ブルーベリーについて
ブルーベリーは、ツツジ科スノキ属シアノコカス節の落葉低木果樹です。 原産地は北アメリカ。 野生種や品種改良された栽培種を含めると100種類以上におよぶ品種が存在します。
食用の品種3つ
数多いブルーベリーの品種の中で、果実を食用とするのはハイブッシュ系、ラビットアイ系、ローブッシュ系の3種類だけです。 今日はこのブルーベリーの剪定を夏と冬の2回に分けて剪定方法をご紹介します。 ブルーベリーの株が乱雑に成長していて困っている人は、ぜひ剪定を行ってスッキリとさせ、たくさんの美味しい実をつけてもらいましょう。
ブルーベリー品種選びのコツ
食用種は3種類といっても、そこから実の大きさ、味、収穫時期など様々な種類に分かれています。 どんな種類の品種を植えたらいいのか迷った時は、自分の目的が何か考えてみましょう。 果実の収穫を楽しみたいなら実が立派で収穫の満足感がある品種を。 夏休みに子供と一緒に収穫してケーキを焼きたいのであれば、収穫時期が8月頃のお菓子作りに向いた品種を。 ジャムやジュースなどに加工したいのであれば、加工に向いた品種のブルーベリーの中から2種類選びましょう。
ブルーベリーの花芽
剪定するときに花芽の間引きも行う人もいるでしょう。 今回は枝や株に対する剪定についてご紹介していますが、花芽の間引きを剪定と同時に行う場合は1本の枝に花芽を3つと覚えておきましょう。 ひとつの花芽に10個ほどの実がつきますので、枝1本だけで30個の実がなることになります。
株1本の大きさで花芽数を調節
大きな株なら花芽200個を限度に。 小さな株なら50~60個を限度に花芽を摘み取ってしまうと栄養が集まった美味しい実に成熟するでしょう。
ブルーベリーの剪定:時期
ブルーベリーの剪定は春・夏・秋・冬と年4回行うことが可能です。 その中で一番剪定しやすいのは、葉が落ちてしまっている冬木の状態です。 どの枝を剪定して、どこを剪定しないのかがわかりやすいです。 はじめてブルーベリーを剪定するなら、選定時期は冬がおすすめです。
ブルーベリーの剪定方法:夏の時期
夏剪定の目的
夏に行うブルーベリーの剪定の目的は、増えすぎた枝によって悪くなっている風通しを良くしてあげることです。 ブルーベリーは生長が早い樹木なので、初夏の6月頃に剪定を行っても8月頃にはその効果が顕著にあらわれてきます。 もし、まだ混み合っているようなら様子を見ながらもう1度夏の剪定を行うこともあります。
剪定方法のコツ①:時期
夏に剪定する時期は6月下旬が良いでしょう。 これからどんどん夏場で枝が伸びてくるので、剪定の効果がわかりやすいです。
剪定方法のコツ②:下に向かっている枝
剪定をする枝を見極める時、下に向かっている枝は優先的に枝分かれの元から剪定してしまいましょう。 これだけでもだいぶスッキリする場合もあります。
剪定方法のコツ③:シュートは根元から
ブルーベリーの株の横に根元から生えている元気な枝がある場合があります。 それをシュートと呼びます。 このシュートには花芽はつきませんので見つけたら根元から剪定してしまいましょう。
剪定方法のコツ④:長い枝の剪定
夏の剪定は長い枝を1/3ほどに剪定してその後の枝分かれの様子を見る剪定です。 枝分かれをさせれば花芽が付きやすくなり、結果良い実がたくさんなる果樹に育ちます。
ブルーベリーの剪定方法:冬の時期
はじめてブルーベリーの剪定を行う時は、どの枝を切ったらいいのか、下手に切って花がひとつも付かなかったらどうしようとドキドキすることでしょう。 ブルーベリーは花は新芽にしかつきませんので、どの枝を切っても残った枝に花芽はつきます。 剪定する時に気にすることといえば「高くなった枝を切る」「横に広がる枝を剪定してしまう」この2点くらいでしょう。
冬剪定の目的
夏の剪定に風通しを良くするという目的があったように、冬の剪定にも冬に行う意味があります。 冬の剪定の目的は ・実がつきすぎるのを防ぐ ・病害虫の被害を最小限にする ・収穫しやすいように形を整える この3点になります。
冬の剪定は丈夫な木のため
とくに最初の実がつきすぎるのを防ぐことは大切で、実の数が多くなってしまうと実が小さくなるとともに、木の栄養が実に取られてしまうこともあります。
剪定方法のコツ⑤:内側に向かう枝
選定方法のコツとして、内側に向かう枝は分かれている根元から、外側に向かう枝は重なっているものがあったら適宜様子を見ながら剪定します。
剪定方法のコツ⑥:5cm以下の小枝
小さな(5cm以下)の小枝で不要だと感じた枝は、手でむしって剪定していきます。
剪定方法のコツ⑦:サッカーの処理
サッカーとはブルーベリーの枝の中で地面に近い位置から枝分かれして勢い良く助長ぎみに伸びている枝です。 この枝には花芽がつきませんので、実もなりません。 栄養が無駄に多くこの枝にいっているという証拠ですので、冬の選定時期に枝分かれしている元から取り除いてしまいます。
剪定方法のコツ⑧:低い枝
冬の剪定時期に低い枝も取り除いてしまいましょう。 ブルーベリーは実を目的として植える樹木ですので、実がたくさんなるような日当たり、収穫しやすい場所、風通しの良い枝ぶりを目的として剪定します。 低い枝を剪定してしまうことにより、全体の枝の混み具合も緩和され、日当たりを良くするとともに木の姿も良くすることができます。
剪定方法のコツ⑨:その他剪定する枝
わさわさと乱雑に育ちすぎてしまったブルーベリーの木の中で、どの枝を剪定してどの枝を残すのかは難しいところです。 迷ったら重なっている枝の中の古い枝から剪定していくとよいでしょう。
剪定方法のコツ⑩:長い枝は外芽で
外芽とは外側にこれから伸びていく葉芽のことです。 この外芽がでているところから古い枝は剪定してしまいます。 今後、外芽が成長して外側に広がる新しい枝になります。
ブルーベリーの栽培方法
ブルーベリーの栽培①土
ブルーベリーの栽培に向く土は酸性の土です。 ホームセンターなどでブルーベリーの土として売られているものを買ってくるのが一番早くて確実でしょう。 自分で土を作られる人は、株を植えるために掘り上げた土にピートモスを混ぜたものを用います。 株の下にはアンモニア態窒素を主成分にした配合肥料を入れます。
ブルーベリーの栽培②植え付けの時期
ブルーベリーの株の植え付け時期は年に2回あって、春2~3月頃と秋10~11月頃となります。 ブルーベリーは1本だけでは実をつけず違う品種を近くに植えることで、実をつけてくれるようになります。 花の咲く時期(同じくらいの収穫時期)の2種類の品種を選ぶと成功しやすいでしょう。
ブルーベリーの栽培③水やり
ブルーベリーは乾燥を嫌うので、植え付けたら株の根元にたっぷりと水やりを行います。 水やりの頻度は春は1日1回、夏は1日2回株の様子を見ながらあたえます。 葉が元気なくなってきたりしたらそれは水不足のサインです。 ブルーベリーの栽培で気をつけるのは水の管理といえるでしょう。
ブルーベリーの栽培④ブルーベリーの置き場所
庭に露地植えにする場合は、水はけの良い土を入れて日当たりの良い場所に植えるようにします。 ベランダで鉢植えで栽培する場合は、日当たりはもちろんですが、倒れないように強風が直接当たらないような場所に置くのもポイントです。
ブルーベリーの栽培⑤夏と冬のお手入れ
剪定するころに行うブルーベリーのお手入れは、夏は収穫の後の礼肥です。 樹木に栄養を蓄えさせ翌年の花芽のつき方がよくなります。 冬は樹木も休む時期ですので、冬のお手入れは剪定と雑草を取り除くくらいでしょう。 しかし、ブルーベリーは冬場でも水やりは欠かさず、土が乾ききらないように気をつけてあげます。
ブルーベリーの栽培⑥害虫
ブルーベリーの害虫被害は夏場に集中します。 実、枝、葉などが害虫にやられている部分を発見したらその部分ごとに取り除いてしまい、捕殺してしまいましょう。
まとめ
ブルーベリーの夏・冬の剪定方法の違いと、残す株、切ってしまう株の見分け方、ブルーベリーの栽培の方法もご紹介してきました。いかがでしたでしょうか。 ブルーベリーは基本的には剪定をしなくても実をつけてくれる果実樹木です。 しかし、剪定をすることで大きく立派な実をつけてくれます。 うちのブルーベリーは小さな粒ばかりだと気になったら、冬剪定からはじめてみるとよいでしょう。