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ハス(蓮)の葉が創り出す綺麗な水玉!撥水の謎、ロータス効果に迫る!

ハスの葉に水滴がかかると綺麗な水玉が出来中心にたまります。この撥水効果ゆえに仏教などの言い伝え、そして現在の生活用品への応用まで多岐にわたり謎めいた植物です。今回はこのハスの葉についてロータス効果、効能、歴史を含めご紹介いたします。
2020年8月27日
emjii
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ハスの葉/ロータス効果とは

ハスの英名はLotus(ロータス)です。ハスの葉に水滴が落ちると表面張力で水滴が丸く固まったり、葉の上から転がり落ちる様子を見かけることがあります。 この様に、水をはじくという特性を撥水性といいます。そして、この撥水性の効果をロータス効果と呼ぶのです。このロータス効果を利用した商品も数多く発売されてます。

ハスの葉/いつも綺麗

ハスの葉には超撥水性があるので、雨が降っても水滴は水玉となって転がっていきます。その時、葉の表面のほこりや小さな虫も一緒に転がします。 そしてハスの葉全体をお掃除してくれるのです。この自浄効果があることで、ハスの葉は表面をいつもきれいな状態に保ち、汚れがないのです。

ハスの葉/なぜ汚れないの!!

ほとんどの植物の葉は光合成をする必要があるので表面はワックスがかかった状態になっています。なので光沢があり、ある程度の撥水性があります。 次にハスの葉は光沢は出ないがロウのような物質で覆われています。これが撥水性の一つ目の要素となります。 二つ目の要素は、葉全体に広がる非常に微細な鋭い突起です。この突起があることで水玉と葉に隙間を与え、超撥水性能を実現しています。葉の上の水滴は水玉となりほこりや小さな虫なども取り込み転がることでクリーンな葉を保ちます。

ハスの葉/そこにハスが現在まで子孫を残せた訳が…

そうです。 古代の歴史の中で、ハスの葉が綺麗でそして花が凛と咲かないといけない理由があったのです。ハスの地下茎は池の底です。泥だらけの場所なのです。 あまりにも劣悪な環境で、根は養分は取れますが空気をもらえないのです。そこで、蓮根の構造が出来上がりました。

ハスの葉/ハスの地下茎までの構造が明らかに


ハスの地下茎は蓮根(レンコン)ですね。蓮根の中は空洞があります。 ハスの葉は、一番低い真ん中に水玉がたまります。その下に茎があり水玉を落とし込む仕掛けが出来ています。養分・水分・水に含まれた空気が地下茎の蓮根まで運ぶ仕組みが出来上がっているのです。 この管が詰まると閉塞し機能しません。ですから茎の管は4本ですが地下茎の管は9本あります。どこかの管が詰まっても他の管で頑張るのです。 この穴の構造と仕組みを作り上げたからこそ現在のハスが凛としてあるのだと私は思います。

ハスの葉/歴史を紐解くと仏教との関係が…

泥の中から立ち上がり鮮やかな緑の大きな葉を天に広げ、そして凛と咲く花が美しいハス。 歴史的にも古来から神聖な植物として、仏教と深くかかわってきました。不浄の泥の中から立派に立ち上がる様は、仏教の理念と一致し「極楽浄土」にふさわしい花とされてきました。 仏像はハスの花の台座の上に置かれ、いろいろな仏具にハスが描かれています。歴史上、仏教にはハスは欠かせない大切な花なのです。

ハスの葉/中国での言い伝え

仏教は中国から伝わったわけすが、その中国ではどのような言い伝えや花言葉があったのでしょう。2点紹介しておきたいと思います。

花言葉/沈着

歴史的にハスは「俗塵(ぞくじん)に染まらぬ君子の花」とされ、清らかで事に動じず沈着冷静な純粋のシンボルとされてきました。まさに仏教伝来以前の中国の話です。 そこから、冷静沈着な君子を表す花言葉「沈着」が生まれたのです。

長生きできるという言い伝え

古代の中国では、お酒を飲む時にハスの葉を盃に使って飲めば長生きできるという言い伝えがあります。

ハスの葉/歴史に学ぶ古代からの効能

ハスの根「蓮根(レンコン)」は、普通に食卓に出る野菜ですし、めでたいお正月のおせち料理にも使われている食材です。根以外の葉も花も実も「食」ということに関してはなじみがないですね。でも、葉や実は漢方の生薬として実際使われています。 歴史を紐解いてみると、古代中国、唐の時代に楊貴妃が「ハスの葉茶」を美容とダイエットの為に飲んでいたと言われています。今でも中国では、ハスの葉茶が肥満の治療に使われています。それではハスの葉茶の効能をいくつかご紹介しましょう。


ハスの葉茶の効能/血行促進・解毒作用

ハスの葉の、フラボノイドは血行促進作用や解毒作用があります。

ハスの葉茶の効能/脂肪の吸収抑制

ハスの葉エキスなどには、体内に脂肪を貯めない効果、糖や脂肪を吸収しない効果があると言われています。

ハスの葉茶の効能/ダイエットサポート

ハスの葉茶は歴史上の人物の逸話があるように、ダイエットサポート効果も期待できると言われています。

ハスの葉茶の効能/精神面で期待される効果

アルカノイドなどに鎮静作用が期待されることから、ストレスの軽減や不眠が緩和されると言われています。

ハスの葉/現代人の応用・商品開発

ハスの葉の構造がもたらしたロータス効果。そのものをまねして様々な製品が開発されていることをご存知ですか? そのことをバイオミメティクス(生物模倣)といいます。 それでは、ロータス効果を応用したバイオミメティクスの製品をいくつか紹介いたします。

ハスの葉の構造を応用した製品/傘


ハスの葉の微細なデコボコ構造からヒントを得て、より撥水性の高い傘が売り出されています。「スザンヌ」という商品です。

ハスの葉の構造を応用した製品/しゃもじ

しゃもじの表面全体をデコボコ構造にします。さらにそれぞれの上に微細なデコボコ加工をし、ご飯がしゃもじにつかない商品をよく見かけます。これもロータス効果の応用です。

ハスの葉の構造を応用した製品/テフロン加工のフライパン

超撥水性のある素材としてテフロンがありますが、その素材を使い、さらに表面にデコボコ構造を追加し、より撥水性を高くしたフライパンがあります。

まとめ

ハスの葉のロータス効果から始まり、仏教との関わり、歴史ある中国の言い伝え、そしてハスの葉の持つ効能、ロータス効果の構造をまねた製品の紹介まで、実にハスにまつわる話は多岐にわたり、掘り下げればまだまだ奥が深いですね。 そのことを感じていただければありがたいと思い書きました。最後までお付き合いいただきありがとうございました。