ディアウォールとは
ディアウォールはホームセンターなどで売られているツーバイフォー材にはめて使うパッドとスペーサーのセットのことです。床や天井を傷つけづらい素材でできている上、バネの力で突っ張るので基本的に天井が抜けるディアウォールが倒れるということはありません。
耐荷重や強度を強めるためにデイアウォールシリーズには棚受けや中間ジョイントなども揃っていて、自分のイメージで壁収納のDIYができる便利なアイテムです。
ディアウォールを取り付けるツーバイフォー材は結構太さもありしっかりとした木材です。柱としては少々頼りない感じはありますが、これが1本つっぱりとして入るだけで天井の強度が上がるという効果もあります。
また家具の無駄なスペースにディアウォールをつっぱり棚を作ることで家具のグラつきを軽減して地震の時の家具が倒れるのを防ぐ役割も果たしてくれるでしょう。
ディアウォールの部品
それでは、ディアウォールでの棚のDIYに入るまえに各部品を写真を見ながら使い方を覚えていきましょう。
ディアウォールのパーツ①基本
ディアウォールの基本的な部品ともいえるデイアウォールパッドはこのような形をしています。 ツーバイフォー材の規格にピッタリのサイズですから誰でも簡単にはめることができ、楽に釘を打てる柱を増やすことができます。
バネで調整されるから天井が抜ける心配も少ない
内側にバネが入っていてバネの力でつっぱりしっかり固定されますので、ツーバイフォー材を多少短くカットしすぎたとしてもディアウォールパッドが天井と床の空間にピッタリサイズに調整します。 バネがつっぱり力を加減するので無理にはめない限りは天井が抜ける柱が倒れるなどの心配はありません。
ディアウォールのパーツ②接続
ディアウォールの目的は床と天井のつっぱりだけではありません。そこに棚を作るにはこのような「棚受け」という部品を使用します。 ツーバイフォー材にネジ止めしますので強度もバッチリです。この棚受け部品の耐荷重は後述で詳しくご紹介しますので参考にしてください。
ディアウォールのパーツ③耐荷重・強度アップ
ツーバイフォー材が必要な長さ手に入らない、天井が高くてツーバイフォー材の長さが足りない。そんな時に使うのが「ジョイントパーツ」です。 ジョイントしたところは強度が心配になりますが、12本のビス止めのうえ、前側と後ろ側の2つのパーツでがっしりと木材をジョイント固定します。
ジョイントされていても柱が倒れることはありません。 長さが足りないツーバイフォー材の強度や耐荷重をアップしてくれるディアウォール部品です。
ディアウォールの使い方①棚
ディアウォールを使って作る棚は、ディアウォールの基本的な使い方です。 部屋に散らかってしまいがちな小物や本をしまう本棚としてディアウォールで壁面収納を作ればスッキリと片付いた部屋を作ることができます。
おしゃれな本棚例①
家具や部屋の入り口アーチの木材の色と合わせてペイントしたツーバイフォー材を使った本棚です。色の統一感があるので物が多い部屋なのに締まった印象を受けます。
特に倒れてはこまる本棚はディアウォールで天井までしっかりつっぱる作りが安心できます。本やCDを収納する本棚をテレビの上に作り、使いやすそうなディアウォール棚に仕上がっています。
おしゃれな本棚例②
ツーバイフォー材をわざと傷つけたり、オールド風にペイントすることでアンティークな棚に仕上がっている素敵な本棚です。
本棚として使用しているのは下段の少しのスペースだけですが、背面に貼った本棚の壁紙がアンティーク感をさらにアップさせています。重い本もこのように置く冊数を少なくすることで、強度や耐荷重の不安なく使うことができます。
おしゃれな本棚例③耐荷重強化版
天井の段差をうまく利用してスッキリとして倒れにくい本棚です。 しっかりと床から天井までディアウォールを使ってつっぱり棚にしているので、強度や耐荷重も十分なのではないでしょうか。収納数も強度・耐荷重も◎な本棚です。
ディアウォールの使い方②インテリア
ディアウォールは本棚だけでなく部屋のインテリアとして使用することもできます。
インテリアとしての棚例①
マンションなど外に自転車を置いておけない人も多いでしょう。 部屋にただ置くのもおしゃれですが、住居スペースを圧迫するというときはディアウォールを使ってサイクリングショップのようにおしゃれに自転車も収納してしまいましょう。
床と天井にしっかりつっぱって固定されているので倒れず、自転車くらいの耐荷重にはビクともしない強度です。
インテリアとしての棚例②
テレビまわりのスペースにキャットタワー・キャットウォークをおしゃれに配したインテリアとしてのディアウォールの使い方です。 市販のディアウォールの棚受けではなく木目の棚受けがオシャレ度をアップさせています。
ディアウォールはバネの力で床と天井をつっぱる方式なので柱だけでも倒れません。猫の体重くらいでは十分すぎる耐荷重と強度があるキャットタワーのできあがりです。
インテリアとしての棚例③耐荷重強化版
壁に穴をあけたくないのは賃貸住宅だけではありません。壁掛けテレビでスマートに暮らしたい人にはディアウォールを使った壁掛けテレビ設置法が人気があります。 テレビなど重い物をディアウォールに取り付ける場合は地震や落下には注意することが大切です。ディアウォールの柱にグラつきがある場合はスペーサーも使用しましょう。
ディアウォールの使い方③間仕切り
広い部屋を2つに分ける間仕切りとしてディアウォールを使いこなしている達人もいます。
間仕切り例①
ディアウォールを使った間仕切りです。 こちら側から使える棚と両側から使える棚、向こう側だけの棚と3つの棚を四角く窓のように配しているのがセンスを感じます。閉塞的に感じる間仕切りも窓のように覗ける部分があることで開放感が生まれます。
間仕切り例②
部屋にアーチ状にディアウォールを配置したことでキッチンスペースとリビングダイニング部分の区別がされている間仕切り例です。 LDKはカウンターで別れている場合もありますが、対面式ではないキッチンの場合こんなアーチがあるとキッチンはここからというハッキリした使い分けができます。
ディアウォールの使い方④家具の強度補強
ディアウォールには棚や間仕切りの他に、地震対策のための突っ張り棒の役割もあります。 既存の家具の強度補強のためのディアウォールの使い方を見ていきましょう。
強度・耐荷重を上げる補強設置例①
キッチンの上についている棚は実はあまり耐荷重は高くありません。 上にあることであまり重い鍋やフライパンを置かないだろうという想定のもと作られているからです。 地震があったときなど、簡単に落ちてしまうこともあります。
そんなキッチン棚の強度補強や耐荷重アップに下にディアウォールを突っ張る方法があります。これで上の棚に重い鍋を置いている人も安心です。
強度・耐荷重を上げる補強設置例②
キッチン棚としてディアウォールを使用する人もいるでしょう。キッチン家電は置き場所を必要とするので新たに棚が欲しいと思う主婦もたくさんいます。
地震などで割れやすいカップや皿などを置くスペースに余裕のある奥行きを作る。棚受けをたくさん使用して1段あたりの耐荷重と強度をあげることで、元からあった棚を補強しながら地震対策にもなっています。
ディアウォールの強度・耐荷重
棚としての使い方を想定してディアウォールを設置するなら気になるのはその強度と耐荷重です。 ここではディアウォールの強度と耐荷重にスポットを当ててご紹介します。
ディアウォールの強度:耐荷重
ディアウォールの公式サイトには作られた棚の強度や耐荷重は明記されていません。 よくある質問にはギャラリーにある写真を参考にして自己判断でと書かれています。
そこで、ディアウォール公式ギャラリーの写真で一番重そうな本がたくさん乗せられた棚の重さを調べてみましょう。 *棚受け部品の耐荷重は5kgとされていますが、これには棚板の重さも含むので注意が必要です。
本21冊の重みには耐えられる
ギャラリーには本が21冊載った棚の写真があります。これが一番棚一枚にかかる荷重が一番重いと判断してこの本の重みを計算してみました。 ツーバイフォー材の幅は90mmですので、少し出ているこの本は新書本か文庫本だと予想できます。新書本と文庫本1冊の重さは150gから200gです。
21x150=3150 21x200=4200 ディアウォールで作った棚板1枚には3150gから4200gまでなら耐荷重があると判断できます。 *ちなみに平均的な本の厚みは1cmから1.2cmなので21冊並んでいる棚の長さは25cmより少し大きいと予想できます。
強度・耐荷重:置けるもの個数目安
棚の奥行き90mmに置けそうなものの重さを調べて、上と同じ棚を設置して棚1段にどのくらい乗せられるか調べてみました。
CDなら棚1枚に37枚
CD:37枚から49枚 DVD:31本から42本 メンズ物の手編みのセーター:2枚から3枚 マグカップ 軽いもの:21個から28個 重いもの:8個から11個 小皿直径9.6cm: 42枚から56枚
思っている以上に強度・耐荷重がある
単純に重さで数を出しただけなので実際に様々な重さがある物の場合が多いはずですので、正確な数値までは出せませんが、耐荷重的にはこれだけの強度があるということは判断できると思います。
ディアウォールの耐荷重・強度のあげ方
耐荷重・強度を上げる使い方
ディアウォールに限らず棚はたいらなところに付けた方が強度も耐荷重もアップします。 1.天井がななめになっているところへ棚を作るのを避けること。 2.デコボコがある場所は柱も固定しづらいので避けること。 3.床と水平に棚を取り付けること。 この3点が大切な使い方です。
ディアウォールの正しい設置の仕方
たいらなところに設置するだけでなく、正しい設置方法をすることが強度や耐荷重アップにつながります。強度をあげようとグイグイときついディアウォールをはめ込もうとすると天井が抜ける場合があります。 ディアウォールはきつければ良いというものではありません。まずは基本的で正しいディアウォールの棚の作り方をご紹介します。
ディアウォールのDIY①材料
用意するもの ツーバイフォー材8フィート:2本 棚用のツーバイフォー材:必要な長さx必要枚数 ディアウォールセット:2セット 棚受け金具:棚の枚数分
ディアウォールのDIY②道具
ドライバーまたは電動ドライバー メジャー
ディアウォールのDIY③サイズをはかりカット
床から天井までの高さをメジャーではかります。 その長さのマイナス45mmの長さにツーバイフォー材を2本カットします。 公式サイトでは45mmマイナスするといっていますが、しっかり付けるには40mmマイナスでカットするのがおすすめです。
ディアウォールのDIY④ディアウォールを取り付ける
バネのついている方を上、ついていない方を下にしてディアウォールをツーバイフォー材に取り付けます。
ディアウォールのDIY⑤柱を立て仕上げる
ディアウォールを取り付けた柱を取り付け、棚を付けたい位置に棚受け部品をネジ止めします。棚板の長さのツーバイフォー材を渡し、棚受け部品とネジ止めして棚が完成です。
ディアウォールの耐荷重・強度upの組み立て方法
ここまでの取り付け方でも棚はできますが、もっと耐荷重をあげ強度を増すには4本足の柱の棚を作るとよいでしょう。
ディアウォールのDIY⑥材料
ツーバイフォー材8フィート:4本 棚用の板:必要な長さx必要枚数 ディアウォールセット:4セット 棚受け金具:棚の枚数分x2 *道具はDIY②を参照
ディアウォールのDIY⑦柱を4本作り立てる
基本的なディアウォールの付け方と同じく、柱を4本作ります。 柱を立てる位置と垂直、水平はしっかり取らないと、逆に不安定な棚になってしまうので注意が必要です。
ディアウォールのDIY⑧棚受けを付ける
柱の棚を取り付けたい位置に棚受けを4つ取り付けます。
ディアウォールのDIY⑨棚板をとりつける
棚板を乗せ、棚受けを下からネジ止めすれば完成です。 棚1枚を棚受けが4点から支えるので耐荷重も強度も増します。 ただし、棚板がベニヤ板のような厚みがない板を選んでしまうと4点で支えたからといっても強度は増しませんので板の厚みは大切です。
ディアウォールに置いても大丈夫なもの
ディアウォールの棚を作る目的は棚に収納したいものがあるからでしょう。基本的に棚の耐荷重に耐えられるものなら何を置いても大丈夫です。 小さなグリーンをたくさん飾ってもよし、キッチン周りに棚を作って調味料のコレクションを並べたら料理も楽しくなりそうです。
小ぶりな調味料入れを並べるならツーバイフォー材よりもワンバイフォー材で作るコンパクトで軽い棚がおすすめです。後述でワンバイフォー材を使った棚についてもご紹介しますので参考にしてください。
ディアウォールの倒れない組み方
ディアウォールが倒れる原因
ディアウォールを使って組んだ棚が倒れるのは、しっかり固定されていないからです。天井が抜けることを恐れてゆるすぎるとグラグラで倒れてしまいます。 カットしすぎてグラつくようなら付属のスペーサーを入れましょう。
地震を考えたデイアウォール設置
倒れるといえば地震に対する耐震度も心配です。 だからといってここであまりにもギュウギュウに柱を立てようとすると、天井が抜ける原因となります。天井が抜けない程度にしっかりと柱をはめることが必要です。
地震を考慮した置き方
ディアウォールが倒れることだけでなく、中身も地震に対して置き方を工夫しましょう。 棚にバーを付けて地震の時の中身の転倒も防ぐ、地震による棚に置いた物の落下を避けるため高い位置には重いものを置かないなどの工夫をするとよいでしょう。
ディアウォールで天井が抜ける心配
天井が抜ける原因と対策
ディアウォールの棚の設置で心配なのは、倒れることの他に「天井が抜けるのではないか」ということがあげられます。 ディアウォールで天井が抜けるのは、倒れるのとは逆にきつく設置しすぎて天井に不要な負荷がかかっているからでしょう。
天井が抜けずしっかりはまる寸法は
ツーバイフォー材のカットは公式では天井までの高さマイナス45mmです。しっかりつけたい場合でもマイナス40mmまでにカットするようにしましょう。
キッチンや強度・耐久度が必要ない場所に
ツーバイフォー材は厚みもありかなりしっかりとした木材です。天井までの長さのものを女性が1人で施工するのは大変でしょう。 ちょっとキッチンに棚が欲しいという時は、女性でも扱いやすい厚みが薄いワンバイフォー材を使用した棚作りがおすすめです。
ワンバイフォーのディアウォール
ワンバイフォー材はツーバイフォー材と比較してその厚みが半分の19mmです。ちょうど半分なので同じ長さを扱うにしても重さも半分になります。 木材の価格もツーバイフォー材よりも安くなりますのでコスパも良く仕上がります。
耐荷重・強度は落ちる
しかし、厚みが半分ということでツーバイフォー材で作った棚と比較すると耐荷重や強度は落ちます。 軽いものしか置かない棚用にするには、ツーバイフォー材よりもワンバイフォー材で作る棚がぴったりです。
スリムでスマート
ツーバイフォー材のがっしりした安定感は良いけれど、どうも無骨だと感じる女性もいるでしょう。 ワンバイフォー材ならスリムでスマートな棚を作ることができます。
耐荷重は落ちるが狭い所に使える
キッチンやタンスとドアの隙間、ベッドと壁の間など厚みが半分だという利点を利用して、狭い場所にもコンパクトな棚を作ることができます。
女性でも設置が楽
厚みが半分なら重さも半分です。女性の力だけでもディアウォールを使った調味料棚程度なら簡単に設置することができるでしょう。 ディアウォールの難点で重さの問題がクリアになります。
今までももっと柱が軽かったら棚を作りたいと思っていた場所は多いのではないでしょうか。 そんな場所にワンバイフォー材のディアウォール棚を作ってみてはいかがでしょうか。
おしゃれなデイアウォールの使い方
リビングや自室、キッチンなど物がたくさんある場所は棚を使ってスッキリ壁面収納したいですね。 でも「賃貸だから壁に穴を開けられない」「出来合いの本棚ではサイズが合わずにおしゃれじゃない」「色んな収納を置きすぎて統一感がない」など収納に対して不満やある人も多いことでしょう。
賃貸の物件でも穴を開けずに壁収納が出来るつっぱり式のディアウォールならそんな悩みも解決です。 サイズがぴったりなことでデッドスペースを作りません。壁一面にディアウォールで棚を作れば統一感も生まれます。
まだ挑戦してみたことがない人はこの機会にディアウォールで壁面収納に挑戦してみてはいかがでしようか。