ハロゲンランプの魅力にせまる
ハロゲンランプをご存知ですか?
ハロゲン電球、ハロゲンバルブとも呼ばれるこの電球は、一般的によく知られている白熱電球とはまた違った特徴を持った電球です。輝きも寿命も白熱電球より持続することをご存知の方も多いのではないでしょうか。 代表的な使い方は、車やバイクの前照灯、医療診察に用いられるペンライトなど。広く大きく照らすのではなく、ピンポイントで明かりが必要なケースが多いようです。
そんなハロゲンランプ、照明の光源にしてみたら、いったいどんな世界が広がるでしょうか。ハロゲンランプの魅力を紐解きつつ、インテリアに組み込む素敵なアイデアをのぞいてみましょう。
小さくたって強い輝き、ハロゲンランプ
ハロゲンランプの特徴は、なんといってもその小ささ。小さいサイズなら長さ30mm。大きなものでも50mm~100mmほどの大きさで、電球の代表格・白熱電球と比較してもかなりコンパクトです。 なのにとってもパワフル。中に入っているガス「ハロゲンガス」が発光するための部品・フィラメントを修復してくれるので、光の強さも寿命も白熱電球よりずっと上なのです。
種類で比較、ハロゲンランプ
各種電球と比較
現在広く流通している電球の種類は数多くありますが、大別して3つに分類することができます。白熱電球、LED電球、そしてハロゲンランプ(ハロゲン電球)です。
明るさを比較
電球の種類に応じてそれぞれ特徴はありますが、特に明るさにおいて頭ひとつ分抜きん出ているのはやはりハロゲンランプでしょう。 ハロゲンランプはフィラメントと呼ばれる部品に電気を通すことで加熱し、その高熱でフィラメントの素材が光るという構造をしているため、分子の再結合という方式で均一的な光を生み出すLED電球よりも強い光を放つのです。 また、加熱による発光なので電球自体が高温になるのも特徴のひとつ。使用中の温度はなんとフィラメント部で2700度を超えます。電球を形作るガラス部もかなりの熱さになるので、使用中や消灯直後に素手で触るのは厳禁です。
電球の寿命を比較
また、ハロゲンランプは寿命が長いことでも知られています。設計寿命が4万時間にもなるLED電球には手が届きませんが、それでも同じ構造をしている白熱電球と比較して最長で約10倍も長持ちするといわれています。
ただ、発光部品であるフィラメントがなんらかの形で破損してしまえば、設計された寿命より早く電球が切れてしまうということはもちろんありえます。こればかりは、LED電球にも同じことが言える電球の宿命です。
消費電力を比較
消費電力、身近な問題に寄せると電気代においては、圧倒的にLED電球に軍配が上がります。フィラメント式の電球であるハロゲンランプ、そして白熱電球は、通電の強さが輝きの強さといってもいいので、明るさを求めるとどうしても電力の消費は避けられません。
なので「ここにこそ使いたい」と思うピンポイントから挑戦していくのが、ハロゲンランプをインテリアに取り込む最初の一歩としてちょうどいいのではないかと思います。
ハロゲンランプのひかり
あたたかオレンジ、メリハリの白
照明に用いられるハロゲンランプの光はその波長によって柔らかいオレンジがかった色、陰影を強く見せる蛍光白色、赤色を際立たせるピンクがかった色の3種類があり、このうちインテリアに適しているのはオレンジと白のふたつです。 均一に光を放つLED電球ではどこか無機質な印象を与えてしまう照明も、ハロゲンランプを使うことでまったく別の顔を見せてくれるかもしれません。
ハロゲンランプを活かす照明は?
お店のディスプレイに使われることも多いハロゲンランプは、インテリアにおいてもその特徴から、限られた空間を強く印象付けるのに向いています。そこでオススメしたい照明のひとつがスポットライト。 ここでは、シンプルですぐに取り入れられるインテリア照明を3つほどご紹介しましょう。
対象を選んで照らすピンスポット
ピンスポットと聞くと天井に取り付ける形式を想像されると思いますが、床に立てて使うスタンド式のものもあります。はじめから天井照明に挑戦するのは少しためらわれるという方は、比較的導入しやすいスタンド式から取り入れてみてはいかがでしょうか。 趣味の品を飾り付けた棚や大型の家具を照らす演出において、ピンスポットが生み出す光と影は、かなりのインパクトを見る人に与えてくれることでしょう。
光を屈折、間接照明
玄関や廊下、階段などの空間には、間接照明がオススメです。強い光をあえて遮ることで優しい印象を持たせたり、飾りや透かしの入ったドームを使って影そのものをインテリアの一種にしてみてもいいかもしれません。 間接照明は、ただそこに置くだけで雰囲気が早がわりする使い勝手のいいアイテムです。
グリーンアクセントをライトアップ
お部屋にグリーンがほしい、観葉植物が好きで集めているという人にぜひ試していただきたいのが、グリーンのライトアップ。特に葉の大きな大型の植物は、ライトアップすることで南国の森に迷い込んだような、エキゾチックな雰囲気を生み出してくれます。
ただし、ハロゲンランプは構造上使用中及び消灯後しばらくは非常に高温です。植物がライトに直接触れることのないようにご注意ください。また、観葉植物は高熱に弱い種類も多いので、ライトアップの際は植物から少し離して設置するとよいでしょう。
ハロゲンランプを使ったアクセントの例 1
さて、実際のインテリアに活かせるようなアイデアが浮かんできましたでしょうか?もしもまだ想像しにくいようでしたら、これからご紹介する一例を参考にインスピレーションを働かせて、ぜひアイデアを生み出してみてください。 それは、あなただからこそ作り出すことのできる素敵なインテリアなのです。
玄関
玄関にハロゲンランプを取り入れるなら、アプローチを照らす足元の明かりとして間接照明を置いてみるのも一案です。もちろん、丹精込めたお庭を照らしても素敵です。昼とはまた違う夜のお庭は風情があることでしょう。 玄関口の明かりとして壁掛けの照明を取り付ければ、訪れる人を温かく迎え入れてくれるという雰囲気が伝わってきます。遠くまで届く光が、きっと道案内をしてくれるはずです。
階段
たとえば階段の踊り場にこんな素敵な灯りがあったら、体が軽くなるような心地がしませんか?光を壁側に逃がすことによって、直接光を広げるのではなく壁伝いに明るさを届ける。就寝前にもほっと一息つけるような、そんなアクセントになりそうです。
ハロゲンランプを使ったアクセントの例 2
キッチン
室内灯とは別にペンダントライトをつけると、明るさの補強という意味でも役に立ちます。調理のメインステージ・キッチンなら、安全性を高めることは欠かせません。そこにインテリアとして見た目のユニークさが加われば、料理をするのが楽しくなること間違いなしです。 ペンダントライトは裸電球に傘を被せたとてもシンプルな造りの照明です。傘の素材や色を工夫すれば、天井や床や壁一面に海や花園を描き出すことだってできてしまうかもしれませんよ。
リビング・ダイニング
最近の戸建住宅や分譲マンションでは、リビングとダイニングに一切の仕切がないことが多いですよね。でも、食卓と寛ぎの空間はなんとなくでも分けておきたいもの。 そんなときは、照明を使って空間の区切りを作るのもひとつの方法です。天井からのスポットライトは、ひと続きの部屋にスペースを作るのに十分な明るさを提供してくれることと思います。室内灯と色調を変えれば、よりその違いがくっきりと表れることでしょう。
寝室
雰囲気作りを兼ねるなら、思い切ってシャンデリアを使ってみるのも手。シンプル・シックなデザインはもちろん、豪奢なデザインでもサイズを変えれば主張しすぎない照明になりそうです。
ハロゲンランプを使ったアクセントの例 3
庭
もしも塀の高いお宅なら、壁面沿いにライトを立ててみてもいいかもしれません。壁に跳ね返った光が辺りを照らして、独特の雰囲気が生まれそうです。
ベランダ
ベランダという独特な空間には、透かしデザインのスタンドライトで影の演出を。ライトの側で透かし模様が浮かび上がらせる様々な形を堪能しても、部屋の中でライトと夜空のコラボレーションを満喫しても、きっと素敵な光景になることと思います。
ハロゲンランプを活用して素敵なインテリアを
ハロゲンランプは、他の電球と比較すると少々扱いにくいのかもしれません。ですがハロゲンランプだからこそ生み出せる光は、素敵なインテリアを、素敵なお部屋をよりいっそう引き立てるのではないかと思います。 みなさんもハロゲンランプを活用して、お手持ちのインテリアの魅力をより輝かせる素敵な照明にお役立てください。