チャービルはあまりなじみがない?
チャービルという植物を知っていますか?「そんな名前聞いたことがない」「食べられるの?」と思う方もいるでしょう。しかしチャービルは、意外と見かける機会の多い植物なのです。 フレンチをはじめ中華や日本食、ケーキの飾りつけにも使われるチャービル。何気なく料理に溶け込む名脇役の、知られざる効能や使い方について見ていきましょう!
チャービルってどんな植物?
チャービルはセリ科の植物
チャービルとは、西アジアや中央アジアを原産とするセリ科の植物です。日本人になじみのあるパセリと良く似ていますが、葉がより細かく分かれていて柔らかく、レースのような印象を受けるのが特徴です。 古代ローマの時代から食用に栽培されてきたチャービルは、ヨーロッパを中心に広まり、現在でもフレンチ料理に欠かせないハーブとして重宝されています。
さまざまな別名を持っている?
チャービルにはさまざまな別名があります。フランスでは主に「セルフィーユ」と呼ばれ、多くの人に親しまれています。日本では和名である「ウイキョウセリ」と言われることもあります。 フランス料理に使われる頻度が高いことからついた名前は「フレンチパセリ」。またパセリよりも柔らかくて甘い味がすることから「美食家のパセリ」という異名を持つことでも知られています。
チャービルには大きく2つの種類がある?
実は、食用に育てられているチャービルは主に2種類あります。1つは広く親しまれている、葉の部分を食用とする種類。もう1つは、根っこの部分を芋として食べることができる種類です。 根っこは主にスープの具として、ロシアやヨーロッパの人々に食されています。にんじんとくるみを足したような味がするとのこと。ちなみに根を活用するチャービルの葉は毒があるため、食さないように気をつけましょう。
チャービルの花言葉って?
ハーブの一種として食用に栽培されることが多いチャービルは、花を見かける機会が極端に少ない植物でもあります。しかし5月から初夏にかけて咲く白い花はとてもかわいく、控えめな印象を持っています。 そんなチャービルの花言葉は「正直」や「誠実さ」です。また奥手でピュアな気持ちを表すような「慎重な恋」という言葉もあります。 チャービルの花を見てみたいという方は、国営武蔵丘丘陵公園をはじめ、全国のハーブガーデンにぜひ足を運んでみてくださいね。
家庭で楽しもう!チャービルの育て方
秋が種まきの最適期!
9月から10月にかけては、チャービルを植えるのにもっとも適した時期です。春に種まきしても良いですが、秋に植えた方が長い期間収穫できます。寒さに強いので簡単に冬越しさせることができます。 移植を嫌がる一年草であるため、植木鉢や花壇に直接植えて育てましょう。芽が出た後は適切に間引きを行い、1本だけ残して育てます。
温度と湿度に気をつけて
チャービルはロシア南部にも自生している植物なので、暑さと乾燥にとても弱いという特徴があります。直射日光を避けて、明るい日陰に植えるようにしましょう。 水はけが良い土を選び、乾燥しないように水やりを行います。栄養豊富な土地を好むため、有機質肥料を与えるとより元気に成長します。
花は咲く前に摘み取るのがコツ
順調に成長すると5月頃から花をつけ始めますが、食用として育てる場合は花茎をなるべく早く摘み取り、開花させないようにしましょう。花が咲いて実ができてしまうと、すぐに枯れて葉が食べられなくなってしまいます。 次の年もチャービルを栽培したい時の増やし方はとっても簡単。全て食用にするのではなく、開花させるための株を数本残しておくと良いでしょう。栽培のコツさえ掴めば、柔らかく甘い風味を長く楽しむことができます。
気をつけるべき害虫は?
比較的虫がつきにくいチャービルですが、新しい芽などの柔らかい葉にアブラムシが付くことがあります。テントウムシなどの天敵が居ない時期や場所で栽培する時は、十分注意しましょう。 葉の裏側や重なった部分など、雨風をしのげる場所が被害に遭いやすいので、よく観察してみましょう。脱皮の跡やアブラムシが出す蜜がないかどうかも、被害を最小限にとどめる手がかりになります。
チャービルの嬉しい効能とは?
胃の働きを助ける効果がある?
肉や魚料理の飾りつけとして、一緒にお皿に乗っていることもあるチャービル。彩りを添えることはもちろん、胃の働きを助けてくれる特徴を持っているんです。 消化促進の効能があるため、脂が多く重たい料理に用いるとよりチャービルの力を活用することができます。胃もたれを感じる時にもおすすめです。
女性に嬉しいデトックス効果!
チャービルはビタミンやカロテンや鉄分など、人間が身体の調子をととのえるのに必要な栄養素をたくさん持っています。そのため体内に溜まった老廃物を排出し、むくみや肌のくすみを取ってくれる効能があります。 生のまま頂くのも良いですが、お湯で煮出してハーブティーにしたり、化粧水としても活用できます。ぜひ一度試してみてはいかがですか?
可能性は無限大?チャービルの食べ方使い方
もっとも香りが楽しめる生チャービル
チャービルのほのかに甘い香りがもっとも楽しめる使い方は、やはり熱を加えずに飾りつけとして用いることです。細かく切れ目が入った葉は、料理の鮮やかな色が程よく透けるので、より美味しそうな見た目になります。 和洋中それぞれの料理にとても良く合うので、さまざまなレシピに応用できます。デザートの飾りにも上品でおすすめです。
脂っこい魚や肉料理にぴったり
チャービルが持つ消化促進の効能を最大限に活用できるのが、油を多く用いた料理です。胃もたれしてしまいそうな揚げ物も、チャービルが食欲を促し消化を助けてくれます。 熱を通すとチャービルの風味は劣ってしまいますが、より効率的に栄養素を吸収できます。例えばてんぷらや唐揚げを作る際、衣に小さく刻んだチャービルを混ぜると、見栄えも良く簡単に取り入れることができますよ!
実は卵と相性が良い?
フレンチパセリとも呼ばれるチャービルは、卵ととても相性が良い植物です。パセリよりも香り高いチャービルを用いることで、手軽に上品なおかずを作ることができます。 細かく刻んで溶き卵と混ぜ合わせれば、本格的なフレンチオムレツに。その溶き卵に食パンを浸してじっくり焼くと、子供に大人気なフレンチトーストになります。また茶碗蒸しに刻んで入れたり、最後に飾りとして用いるのもおすすめです。
チャービルの保存方法って?
冷蔵庫でチャービルを保存しよう
新鮮なチャービルを購入したり、自分で育てて収穫しても、保存方法を誤ってしまうと風味が損なわれてしまいます。チャービルを長く楽しめる保存方法をご紹介しましょう。 もっとも一般的なのは冷蔵庫で保管する方法です。チャービルを水に浸けてシャキッとさせたら、濡らしたキッチンペーパーでくるみ冷蔵庫に入れます。 時々様子を見て、乾いている場合は適度に湿り気を与えます。濡らし過ぎは腐って溶けてしまう原因となるので注意しましょう。
保存方法もかわいく!ビンを活用しよう
キッチンペーパーで保存するよりも簡単なやり方だとして、注目されている保存方法があります。密閉ビンが家にある場合は、こちらのやり方もおすすめです。 その方法とは、水でさっと洗ったチャービルをビンに入れ、密封して冷蔵庫で保管するだけ。この時チャービルをビンにぎゅうぎゅうに詰め過ぎないのがポイントです。 ビンを開ける時は食べる分だけでなく、中身を全て水に通して再び保管するのが長持ちのコツです。乾燥して黄色くなった葉は、その部分だけ取り除きましょう。
チャービルで料理にひと工夫してみよう!
いかがでしたか?今回はチャービルの特徴や育て方、保存方法や使い方についてご紹介しました。レストランで何気なく見ていたチャービルは、身体を健康にする頼もしい食材だったんですね。 香りや味がまろやかなチャービルは、ほかのハーブの代わりとしても活用できるので、さまざまなレシピに代用できます。チャービルを使って、料理にひと工夫加えてみてくださいね!