用途と違いを理解しましょう
あまりにも多い板の種類
板を買って何かを作ろうと意気込みホームセンターへ足を運ぶも、種類の多さに絶句したことがある人も多いのではないでしょうか?バリエーション豊かでどれを購入したらいいかわからず躓く人も少なくはありません。DIYでは素材選びが非常に重要、しっかりと違いを理解してモノ作りに挑戦しましょう。
ベニヤ板・コンパネ・合板ではどんな違いがあるのか
違いを簡単に説明すれば"構造"が異なります。それぞれのサイズ・厚さなどに違いが存在しており、用途に合わせて選択することでお望みの物を作成することができます。
板の種類を大きく分類すると
ホームセンターに行くとよく目にすることができる種類に「ベニヤ板」「合板」「コンパネ」「構造用合板」などがあります。細かい説明に入る前にそれぞれの板を大まかに分類してみます。
ベニヤ板
一枚一枚が非常に薄く、加工やサイズカットが容易なのが特徴で、単板(一枚板)と言います。こちらは後に説明する"合板"の基となる板となっています。
合板
複数のベニヤ板を重ねて一枚の板を構成したものの事を合板と呼び、板を重ねて作られることから、断面が層になっているのが特徴です。
コンパネ
コンパネとは"コンクリートパネル"の略称で、コンクリートの型枠用に用いられる板の事を指しており、こちらも合板と同じ構造を持っているため、合板の一部として考えても問題ありません。後にも記載しますが、厚さは12mmのものがほとんどです。
構造用合板
家の壁や床の下地などに用いられる素材で、それぞれに強度が決められています。構造用"合板"と呼ばれているため合板の一部に分類されており、定められた規定によって強度が変わります。また、厚さがあるものや強度が高いものは値段も高くなります。
合板とは?
まず始めに合板の説明に入ります。 合板とは読んで字の如く「重ね合わせた板」の事を指し、複数の板を接着することで一枚の板を構成しています。また、断面が層のようになっているため区別は簡単で、一枚モノの板を購入したい場合は断面を見てチェックしてみましょう。
合板の規格やサイズ
厚さ:約2.5~30mm サイズ:最大約1800×900mm ホームセンターに売られているものの多くは上記のサイズになりますが、稀に2440×1220mmのサイズのものも売られていることがあります。
ベニヤ板とは?
分類の項目で説明したように、"ベニヤ板"は合板のように重ねて接着せずに一枚のみの板で構成されているものです。圧着する前の板である為非常に薄い状態で販売されています。
ベニヤ板の特徴
ベニヤ板と合板には大きな違いがあり、DIYに使う上での合板との違いは以下の通りになります。 合板の方が厚さがあり頑丈 べニア板は薄いので加工が簡単 これらの違いから、ベニヤ板を用いる際は小物などに適していると言えます。また、厚さがないので曲がりや割れに注意しましょう。
ホームセンターでのベニヤ板
ベニヤ板の表示を確認しましょう
ホームセンターで"べニア板"と表記されているものの多くは合板であることが多いです。しかし、見分け方は簡単で、厚さを見るだけで一目瞭然です。次からはベニヤ板を"合板"として考えてお話を進めますのでご了承ください。
ベニヤ板の規格について
丸太を桂むきと呼ばれる方法でスライスしているため0.6mmという非常に薄い厚さで販売されています。縦幅横幅については最大"約1800×900mm"までのものが売られていることが多いです。薄いため加工が容易で扱いやすいですが曲がりやすいので注意しましょう。
ベニヤ板の種類と特徴
素材に"ラワン" "シナ" 加工方法に"T1" "T2"があります。 この種類の違いによって強度などにも違いがみられるので、覚えておくと役に立ちます。難しい響きがしますがこの種類を覚えて素材を選ぶと楽しみが増しますので是非覚えましょう!
ベニヤ板の種類 -ラワン-
古くから材料に用いられていた木材で、オーソドックスな素材と考えていただいて結構です。加工や工作が容易で、コストパフォーマンスに優れております。少々ざらついており、目が荒いイメージがあるものの、味がありアンティーク調が好きな方にはうってつけの表面になっています。
ベニヤ板の種類 -シナ-
ラワンと比べると総合的に材質が優れているものと考えて頂いて問題ありません。加工が容易で細やかな表面が特徴的です。家具に用いられることも多く高級感の漂う素材となっております。
ベニヤ板の種類 -T1-
こちらの分類は接着精度の違いになっており、"耐水性"に関係しています。 T1と表示のあるものの耐水性が高く、T2は耐水性が少々劣ります。 また、耐水性が強いと言っても水を掛けても安心という訳ではなく、湿気が多い場所などにも使える程度の強度になります。特別な用途がない限りはT2のものでも問題ありません。 勿論値段に関しても水に強いT1の方が高価になります。
ベニヤ板の種類 -T2-
T2は極端に水に弱いという訳ではありません。現在ホームセンターで売られているものの多くはある程度の耐水性は持っているため、水気を恐れる必要はありません。ただし、作業過程や用途で水気の多い場所に用いる場合はT1を探すのが好ましいです。
ベニヤ板の値段
単板のものは加工前なので非常に安価で手にれることができます。ベニヤ合板は厚みや規格が大きくなるほど値段が上がるのはもちろんの事、耐水性についてもT1のモノが高くなります。 参考価格(縦×横×厚さ) ラワンべニア (T2)1800×900×2mm=約1500円 (T2)1800×900×15mm=約5000円 シナベニア (T2)1800×900×3mm=約2000円 (T2)1800×900×2omm=約8000円
コンパネとは?
コンパネとはなに?
分類の項目で説明したようにコンクリート型枠用のものなので、住居の壁やDIYに向けて売られているものではありません。しかし安価なことや丈夫なことから利便性は非常に高いです。
コンパネの規格・サイズ
ホームセンターでよく売られているサイズは最大で約1800×900×12mmのものが多く、半分のサイズの約900×900のものも販売されています。 元々コンクリートの型枠用でしたので、その用途を見越した規格で売られており、見た目はあまりきれいとは言えません。
コンパネの特徴
コンパネの特徴
コンクリートを剥がす過程を想定して剥離剤を塗布されているものも多く、表面にツヤがありオレンジがかっているので分かりやすいです。一部異なる色をしたモノもありますが、表面に違いがありますので分かりやすいです。
コンパネの呼ばれ方
剥離剤が塗られているものをコンパネと呼ぶ人もいれば、ベニヤ板をコンパネと呼ぶ方もいるので注意が必要です。 コンクリート型枠用のモノですので、剥離剤が塗られたものをコンパネと呼んで差支えはありません。
よく売られているコンパネ
ホームセンターにあるコンパネのほとんどは剥離剤が塗布されているので、"コンパネの呼ばれ方"のようにややこしく考える必要はありません。コンパネを購入したい人は"コンパネ"と表記された商品を購入しましょう。
コンパネの見分け方
前述のようにコンパネには耐水性を持つ剥離剤や、加工を施されているものがあり、耐水性を求める方にはもってこいのモノとなっています。加工が施されているものは見分けやすく色がついているのが特徴です。
コンパネの用途
屋外で使われることを想定してコンパネには耐水性がありますが、その反面、表面にざらつきがあり板が曲がっていることもあります。表面や見た目を気にする方は通常のベニヤ板を購入することをおすすめします。 見た目を気にしない方や耐水性が欲しい方にはおすすめできます。
コンパネを使ってみよう
以上の説明で、扱いにくそうな印象のあるコンパネですが、その耐水性から屋外での使用が好ましいと考えられます。ですので看板やボード、小屋などに用いる場合には効果を発揮すると言えます。
コンパネの値段
工事現場や建築現場にて大量に用いられることから単価は安くなっており、見た目より量を求める方には安いコンパネがおすすめとなります。 参考価格(縦×横×厚さ) (T1)1800×900×12mm=約1500円 (塗装済み)1800×900×12mm=約3000円
構造用合板とは?
構造用合板の規格・特性
ベニヤ板と同じくサイズ展開は広く、大きなものでしたら約1200×3000mmのものも購入できます。また、製品ごとにグレードが付けられており規格や強度の判断が容易です。
構造用合板の用途
構造用合板には強度などの情報が記載されているので、安全性が分かりやすくなっています。構造用合板の板面にはスタンプが押されていますので、購入の際はチェックしてみましょう。 強度や安全性が表記されていることから、作りたいものに強度を持たせたい時などに使用しましょう。元々は住居の下地に用いられるため強度の面では安心です。
構造用合板の製品と特徴
構造用合板には圧着性能・規格等級・品質・ホルムアルデヒド放射量から安全性が記載されています。難しい響きのする単語ですが、チェックはそこまで難しくありません。一つ一つ説明していくので、重要な部分だけを覚えておくと役に立ちます。
構造用合板 -圧着性能-
構造用合板は接着剤を用いて圧着したものであるため、モノにより圧着強度に違いがみられます。性能については以下の通りです。 特類(耐水性高) 1類(耐水性普通) 以上の事から、"特類"は作業中もしくは仕上がった後に濡れる恐れのあるものに適しており、"1類"はそれ以外の場所に用いることができます。耐水性の違いですので作るモノに合わせて購入するのが好ましいです。
構造用合板 -規格等級-
規格等級により板の強度が示されており 1級 2級 これら二つの等級があり、"1級"は曲げることのできる性能を持ち、"2級"はそれ以外のものです。1級は特別な条件の際に使用することになるので、DIYに用いる程度でしたら"2級"で問題ありません。
構造用合板 -品質-
品質は板の表面の品質の事を指し、A~Dによって区別されます。Aが最もきめ細やかな表面を持ち、Dに近づくほど荒い表面になります。住居の下地に用いられることが多いので、売られているものの多くはC-Dであることが多いです。 ツルツルできれいな物を使いたい方はAかBを探しましょう。
構造用合板 -ホルムアルデヒド放射量-
カタカナで難しそうな響きですが、そこまで気にするような項目ではありません。ホルムアルデヒドは有害ですが、ホームセンターに売られているものの多くは放射量が少なく安心して使えるものとなっています。 分類の基準は"F☆☆☆☆~F☆"となっており、売られているものの殆どはF☆☆☆☆となっています。
用途に合わせて購入しましょう
以上で説明したように。規格や強度により製品情報が設定されており。それらを理解することで用途に合わせたモノを作ることができます。 特に見て頂きたいのは圧着性能・等級・品質で、それぞれの性能が上がるほどお値段が上がりますが、美しく強度の高いモノに仕上げることができます。 小物から家具まで幅広く用いることができるので汎用性が高くなっています。
構造用合板の値段
グレードにより品質や値段が変わる構造用合板ですが、本来住居などに用いられることもあり、大量購入されることが多いのでホームセンターに売れれているものの多くは比較的お安く購入することができます。 しかし、高い品質や強度を求められるのでしたらそれなりの値段がしますので用途に合わせたものを購入することで予算を抑えることもできます。 参考価格(縦×横×厚さ) (特類,2級)1800×900×20mm=約5000円 (1類,1級)1800×600×12mm=約2000円
活用しよう!お得なサービス!
ホームセンターで購入する際、お得なサービスがありますので是非ともチェックしましょう!木材カットサービスやトラック貸し出しなどのお得なサービスが盛りだくさんです。
木材カット
大抵のホームセンターには"木材カットサービス"なるものが存在しており、大きな板をお望みのサイズにカットして頂けます。ノコギリやチェーンソーでまっすぐ切るのは難しいので是非とも活用したいサービスです。 お値段もワンカット30円ほどですのでリーズナブルです。
トラック貸し出し
サイズの大きな板を商品を購入した方向けにトラック貸し出しシステムなどもあります。大抵のお店は無料(制限のある店もあり)となっており、ファミリーカーなどで運びにくい方はトラックを借りて持ち帰りましょう。
まとめ
今回はそれぞれの種類の違いを明らかにしたわけですが、それぞれの良さがあることをお分かりいただけたでしょうか?これであなたもホームセンターでつまずく事が無くなった訳ですが、今度はどれを買おうか迷うのではないでしょうか?
結局どれが一番いいのか?
用途によって購入するものを選ぶのが一番好ましいのですが、迷った方は"ラワン合板"を探してみましょう。強度・見た目・厚さ展開・値段共にバランスが取れており、初心者の方にもおすすめです。 高級感を出したい方は"シナ合板"や品質の高い"構造用合板"を探しましょう。構造用合板は小物から家具まで幅広く使うことができるので便利です。
最後に
DIYというのは最初から最後までワクワク感と楽しみがあるものです。その中でも素材選びは重要で最もワクワク感が高まる瞬間であると言っても過言ではありません。今回の紹介でベニヤ板や合板の特性を知って、皆様がワクワク感を持って板選びをできる事を祈っています。LET'S DIY !!