ビオラってどんな花?
ビオラは、スミレ科スミレ属に分類されている一年草です。原産地はヨーロッパや西アジアが主になっています。ビオラの開花時期は、11月~6月です。その中でも見頃の時期は3月~5月の春の季節です。花の色は、紫・白・黄色・オレンジ・ピンク・青など様々な色があります。蝶のような形が特徴的です。また、花言葉も素敵なものが多いのも人気の一つです。
スミレ属は英語にするとビオラといわれるので、ビオラといわれるようになりました。種からの育て方も苗からの育て方も比較的簡単で、すぐに花を咲かせてくれるため、初めて園芸にチャレンジする人にもおすすめの植物です。
ビオラの品種
そら色小町
そら色小町という品種についてご紹介します。そら色小町の特徴は、褐色の花びらに青色や黄色、白などが入っている品種です。花持ちもよく、開花時期になるとたくさんの花を咲かせてくれるのでとても人気のあるビオラの品種です。
オレンジクイーン
オレンジクイーンという品種についてご紹介します。オレンジクイーンは、花びらが深いオレンジ色をしている品種です。他のオレンジ色のビオラと開花した花色を比べるとその色の濃さがよくわかります。
ブラックオパール
ブラックオパールという品種についてご紹介します。ブラックオパールは、その名の通り黒い花びらが特徴のビオラです。カナダ生まれの珍しい品種になっています。寄せ植えなど、たくさんの花と一緒に植え付けるときのアクセントとしてよく使われています。
バレンタイン
バレンタインという品種についてご紹介します。バレンタインという品種は、赤紫や白、黄色の花びらが特徴的な品種です。花びらに、ひげといわれる線が入っています。気温とともに花色が変わるので、開花時期にはとても楽しむことができる品種です。
ビオラの花言葉
ビオラの花言葉:「忠実」「信頼」
ビオラの花言葉には、「忠実」「信頼」「誠実」「少女の恋」「私のことを思ってください」などの花言葉があります。特に「私のことを思ってください」という花言葉は、ビオラの花の形からつけられた花言葉です。ビオラは、下向きに咲くのが特徴的で、うつむく少女のようにみえることからこの花言葉が付けられたとされています。これらの花言葉から、ビオラは片思いの相手に気持ちを伝えるためのプレゼントとして花言葉と一緒に送られることが多いです。
ビオラとパンジーの違い
ビオラととても似ている花に、「パンジー」があります。パンジーも、ビオラのように育て方がとても簡単で、ガーデニング初心者におすすめです。パンジーもビオラも同じスミレ科スミレ属で、その違いは開花したときの花びらの大きさだけで育て方や手入れ方法などは一緒です。
パンジーは大型種として、ビオラは小型種として販売されています。しかし、ビオラとパンジーの混合種も出回るようになってきたので見分けがつけにくくなっています。このような、混合種は「パノラ」と呼ばれています。パンジーとビオラを区別せずに、パンジーとビオラのセットとして販売されています。
ビオラの購入方法
種の選び方
ビオラの種を購入するときは、できるだけ日本の苗販売メーカーから販売されている種を購入しましょう。種からでも開花が遅くなることはありません。夏の季節までに購入しておきます。
苗の選び方
ビオラの苗は、秋くらいから出回り始めます。苗の選び方は、葉がきれいで緑色がきれいな株を購入してください。葉が黄色くなっていたり、徒長していたり、明らかに弱っている苗は購入しないようにしましょう。開花している状態を観察してお気に入りを見つけましょう。
ビオラの植え付け方法
種まき方法
ビオラの種まきは、8月後半から9月までです。年内には花が咲き始めることができます。10月以降に種をまいてしまうと、開花が遅くなるので注意しておきましょう。
種まきに必要なものは、育苗トレーや浅くて箱状のものを準備します。その中に、種まき用の土を入れていきます。この時の土は、かならず新しいものを使用するようにしましょう。種をまいたら、発芽するまで水やりをして育てていきます。発芽したら、いい芽を残してあとは間引きという手入れをしていきましょう。大きく育ってきたら鉢植えか地植えにしてあげましょう。
苗植え方法
苗から育てるときの苗の植え付け方についてご紹介します。苗は、地植えでも鉢植えでも育てることができます。鉢植えの場合は、植え付ける苗より一回り大きな鉢を準備しておきましょう。土は、パンジー・ビオラ専用の土を使用しましょう。植え付けの時期は、霜が降りてくる前か霜が降りた後に植え付けます。
ビオラの苗と同じくらいの穴を掘って、苗を入れていきます。この時、苗の根をすこしほぐしておきましょう。穴に苗を入れたら周りに土を入れていきます。隙間を埋めるように土を入れてあげてください。植え付け後は、水やりをして終了です。地植えの場合は必要ありませんが、鉢植えの場合は、鉢底石を忘れないでください。
ビオラの基本の育て方
ビオラを植え付けた後、定期的な手入れをしていくことによってビオラの花をたくさん咲かせることができます。水やりと肥料について説明していきます。
水やり方法
ビオラの水やりの方法についてご紹介します。水やりは、鉢植えの土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。鉢の底から流れ出てくるまで与えましょう。水が切れてしまうと枯れる原因になってしいます。冬の寒い季節は、朝早くや夕方に水やりをしてしまうと土が凍ってしまい、根を傷つけてしまいます。なので、寒い季節の水やりは午前中の比較的暖かい時間帯に行いましょう。
肥料の与え方
肥料の与え方について説明します。ビオラを植え付けるときに、ビオラ・パンジー用の土を使っている場合は問題ありませんが、自分で配合した土の場合は植え付け前の土に緩効性肥料を混ぜ込んでおきましょう。 冬の間は肥料を与える必要はありません。開花時期には、液体肥料を月に3回のペースで与えてあげましょう。
詳しい切り戻し・摘心の方法
寒い時期の切り戻し・摘心
寒い季節の切り戻し・摘心について説明します。寒い時期の切り戻し・摘心の目的は。脇芽を出すことです。脇芽を出すことによって、開花時期になるとたくさんの花を付けてくれます。ポイントは、新芽を切らないようにすることです。新芽は、葉の根元の部分に小さな芽を付けているのですぐに見つけることができます。この新芽を切らないように、先端の部分をざっくり切り戻していきましょう。
暖かい時期の切り戻し・摘心
ビオラは、暖かい季節になると生育が鈍くなってきます。しかも、気温が高いと蒸れやすくなってしまうので枯れやすくなります。そこで、暖かくなってくる3月頃に切り戻し・摘心を行います。ここでの切り戻し・摘心の目的は風通りをよくするためです。新芽を切ってしまわないように気を付けながら半分ほど切り戻し・摘心をしていきます。この季節は、必ず風通しがよくなるように、しっかり切り戻し・摘心を行ってください。
ビオラは「一年草」なので植え替え不要
ビオラは一年草のため、植え替えをする必要がありません。ビオラは基本的に夏越しができません。なので、夏になれば枯れるので植え替えをしなくても問題ありません。夏越しをすることもできますが、ビオラの苗は安いものがほとんどなので、ビオラの季節になってから苗を購入し植え付けてあげると、夏越しの手入れをしなくて済むのでおすすめです。
夏越しをしたい場合の方法
ビオラは、夏の暑さに弱いため、基本的には夏越しをしません。ですが、どうしても夏越しがしたい場合にはすることもできます。夏越しの方法と時期や手入れ方法について説明していきます。 ビオラを夏越しさせるのであれば、4月に鉢植えへの植え替えをしてあげます。庭に地植えしているままだと、夏の暑い気温を妨げることができません。なので、苗を掘り返して鉢へ植え替えしてあげましょう。
植え替えするときは、新しい土を使用してください。苗についている古い土は落とさずに植え替えていきます。5月頃になると、いよいよ夏越しへの準備に取り掛かります。まず、黄色い葉をすべて取り除いていきます。切り戻しもしていきましょう。6月以降は、室内へ取り入れてあげましょう。ビオラが開花した場合は、すべて種がつく前に切ってしまいましょう。
8月などの夏の季節に、気温が30度以上になると枯れやすくなります。できるだけ、風通しがよく気温の上がりにくい場所で管理していきましょう。夏越しのためにいろいろ準備をしても、この時期になると枯れてしまうことがほとんどです。夏越しをするときは、枯れてしまうかもしれないこと前提で手入れしましょう。 10月中旬になったら、外へ植え替えてあげましょう。鉢植えの場合も植え替えが必要です。この植え替えの時に、根の状態や株の状態を確認してあげてください。
ビオラの種の採取方法
ビオラは、花が終わって枯れてしまうと種を作ります。その種を採取しておくことでまた植え付けることができます。種の採取方法についてご紹介します。まず、種の採取は1つの株に対して1~3個程度にしておきましょう。それ以上種を採取するために花を放置してしまえば、株が弱ってしまい花付きが悪くなってしまいます。
ビオラは、種ができるとはじけ飛んでしまいます。それを防ぐためにも、ネットをかぶせておくことをおすすめします。はじけとんでもネットをかけておけば安心です。花がら摘みの手入れをしながらできるので試してみてください。
ビオラの気を付けたい病気や害虫
アブラムシについて
ビオラにとって、アブラムシは天敵です。見つけたらすぐに駆除してあげましょう。新しい芽や葉の裏側にアブラムシがつきやすいです。アブラムシは、オルトランなどの殺虫剤で駆除することができるので殺虫剤を購入しておくのもいいです。薬剤を使用したくない場合は、手作業で取り除いていきましょう。
ヨトウムシについて
ヨトウムシは、夜の間に葉を食べてしまう害虫です。昼間は土の中に隠れていることが多く、見つけることが難しいです。よく、葉の裏に卵を産み付けるので卵を見つけたらすぐに取り除いておきましょう。ヨトウムシは、成虫になってしまうと殺虫剤が効きにくくなってしまうので植え付けの時に予防のためにも殺虫剤をまいておくことをおすすめします。
菌核病について
菌核病は、茎が黒くなってしまう病気です。菌核病を見つけたら株ごと焼却処分しなくてはいけません。菌の中には、土の中で何年も生き続けるものもいるので、植え付けや植え替え時に同じ土は使用しないようにしましょう。
ビオラを寄せ植えしてみよう
ビオラは寄せ植えをしても楽しむことができます。寄せ植えをする植物の中でも人気の花です。その理由として挙げられるのは、草丈が低く花付きがいいので土を隠すことができるからです。
ビオラを寄せ植えするときのポイントは、同じような育て方・手入れ方法でも育つことができる植物を植えることです。ビオラに合わせて、冬から春の季節にかけて花を咲かせることができる植物を一緒に寄せ植えすることをおすすめします。パンジーと一緒に寄せ植えをして花の大小を楽しんだり、草丈の高い植物と寄せ植えをして脇役にしたりしてもかわいらしく仕上がります。ストックも、育て方が似ているのでおすすめです。季節の花を寄せ植えで楽しむのも、花言葉を組み合わせてプレゼントするのもおすすめです。
ビオラを長く育てる2つのポイント
これまでビオラの育て方についてご紹介してきました。これらの育て方の中でも、特に気を付けていくことでビオラを長く楽しむことができるポイントが2つあります。その2つについてご紹介します。
1、花がら摘み
ビオラは、花が枯れるとすぐに種を作り始めます。種を採取しない場合は、種ができる前に摘み取ってあげましょう。こういった手入れをすることによって、栄養が種を作ることに集中することがなくなります。他の花や株が弱ってしまうことがなくなります。たくさん花を咲かせたり、長く花を楽しみたい場合には、とても大切な作業です。 咲き終わった花はすぐに摘み取るようにしましょう。花茎をねじることによって簡単に摘み取ることができます。
2、切り戻し・摘心
切り戻し・摘心を行うことによって、脇芽を出すことができます。脇芽が出てくると葉も蕾も増えてきます。なので、花を驚くほど増やすことができます。花付きをよくして、たくさん楽しみたい人はかならず切り戻し・摘心を行いましょう。
ちいさくてかわいくて育てやすいビオラ
これまでビオラの育て方について紹介してきました。育て方や手入れ方法も簡単で、初心者に向いている花をいうことがわかっていただけたでしょうか?夏越しができないので、一年草になってしまいますがその分、植え替えをする手間もなくなります。日当りのいい場所に植えてあげると、よく育ってくれるおすすめの花です。
小さな花をたくさん咲かせてくれるので、プランターや花壇にボリュームを持たせてくれます。すこし花を切って花言葉とともに贈るのも素敵です。長く咲かせるためには、花がら摘みと切り戻しを忘れず行ってあげてください。少しのお手入れで、たくさんの花を咲かせてくれるので開花時期がとてお楽しみになりますよ。冬の季節を彩ってくれるビオラをぜひ育ててみてください。