シンビジウムとは?(学名・英語・原産国は…)
学名:Cymbidium 科・属名:ラン科・シンビジウム属 和名:シンビジウム・シンビジューム・シンビデューム 原産地:インド・ネパール・タイ・中国・オセアニア・日本など 分類:多年草・常緑
シンビジウムの特徴
特性・用途:香りがある・初心者でも育てやすい 草丈/樹高:30cm~80cm 花径:4cm~10cm 耐寒/耐暑性(花):弱い(10℃~15℃)※花を長持ちさせる目安の温度 耐寒/耐暑性(母体):普通(5℃~25℃)※冬越ししやすい 日照:「夏、遮光50%」 ~ 「冬、室内で日光の当たる窓辺」
シンビジウム育ての基本情報
肥料:4月~7月骨粉入りの固形油粕などを置き肥、5月~10月薄めの液肥/週 開花時期:12月~4月 植替え・株分け:4月~5月 ※花後におこなう 用途:鉢植え・切り花 花の色:白・ピンク・赤・黄色・橙色・緑・茶・ワインレッド 花言葉:誠実な愛情・飾らない心・深窓の麗人・素朴
シンビジウムの特徴
洋ランの中では、大変丈夫なお花です。寒さにも強く冬越しはしやすいと言われています。
シンビジウムは花持ちがいい!!
シンビジウムの花持ちは3ヶ月程度あります。他の洋ランを見てみると、コチョウランで2~3ヶ月、カトレアで1ヶ月、デンドロビウムで2ヶ月とコチョウランに負けない開花期間があります。
シンビジウムは種類が豊富
人が長い年月をかけ交配してきた150年ほどの歴史の中で15,000種類ともいわれる品種の記録があるようです。 花の色の種類、花の大きさも豊富で園芸店に行けばさまざまな園芸品種を見ることが出来ます。 株姿、仕立て方も様々で、直立型、下垂方、アーチ型などご自分の好みでいろいろ楽しめます。
シンビジウムの原産地は!!
原種は広い地域に分布しており特徴的なのが、海抜1,000m~1,500mの高地が原産地であることです。このことからも寒さに強いのが良くわかります。
園芸店でシンビジウムを買うために!!
まず、園芸店に行く前に、皆さんご自身の好きなシンビジウムがお色でも品種の名前でも仕立て方でもいいので決まっていれば、それを目当てに行けば決めやすいですね。
シンビジウムの一番元気そうな鉢を選ぼう!!
皆さんご自身の好きなシンビジウムが決まっていないのであれば園芸店に行ってから、皆さんの置きたいお部屋にどのシンビジウムが合うか眺めてみてください。 インスピレーションで2,3点のお花がピックアップできるでしょう。 ここから、1鉢を選ぶポイントは以下になります。
選び方のポイント
①花の色合いが鮮やかに出ている鉢。 ②葉の出ている株元を見ましょう。バルブと言いますが、バルブごとに葉が7本~10本出ている鉢が元気です。 ③葉の色が緑で、葉枯れしていないこと、葉枯れ部分の切った後がないことを確認しましょう。④バルブを見て、太くがっしりしていること、細く弱々しいのはだめです。
⑤最後に花のつぼみが多いいのも、基本的にやめた方がいいです。花が8割程度咲いている鉢を選びましょう。つぼみが多いい株は、管理の仕方が大変になります。花が咲かないことや綺麗な色が出ないことがあります。つぼみを咲かせる自信のある方は、挑戦するのも面白いかもしれません。
シンビジウムの育て方/1.花の咲く冬の管理
さあ、8割方花の咲いているシンビジウムを買ったので、今年の冬はお部屋の雰囲気も様変わり、綺麗でゴージャスなシーズンをおくれそうですね。
シンビジウム冬の育て方/置き場所、室内で管理
お部屋の中でのベストポジションは、日当たりのよい窓辺です。冬の日差しと言っても直射日光が当たりすぎるのも良くないので、当たりすぎていると感じた時はカーテンを引いてあげましょう。
つぼみがある間は、花を綺麗な色で咲かせるために日の当たる場所で管理しましょう。花が満開になれば、玄関や室内の日当たりの悪い場所でも管理可能です。
シンビジウム冬の育て方/水やり
シンビジウムも洋ランの一種なので鉢の表面をよく見て乾いているようであれば、たっぷり水をやります。冬の時期は気温も低いので、乾いてから1,2日置いてから水やりしても大丈夫です。
ただ、この時期は室内で管理するため、暖房が入っている部屋の場合、気を付ける必要があります。表面が乾いていると感じたら水やりしましょう。午前中に水やりすることが基本です。 まだ、つぼみのある間は、スプレーで葉水を少しかけ湿度を上げてやりましょう。
この時期は夜間の温度が5度程度のお部屋の場合は10日に1回程度、10度以上あれば1週間に1回を目安としましょう。 冬の水のやりすぎは根腐れの原因になります。
シンビジウム冬の育て方/水やりのおすすめは…
「鉢底から水が出るまでたっぷりやれ」と言われても、室内での水やりは少し大変ですね。 おすすめは室外でバケツいっぱいに水を入れ、10分程度その中に鉢ごと浸ける方法です。その重さを体感で覚え、軽く成ったら浸けます。重さを覚えれば、水やりのタイミングが分かります。
シンビジウム冬の育て方/肥料は与えない
冬は育生が止まっている時期です。開花中も花後も肥料は与えません。 ※春に新芽が出たら与えます。
シンビジウム冬の育て方/花が終わったら花茎切り
花は3ヶ月もつといいました。来年、花茎の5本立ちを目指すために必要なことがあります。それは花が終わったら花茎切りです。 株の養分を消費して花は咲くのです。養分を取られると株は弱ります。
弱らせないために花茎切りが必要になります。 3月までに開花した花は、3割程度枯れたら切花にします。その後に開花した花は、8分咲きで切花にします。 切花は5度~8度で管理することで1ヶ月ほど、もさせることができます。
シンビジウム冬の育て方/つぼみが落ちるのはなぜ?
シンビジウムのつぼみが咲く前に落ちる原因は2つあります。 ①部屋の温度が高い時です。せめて、20度以下に抑えましょう。 ②水不足や湿度不足の時です。つぼみは発育時に水を必要とします。鉢の表土をよく観察し、乾いたら水やりやスプレーで葉水を与えましょう。
シンビジウムの育て方/2.花後の春、作業の多いい時期!!
春になるとシンビジウムは、開花時期が終わり生育期に入ります。来年、花茎の5本立ちを目指すため植え替え・芽かきもあり手入れの忙しい季節です。シンビジュウムから目が離せませんね。
シンビジウム春の育て方/外に出そう!
八重桜の咲くころ外に出すのがお進めです。毎日5~6時間、日に当てることを目安としましょう。
シンビジウム春の育て方/遮光ネットで管理
今まで室内で手入れを行い鑑賞していたシンビジウムを外に出す時期になります。 シンビジウム1日中遮光できるネットで真夏は50%遮光、それ以外の時期は35%で遮光します。 葉焼けを防ぎ綺麗な葉を保つにはどうしても必要な管理の方法です。
シンビジウム春の育て方/遮光ネットが使えない場合
外で栽培・手入れするに当たり、徐々に環境に慣れさせる必要があります。春曇りの続く時期に外に出し、少しづつ日に当てる時間を増やします。 どうしても葉焼けしますが、何とか真夏ものりきり秋までもつでしょう。
葉焼け具合が日当たりのバロメータとなります。葉焼けがひどい様なら少し日陰の場所に移すなどお手入れの方法を考えましょう。 葉焼けしたところはその部分を切りお手入れします。
シンビジウム春の育て方/水やり
根も育生時期で新芽も出てきます。鉢の表面をよく見て乾いているようであれば、たっぷり水をやります。基本は乾いたらたっぷりですが、この時期の目安は2~3日に一度です。
シンビジウム春の育て方/肥料
この時期は新芽の育生期なので、新芽が出れば7月中旬まで肥料を切らさないようにします。固形の有機質肥料の置き肥は、月に1回程度適量を新芽から離して与えます。
シンビジウム春の育て方/植え替え
室内から出すタイミングで植え替えをします。冬に買ったシンビジウムはこの時期に必ず植え替えます。 それ以外の鉢は2~3年に1度鉢を2号ほど大きい鉢に植え替えます。
①根鉢がしっかり廻っている元気な株は2/3残して下を切り取り、根は少しほぐしてやります。根腐れしている所は切り取りましょう。
②水はけのよい環境を好むので、植え替えの用土は、「洋ランの培養土」もしくは「水苔orバーグ:7、軽石:3の用土」を使います。 植え替えの時期が遅れれば遅れるほど、育つ期間が短くなるのでなるべく早めに植え替えましょう。
シンビジウム春の育て方/株分け
植え替え時にバルブが増えて大きくなった株は、株分けします。バルブ3個以上を1鉢にし株分けします。株分け後1週間は半日陰に置いてあげます。
株分けの方法として、「バックバルブ吹き」という方法があります。葉の無いバルブを傷つけないよう切り取って鉢に植える株分けの方法です。普通、株分けで増やすには時間がかかるのでこの株分けの方法も試してみると面白いと思います。
シンビジウム春の育て方/芽かきは大切!!
春に新芽が出てきます。一番新しいバルブから出た新芽を1~2個残し、後の新芽は芽かきします。新芽を根元からかき取ることです。花を咲かせるために大切なお手入れの一つです。 もし、芽かきの手入れを怠り全ての新芽を生長させると、栄養が分散して9~10月に花芽が付かず花が咲かないことになります。
上の写真は花芽です。芽かきしないで大切に育てましょう。
シンビジウムの育て方/3.夏…注意は日光と水
シンビジウム夏の育て方/遮光は50%
日差しの強い真夏は50%ほどの遮光が必要です。1日、5時間~6時間程度日光にあてるようにしましょう。適度に日光を当てることでよく育ち、花を咲かせます。
シンビジウム夏の育て方/水やり、毎日たっぷり
5月~9月は、毎日たっぷり鉢の中と葉に水を与えます、夕方に周囲の地面にも打ち水を与えることで鉢も暑い夜を少し涼しく過ごせるでしょう。 たっぷりと水を与えることは、鉢の中の不純物を流し、空気の入れ替えも兼ねています。
シンビジウム夏の育て方/肥料は7月中旬以降与えない
シンビジウムにとって、真夏の高温はストレスとなります。育生が止まる時期でもあり7月中旬以降肥料は与えません。
シンビジウム夏の育て方/病害虫管理
6月中旬からの梅雨の時期、高温多湿となりやすく害虫・病気にかかりやすい時期です。ナメクジ・カタツムリがでやすいので見つけたら駆除します。
また、病気ですが黒斑病という病気があります。葉に黒い斑点の出る病気です。ウイルス性の病気なので病気にかかった株は早めに処理しましょう。その株で使ったはさみなどはアルコール消毒が必要です。
シンビジウムの育て方/4.秋…開花に向け重要な時期
秋になると、日差しも和らぎ暑さからも解放され大変さわやかでいい季節になります。来年、花茎の5本立ちを目指すためお手入れも重要な仕上げの時期です。 台風も多いい季節なので背の高いシンビジウムは風で倒れたりしないようなお手入れと対策が必要な季節です。
シンビジウム秋の育て方/遮光ネットは不要
まず、遮光ネットは取ります。日差しも和らいでいるので、太陽の出ているときは日に当てるようにしましょう。強い台風の時は事前にお家の中に入れた方がいいかもしれません。 秋の後半、10月下旬くらいになると夜10度くらいまで下がりはじめます。そろそろお家の中で手入れや管理をする季節になります。
シンビジウム秋の育て方/水やり、乾いたらたっぷり
気温も下がり始め、春と同じ管理に戻します。基本は「乾いたらたっぷり」ですが、この時期の目安は2~3日に一度水やりです。
シンビジウム秋の育て方/肥料
秋の時期のお手入れは9月下旬までに1回だけ有機質の固形肥料を与えます。
シンビジウム秋の育て方/植え替え
植え替えは、9月中旬までなら可能です。根を切らず鉢ゆるめ程度の植え替えをします。株分けや鉢増しなどの本格的な受け替えは来年の春に行いましょう。
まとめ
4シーズンのお手入れ、一手間を惜しまない栽培方法で来シーズンの花茎5本立ちの鉢づくりにつなげたいものです。 花色・種類が豊富、花持ちもいい、仕立て方も様々で大変魅力のある洋ランですね。育て方の難しい洋ランへの登竜門としてもいい素材です。 皆さんも是非シンビジウム挑戦してみてはいかがでしょうか!!
スプレーで