オリーブの木/はじめに
皆さんはオリーブと言う植物をご存知ですか? よく聞くのはオリーブオイルなどですね。 オリーブはモクセイ科に属している常緑高木の一つで、そのオリーブの果実には多くの油分が含まれています。
これがオリーブオイルの原料にもなります。昔から重要な油の作物として知られていて、もともとの原産地は地中海沿岸です。
しかし最近では日本でも多く品種が栽培されています。しかし、オリーブというものは品種を見分けることが結構面倒くさく、自家受粉しないタイプのものもあり、近くに他のオリーブを植えないと結実しないものもあります。
ですので、今回はそんなオリーブについて人気でおすすめのものや見分け方をご紹介します。
オリーブの木/種類
オリーブの種類/スペイン
情熱の国とも呼ばれるスペイン。そんなスペインはオリーブの生産が世界一でもあるのです。 ここからはおすすめのスペイン原産地のオリーブや、特徴・見分け方をご紹介します。
オリーブの種類/ネバディロ・ブランコ
このオリーブの特徴は、オリーブ自体の高さは7〜10mぐらいにもなり、よく枝分かれする植物なので樹形は横に大きく茂ります。また、樹勢は強いので、ご家庭で栽培される場合は剪定をこまめにした方が良いでしょう。
このオリーブの果実は柔らかく傷つきやすいのでピクルスなどには不向きで主にオリーブとして利用されます。そして花粉量が多いので受粉樹として利用もされるので、他のオリーブとの相性もバッチリです。
オリーブの種類/マンザニロ
このオリーブは大型で、主にピクルスとしても利用されますが、こちらも果実が柔らかく傷つきやすいのでオリーブオイルとしての相性も良いでしょう。
樹高は高めで樹形は少し横に茂るので葉同士が密に茂りコンパクトになりがちですので、樹形が密になりすぎると剪定をした方が良いでしょう。 風や雨などに強く栽培は比較的簡単な品種ですので初心者の方にもおすすめのオリーブです。
オリーブの種類/アルベキナ
こちらの品種は樹形も広くなり過ぎず、樹勢もそんなに強くなくゆっくりと育ってくれるので剪定の必要があまりありません。 ですので初心者の方に人気で、簡単に栽培できるでおすすめです。
他の品種よりも比較的早くに花をつけ、小ぶりですが果実はたくさんつけます。 よく観賞用で栽培されますが、その実はオリーブオイルとしてよく用いられます。
オリーブの種類/ピクアル
この品種の名前はオリーブのつける果実の先端が少し尖っていること由来で、樹勢が早く、栽培は比較的簡単です。 この品種から作ったオイルは高温や酸化に強く、調理などで幅広く使われています。そのオイルはフルーティーな香りがして酸味や苦味も少しあり、どんな料理にも相性が抜群です。
オリーブの種類/セラビノ
このオリーブの特徴はタネが小さいことが特徴で初心者の方にも人気が高く、簡単に栽培ができます。また、タネが小さいにも関わらずその果実はとても大きく塩漬けにするとおいしくておすすめです。
耐寒性があまりないので外での栽培の時は日当たりが良い場所を選んで栽培した方が良いです。自家結実性は少し低いので、もしあまり結実しないようでしたら受粉樹として他の品種との混植が必要な場合もあります。
オリーブの種類/レチン・デ・セビーリャ
このオリーブはスペインの南海岸で主に栽培されている品種で、その果実は主にオリーブオイルとして利用されます。 オリーブオイルは、少し青色で苦味や辛味、酸味などがうまく調和した丁度良い口当たりになっており人気です。
オイルはフルーティーな風味なのでどんな料理にも相性はバッチリです。
オリーブの種類/イタリア
イタリアはオリーブの原産地である地中海付近にある、細長い国でその領土の形から気候も多様なものが存在します。 その気候を生かし、いろいろな種類のオリーブを栽培しており、生産量は世界2位です。
またイタリアンにはオリーブオイルが欠かせないというほどよく使われるので、イタリアでのオリーブはとても人気があり、重要なものなのです。ここからは、おすすめのイタリアの原産のオリーブや見分け・特徴をご紹介します。
オリーブの種類/チプッレシーノ
このオリーブはもともと防風林用として栽培されていたこともあり、防風性や防雨性は高く、栽培はしやすい品種となっています。
樹勢はあまりなく、ゆっくり成長しますが、繁殖力が強いので受粉などはしやすいでしょう。 樹形は葉が密集する傾向にあるので、もし見栄えが悪いと感じたら少し選定しても良いでしょう。
他の植物との相性も良く、植物同士近めに植えてもしっかりと成長するので庭などで栽培する場合あまり距離を気にしなくて大丈夫です。
このオリーブは自家不結実性なので、これだけでは結実しません。ですので受粉樹としてモロイオロやフラントイオなど相性の良い他のオリーブを一緒に植えた方が良いでしょう。
結実すると、果実はたくさんなり、オリーブオイルなどとして利用されます。フルーティーな香りと少しピリッとした風味がとても美味しいです。
オリーブの種類/ルッカ
このオリーブは自家結実性があるので比較的単体でも受粉に成功することがあります。 また、樹勢が強いので初心者の方にも栽培が可能な植物です。
樹形は少し高く葉の間隔も程よくあるので、オリーブらしいとても美しい樹形になり、人気です。 しかし、2年ぐらい放置してしまうと樹形が崩れてきますので2年に1度は剪定が必要です。
オリーブオイルとしては人気で、よく利用されます。しかし、塩漬けにすると深いコクがあり、とても美味しいです。
オリーブの種類/フラントイオ
このオリーブは樹勢はあまり強くはないので程よい成長過程を楽しむことができ、樹形も広がりすぎることはなく葉も密集しないので剪定はあまり必要ありません。
初心者にもおすすめのオリーブです。耐寒性はつよく、すこし寒い地域でも栽培することができます。自家結実性が高く単体でも受粉が可能ですが、病気に敏感なので専用の薬や手入れをしっかりとして病気を防ぐことが重要です。
全体的に見ると環境適応度が高く安定した果実の収穫が望めます。
オリーブの種類/モライオロ
このオリーブは樹形が美しくまとまるので観賞用としても人気です。 果実は丸くて小さいものが収穫でき、そこから作ったオリーブオイルは、スパイしなー風味が楽しめます。また、葉の色が緑色に少し銀色を混ぜたような不思議な色をしているのも見分け方の一つです。
オリーブの種類/コラチナ
このオリーブは樹勢が強く、早くに果実が結実します。また、オイルの含有率が早く、オリーブオイルとしてよく利用されます。 自家結実性があるのでこの一本で、受粉も行えます。寒さにも暑さにも乾燥にも病気にも強いので、環境適応度が非常に高く初心者にもおすすめの品種となっています。
オリーブの種類/ギリシャ
ギリシャはオリーブオイル生産が世界3位という人気さを誇り、オリーブの生産量もとても多い国です。 また、オリーブオイルの中でも最高級といわれるエクストラバージンオイルの生産はイタリアやスペインを抜いて一番です。ではギリシャではどのような品種・見分け方・特徴があるのでしょうか。
オリーブの種類/コロネイキ
このオリーブは樹形が少し広がるような形になっているので剪定は必要です。
また、葉の先端が小さく尖っているのも特徴です。乾燥にはとても強いですが、耐寒性が低いのでさうい地域の人は栽培に注意が必要でしょう。
日本の中でも温暖な地域での栽培をおすすめします。この品種は花粉も多いので、他のオリーブとの相性が良く、受粉樹としてもよく用いられます。安定した果実の収穫量があり、含油率が高いのも特徴です。
オリーブオイルはとてもフルーティーであっさりしている風味で、成分はオレイン酸の含有率が高いので、いろいろな料理との相性が良く、体内の酸化を抑えお肌などの美容にもおすすめできます。
オリーブの種類/カラマタ
このオリーブはギリシャ産で日本ではあまり流通していない希少な品種です。 このオリーブの見分け方は葉が大きく、たてながのけいじょうをしています。また増える方法がほとんど接木によって増やす方法しかなく、生育も難しいので初心者には少し栽培が難しいかもしれません。
オリーブの種類/アメリカ
世界一の技術力や先進国というイメージが強いアメリカですが、実はオリーブの生産も盛んなのです。 ここからはおすすめのアメリカ原産のオリーブ、見分け方・特徴をご紹介します。
オリーブの種類/ミッション
このオリーブは比較的日本でも栽培されている品種で、直立型の樹形で美しく上に伸びた樹形が特徴です。 果実は楕円形の小さめで、ピクルスやオリーブオイルによく利用されます。
耐寒性も強く寒い地域での栽培が可能です。また、自家結実性があるので受粉樹がなくても単体で受粉することができます。
樹勢は早く、生育は早いので剪定は必要ですが、比較的形も良くなり、日本でもよく流通しているので初心者に人にも栽培しやすい品種となっています。
オリーブの種類/チリ
このチリという国もオリーブオイルが人気で盛んに生産されている国の一つです。
チリにはあまりオリーブの害虫が生息していないため、無農薬のオリーブや香りや色がとても良いものが生産される特徴があり、チリもエクストラバージンオイルの生産量が多いです。チリ原産のオリーブや、見分け方・特徴ではこのようなものがあります。
オリーブの種類/アザパ
これはチリ原産のオリーブでこちらも日本での流通は少なく貴重亜品種です。 アザパの見分け方はその果実の大きさにあります。とても大きな果実を作り、樹形は直立系の美しい形となります。樹勢は少しゆっくりで、収穫の時期も11月と遅めなのも特徴です。
オリーブの木/育て方
肥料は即効性よりもゆっくりと効き目が続く、緩効性のタイプのものを使うことをおすすめします。 与える時期は開花前と花が散った後、果実を収穫した後に与えると良いでしょう。
オリーブは自家受粉性が低く、結実しにくいものも多く、そのような場合には育てるオリーブを2種類にし、相性の良いものを近くに置いておくと、そのオリーブ通しが受粉し果実がなるということも多いので、果実が欲しい場合にはその品種を見分け、相性の良いオリーブを、2種類以上を近くで栽培するのも手です。
オリーブには室内と室外で育てる方法があります。
室内
まずは室内で育てる方法です。 室内で育てるときはまず、好きな鉢を選びその中で育てるようにしましょう。あまり大きくなる品種を選ぶとそのあと、成長しすぎて部屋の大きさに窮屈になることもありますので、サイズ選びには慎重に良いものを選びましょう。
また、オリーブは日光が必要なので、暗い場所には置かないようにしましょう。
できるだけ日光の当たる暖か場所へ置くことをお勧めします、耐寒性や耐乾性が弱い品種もいますのでそこのところもしっかりとした下調べが必要です。
室外
次に外の庭などで栽培する方法です。 外に植える場合は大きさを気にせず、オリーブを自由に大きく栽培できます。また、自家結実性が低い品種は相性の良い、他のオリーブと一緒に植えることができ、間隔や上の範囲は大きく取れます。
外で気をつけることも先ほど述べたように耐寒性などのことを考え、あまり寒くない地域での栽培をお勧めします。また寒くなる場合には根元に藁などを敷いて地面を暖かくするように努力した方が良いでしょう。
オリーブオイルの効果
オリーブオイルというものを聞いてみなさんはどういうイメージですか? よく料理などで体に良いとして使われることが多いですよね。オリーブオイルの体への効果にはどのようなものがあるのでしょうか。
オリーブオイルは昔から、飲む黄金と言われ、その重要な成分の中にはオレイン酸というものが含まれています。
その成分は体内の酸化をしにくくする効果があり、老化防止や美容効果があります。オレイン酸は悪玉コレステロールを下げてくれるので動脈硬化や高血圧などの生活習慣病の予防にもとても効果があります。
他にも満腹中枢の刺激によりダイエット効果も期待できるのでまさに、最高のオイルと言えるでしょう。このような理由からオリーブオイルは近年とても人気で評価が高いです。
オリーブオイル/料理
こちらは黒毛和牛のサーロインステーキに、黒コショウとオリーブオイルをかけたものです。 肉のうまみや肉汁とさわやかなオリーブオイルが絡み合い、とてもおいしそうです。
こちらはカキのオリーブオイル漬けです。こちらはカキをオイスターソースで炒めて、一晩オリーブの葉とオリーブオイルで漬けたものです。 お酒のおつまみに相性抜群です。
このようなものもあります。 食べるオリーブオイルというもので、パンや料理の何につけても味にアクセントが付き、おすすめです。
インテリアとしても
このように家の前に置くことでインテリア的な効果もあります。 この写真のようにイルミネーションを付けることもでき、おすすめですし、樹形もオリーブならではの美しさがあるので、オシャレです。 綺麗な光とオリーブの木のうつくしさが相性抜群ですね。
このようにオリーブは他の花や観葉植物とも相性が良く、一緒においても見栄えがとても良いです。 樹形や樹高の小さいものなら植木鉢でも簡単に育てることができ、おすすめです。
こちらはベランダで様々な花と一緒にオリーブをインテリアのようにおいています。 こちらも場合も他の植物と相性が良く似合っています。
オリーブはドアや壁紙などの木目調との相性が良く、部屋の中や玄関などに置いてもとてもおしゃれに見栄えます。 室内での栽培の時はしっかりと剪定して美しい樹形にするとよりおしゃれなインテリアとして成り立ちます。
オリーブの木/まとめ
以上のように今回はオリーブの木の品種をご紹介してきました。 オリーブには原産地もいろいろで、多くの種類が存在します。そしてその難しい点は見分け方です。
あまり品種ごとの特徴がなく、なんのオリーブなのかを見分けるのが少し難しいので注意したほうが良いでしょう。 また、自家受粉がしにくいものもあるので、相性の良い他のオリーブを一緒に植えることも考えることをおすすめします。
また、最近ではオンラインショップで手軽にオリーブが購入できますが、オリーブの品種を偽って販売されていることもあるので、しっかりと品種や安全性を確認してから購入することをおすすめします。