ユリってどんな花?
皆さんは、「百合」といわれるとどんなイメージがありますか?ほとんどの人が華やかで清楚な印象を持っているのではないでしょうか?結婚式や贈答などに使われることが多く、花色や花姿も豊富です。百合は、ユリ科ユリ属でアジア原産の花です。主に球根から育てられています。百合はとても香りが強く、部屋に飾ってあるだけで華やかな気持ちになることができます。
ユリの特徴
百合は、北半球の亜熱帯~亜寒帯に約96種類が分布している球根植物です。日本にはその中の15種類が自生しています。百合は、山野の草地や里山の林の傾斜など水はけのいい場所に自生します。日本の道端に自生している百合もあります。
百合は、多年草の植物です。球根の管理をしっかり行うことで毎年花を咲かせることができます。開花時期は、品種によって異なりますが、5月下旬から7月下旬までが百合の見頃時期です。花色は、よく見かける白のほかに、ピンクやオレンジ、黄色や褐色などがあります。様々な模様も楽しむことができます。基本的には、初心者にも育てやすいです。
「ユリ」の名前の由来
百合の花の名前の由来についてご紹介します。百合の花の由来は、茎が細く花が大きいので風が吹くと花が大きく揺れてしまいます。その姿から「揺すり」といわれるようになり、それが変化していき「百合」といわれるようになりました。漢字での「百合」は、百合の花の鱗片がたくさん重なっているところからつけられたといわれています。
ユリの花言葉
百合の花言葉についてご紹介します。百合の花言葉は、「純粋」「無垢」「威厳」があります。花言葉の由来は、聖母マリアにささげられた花なので百合は純潔のシンボルとされています。そのことから、「純粋」や「無垢」とつけられました。「威厳」は、百合の花姿が凛としていることからつけられたとされています。百合の花言葉は、花色によっても変わってきます。百合をプレゼントするときは、花言葉も一緒に考えて贈ってあげると喜ばれますよ。
ユリの基本的な育て方
百合の基本的な育て方についてのご紹介します。百合を育てるためにおすすめの場所は、風通りがよく明るい場所です。品種の違いで、半日陰で育てなければいけない百合も存在します。ユリの球根は暑い場所が苦手なため、夏の間は直射日光が当たらない場所へ植え替えてあげましょう。百合を植え付ける前に、植え付ける品種にあった場所で栽培しましょう。 土は、水はけのいいものを使うようにしましょう。排水の悪い場所へ地植えする場合は、盛り土などをしてレイズ度ヘッドを作ってあげましょう。鉢植えの場合は、長雨に当たらないように軒下などへ移動させることも忘れないでください。
日向がすきなユリの品種
テッポウユリ、スカシユリ、ヒメユリ、オニユリ、ロンギフローラム、ハイブリットなど
半日陰がすきなユリの品種
カノコユリ、ヤマユリ、ササユリなど
ユリの球根を植え付ける土作り
鉢植えで育てる場合
鉢植えの場合の百合を植え付ける土についてご紹介します。鉢植えの場合、赤玉土(小粒)7腐葉土:3の用土を準備します。市販の草花用培養土を使用すると簡単に土を準備することができるのでおすすめです。
地植えで育てる場合
地植えの場合の百合を植え付ける土についてご紹介します。地植えの場合、土をよく掘り起こして品種に合わせた土作りをする必要があります。テッポウユリ、ロンギフローラムは粘土質な土へ植え付けてあげます。ヤマユリ、ササユリは軽めな土へ植え付けてあげます。スカシユリなどは、砂質で水はけのいい土へ植え付けてあげましょう。品種に合わせて土作りをしましょう。
ユリの球根を植え付けよう
百合の球根を植え付ける時期と方法についてご紹介します。百合の植え付け時期は、秋植えの球根なので10月~11月に球根を植え付けます。これから、地植えで植え付ける方法と鉢植えで育てる方法についてご紹介します。
鉢植えで育てる方法
百合の球根の鉢植えする方法についてご紹介します。球根を植え付ける時期になったら、鉢を土を準備しておきます。鉢植えするための鉢に、鉢底石と土をいれます。鉢の大きさは、球根の3倍くらいの大きさのものを用意しましょう。準備ができたら、球根1個分の深さに球根を植え付けます。植え付けを浅くしてしまうと、土から養分を吸い取る上根がしっかり育つことができないため、育ちにくくなってしまう可能性があるので注意しましょう。
地植えで育てる方法
百合の球根を地植えする方法についてご紹介します。球根を植え付ける2週間ほど前に、土を30cmくらい耕しておく必要があります。球根2個分の深さに球根を植え付けていきます。球根を並べて植え付ける場合は、球根と球根の間を球根3個分開けるようにしましょう。
ユリの水やり方法と肥料
水やり方法
百合の水やり方法についてご紹介します。地植えの場合の水やりは、植え付け後しっかり水を与えた後は放置しておいても育ってくれます。日照りが続いて土が乾いてきたときだけ水を与えます。鉢植えの場合は、土の表面が乾いてからしっかりと水やりを行います。百合の球根は、乾燥が苦手なので乾燥しないように注意しましょう。
肥料の与え方
百合の肥料についてご紹介します。肥料は、元肥として植え付けの時に緩効性の肥料を少量混ぜ込んでおきます。その後の肥料は、芽がひらき始めた頃を見落とさないようにしてください。そのタイミングと花が終わるタイミングの2回与えます。粒状の化成肥料を少し株元に与えるか、液体肥料を2週間に1度与えましょう。
ユリをきれいに育てる花のお手入れ
花の手入れ方法
百合を育てていると茎がのびてくるので、折れてしまったり倒れてしまわないように支柱を立ててあげましょう。 百合は、花を咲かせた後に種をつけます。この種は、そのまま置いておくと球根の養分を吸い取ってしまうので、毎年花を咲かせたい場合は咲き終わってすぐに花を摘み取ってあげる必要があります。枯れた花が落ちてしまう前に、葉や茎を残して花首から切り取ります。秋になると葉も枯れてしまうので、枯れてから茎を地際から切り取って球根を彫り上げてあげましょう。
ユリの植え替えと育て方
百合の植え替え方法についてご紹介します。百合の植え替えは、花や葉などが枯れてしまう時期になる約11月に茎を地際で切って彫り上げてあげます。普通の球根植物の場合は、彫り上げた後球根を乾燥させなければいけません。しかし、百合の場合は彫り上げた後すぐに、新しい土へ植え替えをしてあげる必要があります。注意しておきましょう。
植え替えのポイント
地植えの場合で、球根との間隔に余裕があれば植え替えは3~5年に1度で問題ありません。ですが、鉢植えの場合は毎年時期が来たら植え替えをしてあげましょう。植え替えをしない場合は、株元に緩効性の化成肥料を与えておきましょう。できる限り、鉢植えの場合は毎年植え替えをしてあげてください。
ユリを上手に育てて増やす方法
百合の増やし方についてご紹介します。百合の増やし方はたくさん方法があります。鱗片繁殖、木子繁殖、分球繁殖、種子繁殖、珠芽繁殖が主な増やし方です。その中で、分球繁殖の方法をご紹介します。分球繁殖以外の方法だと、花が咲くまでに時間がかかってしまったり親と同じ花が咲かない場合があります。なので、分球繁殖以外の方法で増やす方法はあまり行われていません。
分球繁殖
分球繁殖の方法をご紹介します。百合の植え替え時期に球根を彫り上げたとき一緒に行います。彫り上げた球根に、木子やむかごができていることありますので、その際に分球することができます。このとき、球根が乾燥してしまわないように注意しましょう。分球の方法は、木子ができている部分を手で割っていきます。このとき、上根は切り取っていきましょう。下根の枯れている部分も取り除くようにしましょう。
ユリの育て方で気を付けたい病気と害虫
百合は、ウイルスにかかりやすい性質をもっています。数種類のウイルスが複数感染してしまうと様々な症状を引き起こしてしまいます。ウイルスは害虫によってかかることが多いので害虫駆除はしっかり行わなければいけません。これから、最もかかりやすい病気「モザイク病」についてご紹介します。モザイク病は、アブラムシの発生によって感染してしまう場合が多いので、アブラムシの駆除方法についてもご紹介します。
アブラムシについて
百合につく最も多い害虫に「アブラムシ」があげられます。アブラムシは、若い芽やつぼみに発生しやすく、発生すると養分を吸い取ってしまいます。植え付けの時や植え替えの時に殺虫剤を施しておく必要があります。百合の近くでアブラムシが発生しやすい植物を育てることもやめておきましょう。
アブラムシの駆除方法
アブラムシを駆除する方法についてご紹介します。時期になると百合にアブラムシがわいてきてしまう可能性があります。少量の場合は、手で取ってしまいましょう。テープを使ってくっつけて取り除いたり歯ブラシでこすり落としましょう。他にも、薄めた牛乳をかけても駆除することができます。牛乳をかけた後はしっかり洗い流してあげましょう。たくさんアブラムシが発生してしまった場合は、木酢液を使用します。この木酢液は、炭を作るときにでる蒸気を冷まして液体にしたものです。アブラムシ駆除に使えるだけでなく、植物の成長を促す効果があるといわれています。なので、洗い流さなくても問題ありません。故過ぎてしまうと害になってしまうので、容量を守って薄めて使用するようにしましょう。
かかりやすい病気
百合がかかりやすい病気の一つに「モザイク病」というものがあります。発生しやすい時期は、4~10月です。この病気にかかってしまうと、花びらにまだら模様ができてしまったり濃淡ができ、モザイクのようにみえます。1度発症すると直すことはできません。感染してしまった部分は株から抜き取り、焼却処分することをおすすめします。
素敵な花、ユリを育てよう
ひとことに百合といってもたくさんの品種があります。品種によって、開花時期や育て方が少しずつ違ってきます。花色や見た目に違いがあるのも楽しみの一つです。百合は、鉢植えや地植えのほかに、切り花やフラワーアレンジメントとたくさんの楽しみ方があります。百合は、見て楽しむだけではなく、ゆり根を食べることもできます。いろいろな品種の百合をたくさん育てて違いを楽しむのも楽しそうです。ですが、品種によって土の性質や肥料、育て方が違ってくるので初めて百合を育てる場合は、1種類だけにしておいたほうが元気な百合を育てることができます。百合をたくさん育てて、色々な楽しみ方で百合との生活を楽しんでみてください。