検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

学ばなきゃ損!カンデラ・ルーメン・ルクスの単位の違いを解説!【初級編】

「カンデラ」、明るさの指標の一つです。光は、人が日常生活をするために欠かせないものです。今回は明るさの指標、カンデラ・ルーメン・ルクスの持つ意味。そして何がどう違うのか、カンデラの計算方法まで分かりやすく解説したいと思います。
2020年8月27日
emjii
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

明るさの単位、カンデラはいつの頃から?

明るさの単位は、色々あって難しいです。昔、1850年代のころは、ろうそく1本の明るさが1燭光という単位を使っていました。基本的にアバウトだったわけですね。 1948年にカンデラと言う単位が使われるようになり、1燭(しょく) ≒ 1カンデラで光の強さも同程度の光度となっています。基準が明確になりました。 でも、世の中が発展しカンデラだけで無く、ルーメンの単位がだんだん多く使われだしてきました。 それでは、ここから本題に入って行きたいと思います。

カンデラとは

中学校で、習いました。「光は直進すると!!」。まさにその「光の線」の強さだけに注力した指標。それが、カンデラです。 太陽を考えてもらえば解り易いと思います。光源からはすべての方向に光が放射されていますね。本来、人は地球から見えている、太陽の半球分の光を全て浴びているわけです。 カンデラの指標は、太陽の前に大きな壁を作って、中心に1点だけ風穴を開けます。その点から突き抜けて放射されている光。まさにその光の強さだけを測っているような指標です。

カンデラの言葉の由来

カンデラの言葉の由来は、カンテラやキャンドル(蝋燭:ろうそく)と語源が同一で、ラテン語に由来しています。

カンデラ(光度)の単位

カンデラ(光度):光の強さです。 カンデラ(光度):「㏅」と表記します。 ※1.Im/sr(ルーメン/ステラジアン)と言う表記もできます。 まさに、ルーメンをステラジアンで割った値がカンデラと言うことです。 ※2.ステラジアンは後半にも出てきますが、意味は気にせず進みましょう。

カンデラとルーメンの違い

明るさの指標としてルーメンは、一番お目にかかる機会の多いい単位です。 カンデラが「ある一定の直線方向に出ている光だけを計測する指標」とすれば、ルーメンは「光源から全ての方向に飛ぶ光の量を計測する指標」です。 まさにカンデラとルーメンの違いは、カンデラは光源の一部である一筋の「光の強さ」を表し、ルーメンは光源全体から降り注ぐ「光の量」と言うことになります。

ルーメン(光束)の単位


ルーメン(光束):光の量です。 ルーメン(光束):「lm」と表記します。 ※1.光の束と書きますから、光の線を束ねた状態です。スパゲティの束を思い浮かべてください。この束がルーメンだとすれば、カンデラはこの束の中の1本です。 ※2.ルーメンには、照射角という角度の概念が必要です。頭の片隅に入れておいてください。

ルクスとカンデラ・ルーメンの違い

ルクスは明るさを語る基準として昔から一番なじみの深い規定でした。それは人の目で実感できる一番身近な基準だからです。 家の部屋で感じる明るさ、職場での仕事中に感じる明るさ、休日に戸外に出て公園で感じる明るさはすべて、ルクス(照度)でその明るさを認識していました。 ルクス(照度)は対象が「照らされている面」。その明るさの指標です。 違いは、カンデラ・ルーメンは「照らす光源」そしてルクスは「照らされる面」の規定ということです。

ルクス(照度)の単位

ルクス(照度):照射面の明るさです。 ルクス(照度):「lx」と表記します。 ※1.Im/㎡(ルーメン/平米)と言う表記もあります。 ※2.カンデラとルクスの関係が定義されています。 lx = cd / (d*d) ルクスはカンデラを距離の二乗で割れば出ますね。

カンデラに近いもう一つの指標、輝度

日進月歩で技術も進みまして、近年は液晶テレビの明るさの指標まで必要になって来ました。光源が点発光でなく面発光も現れ、それを表現する指標が輝度です。

輝度の単位

輝度:発行体の輝きです。 輝度:「cd/㎡」と表記します。 単位面積当たりの光度(cd/㎡)です。 まさにこの表記が表す通り、発光している面、全体のカンデラ(光度)値。 それを面積で割ると単位面積(㎡)当たりの輝度がでます。

カンデラ・ルーメン・ルクスの違い

ここまでは、カンデラ・ルーメン・ルクスの違いをそれぞれの章で紹介いたしました。違いはお分かりいただけましたでしょうか。 次章からが皆さんの一番お知りになりたいところだと思います。具体的に例を挙げながら、ご紹介いたしますのでもうしばらくお付き合いください。

カンデラからルーメンの計算方法


ルーメン(光束)をカンデラ(光度)と照射角から求める式が以下の式になります。 L = 2π(1 - cosθ/2)× C L:ルーメン(lm) π:パイ=3.14 ですね θ:照射角 C:カンデラ(cd) πは円周率ですから、「3.14」で計算すればいいです。 θ(シータ)は一般的に角度のことを言います。

説明書を確認!!

どの商品でも説明書が付いています。その説明書にカンデラと照射角の記載があれば、ルーメンは求められます。

cosを計算するための準備

cosは昔、中学・高校で習った三角関数です。これに関する理解は必要ないので、皆さんが少し高級な電卓をお持ちであれば、付いているかもしれません。 お持ちでない場合、スマホのアプリで関数計算の出来るアプリをダウンロードしてください。フリーのアプリがいろいろあります。 実際に、cosの中に入れる数字は、半減角と言うものを入れます。「半減角=照射角/2」ですので、照射角の半分の角度をcos(半減角)の中に入れて計算します。

実際に例題を使い計算してみよう

例題:「カンデラ(光度)」と「照射角:角度」をそれぞ変えて「ルーメン(光束)」が、ほぼ同値になると言う例題があります。答えも付いているでその例題で、検証してみます。

例題1

C:カンデラ(cd)= 4000 θ:照射角 = 角度 25° L:ルーメン(lm) ≒ 600 (約600:これが答えです) L = 2π(1 - cosθ/2)× C これが計算式ですね。 ・cosの計算。cosの中は、照射角÷2なので角度は12.5°です。 ・スマホアプリでcos(12.5)を計算させると、0.976296...と出ます。 ・計算式に値代入します。「2×3.14×(1-0.976296)×4000」 ・結果のルーメンは、「595.44448」:約600lmです。

例題2

C:カンデラ(cd)= 1000 θ:照射角 = 角度 50° L:ルーメン(lm) ≒ 600 (こちらも答えは約600です) ・計算式に値代入します。「2×3.14×(1-0.906308)×1000」 ・結果のルーメンは、「588.38576」:約600lmです。

ルーメンからカンデラの計算方法

次は、カンデラの計算方法です。これも、商品の説明書から、ルーメンと照射角をピックアップしてください。その2つの値が分かれば、カンデラは計算できます。 計算方法は、先ほどのカンデラからルーメンの計算方法から導き出せます。なので、計算式は下記です。 cd = lm / 2π(1 - cosθ/2) ※θはあくまでも照射角の角度です。cosを計算するための角度はその1/2の角度になります。

ライトの選び方


ライトの選び方のセオリーは一言では言えません。何点か分野ごとの基準、事情などをご紹介いたします。

照明を買う基準

照明器具の場合、説明書に記載されている明るさの基準はルーメンです。 ①部屋の大きさと明るさの目安をご紹介しておきます。 ・4.5畳まで  2200lm~3200lm ・6畳まで   2700lm~3700lm ・8畳まで   3300lm~4300lm ・10畳まで   3900lm~4900lm ・12畳まで   4500lm~5500lm ・14畳まで   5100lm~6100lm

ロードバイクの場合

ルーメン・カンデラ表記の混在している分野です。少しずつルーメン表記に変わってきています。 ①ルーメン・カンデラ・照射角度の目安をご紹介しておきます。 ・街中走行 100lm以上 ・夜間走行 200lm以上 ・cd表記  2500cd以上 ・照射角度 13~25°程度が目安 ②こんな商品もあります。 キャッツアイVOLT300 仕様:300lm、約4500cd相当、照射角度16.7°

車の車検はカンデラなのに!!

ヘッドライトを純正から社外製品にかえる方が、意外に多くなっているようです。お悩みは、HID、LEDのライトに変えて車検が通るかです。 そのあたりはちょっと事情が複雑で、メーカーもルーメンの情報しか持ってないことが多いいようです。それは搭載する車のヘッドライトのリフレクターの反射面が綺麗かどうかで計測されたカンデラ値が変わるからです。 搭載前に計測されたカンデラ値はある程度目安になっても、搭載後の値は保証しかねるというところでしょう。どちらにしても、その商品のメーカーとよくご相談ください。 ①車検の基準カンデラをご紹介しておきます。 ・2灯式 15000cd以上 ・4灯式 12000cd以上 ・MAX  225000cdを超えないこと

まとめ

カンデラ・ルーメン・ルクスの違いの概要やカンデラの計算方法などを理解することで、皆様自身のDIYの選択肢が増えれば何よりと思っております。 ちょっと心残りな点は、文字数の関係で、ルクスの計算方法は割愛させて頂いたこと。また、ライトの選び方については、テーマが絞り切れず少しぼやけた感じになったことです。 ライトの選び方については、テーマを絞り込み詳しい紹介に挑戦したいと思っております。 今回は、長々とお付き合いありがとうございました。