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アメリカオニアザミは危険?その特徴や、2つの駆除方法&注意点もご紹介!

アメリカオニアザミは非常にするどいトゲを持った植物です。野生の動物や牛などの家畜もそのトゲのせいかアメリカオニアザミを食べないためにどんどん繁殖範囲を広げて他の植物居場所を奪ってしまいます。アメリカオニアザミのせいで大事な庭や牧草地の植物が危機を迎えています。
更新: 2021年6月18日
佐藤3
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目次

アメリカオニアザミとは

アメリカオニアザミはもともと日本にはない種類の植物で、牧草や穀物と一緒に入り込んで定着してしまいました。特に北海道に多く、酪農農家たちは繁殖力の高いアメリカオニアザミが牛たちの食べる牧草を追いやって茂っていくのに困っています。 とても硬いトゲがあるので、牛たちもニホンシカたちもアメリカオニアザミを食べることはしません。そのおかげでアメリカオニアザミは耐えることなくどんどん生息地域を広げて本州や四国まで進んでいるといわれています。

多年草

アメリカオニアザミは多年草です。雑草だと思って一度は刈り取っても、いつのまにかまたあらわれることも少なくありません。一度生えて庭や牧草地に根付いてしまったら、根気強く何度か駆除を続けていくか、除草剤の散布も考慮して駆除していく必要があるでしょう。

被害

アメリカオニアザミは動物が食べることがなく、トゲのせいでなかなか人も手を出しにくい植物です。雑草が生えていれば見た目も悪くなります。牧草地だけでなく、道路脇などにも生えていますので、飼い犬が散歩の時に触れて怪我をすることもあります。駆除しようとして人が怪我をすることも少なくありません。

食用

アザミの葉をおひたしにして食べる人もいます。しかし、食べられるのはトゲの柔らかい在来種のアザミの種類です。 漢方では解毒剤や止血剤としてアザミが用いられることがありますが、これもアメリカオニアザミが使われることはありません。もしアメリカオニアザミを見ても食べようと思わぬようご注意ください。

アメリカオニアザミの基本情報

科・属


アメリカオニアザミはキク科アザミ属の植物です。

原産地・分布

アメリカオニアザミと名前がついていますが、実は原産地はアメリカではなくヨーロッパです。しかし、日本に入ってきた経路が北アメリカ産の穀物などだったことから、アメリカから渡ってきたアザミということでこの名前になったようです。 日本では特に北海道に多く生えており、特に利尻島や知床国立公園など自然が多く残っている場所に多く見られ、その繁殖力の高さから在来種の植物の生存を脅かす存在になっています。

要注意外来生物

日本には特定外来種が日本に昔からある在来種の生態系などに影響を与えるのを防止するための法律があります。それがこの「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」で、特定外来生物法などと略して呼ばれることもあります。 アメリカオニアザミはこの法律で要注意外来生物と指定されている植物です。アメリカオニアザミの保管や所持はもちろん、栽培などについても厳しく規制されているので、間違ってもアメリカオニアザミを育てようとしてはいけません。

アメリカオニアザミの見分け方

アメリカオニアザミは在来種のアザミの花によく似ていますが、するどいトゲがあることで容易に見分けることができます。茎部分だけでなく、花の周りにもトゲがあります。 日本にはアザミの種類はたくさんありますが、ほとんどが高山など分布域が限られています。人が住んでいるところに生えてくる種類は数が限られています。 アメリカオニアザミと見分ける必要がある4つのアザミの種類をご紹介します。アメリカオニアザミの特定にお役立てください。

ノアザミ

ノアザミは花の咲く時期が春から初夏にかけてです。アメリカオニアザミは夏に花の時期を迎えますので、花の咲いている時を見ればすぐにノアザミと区別がつくでしょう。 ノアザミにはアメリカオニアザミのような鋭いトゲがありません。よく食用にされるのはこのノアザミです。

ノハラアザミ

ノハラアザミは花の時期が初秋からとなっています。花の時期がアメリカオニアザミよりも少し遅いですが、時期が微妙にかぶるので見分けるのが難しいこともあります。茎にトゲがないのでそこで見分けます。


トネアザミ

トネアザミも秋に花を咲かせるアザミの仲間です。こちらはトゲがあるので、アメリカオニアザミとの見分けが難しくなってきます。よくみるとトゲの大きさ、鋭さなどが異なりますのでそこで見分けるようにします。 また花が横を向いて咲くこともあるので、横向きに咲いているアザミならトネアザミと思って間違いないでしょう。

オニアザミ

日本の在来種にも「オニアザミ」という同じようにトゲのあるアザミの種類が存在します。しかし、オニアザミは日本海側だけに分布しており太平洋側には存在しません。 この他、種に綿毛がないこともアメリカオニアザミと見分けるのに役立つでしょう。

アメリカオニアザミの繁殖力

アメリカオニアザミは元々ヨーロッパが原産ですが、アメリカにも外来種として渡ってきて定着してしまった植物です。その他、オーストラリアやアフリカ南部でもヨーロッパから渡ったアメリカオニアザミが外来種として存在しています。 硬いトゲがあるせいで動物に食べられることもなく、非常に強い繁殖力を持つことからどんどんとそのテリトリーを広げていくのでやっかいな植物です。

アメリカオニアザミの駆除方法

もし庭にアメリカオニアザミが生えてきたら素足で庭を歩いた時、トゲで足などを傷つける恐れもあります。小さい子供さんがいるご家庭では特に注意したいですね。放っておくと種をばらまいて増えてしまい、近所にも被害が及んでしまうこともあるでしょう。そうなる前に、できるだけ早く駆除するように心がけましょう。

①除草剤による駆除方法

アメリカオニアザミを駆除するには除草剤による駆除方法が適しています。アメリカオニアザミの予防には「スペクタクルフロアブル」生えてしまった後は「デスティニーWDG」を散布します。除草剤を散布すればしばらくはアメリカオニアザミの繁殖を抑えることができるでしょう。

②スコップによる駆除方法


アメリカオニアザミは鎌などで上を刈り取っても根が残っているとまた生えてきてしまいます。地下茎で増えることがないので広がりはしませんが、切っては刈りを繰り返すだけで繁殖力の高いアメリカオニアザミはなかなか絶えることはないでしょう。 おすすめなのはスコップでその周囲の土ごと掘り返してしまう方法です。この方法なら根ごと駆除できますので刈り取るよりもしっかり取り除けます。

アメリカオニアザミ駆除の注意点

トゲ

アメリカオニアザミは在来種の生態系を狂わせる以外に困った存在だと思われているのは、その硬いトゲにあります。うっかり素足で歩いて傷になってしまったり、刈り取ろうとして握って手を怪我したりする人が続出したからです。 アメリカオニアザミを駆除する時は、絶対に素手では触らずに厚いゴムや革製の手袋をするようにして、怪我をしないよう注意することが大切です。

花の時期の駆除

アメリカオニアザミはたんぽぽのような綿毛で種を飛ばして繁殖します。花が咲いている時期のアメリカオニアザミを刈り取った後に、そのまま放置してしまうと花が種になりまた仲間を増やしてしまうでしょう。 花の時期に刈り取りしたアメリカオニアザミはすぐに焼却するか、袋に入れて種が飛散しないよう口をしっかりと閉め、可燃ごみの日に出すようにしましょう。

まとめ

アメリカオニアザミは、アメリカから渡ってきて日本に昔からある在来種の植物の居場所を奪って生態系を狂わせる恐れがある繁殖力の高い雑草です。在来植物だけでなく、その鋭いトゲでうっかり触ってしまった人を怪我させる恐れもあります。 もし、庭に見たことのないアザミの花が咲いていたらアメリカオニアザミかどうか確認しましょう。アメリカオニアザミなら少しでも早く駆除しないとあなたの庭がトゲだらけで危険な場所になってしまう可能性もあります。 除草剤を散布する、鎌などで刈り取る、スコップで掘り返すなどしてできるだけ早く確実に駆除していきましょう。