オピネルナイフとは
洗練されたデザイン
オピネルナイフはフランスのブランドです。 キャンプや登山などのアウトドアでは欠かすことのできない、フォルディングナイフです。飽きのこないシンプルなデザインで、日々の手入れ・メンテナンスを行なえば長く使用することもでき、使えば使うほど愛着の湧くナイフです。
オピネルナイフの種類とサイズ
はじめの1本!
オピネルナイフは、アウトドア、ガーデニング、キッチン用とあります。 今回ご紹介するのはアウトドア用ですが、ブレード(刃)の種類がステンレスとカーボンの2種類あります。そして、サイズも豊富で価格は2,000円程度で比較的手頃な価格となっていますので、初心者の方のはじめの1本におすすめです!
種類が豊富!
それから、ハンドルが色々な種類の木(ウォルナット、オリーブウッド、オークウッド、ブビンガ)で出来たシリーズや、オピネル誕生125周年を記念したアニバサリーモデルなど、コレクター心をくすぐるアイテムもあります。
オイル加工(油漬け)とは
オピネルナイフを手に入れて、まず最初に行うのがオイル加工です。 オピネルナイフ加工の定番の加工です。オイル加工(油漬け)というのは、文字通りオピネルナイフを油に漬ける加工のことです。
なぜ、オピネルナイフを油に漬けるのか? それは、ブレード(刃)の出し入れをスムーズにするためです。
購入後、最初は、オピネルナイフのブレード(刃)を出すとき、硬くて力を入れないとブレードを出すことが出来ません。そして、オピネルナイフを水洗いなどをした際、木製のハンドル部分が水に濡れてしまうと、ハンドルが水を吸収し膨張しブレードを出し入れしづらくなります。
オイル加工(油漬け)を行うことで、水分の吸いすぎを防ぎ、オピネルナイフを使いやすくすることが出来るのおすすめです。
オイル加工(油漬け)で用意するものについて
オイル加工を行うには、オピネルナイフを分解しますので、工具が必要になります。作業するまえに工具をお持ちであるかないか確認をして、ないものについては用意御願いします。
ハンマー、木槌
ハンマー、木槌はオピネルナイフのブレードとハンドルを止めているピンをはずす時に使用します。
ポンチ
ポンチは、ハンマーとセットで使用します。ピンにポンチの先を当てて、ハンマーでポンチを叩いてピンをはずします。
プライヤー
プライヤーはオピネルナイフのロックパーツをはずすときや、ピンをはずす時に使用します。
マスキングテープ
マスキングテープは、ロックパーツをはずすときに使用します。
ヤスリ
ヤスリはハンドルのブレードが納まっているところをヤスリがけするときに使用します。
オイル
ピーナッツオイルや亜麻仁油、くるみオイルなどの乾性油を用意してください。オリーブオイルなどの不乾性油では代替えできませんのでご注意ください。乾性油は家具などの仕上げにも使用されるオイルで、時間が立つと乾きます。
しかし、オリーブオイルなどの不乾性油では、時間が経っても乾くことはなくベトベトになってしまいます。
ジップロック
ハンドルをオイルに漬けるときに使用します。ビニール袋などでも代替え可能だと思います。
オイル加工(油漬け)の手順
オピネルナイフの分解①ロックパーツをはずす
ロックパーツをはずします。 ブレードをしまったままロックします、ロックパーツに外すときにロックパーツが飛んで行ってしまうので、ロックパーツにテープを貼ります。そのとき、ハンドル側は少し遊びをもたせておきます。
そして、プライヤーでブレードを開いていくと、ロックパーツがはずれます。このとき、怪我をしないよう十分に気をつけて作業するようにしてください。
オピネルナイフの分解②ピンをはずす
ブレードを留めているピンをはずします。突き出ているピンの逆側にポンチをあてて、ピンが出てくるように、金槌やハンマーなどで叩いていきます。出てきたピンをプライヤーで抜き取ります。ラジオペンチやニッパーよりも、プライヤーの方がしっかりピンを掴めて抜きやすいと思います。
オピネルナイフの分解③ブレードをはずす
プライヤーでブレードをはずします。プライヤーでブレードを挟んで抜き取るだけですが、怪我をしないよう慎重に行ってください。
オピネルナイフの分解④金属パーツをはずす
最後に、ハンドルについている金属パーツを手でひねってはずします。 これで、分解が完了です。
ヤスリがけ
続いて、ハンドルのブレードの納まっていた部分をヤスリがけします。オピネルは水分を含むと膨張してブレードの出し入れがしずらくなります。ヤスリをかけて隙間を広げていきます。隙間を広げすぎないよう注意して行ってください。
オピネルナイフの組み上げ
分解したオピネルナイフを組み上げていきます。 ハンドルにブレードを差し込んで、金属パーツをはめ込みます。はじめは手ではめ込み、最後はハンマーで軽くたたいてハンドルにしっかいりはめ込みます。
そして、ピンをはめる前に、金属パーツ、ハンドル、ブレードの穴の位置を揃えておいてください。穴の位置が揃ったら、ピンで留めます。ピンをハンマーでたたいて留めていきます。ピンが奥まで入ったらロックパーツを上からはめ込んで組み上げ完了です。
オイル加工(油漬け)
そして、ハンドルの部分にオイルを染み込ませます。 使用するオイルはピーナッツオイルや亜麻仁油、クルミオイルなど乾性油を使用してください。ジップロックにオイルとオピネルナイフを入れて、1日漬け込んで置きます。
※分解した状態でハンドルだけ油漬けすることも可能ですが、ピンを通す穴やブレードを納める隙間にオイルが付着して、狭くなり組み立てるときにきつくなる可能性もありますので、お気を付けください。
乾燥、そして、完了
1日漬け込んだ後、1日乾燥させます。 乾燥時はブレードを出した状態で乾燥させます。そして、オイル加工(油漬け)完了です。
その他の加工(黒錆加工)
黒錆加工という加工があります。 オピネルナイフのブレードがカーボンブレードの場合に行う加工です。黒錆加工もオイル加工と同じくオピネルナイフの定番の加工です。とても簡単な加工なのでおすすめです。
なぜ、黒錆加工をおこなうのか?
なぜ、黒錆加工を行うのかというと、カーボンブレードはステンレスブレードに比べて、錆びやすく、水に濡れて放置しておくと、すぐに赤錆が発生してしまいます。
そこで、赤錆が発生する前に黒錆加工を施して、赤錆が発生するのを防ぐための加工となります。黒錆加工を行うことで、ブレードが黒くなりますので、見た目も大分変り楽しめます。
黒錆加工で用意するもの
オイル加工と同じく、オピネルナイフを分解する必要がありますので、オイル加工で用意した工具を用意してください。その他必要なものは以下の通りです。
紅茶
紅茶は市販のダージリンティーやアールグレーティーなどのティーパックで800cc用意します。
お酢
お酢は、ご家庭で一般的に使われている穀物酢を200cc用意します。
針金
針金はブレードを黒錆加工用液体に漬けるときに使用します。20cmほどあればOKです。
耐水ペーパー
耐水ペーパーは、ブレードに汚れや錆がついているとき使用します。#1000の耐水ペーパーを使用します。
シリコンオフスプレー
シリコンオフスプレーは、ブレードの脱脂するときに使用します。ブレードをしっかりと脱脂することで、黒錆が綺麗に乗ります。
黒錆加工の手順
オピネルナイフの分解
まずは、オピネルナイフの分解です。オイル加工の手順を参考に分解します。
ブレードを洗う
ブレードに汚れや錆があると綺麗に黒錆加工されないため、ブレードの洗浄を行います。汚れや錆がある場合は耐水ペーパーで落としていきます。汚れや錆をとったら、洗剤で洗い、シリコンオフスプレーで油分をしっかり落としていきます。
黒錆加工用液体をつくる
紅茶8に対してお酢2の割合で、黒錆加工用の液体を作ります。紅茶とお酢をよく混ぜたら完成です。
ブレードを液体に漬ける
オピネルナイフのブレードのみを液体に1時間程つけ込みます。 その際、用意した針金をブレードの穴に通して、針金を液体の容器に引っ掛けておくと最後に液体からブレードを取り出しやすいです。
ブレードを液体から取り出す
ブレードを液体に漬けて1時間後。 ブレードを黒錆加工用液体から取りだし、綺麗に黒錆が乗っていれば、黒錆加工の成功です。
※綺麗に黒錆が乗ってない場合は、ブレードに汚れがついていた可能性がありますので、耐水ペーパーで黒錆や汚れを落としてから再度黒錆加工用液体を作り、ブレードをつける必要があります。
オピネルナイフの組み上げ
ブレードに綺麗に黒錆が乗ったら、オピネルナイフを組み上げます。組み上げ手順はオイル加工を参考にしてください。オピネルナイフが組み上がれば黒錆加工完了です。
メンテナンス方法
オピネルナイフは使い勝手もよく、肉を切ったり、野菜を切ったり様々なことに使えます。使う回数が増えれば、刃の切れ味も悪くなりますので、日々のお手入れ・メンテナンスが必要です。
カーボンブレードの場合
カーボンブレードの場合、使用後に放って置くと錆びが発生しやすいので、使用後は完全に水分を乾かして、オイル(乾性油)をブレードに塗るお手入れをするようにします。切れ味が悪くなれば、ブレードを研ぐ必要があります。
ステンレスブレードの場合
ステンレスブレードの場合、錆びにくいので、カーボンブレードのように使用するたびに、オイル(乾性油)をブレードに塗る必要はありません。しかし、使用頻度が増えると切れ味が悪くなりますので、ブレードを研ぐ必要があります。
オピネルナイフの砥ぐ
オピネルナイフを研ぐには、まず砥石を用意してください。砥石は中砥ぎ用に#1000と仕上げ用に#3000になります。#1000でブレードの表面についた汚れや錆びを落とします。
そして、刃の部分を研いで、仕上げに#3000を使い研いで完了です。はじめのうちは、刃を研ぐのが難しいかもしれませんが、何度かやるとコツをつかめるようになります。
まとめ
お気に入りの1本に育てる!
今回ご紹介したオイル加工(油漬け)、黒錆加工、研ぐ(メンテナンス)は、どなたでも出来るおすすめの加工方法、メンテナンス方法です。手に入れたギアを大事に長く愛用していくためにも、自分自身で行っていくことがアウトドアの楽しみのひとつではないでしょうか。