摂取した場合は。すぐ食べるのをやめ医療機関を受信するようにしましょう。まだ治療法が確立されていない毒ですが、それでも何もしないよりは有効で、症状を軽減するための対症療法を行ってくれます。 今のところ日本ではシガテラ毒による死亡例はありませんが、それでも気を付けるようにしましょう。

ダイバーには人気者?オニカマス


危険性で知られるオニカマスですが、その巨体や迫力のある顔からダイビングの人気者でもあります。その巨体からか、大抵は単独で泳いでおり、ダイバーを警戒することもないため写真も撮影しやすく、ダイビングの対象としてみると意外と大人しい魚です。それでも、ダイバーがオニカマスに襲われたという報告は少なからずあるため、行く手を阻むように飛び出したり、シャッター音を鳴らしたり、正面から近づいたりなど、刺激するような行為はやめたほうがよさそうです。

渦巻くオニカマスの正体とは

ダイバーと共に悠々と泳いでいる写真など、神秘的で美しい姿を見せるオニカマスですが、実はその写真に写っているオニカマスは「オオカマス」と言う、カマスの仲間であることが多いとされています。オオカマスとオニカマスは大きさも見た目もよく似ており、特に魚の色がわかりにくい水中では尚、判別するのが難しくなります。 オオカマスとオニカマスの決定的な違いとして「渦巻くような群れは作らない」と言うものがあり、オニカマスは殆どが単独か、群れていても数十尾程度と少なめで、渦巻き状に移動することもありません。 もしも、渦巻き状のオニカマスの映像や写真を見たときは「オオカマスだ」と認識するようにしましょう。

オニカマスに関するまとめ

2メートルを超える巨体に、時に人も襲う凶暴性を併せ持つと、オニカマスは「鬼」の名に相応しい魚です。販売が禁止されているなど食用としてはおすすめ出来ませんが、水中で目にするその姿はまさにド迫力。 刺激しないよう注意すればオニカマスは大人しい魚なので、巨大魚とツーショットなんてことも出来ますよ。