いろいろなドアノブのトラブル
ドアノブが調子悪いといっても千差万別です。DIYに大切なのは故障の適切な診断です。ドアノブの緩みやガタツキ位ならドアノブを交換しなくても済むかもしれません。 でも完全にノブが動かなくなったり、空回りしたり、外れたり、ランチ(後述の構造を参照)が作動しなくなったら取り替える時期かもしれません。
お困りのドアノブの種類はどれですか
そんなトラブルの判断をするためにも、締め直しで済むにしても、ドアノブを取り替えるとしても、まずはどんなドアノブなのか、その種類や簡単な仕組み、名称くらいは知っておくことがDIYに欠かせません。 今、あなたがお困りのドアのドアノブはどれでしょうか。
1.チューブラ錠のドア
チューブラ錠は室内のトイレや浴室のドア、居間の仕切りドア、子ども部屋のドアなどにに使われています。取り付け方や取り換えの方法が容易な簡易型のドアノブです。内側と外側からノブを木ネジで止める方法なのでDIYでも簡単に補修や交換ができます。
2.円筒錠のドア
以前は玄関のドアにも使われていましたが、防犯性に弱いので最近は室内のトイレや浴室のドアに使われています。チューブラ錠との違いは外側のドアノブがネジでドアに直接固定するようになっていません。
3.インテグラル錠のドア
ドアを閉めた時の留め金(ラッチボルト)とは別に四角いデッドボルトがあり、鍵をかけるとこれが飛び出して施錠されます。
このデッドボルトがあるのがインテグラル錠です。取り換え方法や付け方は、それほどむずかしくありませんからDIYに向いています。
4.レバーハンドル錠のドア
握り玉よりも持ちやすくドアを開閉しやすいので、お年寄りや小さい子にも使いやすく人気があります。壊れたレバーハンドル錠の外し方や交換もそれほど難しくありません。握り玉からレバーハンドルへの取り替えも容易ですからDIYに向いています。
5.サムラッチ錠、プッシュプルハンドル錠 etc のついたドア
この二つは比較的に高価ですし防犯上、精巧なつくりの場合も多いので取り替える場合は、DIYよりも専門業者に依頼をする方が適切かもしれません。
サムラッチ錠
サムラッチ錠はアンティークな装飾が施された錠前が多く、装飾錠ともいわれ玄関のドアに映えて、とても似合います。
プッシュプルハンドル錠
プッシュプルハンドル錠はスマートな錠前で力をかけずにワンタッチで開閉でき、お年寄りや子供、障害のある人ににやさしいデザインで玄関のドアに使われています。
ドアノブのメンテとドアノブ交換
いよいよ具合の悪いドアノブの補修の仕方やドアノブを取り替える方法を説明します。ここでは室内の浴室のドアやトイレ、間仕切りのドアなどに使われている円筒錠の握り玉(ノブ)とインテグラル錠のドアノブ、レバーハンドルの外し方、取り替え方を取り上げます。
とは言え、これらのドアノブにも色々なタイプがありますから、あくまでも限られた部分的な情報と考えてください。
全てのドアノブの外し方の鉄則は内側から
まずはノブの緩みやガタツキの修復です。交換するまでもないドアノブでも作業するにはノブを外して点検したり修復する場合があります。その際には必ず内側のノブから行います。
チューブラ錠の修理と簡単なドアノブ交換
これは外側のノブの芯棒がが内側のノブ穴にはまるように連結していて、内側と外側のノブについている台座をドア板に押さえるように固定させているものです。 木ネジが緩んでいたら締め直し、木ネジの穴が大きくなって緩んでいるときは穴に爪楊枝を差し込んで補強してあげてから締め直します。
動画で見る 握り玉(ノブ)の外し方とレバーハンドルへの交換
ネジを締め直てもグラグラしたり、ノブが動かなったり、ラッチが作動しないときにはドアノブを新しいものに取り替える必要があります。その際、この動画のようにレバーハンドルに交換してみてはいかがでしょう。
取り替えるときには上図にあるようにドアの厚さやバックセットの寸法をミリ単位で測り購入してください。同じメーカーのものなら安心です。
円筒錠のドアノブの外し方とドアノブ交換
同じ円筒錠でも構造によってノブの外し方、取り付け方はいろいろです。その違いによってノブのぐらつきを補修する方法も交換する方法も違ってきます。下図を見てください。外側のノブがドア板を挟んで内側にある丸座裏金でビスで固定されています。
そのビスが緩んでいるのでを閉めてあげるとグラつきが直ります。逆にビスを外せば内側と外側のドアノブを外すことができます。
動画で見る 円筒錠のドアノブの外し方と修理(1)
ノブとカバー(丸座)の外し方、その中にある丸座裏金のビスの締め方は動画を参考にしてください。丸座の外し方は機種によって違います。この動画の場合は別々になっているタイプの丸座を外しています。これ以外に一体になっている丸座を左に回して外すもの、ノブの部分から外すもの等様々です。
動画で見る 円筒錠のドアノブの外し方(2)
この円筒錠のドアノブの外し方は握り玉の根元の小さな穴に先の細い千枚通しを差し込み、引っ掛かりを外してノブを引き抜くことができます。次にカバー(丸座)を取って丸座裏金に固定しているネジを外すと外側の円筒部のついたドアノブを外すことができます。外せれば付け方は簡単です。
円筒錠のドアノブの外し方とドアノブ交換
ノブが空回りしたりラッチボルトが壊れて動かないという状態なら円筒錠全体の交換が必要です。ドアノブを外すまでは上と同じです。次にラッチの取り外しです。上図(円筒錠の分解図)のフロント板のネジをとるとフロント板とラッチがはずれます。
新しい錠前の取り付け方は外す時の逆の手順です。先ずラッチ、フロント板、外側のノブ、丸座裏金の固定、丸座、内側のノブです。
動画で見る 円筒錠のドアノブ交換(3)
インテグラル錠のドアノブの外し方と付け方
下図を見てください。外側のノブの真ん中から出ている棒部分により施錠したり開錠を行い、その横についているスピンドルというプレートでドアの開閉をする構造です。付け方は、この棒部分やスピンドルがラッチボルトやデットボルトが入っているケースに組み合うように入れて施錠やラッチがきちんと作動するか確認します。
動画で見る インテグラル錠のドアノブ交換
レバーハンドル ドアノブの外し方とドアノブ交換
レバーハンドル錠の構造と修理
レバーハンドルが緩んだり少しガタついたときは、二つのレバーが固定されていないことが考えられます。下の構造図のように外側のレバーから出ている角芯棒が室内側のレバーの穴に差し込まれて取り付けネジで絞められています。外側、内側の」れ場ハンドルを両側から押さえながら取り付けネジを締め直してみましょう。
動画で見る レバーハンドル錠のドアノブの外し方と付け方、ドアノブ交換(1)
動画で見る レバーハンドル錠の鍵部分のシリンダーの外し方と交換(2)
交換ドアノブ購入にあたって注意すること
これまで見てきたようにドアノブ交換で注意しなければならないのが大きさや型です。せっかく買ってきても寸法が合わなければ使えません。ここでドアノブを購入に当たって注意すべき点を再確認しておきましょう。
上がラッチのみのドアノブで、下がデッドボルトも付いたインテグラル錠のドアノブです。交換で寸法を間違えないためにはラッチボルトやデッドボルトの入ったケースのフロント板の刻印を見るとメーカー名と品番が分かります。
ラッチのみのドアノブの場合はドアの厚み、バックセット、ビスピッチ、フロント寸法を測ってメーカーを伝え店員さんに訊けば教えてくれるでしょう。
ドアノブを長持ちさせるためのDIYの心構え
ドアノブは突然急に壊れるということは少ないようです。何か前兆があることが多いといわれます。例えばネジが緩んでノブにガタツキが生じたり、乱暴に扱ってパーツが傷んだり摩耗・劣化して徐々におかしくなり、放っておいたために本格的な故障に至ります。
ですからちょっとした不具合に気が付いたら小まめに修理しておくことがDIYのための大切な心構えです。
DIYの鉄則 手に負えなければ専門家がいる
「安かろう悪かろう」では困ります。例えば玄関のドアノブの交換を考えてみましょう。錠前の大切な役割は防犯です。そのため玄関の錠前は精巧で高価なものが多いです。コストが安く済むだけでなく防犯的な面が担保されないとなりません。
また作業の簡易さにも関係しますが時間がかかり過ぎたり、途中で投げ出すわけにもいきません。多少の費用は掛かりますが、難しい、大変なドアノブの交換は専門業者に頼む勇気もDIYには大切です。
鍵のない(空錠)タイプ。ノブを回すと出たり入ったりするラッチボルト(後述)でドアを仮締めします。