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カンデラ・ルーメン・ルクスの違いは?換算・測定方法などの基礎知識まとめ!

自転車のライトを選ぶとき、困るのが何と比較すればいいのか?でしょう。光にはカンデラ・ルーメン・ルクスという3つの単位が使われ、それぞれ役割が異なります。カンデラは「光度」ルーメンは「光束」、ルクスは「輝度」です。それぞれの役割について解説します。
更新: 2021年2月24日
m.miura
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自転車のライト選びで大切なカンデラ、ルーメン、ルクスって何?

自転車や車などライトは夜間、走行するのなら絶対に必要なものです。最近ではスポーツバイクの需要も増え、週末にツーリングを楽しむ人も増えてきましたね。

しかしライトをいざ、購入しようと思うとカンデラ、ルーメン、ルクスと同じ照明なのに単位がまちまちでどれを選べばいいのか迷ってしまうことがあります。それら単位のことを知って、ぜひ安全で快適なツーリングを楽しんでいきましょう。

そもそもどれくらいの明るさが必要なのか

法令では「夜間走行中に10メートル視認できるか」

夜間走行時のライトの装備は義務づけられています。 地域によって定められている明るさは違います。

参考に東京都の道路交通規則を紹介しますと、軽車両は「夜間、前方10メートルの距離にある交通上の障害物を確認できる光度」が必要だと定められています。つまり私たちがライトを選ぶときはまず、前方10メートル先が見えるかどうかが基準になります。

ライトの明るさは使い分ける

ライトの強さは使用する場所によって使い分ける必要があります。 たとえば車での走行中、真っ暗な山道であればハイビームで遠くまで見えるように強い光をあてますよね。けれどハイビームは市街地など人の往来が多いところでは他の車や通行人の迷惑になります。自転車でも同じで使用する場所によって推奨される明るさは異なるのです。

「400ルーメンだから明るさバッチリ」は間違い!

ライトの明るさは一つの単位だけでは比較できない

ライトの明るさを調べて行くと、「400ルーメンなら明るさバッチリ!」などと紹介されることがありますよね。 けれどライトの仕様表示を確認しながら「400ルーメンはどれだろう?」と手にとり、表示を見ると「カンデラ??」とそもそも単位が違うことに困ったことがあると思います。

実はこれ同じ明るさを表す単位でも、意味合いが全然違うんです。それは明るさというものがたった一つの単位だけでは比較できないからなんです。

カンデラ、ルーメン、ルクスは測定方法が違う!

主に光の単位にはカンデラ、ルーメン、ルクスの3つがあります。これら3つの単位の違いは、光の測定方法の違いにあります。 カンデラはある一定の方向に照射した光の強さを測定したもの、ルーメンは光源から360度に放射される光の量、ルクスは光源から照らされた面の光の強さを測定しています。これから一つずつ解説していきますね。

光の単位①カンデラ

カンデラの単位

カンデラは特定の方向へ光を放射したとき、どれくらい明るいかどうかを測る尺度として用いられています。 単位は[cd]です。獣脂蝋燭という意味のラテン語を意味します。カンデラはもともと「燭(しょく)」という単位で、ロウソク1本分の光の強さを由来としています。

ルーメンが同じでも角度によってカンデラは異なる


ルーメンが同じでもカンデラは大きく異なります。 身近な例として懐中電灯で考えてみましょう。懐中電灯は暗闇を照らすのに便利ですが、私たちは目的に応じて使い分けていますよね。

広い範囲を照らしたり、狭い範囲をより明るくしたりです。実は光が調整できているのは、光を出す「角度」を変えているから。同じ光の強さでも、方向を絞れば絞るほど明るさが強くなるのです。

カンデラへ換算の例

1カンデラはロウソク一本分の明るさを表しています。身近な例をカンデラに換算してみましょう。

・25ワットの電灯が全方向(360度)に放射されている場合は135カンデラ ・25ワットの電灯を45度に集光すると約3500カンデラ 同じ25ワットの電灯でも、光を出す角度(照射角度)が異なると大きく明るさが変わってくるのです。

光の単位②ルーメン

ルーメンの単位

ルーメンは光源から全ての方向に対して放射される光の量を表します。全光束とも呼ばれ、値が大きくなればなるほど明るくなります。 単位は[lm]です。ラテン語で昼光を意味します。

ルーメンの測定方法とカンデラとの違い

ルーメンが大きいとカンデラも大きい。これは半分正解で半分不正解です。 ルーメンが高いということは、あくまで光源の周辺が「明るい」ということ。ですので必ずしも目的の方向が明るいとは限らない訳です。

一方でカンデラは光そのものの量も重要ですが、「どれくらいの角度を照射するか」も重要になってきます。 もしあなたが自転車のライトを選びたいとき、ルーメンという一つの単位だけでなく、どれくらいの距離まで明るく照らせるか(カンデラの値)を比較することも重要なのです。

ルーメンをカンデラへ換算してみよう

ルーメンをカンデラへ換算してみましょう。 ・400ルーメンを45度の角度で測ると約850カンデラ ・400ルーメンを30度の角度で測ると約1900カンデラ このように同じ400ルーメンでも照射する角度によってカンデラの値が大きく変わることが分かりますね。

ルーメンは光を比較する指標として統一されつつある

照明の電力を抑えるためにLED電球を使用する人が増えていますね。これまでのワット(W)表記からルーメン(lm)に変わったこともあり、戸惑われた方もいるのではないでしょうか? ルーメンはLED電球の明るさを表すのに使用され、日本ではルールとしてルーメン表記へ統一されています。

自動車や自転車のライト表記も、同じようにルーメンへ変わりつつあります。理由は簡単です。カンデラ測定には測定距離や光の角度などで数値が容易に変化し、メーカーごとの表記では比較しづらいという点があるからです。

光の単位③ルクス

ルクスの単位

ルクスはよく、室内の明るさで使用される単位です。光源から発した光が、壁や床に当たったときどれくらい明るいかどうかを表しています。 単位は[lux]です。ラテン語で光を意味します。

ルーメンとルクスの違いは?


ルーメンとルクスの違いは、光が広がる性質を考えているかどうかです。同じルーメンの照明をつけているのに場所によって暗く感じることはないでしょうか? ルクスは「ルーメン毎平方メートル」に与えられた固有の名称です。

1メートル四方の壁や床を1ルーメンの光で照らすときの明るさと定義されています。ざっくりというならば決まったルクスにしたい空間が、広ければ広いほど必要な照明の数に差が生まれるのです。

ルクスをルーメンに換算してみよう

ルクスをルーメンに換算してみましょう。 読書をするとき、だいたい400~500ルクスがちょうどいいといわれています。例として400ルクスを基準にしていきますね。

・6畳(約11平方メートル)の場合、約27000ルーメン ・20畳(約36.5平方メートル)の場合、約92000ルーメン 同じ明るさにしたければたくさんの照明がいることがわかりますね。

法律で適正なルクスが定められている

会社のオフィスや作業場では、労働者の安全を守るために適正な明るさ(ルクス)が定められています。 明るさが足りないと標識を見落としたり、落下物に気付かなかったり、安全性に問題が生じます。また視力の低下や眼精疲労といった労働者本人の健康にも影響を及ぼします。 JISが定めた推奨照度を少し紹介しましょう。

・300ルクス:受付、化粧室 ・500ルクス:会議場、普通の視作業 ・750ルクス:事務室、やや精密な視作業 自宅でもどんな風に部屋を利用するかで推奨される明るさが異なります。リラックスしたい場所ではルクスの小さい照明を付けたり、勉強するときはルクスの大きい照明をつけたりします。

自転車の運転で望ましいライトの明るさは?

頻繁に利用する道路事情によって選択しよう

一般的な市街地で運転するのなら、200ルーメン以上あるのが望ましいと言われています。けれど街灯が少ない道だと心細く感じるかもしれません。その場合は300ルーメンなど明るいライトを使用した方が安全で安心な走行ができるでしょう。

このように道路事情によって必要なルーメンは違います。通勤・通学で自転車を使うのでしたら、日頃使っている道路がどんな道なのかで選ぶといいですね。

休日に郊外へ行くのなら明るいライトも用意しておく

休日に自転車で郊外に行こうと考えているのなら、普段使い用と別に、600から1000ルーメンほどの、かなり明るいライトも用意しておきましょう。とくに山道や川沿いの道など、道路も整備されていない場所を通るのでしたら、安全のために必須です。

非常に明るいライトを取り付けるときの注意点がひとつあります。この明るさになると通行人や対向車の迷惑になる場合もあるため、角度を下げるなどの配慮をしましょう。

ルクスの単位は自転車のライトに使用されない

ルクスの単位はある空間の明るさを決める基準として利用されています。そのため自転車のライトにはこの単位は利用されません。 自転車ではルーメンかカンデラが使われることがありますが、比較しやすいようにとルーメン表記へ変わっているところが増えています。

コラム|車検に通るライトの明るさはどれくらい?

車検に通る光は6400カンデラ以上

車検のとき、使用される単位は6400カンデラ以上(ロービームの場合)です。 車検時では25メートル先を測定ポイントしており、ルーメンを以下のように換算しています。 カンデラ値=ルーメン値×25×25 ユーザーとしてはカンデラ値で判断したいと思ってしまいますね。

ルーメン、カンデラ以外の単位「ケルビン数」


車検はたびたび基準が変わることがあります。ヘッドライトの明るさの測定方法が変わったことで、「光の色」にも注目されるようになりました。この色を判定するのがケルビン数です。ケルビン数は明るさを判定するものではないのですが、ルーメンと相反する関係にあります。

光の色が白い(約6000ケルビン)と2900ルーメンほどになり、光が黄色っぽくなる(約4000ケルビン)3200ルーメンになります。 ケルビンの厳密な規定は今のところ決められていないようですが、6000ケルビン以内のものを選ぶのが無難です。というのも光は様々な方向に放射されているので、人によって色の感じ方が違うからです。

ライト選びの注意点。一つの単位だけで判断しないように

これから車検やツーリングなど楽しいイベントを企画するとき、安全のためにライトを選ぶことがあるでしょう。また新しい室内灯を設置するときに、どの程度の明かりが必要なのか考えなければならないときもあります。 そんなときたった一つの単位に注目するのではなく、どういった環境でどのようにして使いたいのかが重要になってきます。

ルーメンの大きさは十分かどうか

ルーメンはそもそも光源自体の大きさです。この値が十分でないとカンデラもルクスも十分な量を確保できません。かといってあまり大きすぎると、通行人の迷惑になってしまったり、返って疲労感が増したりなどしてしまいます。 大きければ大きいほど良いわけではありませんが、十分な量の光源を用意しましょう。

ライトの角度は適切かどうか

ルーメンは光源ですが、その光源を活かすのは光を照らす方向や角度です。 ときに車や自転車のライトは、明るすぎると困ることがあります。明るいライトを角度を低くしたりカバーをつけたりして適切に利用しましょう。

目的に合っているか

たとえば室内灯だと、必要な照明の強さが定められていることがあります。とくに読書や手先を使った作業をするときは目の健康のために適切な明るさの照明を使わなければなりません。 自転車でもどんな場所で使っているのかで適切なライトは異なります。該当の多い場所か、全く該当がない場所かで安心感は全く違うでしょう。

まとめ

ルーメン、ルクス、カンデラは同じ光の明るさを表す単位ですが、その意味は使用する場所で大きく異なります。比較しやすいから、とルーメンだけで選んでしまうと返って失敗することもあるのです。 使用する場所や目的に合わせて3つの単位を上手に使い分けてくださいね。