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ウッカリカサゴって名前なの!?その由来とカサゴとの見分け方!

ウッカリカサゴという魚を、知っていますか?カサゴとそっくりですが、実は違う魚なんです。ベテランの釣り師でも、見分けることが難しいウッカリカサゴとカサゴ。見分け方や、生態、料理、釣り方など、様々な視点からウッカリカサゴについてまとめてみました。  
2020年8月27日
idechin
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ウッカリカサゴ名前の由来

魚類学者もうっかりしていた

魚類学者も、昔はウッカリカサゴとカサゴを区別していませんでした。1979年に阿部宗明(著名な魚類学者)が、「気付かずうっかりしていたため」との理由で、ウッカリカサゴと命名しました。 その後、1999年に西海区水産試験場の研究発表で、ウッカリカサゴとカサゴは別種であることが、DNA鑑定であきらかになりました。 学者もうっかり間違えるほど、そっくりさんであるといえます。

見分け方はあるの?

学者もうっかり間違えるほど似ている、ウッカリカサゴとカサゴ。見分けることは出来るのでしょうか?見分けるポイントを紹介していきましょう。

ウッカリカサゴとカサゴの見分け方1.斑点の違い

ウッカリカサゴの斑点

上の画像はウッカリカサゴです。体表に白い斑点がありすが、よく見ると斑点に褐色の縁取りがあります。体の上部のほうが、よりはっきりと見えますね。

カサゴの斑点

次にカサゴの画像ですが、体表の白い斑点に縁取りがありません。 このように、体表の白い斑点に褐色の縁取りがある=ウッカリカサゴ、褐色の縁取りがない=カサゴ、といえます。これが、最も見分けやすいポイントです。 ウッカリカサゴの方が、白い斑点がはっきりしているものが多いですが、固体に差があり、決定的な違いとはいえません。また、ウッカリカサゴは大型になるにしたがって、縁取りが薄くなる傾向があります。

ウッカリカサゴとカサゴの見分け方2.胸びれの違い

ウッカリカサゴの胸びれの軟条(やわらかいスジ)数は19本。カサゴの胸びれの軟条数は18本です。軟条は短いものもあり、数を調べるのはかなり大変な作業です。


ウッカリカサゴとカサゴの見分け方3.その他の違い

大きさの違い

カサゴは最大でも30cm程度なのに対し、ウッカリカサゴは40cm以上にもなり、50cm以上の固体も釣れた実績が沢山あります。そこまで大きな固体だと、うっかりカサゴと見間違えることはないでしょう。ただし、ウッカリカサゴにも幼魚の時代が必ずあるので、カサゴと同じようなサイズの場合、やはり見分けるのは難しいといえます。

色の違い

ウッカリカサゴは、カサゴより色が薄く明るい傾向があります。水深の深いところにいるウッカリカサゴは、オレンジ色がかった明るい赤色をしているものが多いです。それに対して、カサゴは茶褐色のものが多いです。しかし、ウッカリカサゴもカサゴも、生息場所や食べているものによって体色の個体差があり、一概にはいえません。

生息場所の違い

ウッカリカサゴは、通常沖合いの水深30m~150m位の岩礁域に生息しています。個体が大きくなるほど深い場所に生息するといわれています。それに対して、カサゴは通常浅い岩礁域に生息しています。カサゴは、防波堤やテトラポッドから気軽に釣れる対象魚として有名ですね。 乗合船やボートで、沖合いの深場からカサゴが釣れた場合、実はウッカリカサゴかもしれません。

ウッカリカサゴとカサゴの見分け方4.釣り場では?

釣り場にて、これってカサゴ?それともウッカリカサゴ?と迷ったときは、以下の順番で確認してみるとよいと思います。 1.体表の斑点に褐色の縁取りがある。 2.体色がオレンジ色がかった明るい赤色。 3.体長が30cm以上 4.水深30m以上で釣った、捕れた。 5.胸びれの軟条数が19本。 以上の条件がそろっていれば、ウッカリカサゴだといえるのではないでしょうか。

ウッカリカサゴの生態

ウッカリカサゴとカサゴの見分け方にて、ウッカリカサゴの生態にも少しふれましたが、ここではもっと深くみていきます。

分類、学名


分類はスズキ系スズキ目カサゴ亜目メバル科カサゴ属に属し、学名はSebastiscus tertius、外国名はYellowbarred red rockfishといいます。 ちなみに、カサゴの学名はSebastiscus marmoratus、外国名はMarbled rockfishといいます。やはり学術的にウッカリカサゴとカサゴは別種と考えられています。

ウッカリカサゴの別名

関西では、カサゴのことをガシラと呼びます。ウッカリカサゴはカサゴより沖の深場に多いため、オキガシラと呼ばれています。島根県では、カサゴのことをボッコと呼び、関西と同じ理由で、ウッカリカサゴはオキボッコと呼ばれています。関東では、カンコ、アンポンタンなどの呼び名が知られています。その他、ボテコ、ビックリガシなどなど、地方によって様々な呼び名があるようです。

分布

沿海性で、宮城県以南の山陰を含む各地、朝鮮半島の南部や東シナ海までの東太平洋に広く分布します。成魚は、通常水深30m~150m位の岩礁域に生息してますが、小型の固体(幼魚)は浅い海域にも生息しています。

形態

紡錘形で非常に頭が大きく、背びれ、腹びれ、尻びれなどに鋭いとげがあります。カサゴより大型になり50cmを超えることもあります。 体色は、オレンジ色から赤、褐色と変化に富んでいます。より水深の深いところにすむ個体のほうが、色が明るく赤みを帯びる傾向があります。体表に白い斑点が散りばめられ、褐色の縁取りがみられますが、大型になるほど縁取りがぼんやりと薄くなっていく傾向があります。

食性

肉食で、岩の陰などに潜み、上を見上げて目の前を通るエビやカニなどの甲殻類、小さなイカなどの軟体動物、小魚などを、捕食します。

繁殖

卵を産むのではなく、卵を胎内で孵化させてから稚魚を産む、卵胎生です。卵を放出せず、胎内で孵化させることによって、より多くの子孫を残せるためであると考えられています。 繁殖期は3月から5月ごろで、海水温の上昇より日照時間が長くなっていくことの影響が大きい、といわれています。

ウッカリカサゴの釣り方

基本的に外道

ウッカリカサゴが専門で狙われることは少なく、専門の乗合船などもありません。マダイ、青物、ハタ類などの外道として釣れています。だからといって嫌われているわけではありません。とても美味しい魚ですし、力強くよく引きます。嬉しい外道といえるでしょう。


ねらって釣るには?

ウッカリカサゴを釣るには、まず沖に行かなくては行けません。通常ウッカリカサゴの成魚は、沿岸の水深が30m以上の深い岩礁に、影をひそめている根魚です。海底からさぐっていくような釣り方である、タイラバやジギングなどの乗合船で沖合いへ行けば、ウッカリカサゴと出会える確立が高くなります。必ず底をとるのが基本です。岸からの釣りでは難しいでしょう。 ボートで沖合いに出ることも可能ですが、海難事故をおこさないよう絶対に無理はしないでください。また、決められたルールは必ず守りましょう。 季節を問わず年中釣れますが、真夏や真冬は釣果が落ちるようです。

ウッカリカサゴの料理

ウッカリカサゴは美味しい?

ウッカリカサゴの身は透明感のある白身です。カサゴに比べてうま味に欠けるといわれていますが、釣り人にとってはポピュラーなカサゴも、一般人からするとりっぱな高級魚です。ウッカリカサゴも、適度に脂がのっており十分美味しい魚です。 ウッカリカサゴもカサゴも、都心部のスーパーなどではあまり見かけません。一般的に市場ではウッカリカサゴとカサゴは区別せず、カサゴとして出荷されているようです。

ウッカリカサゴの旬

ウッカリカサゴは季節を問わず一年中美味しい魚ですが、特に美味しい時期は秋から冬だといわれています。

様々な料理方法

ウッカリカサゴの皮はやや硬く、身は熱を加えた際には少し縮みます。お刺身ではコリコリとした歯ごたえが楽しめます。鍋物、汁物、煮付け、塩焼き、から揚げなど、様々な料理で食べられています。その他、洋風のソテーや、中華風の姿蒸しなどでも美味しくいただけます。ウッカリカサゴが良質な白身魚である証拠ですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?カサゴとうっかり間違えてしまうくらい、そっくりなウッカリカサゴ。よくみるとカサゴとは違うところが沢山ありましたね。魚の生態は、まだまだ解かっていないことも多いです。今まで、同じ魚だと思っていたけれど、実は違う種類だった!なんてことが、これから先もあるかもしれませんね。