検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

イソトマの育て方!冬は越せる?長く育てる方法とコツをご紹介!

美しい星形の紫花、そしてどことなく涼しげな草姿が魅力的なイソトマ。鉢植え・花壇両方に適し、優しく柔らかな印象が足されるため、寄せ植えにも活用できる花です。ここでは、イソトマの育て方や増やす方法、長く育てるポイントや越冬方法などを詳しく解説していきます。
2020年8月27日
kurashi
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

イソトマの基本情報・分類や特徴など

分類

イソトマ(ローレンチア・ローレンティア)は、キキョウ科イソトマ属に分類される多年草です。ただし、冬を越すことが可能ではあるものの二年目以降は株が弱ることもあるため、園芸界では一年草として扱われていることが多いです。原産地は地中海沿岸地域やアフリカ、オーストラリア・アメリカなどで、やや寒さには弱いものの日本国内で比較的容易に育てられるため、初心者にもやさしい園芸草花です。

特徴

草丈は20~40cmで、花は初夏と秋の2つの期間に咲きます。花色は青紫や紫、白・ピンクで細長い花茎の先端に、星形の花を咲かせます。一見5枚の花びらがあるように見えますが、実は筒状の花の先端が5つに裂けて星形に広がっている状態です。 花言葉が「猛毒」ということもあってか、茎や葉を折ったときに出る白い液に触れるとかぶれる例も多いため、作業のときは手袋を装着しましょう。

イソトマの栽培・生育カレンダー

花の時期

開花期は5〜11月まで、厳密には5月~7月と9月中旬~10月中旬にわたっての2回が主要な時期です。ただし秋口に咲かせるには7月下旬に切り戻しを行う必要があります。花期には、葉の付け根から花柄を伸ばして、花径3~4cmほどの花を咲かせます。花の基部が筒状で、先端が深く5裂しており、5枚の花弁を持っているかのように見えます。

種まきの時期

種まきに適している時期は、3月中旬〜4月末にかけてです。植え替えも同時期に行います。種まきは春の他に、9月中旬〜10月上旬の秋シーズンも可能です。

肥料の時期

庭植えの場合は春と秋に行います。鉢植えと異なり、少量で構いません。鉢植えの場合は、生育期間である4〜6月、9月中旬〜10月中旬の間に、1ヶ月に1〜2回程度施してあげてください。花をつける時期より少し前が目安と思えば分かりやすいです。

イソトマの育て方・用意するべき栽培環境

日当たり


日光が当たらないと花つきが悪くなるため、しっかりと日の当たる場所に植えましょう。生育期である春や、花をつける時期の秋はしっかり日に当てるようにします。さほど耐暑性はないため、真夏は西日のあたらない風通しの良い場所や半日陰に移動させるのが好ましいです。

雨・湿度

高温多湿・蒸れに弱いため、長雨にあたると花がいたんだり、株が弱ることがあります。鉢植えの場合は、梅雨のシーズンは雨の当たらない軒下などに移しましょう。庭で地植えをする場合は、水はけのよい土に植えましょう。

気温

夏の暑さに関しては、半日陰の風通しの良い場所に移せば克服できますが、冬の場合は5℃以上の気温が必要となるため、霜がおりる地方では基本的に室内に取り込んで温度管理をしなければ冬を越すことはできません。ただし後述しますが、イソトマは無理に越冬させるよりも毎年種で株を更新した方が元気に育ちます。

イソトマの育て方・水やりと肥料

水やり

育て方を知る上で特に覚えておきたいのが、水を与える頻度・タイミングについてです。イソトマはやや乾燥気味の土を好み多湿を嫌うため、水は土の表面が乾いてから水やりをします。水を直接花にかけると花びらが傷むため、株元から静かに水を与えましょう。冬は特に乾燥気味にする必要があり、土の表面が乾いても数日置いてから水を与えてください。水をやりすぎると過湿で葉や根が蒸れて腐ったり、株自体が弱まってしまいます。

肥料

地植えの場合は、元肥として緩効性化成肥料を土に混ぜておくだけで十分です。鉢植えの場合は、生育期間中も液体肥料を定期的に施しますが、真夏は株が弱るため施さないようにしましょう。肥料が多すぎると葉ばかり茂って花が咲かなかったり、茎が間延びして草姿がだらしなくなります。冬越し中も施さないようにしてください。 肥料を与える目的は、花を咲かせることによって株が消耗した養分を補うという点にあります。濃い肥料をやると花が咲きづらくなるため、地植えの場合は特に薄めます。

間延びした時の対策

水や肥料の与えすぎで茎が間延びした場合、茎を短く切り戻します。わきから茎を出させるようにすることで、またバランスのよい草姿へと生育します。

イソトマの育て方・生育に適した土

用土


やや乾燥している環境を好むため、水はけが良くて肥沃な土を用意しましょう。ホームセンターなどで入手できる、混合済みの花用培養土を使用すると便利です。市販の野菜・花用の土では水はけが悪いのでは、と心配する方もいるかもしれませんが、イソトマは非常に頑丈な植物であるため、生育に影響が出るほどではないため安心して使用してください。配合する場合は、赤玉土(小粒)6:腐葉土4の割合、もしくは赤玉土6:腐葉土3:パーライト1の割合で混ぜた、水はけの良い土に植え付けを行います。地植えの場合は、梅雨の季節に長く雨にあたらないように軒下に移動させる、梅雨以降は強い日差しのあたらない半日陰に移動させるなど工夫をしてあげれば大丈夫です。 ちなみに春と秋に種まきが可能ですが、種が小さく軽いため風で飛んでいく可能性が高いため、苗の挿し木の方が難度は低めです。

イソトマの増やし方・種まきと植え替え

種まき

イソトマは種まきで増やすことができます。発芽温度は15~20℃であるため、春もしくは秋に行います。種が小さく軽いため、平鉢にまいて鉢底の受け皿から給水させたり、ピートバンに種まきをするなど風で飛ばないよう工夫する必要があります。イソトマは好光性なので、土は薄く覆う程度にしましょう。 まいた後の水やりは鉢の上からではなく、鉢の底から与えます。発芽したら元気な芽だけを残す間引きをして、本葉が3〜4枚になるまで成長したらポットに仮植えします。耐寒性は強くないため、軒下に移動させて霜に当てないようにしたり、凍りそうな日は室内に入れます。冬の間の生育は遅いですが、暖かくなる3月頃から急激に大きくなります。

植え替え

春になって根が張りだしたら、一回り大きな鉢に植え替えます。苗を購入して育てる場合は、4~5月に鉢や花壇に植え付けます。大きくなってきたら今度は二回りほど大きな鉢に植え替えます。

イソトマの増やし方・さし芽の方法

さし芽のやり方

イソトマのさし芽に向く用土は、園芸用土7:完全腐葉土3の割合で配合しましょう。さし芽の際も、水はけの良い土を用意するのがポイントです。完熟腐葉土を配合すると、過湿を防げる上に土の表面からの蒸散も抑えることができます。 さし芽をする際は、苗の中から枝の太いものを選びます。よく切れるカッターで、切り口が斜めになるようにカットしましょう。植物活力液を2〜3滴入れた水に、1時間ほどつけ置きします。さし芽に使う容器は、底面給水しやすいポリポットが良いでしょう。ポリポットに先程用意した用土を入れて、水を土に十分給水させます。 そして、イソトマの枝が半分入る程度の穴を開けて、切り口にルートンを付けたのち、穴に挿し入れます。指で土を押さえても、ぐらぐらしない状態に固定します。ポットに入れる数は1〜3苗ほどが目安です。根が出てくるまでは底面給水で育てていきますが、水切れにならないように注意してください。

イソトマの越冬条件・方法について

越冬条件

イソトマは耐寒性がやや弱い植物ですが、霜がおりる地域では室内に入れるなど対策をして、栽培環境の気温を5℃以上に管理することで越冬させることができます。秋の花期が終わったら、草丈の半分くらいの位置で切り戻しを施して、室内に入れましょう。

種による株の更新がおすすめ

分類的にはイソトマは多年草であるため、事実上越冬は可能です。しかし、冬を越した二年目以降は花つきが悪く、株も小さくなるなど弱っていきます。園芸界で一年草として取り扱われている理由は、多年草として越冬させて育てるよりも、種を採取して新しい株に更新して育てた方がきれいに育つからです。3月下旬から4月末、または9月中旬から10月上旬が種まきシーズンなので、種まきで株を更新することをおすすめします。秋まきの場合、冬に室内で小苗を管理すると良いでしょう。

イソトマを長持ちさせる方法・日々の管理


花がら摘み

5〜7月と9月中旬~10月中旬の花期が終わったら、すぐに花柄を摘みます。枯れた花柄の管理を怠ると、余計な栄養が取られてしまう上に、見栄えも良くないためこまめに摘み取りましょう。これにより、株が元気に長持ちしやすくなります。

適度な日当たりと乾燥

イソトマは適度な日当たりと水はけのよい土を好みます。季節によって土が湿っぽくなる箇所を避ける、真夏は西日が強くあたる場所から移してやるなど、きちんと管理することが大切です。過湿を避けるために、植える土に砂を混ぜて排水効率を高めるといった処置も有効です。

雨があたらない場所

梅雨の時期は長雨を当てないように、軒下に移してあげましょう。また、一度咲いた花は雨の当たらない場所に置いてやることで、花が長持ちします。加えて、風通しのよい場所で育てることで、丈夫でしっかりとした株に育ちます。

イソトマを長持ちさせる方法・切り戻し

切り戻しの方法

イソトマの株を長持ちさせる方法のひとつに、「切り戻し」も挙げられます。株の大きさや樹形を整える役割もありますが、イソトマの場合は不要な枝や葉を減らして新芽や花・実への養分をまわし生長を促す目的で行われます。また、風通しをよくして病害虫を予防する役割もありますが、蒸れが原因で葉が退色することもあるイソトマにとっては、株の元気さを取り戻す目的も果たせます。 切り戻しを行うタイミングは、一度目の花期が終わる7月頃です。葉や枝が伸びたり、花がまばらになってきたり、下の葉が茶色く変色してきたら目印です。花つきの悪さは栄養が他に回されているから、そして下の葉が茶色に退色するのは蒸れが原因であるため、切り戻しで風通しをよくしてあげましょう。切り戻しの長さの目安は、その時点の草丈の半分より少し長めに残すように切ると良いです。

イソトマは越冬よりも種による更新が現実的

小さな星形の青や紫色の花を株いっぱいに咲かせて、夏でも涼しげな印象を与えてくれるイソトマ。適度な日当たりと乾燥を好むため、水やりのタイミングや頻度、過湿に注意して育てれば比較的簡単に育てることができます。肥料は少量でも十分に育つので、与え過ぎて間延びさせたり根を腐らせたりしないように注意してください。夏は日差しが強いので西日のあたらない半日陰に、梅雨の時期は長雨のあたらない軒下に移してやりましょう。また、茎を切った時に出る白い液に触れると皮膚がかぶれることがあるため、作業の際は手袋をしてください。 本来は多年草として分類されていますが、耐寒性は強くないため冬に枯れる一年草として扱われています。室内に移して5℃以上の気温下で管理すれば越冬が可能ですが、二年目以降の株は元気がなくきれいに育たないため、毎年種で更新することをおすすめします。株は横へ広がる傾向にあるため、ハンギングバスケットに仕立てたり、コンテナの周縁に植えて溢れるような草姿を楽しむとよいでしょう。