ジギタリスとは?
ジギタリスは、ヨーロッパや北東アフリカ~中央アジア原産の、釣鐘型で穂状に花を咲かせます。花の内側には、特徴的な斑点がありますが、品種によっては斑点が無い物もあります。暑さには弱く、気温の高い場所では夏に枯れてしまうことがありますので、本来は宿根草ですが、二年草として扱われます。ジギタリスはあまり市場には出回りません。こんなに綺麗な花ですが、全草に毒があります。しかし、昔から薬草としての効果もあります。
科名
ゴマノハグサ科
学名
Digitalis
花名由来
Digitalis(ジギタリス)は、ギリシャ語の指と言う意味のdigitus(ディギトゥス)が語源と言われています。花の形が指サックに似ているので名付けられました。
ジギタリス/品種・原種
ジギタリス・ラビエガータ
小さな黄土色に近い黄色の花を沢山付けるタイプのジギタリスです。
ジギタリス・ドワーフ
30㎝~40㎝の小さな草丈で、クリームイエローが優しい感じの花です。
ジギタリス・パムズスプリットリップ
草丈は110㎝~120㎝で、花の色はクリームホワイトで内側にチョコレート色のスポットが入っていて、筒状の花弁が割れてリップ状になる花です。
ジギタリス・カフェクリーム
薄いコーヒー色で、リップがクリームホワイトな可愛らしい色合いの花です。渋い色合いが、華やかな花と一緒に植えるとアクセントとして、とても引き立ちます。
ジギタリス・グランディーフローラ
草丈60㎝~100㎝で、6月~7月に黄色い花を咲かせます。原産は、ヨーロッパ~西アジアになります。
ジギタリス・メルトネンシス
草丈30㎝~150㎝と大きさが色々ありますが、5月~6月にかけて紅桃色の大きな花を下向きに、花茎の片側に咲かせます。グランディフローラとプルプレアの交雑種です。
ジギタリス・パルビフローラ(ミルクチョコレート)
小さなチョコレート色の花をびっしりと咲かせるユニークな原種。
ジギタリス・アプリコット
花の斑点が少なく草丈は50㎝~80㎝と少し低く、強健で従来のジキタリスよりも花色が鮮明な新しい品種です。ジキタリスとイソフレクシスの種間交雑種です。
原産地
ヨーロッパや北東アフリカ~中央アジア原産
分布域
地中海沿岸を中心に中央アジアから北アフリカ、ヨーロッパに20種類位が分布しています。
ジギタリア/花言葉・開花時期
花言葉
ジギタリスの花言葉は「不真面目」・「不誠実」です。 鈴のような形の花が縦に連なっている見た目にも愛らしい花で、プレゼントにと思う方もいるかと思いますが、まずはこの花言葉をよく知ったうえで贈りましょう。
由来
ギリシャ神話の全知全能の神ゼウスの妻ヘラが、サイコロ遊びが好きだったと言う神話に由来しています。その神話とは、(ある日ゼウスの妻ヘラがサイコロ遊びをしていて、誤ってサイコロを地上に落してしまい、ヘラがゼウスに取って来てほしいと頼んだのですが、サイコロ遊びを快く思っていなかったゼウスは、サイコロをジギタリスに変えてしまった)と言うものです。
開花時期
5月~6月です。
ジギタリス/特徴
キツネノテブクロト言う別名を持っているジギタリスは、花茎が高く環境によっては、2m近くまで成長し、大きな花を咲かせます。分技しない茎で、鈴のような形の、縦に連なった花が咲く二年草または多年草の、ヨーロッパや中央アジア原産の植物です。花の色は白、ピンク、オレンジ、黄、紫、茶、褐色などがあり、色々な品種がありますが、一般的にジキタリスと言うとプルプレアを指します。薬用として有名ですが、全体に毒があります。大きな葉はかさかさした手触りで、花のない時期の株はロゼット状です。背が高く、バラなどともよく似合いイングリッシュガーデンにはお薦めです。
注意点
まだ花の付いていないジギタリスを幼葉の時に、食用になるコンフリーと似ているため間違って食べてしまって死亡した例もありますので、十分に気を付けて栽培して下さい。
ジギタリス/育て方・栽培方法
難易度
耐寒性はありますが暑さには弱く、初夏までは大丈夫ですが、暖地の夏越しは難しい植物です。
時期
種を蒔く時期は5月~7月上旬・9月で、苗の植え付けは3月~4月上旬または、10月上旬~11月です。花の開花時期は5月~6月です。 秋冬に植えたものは、生育が良ければ翌年の春に花が咲きますが、生育が悪いと咲きませんので、その場合、真夏は半日陰で管理をし、翌年綺麗な花が咲くのを楽しみに夏越しさせて下さい。春に植えた場合にも開花するのは、冬を越した翌年の春となりますので、その場合の夏越しは地域によって厳しいです。
植え付け
秋(10月上旬~11月)または、春(3月~4月上旬)にポット苗を植える場合、株と株の間を50㎝位あけて植え付けて下さい。草丈が高くなりますので、花壇の奥の方に配置すると良いでしょう。また、太陽の日差しの強い方向に、ベル型の花が並びますので、植える際には、日差しの向きを考慮して植える事をおすすめします。 地植えにする場合には、掘り起こした庭に腐葉土を混ぜてから植えます。水はけが悪いようなら、小粒の軽石を追加します。
注意点
栽培する際には口に入ったりしないように充分に気を付けて下さい。ジギタリスには毒があります。
種まき
種は、7月頃までに蒔くと翌年開花します。種まきポットに用土を入れ、土全体にスプレーを使い湿らせて表面を平らにします。非常に小さな種なので適当にパラパラと蒔いて下さい。種はとても小さく光好性種子なので、土をかぶせずに蒔きます。鉢底給水にして、保湿のためにラップをかけると良いでしょう。
水やり
自然の雨水ぐらいでも大丈夫ですが、土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりをして下さい。西日の当らない涼しい場所で育てて下さい。
肥料
植え付け時に、元肥として暖効性化成肥料を用土に混ぜておきます。3月の成長再開時にも暖効性化成肥料を追肥して下さい。 肥料が多いと草丈が大きく育ちます。バラなどと一緒に植えるとバラの肥料もジギタリスが吸い上げてしまい、大きくなりすぎて、バラに必要な日光を遮る結果にもなりますので、ジギタリスの肥料は、植え付けの時のものだけでも大丈夫です。
剪定
もし二番花を咲かせたい場合は、花の一番花が終ったら、一番花の咲いた付近で切り取って下さい。株からわき芽が出てまた花が見られます。種を採取したい場合は、花は切らずにそのままにしておくと、穂先まで咲き終わらないうちに、下部の最初に咲いた花がらの、殻が割れた部分から種を採取出来ます。この頃にはアブラムシが付きやすくなりますので、薬剤で防除しながら種をとり終わったら直ぐに花茎を切って下さい。鉢植えでは切り戻し後は、なるべく涼しい場所に移動して夏を越させて下さい。
増やし方
種を蒔いて増やしたり、挿し木や株分けで増やす事が出来ます。
場所
耐暑性が弱く夏に枯れてしまうこともある短命な宿根草なので、日当たりと水はけ、風通しの良い場所に植えて下さい。 ・日当たりの良い所で管理している場合、関東で夏越しが出来るのは4割くらいと言われていますが、半日陰で管理すれば関東近辺ならば大丈夫です。 ・北陸以北の場合は宿根草として毎年花が楽しめるようです。 ・株があまり大きくなると、耐暑性が下がります。
挿し木
春にわき芽を取るか、または、その年に新しく伸びた茎を5㎝~10㎝程切り取り、赤玉土(小粒)などの用土に挿します。根がしっかり出るまでは、水が切れないようにしっかり水を与え、根が出たら普通の土に植え替えて、乾燥気味に管理をして夏を越して下さい。秋に涼しくなり根が十分に生えたら、鉢や地面に植え替えて下さい。
寄せ植え
洋風な感じの庭や自然な感じの庭によく似合いボーダーガーデン(高さの違う植物を使い奥行きを出して並べた植えこみ)の後ろの方に植えると自然な感じで美しい庭園になります。
薔薇の花ともよく似合います
植え替え
鉢植えの場合は、涼しくなった秋(9月~10月)に、鉢植えの鉢の中が根でいっぱいになっていたら、ひと回り大きな鉢に植え替えて下さい。水はけの良い土を好みますので、赤玉土4:腐葉土3:パーライト3を混ぜた土か、または、市販の土に川砂を混ぜて水はけを良くした物を使って下さい。
ジギタリスの咲く風景
ジギタリスを毎年咲かせたい
ジギタリスは夏の暑さに弱く、枯れてしまう場合が多いので、春に種をとっておいて苗を作り、これが翌年の春に花が咲けばよいのですが、なかなか難しく、夏に枯れてしまうので、春の開花時に脇芽を挿し芽にしておいて、夏越しさせます。ジギタリスは、苗の状態だと夏越しがしやすいです。この苗を涼しくなってから地植えするとよく育ち、春には花を咲かせてくれます。このサイクルでジギタリスを毎年楽しむことが出来ます。
ジギタリスの花の内側の模様は虫を寄せ付けるため
ジギタリスの花の色には色々ありますが、花の内側に白色で縁取られた赤褐色の斑点が沢山あります。この斑点には虫を寄せ付ける効果があり、蝶に花粉を運んでもらう為にこの模様がついていると言われています。しかし、この模様が毒草らしさを醸し出しているとも言えます。
ジギタリス/育て方のポイント
ジギタリスは暑さに弱く強い西日に当たると枯れてしまいますので、明るい日陰で、風通しの良い場所に植えます。茎を上に伸ばして背が高く育つ性質で倒れやすいので、茎が折れないように株ごとに支柱を立てると良いでしょう。
ジギタリス/病害虫
ジギタリスは比較的丈夫な植物なのですが、新芽から花が咲く頃に、アブラムシがつく事があります。風通しの良い環境や、花の種類によってもアブラムシがつくのを減らす事が出来ますので、同一品種ではなく、色々な品種にハーブなどを混植するのも良いでしょう。アブラムシがつくと栄養分を吸い取るばかりでなく、アブラムシの排泄物がすす病を誘発する場合があるので、害が広がらないうちに早めに駆除して下さい。
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ジギタリス/病害虫を防ぐ方法
①植える場所がジギタリスに適した環境かどうか、庭の日照、風通し、排水性などを考えて、無理のない状態で植えます。 ②同じ種類の植物を同じ場所に植えないこと。連作障害を起こします。 ③水やりや肥料の過多に気を付けて下さい。病気に対する抵抗力がなくなります。株と株の間を適切に取り、切り戻しや間引きなどを行い日当たりと風通しを良くすることが重要です。 ④花がらを放置したまま雨に当たると、灰色カビ病を発生させる場合がありますので、花がらは、こまめに摘み取って下さい。 ⑤雑草を放置しておくと、株元への日照が妨げられ、病虫害を発生しやすくなりますので、雑草は綺麗に取り除いて下さい。
ジギタリス/薬効と毒
ジギタリスの毒
ジギタリスは全草に猛毒がある毒草です。特に葉に多く含まれています。お家で観賞用に栽培される場合は注意が必要となります。特にお子様やペットのいるお家では充分に気を付けて下さい。ジキタリス中毒の症状は、頭痛、吐気、下痢などを起こします。 ヨーロッパの言い伝えに、ジギタリスの花の内側にある紫色の斑点が、毒のある印として妖精が付けた指跡だという説もあります。
ジギタリス製剤とは
全体に毒があるジギタリスですが、 薬効として心臓の収縮力を強める作用がある植物として知られています。昔は、葉を温風乾燥した物を原料として、ジギトキシン、ジゴキシン、ラナトシドCなどの強心配糖体を抽出していましたが、DIG試験で予後改善効果を認めないことが報告され、日常時の動作や軽い運動で呼吸困難が起きる心拍数抑制効果が弱いことから、近年使用が少なくなっています。ジギタリス製剤は、心臓病の治療薬として有名で、昔はこのジギタリスから抽出していましたが、現在は科学的に合成されています。
ジゴキシン製剤を使用する病気
不整脈:心房細動・心不全・心房粗動・慢性心不全など。
ジギタリス製剤使用の注意点
ジゴキシン製剤と利尿薬を一緒に飲んだ場合、血液の中のカリウムが減って中毒症状が出やすくなるので大変危険です。もし、ジギタリス薬意外の薬を飲む必要がある場合は、医師と相談しましょう。 ジギトキシンとジゴキシンは元々毒性の強いシアンという物質の配糖体成分であるため服用量や他の薬との飲み合わせなど注意して、ジギタリス中毒にならない為にも、用法用量を絶対に守らなければならない劇薬です。
ジギタリス製剤の主な副作用
ジギタリス製剤は、循環器障害(不整脈・動悸)や消化器症状(吐気・嘔吐)、神経症状(頭痛・眩暈)など、また、視野が黄色く映る症状(黄視症)などが挙げられます。
注意点
消化器症状や視覚症状、精神神経系症状、不整脈などが現れた場合は、ジギタリス中毒の症状である可能性がありますので、症状が見られた場合は医師や薬剤師に相談して下さい。また、市販薬との飲み合わせにも注意して下さい。
まとめ
まっすぐに伸びる長い茎に、釣鐘の様に垂れた花を沢山咲かせるジギタリスは毒草ですが、強心剤にもなる植物です。ジギタリスは、毒草ではありますが、眺めて楽しむだけであれば危険はありません。花の数や、花の色も沢山あり、一株だけでもとても見応えがありますので、是非植えて楽しんでみて下さい。