気になるハゼの種類
ハゼと一口に言っても海や川、淡水と場所によって種類は様々。ハゼの仲間には一体どんな種類のハゼがいるのでしょうか?
これほどのハゼの仲間・種類がいる
ハゼは条鰭網に所属し、その魚類の中では鯉の次に種類の数が多く生息する場所・環境によって姿・形は様々です。基本的に多くの種類のハゼは小型ですが中にはマハゼやハゼグチなどの大きい種類もいます。そして一部のハゼにはふぐ毒が含まれているのが確認されています。 ハゼの生息域は日本各地の淡水・海・川から極地を除いた世界中の沿岸などに生息しています。 世界中のハゼの種類は2100種以上で日本だけでも500種を超えると言われています。
ハゼの分類と生態
ハゼの分類は「界:動物界 門:脊索動物門 亜門:脊椎動物亜門 網:条鰭網 目:スズキ目 亜目:ハゼ亜目 英名:Goby」 ハゼの中には1センチにも満たない「ゴマハゼ」や逆に大きく50cm以上にもなるハゼグチなど大きさにバラつきがあり、ゴマハゼの仲間は今現在確認されている中では日本最小の脊椎動物です。ハゼは全世界の汽水域や海水息、淡水域に生息し人の住む都市部の河川などにも生息する魚です。 ハゼは低生魚なので基本的に運動能力が低くだいたいの種類は自分の身を天敵から守るために砂底・岩の色に近い色をしており、これを「保護色」という。 ハゼは基本的に肉食で小魚やプランクトン・甲殻類・多毛類などを捕食し、一部の中には藻類やデトリタスを主食にするものもいます。
ハゼの種類別生息域
種類によって場所が違う
一口でハゼと言ってもその生態は種類によって様々です。まずハゼは一体どこに生息しているのか、種類で分けてみました。 〇サンゴ礁 「ネジリンボウ・ハタタテハゼ」など 〇岩礁海岸 「アゴハゼ・ドロメ・チャガラ・キヌバリ」など 〇内湾、砂泥底 「マハゼ・ウロハゼ・ヒメハゼ・イトヒキハゼ」など 〇干潟 「トビハゼ・ムツゴロウ・ワラスボ・ハゼグチ」など 〇汽水域 「ゴマハゼ・ミミズハゼ・シマハゼ・アベハゼ・バンブルビーゴビー・ツムギハゼ」など 〇海・川(回遊) 「チチブ・ヨシノボリ・シロウオ・ウキゴリ・ボウズハゼ・カワアナゴ」など 〇淡水域 「ドンコ」(一生を淡水域で過ごす)
毒をもったハゼには気をつけよう
ツムギハゼとは
ハゼの仲間にも毒をもった種類がいます。それが「ツムギハゼ」という種類、このハゼの仲間はふぐ毒であるテトロドトキシンをもっています。体長は15センチ程度の黄褐色で頭と目が大きいのが特徴で尾びれにかけて黒色斑点が3つあるのも特徴的です。 毒が含まれる部位は筋肉と皮膚に含まれています。毒の強さはふぐとあまり変わらず、致死率は60%近いと言われております。ただ中には毒を持たないツムギハゼも存在しますのですべてのツムギハゼに毒があるわけではありません。
テトロドトキシンとは?
テトロドトキシンはふぐが有している事で有名ですね。そんな、テトロドトキシンは一体どんな毒なのでしょうか? まず、毒の強さは青酸カリウムの1000倍近くの毒性を持ち300度程の高温でも毒は分解されません。人間が摂取した場合の致死量は2~3ミリグラムです。もし、体内にテトロドトキシンが入った場合は最低20分から最大3時間以内に異変が体に現れ「身体の痺れ・麻痺・頭痛・嘔吐」の症状が現れます。 テトロドトキシンの摂取量が多かったりした場合、重症化し「呼吸困難・体温低下・意識障害」が現れて8時間以内に適切な処置をしなければ死に至ります。 この、テトロドトキシンは有効な治療法・解毒が見つかっていない為に発症した場合はすぐさま医療機関に行き、適切な処置をする必要性があります。
一般的に釣れるハゼの種類
釣りで釣れるハゼは大体決まっている
防波堤などで簡単に釣れるハゼ。一体どんな種類がいるのだろうか?まず、一般的にハゼだと言われるのがマハゼですね。 〇マハゼ・・・大きさは20cmほどになり腹の部分は銀白色でその他は茶色っぽい色に細かい模様があり、ヒレには矢羽根模様が見られるのが特徴です。 〇チチブ・・・大きさは10cm程度で黒色に近い色か茶褐色で白い斑点があり、頬に白い斑点がある。また胸ビレの付け根付近にはオレンジや黄色に近い色をした帯があります。 〇ウロハゼ・・・大きさは20cm以上になり下顎が大きく上顎が小さいのが特徴的でウロコが大きいのも特徴です。 〇シモフリシマハゼ・・・大きさは10cm以下の可愛らしいハゼ。腹部の頭よりに雪のような白点模様があり背中側は茶褐色で黒に近い色の体に沿った縞模様が見られます。 〇アナハゼ・・・大きさは20cm以上になる固体もみられ、腹部全体、身が青い色をしていてぬめりがあるのが特徴的です。 その他にもドロメやハゼグチなど様々な種類が生息しています。
ハゼの飼育
実は密かに人気がある
今までは釣る・食べるハゼとしてみてきましたが実はハゼの仲間には飼育するに向いた種類がおり、意外と飼育は比較的容易らしく水槽で魚を初めて飼う初心者にはかなり安心できる魚種のようです。 ハゼの飼育自体は一番最初の飼育環境さえ整えれば定期的な水の交換をして常に綺麗な水質さえ保てれば飼育は可能となります。 飼育する場合に必要な道具は「水槽」・・45~60センチサイズ ・「濾過設備」・・基本はどんなタイプでも構いませんが渓流域に生息する種類のハゼを飼育する場合は水の吹き出し口が水面よりも高くしてハゼが吹き出し口に入り込むのを防ぐことが必要となります ・「エアーポンプ」・・水槽の大きさに合わせましょう ・「砂利」・・ハゼは砂利などに隠れ住む習性があるので飼育するハゼの1.5倍ほどの高さの砂利をひいてあげましょう ・「蓋」これはハゼが水槽から飛び出すのを防ぐ為に必要となります
ハゼの飼育をする場合のご飯って?
ハゼには大きく分けて二種類のご飯があります。一つは赤虫やミルワームなどの冷凍・生餌です。ただし、これらは水質が悪くなり易いので食べ残しがないようにしなくてはなりません。もう一つは人口餌です、これは赤虫などをあげ続けると栄養が偏る為に補助として与えていきます。ただこの人口餌はハゼ用があまり一般的に広まっておらず限られたところにしか売っていないため、ドジョウ用などで代用しましょう。この他にもあげれるご飯は沢山ありますので色々試してあげるといいでしょう。
ダボハゼについて
実は名称で人それぞれ
釣り場などでよく聞くダボハゼという言葉。知らない人が聞けばそんな名前のハゼがいるんだなと思われますが実はそんな名前のハゼはいません。あれは人によって様々ですが「料理をしても美味しくならない、食べてまずい魚(ハゼ)のことを言い表します」もう一つは「マハゼ以外の魚(ハゼ)のことを言い表します」このダボハゼという言葉は釣り場のおじいちゃん達がよく日常的に使っています。
ウロハゼの見分け方
特徴を知れば分かる見分け方
ウロハゼと良く間違えてしまうのがマハゼという種類です。パッと見ではまったく分からないですがしっかりと特徴を見てやれば簡単に見分けられます。 ウロハゼの見分け方としてまず始めに顎を見てあげます。マハゼは上下の顎がほぼ同じ大きさに対しウロハゼは下顎が上顎より大きくしゃくれ顎の見た目になっています。 次に見るのは尻尾の部分、マハゼはキジのような見た目の縦の縞々模様がありますがウロハゼは全体が黒に近い色をしており模様がありません。 さらにマハゼと比べウロハゼはウロコが大きくごつごつしています。これらを理解したうえでハゼを釣ってみるとマハゼよりウロハゼが全体的にサイズが大きいことが分かります。そして、夕方以降によく釣れる場合はウロハゼの可能性が高いです。それはウロハゼが夜行性なのと関係します。
まとめ
このようにハゼは様々な種類が生息しており姿や形が似ていたりハゼによって生息域が違っていたりと意外と知らない事がたくさんありましたね。ここ最近では淡水魚として水槽でハゼを飼育したりと釣り以外での人気を密かに集めつつあります。釣っても楽しく食べても美味しく観賞用として楽しめるハゼは日本の秋の風物詩でもありますから皆に愛されているのでしょうね。