筑波山は人々に親しまれてきた身近な存在?
あなたは筑波山に登ったことがありますか?筑波山は日本百名山の中で最も低い山で、毎年たくさんの人が訪れる人気スポットです。 登山経験がない初心者も、数々の山を踏破してきた方も、大人も子供もみんな楽しめることが、筑波山の大きな魅力です。筑波山に設けられた登山コースの見どころや、さまざまな難易度のおすすめの登山ルートをご紹介します!
筑波山登山に必要な基本情報を知ろう!
男体山と女体山がある
まずは筑波山についてお教えしましょう!筑波山は「男体山」と「女体山」の二つの山頂があります。男体山の標高は871メートル、女体山は877メートルです。 「西の富士、東の筑波」と称されることもあり、景観が美しい山として知られています。関東圏から日帰りで訪れるのが可能なこともあり、年間登山者数は200万人ほど。最近では海外から筑波山登山に訪れる人も急増しています。
山頂まで楽チン!ケーブルカーとロープウェイ
ふもとから男体山山頂まではケーブルカーが、女体山山頂まではロープウェイが運行しています。この二つを使えば、山頂まで体力を使うことなく簡単に登頂ができてしまいます。筑波山の登山者数が多い理由の一つです。 紅葉の時期は真っ赤な木々を間近で見られたり、筑波山の素敵な眺めを上空から眺めたりと、乗り物ならではの楽しみ方も満載です。自分の足で登頂後、下山する手段としても重宝しています。
駅へのアクセスと周辺の施設は?
男体山登山に便利!宮脇駅
ケーブルカーに乗って男体山山頂を目指す場合は、この宮脇駅から乗車します。駅のすぐ隣には筑波山神社があります。お土産屋さんや温泉などの施設もあり、筑波山登山を彩るお楽しみスポットです。 電車で筑波山を訪れる場合は、TXつくば駅が最寄駅となります。宮脇駅まではシャトルバスで40分ほどです。一方車の場合、周辺駐車場は450台ほど完備されています。
周辺の眺めが素晴らしい!筑波山頂駅
ケーブルカーの終点で、男体山山頂にある駅です。筑波山頂駅の隣には「コマ展望台」という、売店や食堂が入った建物があります。 1階の売店では、ここでしか買えないお土産や、登山の際に役立つ便利グッズが販売されています。壁が360度全てガラス張りになっている2階の食堂は、素晴らしい眺めの中食事をすることができ人気を集めています。
女体山登山に便利!つつじヶ丘駅
女体山山頂を目指すなら、つつじヶ丘駅からロープウェイに乗りましょう。また車で筑波山を訪れる場合、ケーブルカーの宮脇駅は駐車場から少し距離があります。体力に自信のない方は、こちらを利用した方が良いでしょう。駐車場は400台ほどです。 つくば駅からシャトルバスで50分かかるため、電車でのアクセスは宮脇駅の方が良いです。駅周辺にはレストハウスやガーデンハウスなど、休憩できるポイントが充実しています。
山頂まで徒歩5分!女体山駅
つつじヶ丘駅を出発したロープウェイは、筑波山の大自然の上空を悠々と進み、女体山駅に到着します。女体山山頂までは徒歩5分というアクセスの良さです。 女体山駅の展望台には「女体山展望パーラー」があり、登山者たちの憩いの場となっています。売店の人気商品はソフトクリームと、つつじヶ丘近くにあるガマ大明神の置物です。
筑波山には豊富な登山コースがある!
どんな人でも楽しめる筑波山
登山初心者はもちろん、子供やお年寄りも山頂からの景色を楽しむことができる筑波山。その理由の一つに、難易度の異なるさまざまな登山コースが設けられていることが挙げられます。 6つの主な登山コースと2つの乗り物を上手く組み合わせることで、自分に合った登山ルートを組むことができるのです。筑波山登山を計画する際に知っておきたい、基本の登山コースをご紹介しましょう。
定番だけど実はきつい?御幸ヶ原コース
筑波山神社からケーブルカー宮脇駅に向かう石段の途中に、鳥居のある登山口があります。ここから標高800メートルにある御幸ヶ原を目指す登山コースが「御幸ヶ原コース」です。 登山口が分かりやすいこともあって最も一般的な登山コースとされていて難易度が低めですが、実は結構傾斜がきつく体力を要します。距離は2キロメートルほどで、登山時間は登りが90分、下りが70分です。
筑波山の見どころがいっぱい!白雲橋コース
白雲橋コースは、登山初心者にもおすすめできる女体山の登頂ルートです。筑波山神社の東にある鳥居より、女体山の頂上を目指します。登山時間は登りが110分、下りが95分ほどです。 筑波山に設けられた他の登山コースと比べると、やや高低差が大きく距離は3キロメートル近くあります。しかし「弁慶七戻り」や「胎内くぐり」など筑波山ならではの魅力が詰まっていて、楽しみながら登山をすることができます。
駅と駅をつなぐ迎場コース
ケーブルカーの宮脇駅と、ロープウェイのつつじヶ丘駅の間を徒歩で移動する場合は、この迎場(むかえば)コースを利用します。白雲橋コースの途中にある酒迎場分岐からつつじヶ丘駅までの1.6キロメートルの道のりです。 登りは40分、下りは35分ほどかかります。岩場などが少なく利用者も多くないため、ゆったりとハイキングが楽しめるコースです。
ガマ大明神が見守るおたつ石コース
つつじヶ丘駅を出発し、白雲橋コースの途中にある弁慶茶屋跡まで向かう1キロメートルほどのコースです。登山時間は登りが40分、下りが35分となっています。 視界のひらけた登山コースの始まりには大きなガマ大明神が座っていて、登山を応援してくれています。比較的急な階段を我慢強く登り、辿り着いたつつじヶ丘高原で見る景色は格別ですよ。
山頂付近を散策できる!自然研究路
男体山の山頂付近には、ぐるりと一周ハイキングを楽しむことができる、自然研究路という登山コースが整備されています。足場が安定しており1時間ほどで歩けるので、子供連れのファミリーやカップルの方にも気軽に筑波の自然を楽しめます。 2014年にコースの一部が崩落したため、現在は男体山頂に続く迂回路を通って一周できるように整備されています。
二つの頂上を制覇!山頂連絡路
男体山も女体山も踏破したい!という方のために、山頂連絡路が整備されています。御幸ヶ原を起点として、どちらの頂上へも15分ほどでたどり着くことができます。 女体山は男体山よりも緩やかで登りやすい道のりです。また御幸ヶ原のすぐ近くにある男女川源流や紫峰杉など、見どころ満載のルートになっています。
登山ルートの決め方と注意点とは?
目指す山頂を決めよう
筑波山の登山ルートを考える際は、まず登頂したい山頂を決めるのがポイントです。男体山と女体山のどちらを目標にするかで、登山コースや乗り物の選択肢が変わります。 登山初心者におすすめなのは、女体山を目標とすることです。白雲橋コースで頂上を目指したり、つつじヶ丘からロープウェイを利用することを視野に入れてみましょう。
乗り物を上手く活用しよう
筑波山にはせっかく便利な乗り物が整備されているのですから、登山の際にも賢く利用しましょう!初心者や体力に自信がない場合行きは自力で登山をして、帰りは乗り物を利用して下山するのがおすすめです。 注意点として、ケーブルカーとロープウェイのふもとの駅は、全く異なる場所にあります。駅と駅の間は徒歩で1時間ほどかかるので、間違えないように注意しましょう!
登山の持ち物はしっかりと準備を
筑波山は老若男女に親しまれている場所ですが、山ならではの危険もたくさん潜んでいます。短い距離でも登山をする予定があれば、しっかりとした服装と装備で臨みましょう。 最低限必要な持ち物は「レインウェア」「軍手」「飲み物」「携帯食料」「地図」です。季節に応じて「ヘッドライト」「帽子」「ステッキ」などもあると良いでしょう。靴はグリップの効くトレッキングシューズがおすすめです。
登山のマナーを守ろう
筑波山は国立公園に指定されており、また筑波山神社の境内という神聖な場所でもあります。登山コースから外れた場所に立ち入ったり、植物や昆虫を採取しないようにしましょう。 持ち込んだ食料など、ゴミは自分で持ち帰りましょう。また山火事の原因となるため、タバコのポイ捨ては厳禁です。
【ルート1】絶景の大パノラマを堪能しよう
片道5分で女体山山頂へ
筑波山の基本情報をお伝えしたところで、次はおすすめの登山ルートについて見ていきましょう!まずはもっとも簡単な、ロープウェイを利用した登頂方法です。つつじヶ丘駅を出発し、およそ5分で女体山駅に到着します。 少し散策したいという方は、山頂連絡路を利用して男体山まで足を伸ばしてみるのもあり。短時間で手軽に二つの山頂を踏破できてしまいます。
筑波山周辺も観光したい人におすすめ
このルートの見どころは、ロープウェイから見える圧巻のパノラマ風景。時期を問わず筑波山や地球の偉大さを体感することができます。 山頂を2つ制覇して食堂で休憩を取っても、所要時間は3時間ほど。服装も気にせず楽しめるので、筑波山周辺も観光したい人におすすめです。
【ルート2】筑波山の自然に触れてみよう
標高800メートルの自然を気軽に楽しめる
宮脇駅からケーブルカーに乗り、男体山山頂を目指すルートです。頂上からの景色を拝んだ後は、自然研究路をゆったりハイキング。御幸ヶ原で昼食を取り、再び景色を楽しみながらケーブルカーで下山します。 登山の持ち物はあると安心ですが、気温の変化に対応できる服装であれば充分楽しめます。所要時間は3時間ほどです。
時期によって植物の顔ぶれが変わる車窓
上空を移動するロープウェイとは異なり、ケーブルカーは筑波山の木々を縫うように進んでいきます。時期によって色とりどりに変化する車窓が見どころです。 また自然研究路には、自然遺産に指定されたブナの自然林があります。写真を撮ることに重きを置く来山者におすすめのルートです。登山初心者が冬山の下見をする手段としても役立っています。
【ルート3】白雲橋コースで筑波山登山しよう
登山初心者にもっともおすすめのルート
白雲橋コースを辿って女体山を目指します。自分の足で筑波山に登ってみたいという初心者の方には、このルートがおすすめでしょう。下りは乗り物を利用して、楽に下山することも可能です。 車で来山した場合、山頂連絡路を通ってケーブルカーに乗るか、ロープウェイで下山し迎場コースで歩いて宮脇駅に戻る必要があるので注意しましょう。
余裕を持って自然のオブジェを観察しよう
奇岩怪石や白蛇弁天など、見どころスポット満載のこのルート。初夏から秋にかけての時期は、白雲橋コースを利用する登山者が特に増加します。片道の所要時間を3時間ほどに見積もり、休憩を挟みながら余裕を持って行動しましょう。 難易度は低めですがハイカットのシューズを履くなど、服装や持ち物はしっかり装備していきましょう。
【ルート4】つつじヶ丘から女体山頂を目指そう
車での来山にぴったりなルート
白雲橋コースでの筑波山登山と並んでおすすめなのが、おたつ石コースを利用した登頂方法です。つつじヶ丘にある駐車場からすぐに登り始められることと、帰りは山頂からロープウェイであっという間に下山できることから、車で来山した時の登山ルートとして適しています。 おたつコースを辿って弁慶茶屋跡に到着した後は、白雲橋に合流となります。片道の所有時間は90分ほどです。
「登ったー!」という達成感が得られる
おたつ石コースの特徴は、登山口からつつじヶ丘高原までの長くて急な階段。はじめはきついですが、その後は穏やかなハイキングコースになります。休憩できるポイントが多いため難易度は低めで、初心者や子供にもぴったりなルートです。 雨の多い時期は階段が滑りやすくなるので注意しましょう。また長袖長ズボンの服装である方が安心です。
【ルート5】最も気軽に筑波山登山を楽しもう
実は一番簡単!キャンプ場を起点とするルート
筑波山周辺を観光したついでに、筑波山に立ち寄ってみようと考える人もいらっしゃるでしょう。「服装や持ち物は準備していないが登ってみたい」という時には、筑波高原キャンプ場を起点とするルートがおすすめです。三本松線とも呼ばれています。 足場が安定しているので、スニーカーでも登れます。もちろん怪我には注意して、飲み物や軽食は持って行きましょう。
子供のいる家族にもおすすめ
筑波山の登山コースの中でも、このルートは比較的穴場とされています。人が少なく難易度が易しいため、焦らず落ち着いて登山ができます。女体山山頂までは1時間ほどで、初心者や子供連れの家族におすすめしたいルートです。 キャンプ場までは車のみのアクセスとなります。一方駐車場は15台ほどのスペースしかないので、夏休みなどの混雑する時期は利用できないことがあります。
【ルート6】じっくりと筑波山の自然を味わおう
静かに自然を堪能したい人にぴったり
都会の喧騒から離れて静かに筑波山登山したい、という方にぴったりな登山ルートがあります。深峰歩道コースは、ユースホステルの跡地から出発し御幸ヶ原を目指すルートです。1時間ほどで男体山に登頂できます。 このルートの魅力は、とにかく人が少ないということです。つくば市のマップに載っていない穴場の登山ルートで、筑波山の森の魅力をじっくり味わえます。
友人や家族と共に筑波山に登ろう
春はカタクリの群生を見ることができ、密かに人気を集めているこのルート。しかし登山者が少ないということは、有事の際にそれだけ発見されにくいということです。 登山コースの難易度は低いですが、持ち物や服装はしっかり準備をし、特に初心者の場合は誰かと複数で登るようにしましょう。日が暮れるのが早い時期は、ライトを持っていると心強いです。
【ルート7】御幸ヶ原コースで筑波山登山しよう
体力勝負!男体山を目指すルート
御幸ヶ原コースを利用して男体山を目指すルートは、ケーブルカーに沿うようにして作られていることもあり、案外きつい道のりとなっています。体力に自信のある初心者や、ある程度登山経験のある中級者に適したルートです。 こまめに休憩を取って無理をしないよう気をつけましょう。また日なたと日陰では体感温度が全く変わってくるため、脱ぎ着できる服装で臨みましょう。
スギの巨木に圧倒される?
コースの中間点では、ケーブルカーがすれ違う様子が見られます。特に紅葉の時期は、ケーブルカーと葉の色がマッチしていて美しいです。 御幸ヶ原の少し手前にはスギの巨木群を見ることができ、このルートの見どころの一つとなっています。体力は必要ですが難易度はそれほど高くないので、興味がある方はチャレンジしてみては?
【ルート8】本格的な登山に挑戦してみよう
薬王院から挑む筑波山登山
より難易度の高いルートに挑戦したい人は、薬王院コースで筑波山に挑んでみるのはいかがですか?鬼作林道を経て、男体山山頂付近の自然研究路に合流します。 片道2.5キロメートルの2時間ほどかかる道のりで、入念な体調管理と準備が必要です。汗をよく吸うインナーと、風を通さない服装で臨みましょう。
スダジイと紅葉が見どころポイント
薬王院コースに挑戦するなら、気候の安定する紅葉の時期がおすすめです。色鮮やかな筑波山の森を堪能できます。 また薬王院周辺に佇むスダジイの巨木は、神秘的な雰囲気をまとって登山者たちを見下ろしています。難易度は高めですが、踏破した時の達成感は格別ですよ。
【ルート9】自然豊かな林道をハイキングしてみよう
筑波山で本格ハイキングに挑戦
筑波山に何度も登っていて、新しい筑波山の顔を見てみたいという方におすすめなルート。つつじヶ丘を出発し、石岡市の国民宿舎を目指す4.5キロメートルの道のりです。東筑波ハイキングコースと呼ばれています。 服装や装備をしっかり整え、体力に自信があるなら、初心者でも挑戦することは可能です。分岐点が多いので地図を持参し、経験者と複数で臨みましょう。
足元のいのちに目を向けてみよう
乗り物に頼ることができないため、比較的難易度の高い東筑波ハイキングコース。人が立ち入ることは少なく、挑んだ者のみが見ることのできる筑波山の豊かな自然が広がっています。道端で草花が花を咲かせる、初夏の時期がおすすめです。 道中には沢や苔むした岩場があります。登山に適した服装と、グリップの効くトレッキングシューズでハイキングを楽しみましょう。
自分に合った筑波山登山を楽しもう!
いかがでしたか?今回は筑波山の登山コースの魅力と楽しみ方についてご紹介しました。難易度の低いルートでも、登山をする場合はしっかりとした服装で臨むことを心がけましょう。 特に紅葉の時期には、たくさんの人が筑波山に訪れ活気付きます。マナーを守って、家族や友人と一緒に筑波山登山を楽しみましょう!