ビオラの育て方は? コツを解説!
育て方は簡単! 秋~春にかけて咲く
秋の終わりからホームセンターや園芸店に並び始める、ビオラ。パンジーと並んで、ガーデニングでは主役とも呼べる大定番のお花です。育て方は難しくありません。ガーデニングが始めての方で大丈夫! 苗を買ってきて、少しのコツさえ押さえれば、簡単に育てられますよ! 秋から春ごろまで咲き続けるので、開花時期が長いのもポイント。冬の寒さにも強いんですよ。さらに、お手入れをきちんと行えば、つぎつぎと新しい花を咲かせてくれます! あなたもビオラで、秋~春のお庭を彩りませんか? 開花時期が長くなる育て方をご紹介します!
ビオラとパンジーの違い
パンジーとは、ビオラ・トリコロールをはじめとした、4つの野生種が交雑された結果誕生した花です。複雑に品種改良が重ねられてきたビオラとパンジーは、見た目が良く似ており、「どこまでがビオラで、どこからがパンジーなのか」と、たびたび疑問に思われることも多いのが現状です。
ビオラはパンジーより小さい
ビオラとパンジーの境界線はどんどん曖昧になってきています。そもそも、学術的にはこの2つ、実は同じだとされているのです。ですので、あまり違いにこだわる必要はありません。ですが、現在の園芸世界では、「花が大きいものがパンジー」で、「花が小さいものがビオラ」と便宜上区別されています。ところが、「これはどっちだろう?」と迷ってしまうような中間サイズの品種も出てきています。そんなパンジーとビオラの中間サイズのものは、「小中輪パンジー」、「大輪ビオラ」と、どちらかのくくりに入れられて呼ばれることが多いようです。
厳密に区別しなくてOK
パンジーとビオラは品種改良の過程でお互いが交わってきた花ですから、じつは厳密に区別しようとしなくてOK。ガーデニングで楽しむ分には、「大きいものがビオラ」、「小さいものがパンジー」と覚えておけば充分でしょう。また、パンジーと呼ばれるものは、人の顔のように見える黒い模様(ブロッチといいます)が入るものが多いのも特徴です。
ビオラとパンジー、どっちを育てる?
初心者さんにはビオラがおすすめ
ビオラとパンジー、どちらを育てるか迷ってしまいますよね。好みの色や柄のものを選ぶのが1番ですが、初心者さんにはどちらかといえばビオラをおすすめします。パンジーよりも寒さに強い傾向にあり、つぎつぎと新しい花を咲かせてくれるからです。こぼれ種で増えやすいのも特徴。ただ、「ひとつの花が大きいものが好み」という方は、パンジーを選ぶと良いでしょう。
ビオラの育て方1.苗選び
良い苗を選ぶコツ!
長く花を咲かせたいなら、最初の苗選びはとても重要! ビオラは、最初の花がついた直後が、植え付けに最適なタイミングです。なので、すでにたくさん花が咲いている苗は避けましょう。その他にも、こんなポイントに注目してみてください。
間延びしていない
茎がすらりと長くて縦に大きい苗は、間延びしています。縦に長い苗は立派に見えるかもしれませんが、できるだけ背が低く、横に這うように長い苗を選びましょう。
茎の数が多い
たくさん茎が伸びている苗を選ぶのも大切です。「いま咲いている花の数が多い苗」より、「茎が多くて、これから咲く花の数が多そうな苗」を選ぶことで、春まで長く花を楽しめますよ。
ビオラの育て方2.植え付け
植え付け時期は10月頃から
ビオラは10月ごろから植え付けできます。気温が20℃以上だと、株が弱ってしまいやすいので、涼しくなってから植え付けましょう。
苗を植える間隔
苗と苗は10センチくらい離して、花壇やプランターに植え付けましょう。「苗と苗の間に、もうひと株植えられそうな幅」を取ってあげるのがコツです。横幅が50センチのプランターであれば、3株程度植え付けできます。ちょっとスカスカした印象になりますが、苗はこれから大きく育つので、最初からギチギチに植えないようにしましょう。花壇に植える場合、心持ち感覚を広めに取ってあげると良いでしょう。15~20センチくらい離してあげるのがおすすめです。
土と肥料
「パンジー・ビオラの土」と書かれている土を買ってきて使えば確実です。これに元肥として緩効性肥料を混ぜて、プランターに植えましょう。普通の園芸用培養土でも大丈夫です。地植えの場合、堆肥や腐葉土を3割程度土に混ぜると良いでしょう。水はけと保水性のほどよい状態で管理するのが理想です。
根を少しほぐす
ポットから抜いた苗の根が下まで回っており、どくろを巻いているような状態だった場合、下の根を土と一緒に少しだけほぐして植え付けましょう。そのまま植えてしまうと、新しい根が伸びにくくなります。
ビオラの育て方3.日当たりと水やり
日当たり
ビオラは日当たりを好む植物です。太陽の光がよく当たり、風通しが良く蒸れにくい場所で管理してください。
水やり
土の表面が乾いたタイミングで、たっぷりと水やりします。地植えした場合、最初に苗を植えたときにたっぷりと水やりしておけば、その後は雨水だけでも育ちます。極端に乾燥するときだけ水やりしましょう。水やりのしすぎは根腐れにつながるので、地植えであれば乾かし気味の管理で大丈夫です。
水やりは朝行う
ビオラは暑さによる蒸れに弱い植物です。昼間に水やりをすると、気温の上昇で蒸れてしまいやすくなります。できれば朝に水やりをしてください。朝が難しいようなら、涼しくなってきた夕方がおすすめです。
ビオラの育て方4.日常管理と手入れ
液体肥料を与えて管理
最初に与える緩効性肥料に加え、液体肥料を与えるとよく育ちます。開花期間が長いので、栄養を切らさないよう、2週間に1度ほど与えましょう。液体肥料は水やりの水に混ぜておくと楽です。特に成長期は多めに肥料を与えましょう。ちなみに冬の間は、液体肥料ではなく固形肥料を置き肥として与える方法を取ってもOKです。また、夏越しさせたいなら、夏場は肥料を控えます。ただ、ビオラは1年草として楽しむのが定番ですので、夏越しさせるにはテクニックが必要です。下項目で詳しくご紹介しています。
花がら摘みは欠かせない手入れ
長く開花させたいなら、肥料に加え、ビオラの花がら摘みは欠かせない手入れです。枯れてしまった花は、茎のつけ根でカットしましょう。しおれた花をそのまま放置していると、株が疲れてしまい、つぎつぎと花を咲かせるビオラの良さを充分に引き出すことができません。できるだけ頻繁にお手入れしてあげれば、期待に応えるように新しい花をどんどん咲かせてくれますよ。
ビオラの育て方5.切り戻し
たくさん花を咲かせるなら、切り戻し!
苗を買ってきたら、そのまま植え付けて水やり・花がら摘みをするだけではなく、切り戻しもしてあげるとさらにたくさんの花が咲きます。切り戻しとは、花の茎を切り取ってしまうお手入れのこと。わき芽が増え、さらにこんもりとした大きい株になることが期待できます。ビオラにもこの切り戻しが有効で、時期は10月~11月中旬にかけて行えます。秋、早めに出荷されたビオラは間延びしがちなので、ひょろひょろと背が高く育ってしまっているビオラほど、購入直後に切り戻しをして管理すべきでしょう。
切り戻しの方法
花が咲いている茎を、芽が出ている株元の部分までばっさりと切り戻しします。1ヵ月もすると、横に株が広がってくるはずです。切ってしまった花は、水に生けて楽しむか、押し花にするとよいでしょう。
切り戻しをするなら、広めの場所に植えよう
切り戻しをしても、鉢やプランターが小さかったり、隣の株との距離が近すぎたりすると、充分に大きい株になりません。切り戻しをするなら株間を広めに取って管理するのがコツです。円形の鉢であれば、何株も植えず、中央にひと株だけ植えると良いでしょう。鉢の深さがあり水はけが心配な場合、鉢底石を多めに敷いておきます。
スイーツのトッピングにしても可愛い!
ビオラをケーキやパイにトッピングするのもおしゃれです! 切り戻したお花は、ぜひホームパーティーの飾りに有効活用しましょう。
ビオラの育て方6.種まき
種まきの時期
ビオラは種まきからでも育てることができます。発芽には20℃ほどの気温が必要なので、9月~10月上旬ごろに種まきをしましょう。11月に入ってしまうと寒すぎるので、本格的な秋が訪れる前に種まきを終わらせるのが良いでしょう。
種まきの時期で開花時期も変わる
早く種まきをすればそれだけ早く花も咲き、逆に遅くに種まきをすると、花の時期も遅くなります。8月下旬ごろに種をまいた場合、秋冬に花のシーズンを迎えます。ただし、いち早くビオラの花を楽しめることはできても、まだ気温が高いため、徒長しやすくなってしまうのがデメリットです。9月中旬~下旬に種まきをすると、12月ごろには花が咲き始め、春まで長く花を楽しめます。早くまいた場合より病気の発生も少なく、この時期が種まきのベストシーズンです。それ以降になると、多くは年が明けてからの開花になります。
種まきの方法
セルトレーやピートバン、育苗箱に種まきします。土で種を覆う必要はほとんどなく、手でなじませる程度で大丈夫です。ひと粒ひと粒が重ならないようにしてください。種まき後は、たっぷりと水やりをします。発芽するまでに、土を乾かさないことがコツです。日陰で管理しましょう。
定植のタイミング
ビオラの苗が育ってきたら、いよいよ定植です。根が鉢の下まで回ってきたら、プランターや花壇に植え替えましょう。根がどのくらい育ったかは、鉢底の穴からのぞくか、1度抜き取るか、いずれかの方法で確認してください。定植のタイミングが遅れると、根が回りすぎてしまいます。
ビオラの育て方7.病気、害虫
こまめに手入れして、病気をチェック
パンジー・ビオラといったスミレ科の植物は、モザイク病や灰色かび病にかかることがあります。また、代表的な害虫はアブラムシです。こまめな手入れで、病気にかかっていないかチェックしましょう。
モザイク病とは
アブラムシによって発生することの多い病気です。その名の通り、葉がモザイクのようになります。病気にかかった最初は、葉脈が透明になり、しだいに広がって全体がモザイク状になっていきます。生育が悪くなり、株は大きくならず小さくまとまってしまいます。
灰色かび病とは
葉の縁から茶色っぽくなり、枯れてしまう病気です。病原菌はかびで、気温20℃前後で発生しやすい特徴があります。枯れてしまったビオラの葉を放置したり、花がら摘みを怠ったりするとこの病気にかかりやすいので、こまめに手入れしましょう。
アブラムシ
ガーデニングで問題になりやすい、困った害虫です。見つけ次第駆除しましょう。アブラムシは病気を運んでくるので、放置しているとモザイク病のような病気の発生源になってしまうことも。
ビオラの病気を回避するためには?
病気にかかりやすくなるのは、おもに気温が上昇してくる春以降です。まずは基本の手入れである花がら摘みをしっかり行い、虫がついていたら取り除くことで、病気を予防しましょう。
ビオラの育て方8.冬越しのコツ
冬越しは難しくない
ビオラの冬の管理は難しくありません。関東周辺地域では、屋外で普通に冬越しさせることができます。ただ、北海道のような雪が多い場所だと、雪の重みで株が弱ってしまうことも。
冬越しのコツ
冬を元気に越させるためには、雪の季節までに大きくて丈夫な株に育てておくことをおすすめします。鉢の下まで根が回ったら、定植しましょう。霜に当たると葉っぱが変色することもありますが、基本的には雪や霜にも耐えるほど寒さに強い植物です。春になれば、もっと大きくなってたくさんの花を咲かせてくれます。雪の重みが心配なら、鉢やプランターで栽培を行い、雪のかかりにくい場所に移動させるようにすると良いでしょう。
ビオラの育て方9.夏越しのコツ
夏越しは難しい
ビオラは暑さに弱く、夏には枯れてしまいます。一般的に、ビオラは夏越しさせず、1年草として楽しむものです。秋にはまた新しい苗が出回りますから、夏越しさせてもすぐ買い換えることのできる季節がやってくるのです。でも、「夏越しさせられるなら、やってみたい」と考えたことのある方も少なくないのでは? せっかく買った苗、できれば来年も楽しみたいですよね。そこで、夏越しさせるためのコツをいくつかご紹介します。
夏越しのコツ1.地植えせず、暑さを避ける
夏越しさせたいなら、地植えするのではなくプランターか鉢で栽培しましょう。場所を移動させて、夏の暑い太陽を避けるためです。
夏越しのコツ2.切り戻しをする
花が咲き、種がつくと株が消耗してしまうので、気温が上がってきたら咲いた花を切り戻ししてください。花がない状態で管理します。
夏越しのコツ3.日陰で管理
秋~春は日当たりで育てるのが重要なビオラですが、梅雨が明けて気温が上昇する時期から軒下に移動させて、日光を当てないようにしましょう。雨にも当てないでください。
夏越しのコツ4.水を控える
あたたかい時期になってきたら、徐々に水やりを控えて管理します。夏はビオラが苦手とする季節ですから、生育も鈍くなり、あまり水を必要としなくなります。肥料も不要です。心配して水やりをしすぎると、蒸れてしまって、逆に夏越しさせづらくなります。
ビオラの寄せ植えをしてみよう
寄せ植えで可愛く育てる
個性が強い花の形と、小さくて背の低い姿がかわいらしいビオラ。秋~春の寄せ植えにピッタリです! 背の高い植物やカラーリーフと組み合わせて、あなたもおしゃれなビオラの寄せ植え作りに挑戦してみませんか?
ベロニカグロースとビオラの寄せ植え
こちらは2色のビオラと、ベロニカグレースを組み合わせた寄せ植えです。ビオラの紫と交わり合うような統一感があります。左右対称に植えられたビオラのバランスも見事です。
ビオラの育て方まとめ!
育て方が簡単で、冬にも咲く
いかがでしたか? ビオラは丈夫で、ガーデニングに初めて挑戦したい方にもうってつけ。冬の寒さに強く、開花時期も長い花です。花が少なくなる時期に重宝しますし、花がら摘みをしてあげれば、つぎつぎと新しい花を咲かせる楽しみがあります。寄せ植えにしても可愛いですよ。コンパクトで手入れしやすいのもポイント。ぜひ育ててみてくださいね。