タブノキの特徴
タブノキの特徴についてご紹介します。 ・分類 クスノキ科 タブノキ属 ・学名 Machilus thunbergii ・別名 タマノキ・タマグス・イヌグス・ダモ・モチノキ・マダミ・ドーネリ ・原産国・分布 日本の本州・四国・九州・沖縄 中国・台湾・朝鮮南部・フィリピン
タブノキの名前の由来
タブノキの名前の由来は諸説あると考えられています。 タブノキの名前の由来の中のひとつに、「トンバイ」という、朝鮮語の方言で独木舟という意味の言葉が由来していて、「タブ」となったという説があります。 また、タブノキの名前の由来には、タブノキは魂が宿る木と考えられていて、「霊(たま)の木」と呼ばれるようになった言葉が由来して「タブノキ」と呼ばれるようになったという説もあるとされています。
タブノキの葉
タブノキは、葉の層が重なり合って樹冠を作っています。タブノキの葉には毛がなく、形は細長くて表面はツヤがありピカピカとしています。裏側は白っぽい灰色です。 タブノキの葉は、風の強い沿岸などでは大きさは比較的小さく波打ったような葉になることがあります。タブノキの葉には粘性があります。
タブノキの花
タブノキの花芽は球体に近い形をしています。タブノキの花は5月頃に咲きます。直径1㎝くらいの、きみどり色の花が咲きます。 頂芽が開いて、新枝の下の部分から円錐の花序が数個出てきて花をつけます。タブノキの花は、開き始めの際につぼみの先から白い柱頭が見えます。タブノキの花はあまり目立ちません。
タブノキの樹皮
タブノキの樹皮は、灰褐色でざらつきがあり、年月が経つごとに樹皮が割れたり剥がれたりします。タブノキの樹皮には、葉と同様に粘性があります。タブノキの樹皮の粘性を利用して、線香の材料として使われていたことがあります。 また、タブノキの樹皮にはタンニンが含まれているため、染料として使ったり、香りを生かして香料や線香としての材料にされたりしています。
タブノキの枝
タブノキの枝は、2年目頃までは濃い緑色をしています。3年経つと、灰褐色の部分が多くなっていきます。 タブノキは、芽鱗といわれる枝の周囲をぐるりと回る線状のすじが多くはっきりしています。
タブノキの実はアボカド?
タブノキの実は直径1㎝ほどの大きさで偏球形をしています。8~9月頃に黒く熟します。タブノキの果実は、外側は赤黒い皮をしていて実を割ると大きな種と、種の周りに薄くきみどり色の果実があります。タブノキの果実は、えぐみがあるといわれています。 タブノキは、資料によって「クスノキ科ワニナシ(アボカド)属」に属されることがあります。
アボカドとは?
アボカドとは、クスノキ科ワニナシ属の常緑高木です。アボカドの果実は、皮が緑色や黒緑色でだ円のような形をしています。実の中には大きな種がひとつ入っていて、種の周りには薄緑色の果実です。 アボカドは、栄養が豊富で生で食べることができます。アボカドはそのまま食べたり、料理に利用されたりします。サラダやパスタ、丼ぶりなどさまざまな方法で食べられています。
アボカドの栄養
アボカドは栄養が豊富に含まれています。アボカドには、ビタミンやミネラル、タンパク質や脂肪が含まれています。生で食べることができます。 アボカドは脂肪分が多く含まれていますが、脂肪の多くが不飽和脂肪酸のため、血液をサラサラにしてくれる効果が期待できます。
タブノキの果実の味は?
タブノキの果実は、鳥が好んで食べます。地域によって、人が食用としていたことがあります。タブノキの果実の味は、アボカドに似ているといわれていますが、えぐみがあります。タブノキの実は小さく果実の部分がとても少ないため、たくさんの量を食べることは難しいと考えられます。
タブノキの育て方
タブノキは、多少耐寒性があります。強風や潮風にも強いため、海辺など沿岸部でも育てることができます。病害虫にも比較的強くて、日陰でも成長します。タブノキは、成長が早く大きく育つ木のため、広い場所で育てる必要があります。
タブノキの利用法
タブノキは比較的寒さに強く、強風や潮風にも強い木です。枝が大きく広がって育つことから、公園樹や防風林として植えられています。また、タブノキは硬さがある木材として、家具や内装材として利用されます。タブノキの樹皮に含まれている粘着性や香りを、線香として利用されることもあります。 タブノキの利用方法について、ご紹介します。
公園樹や防風林
タブノキは枝が大きく広がって育つため、公園やお寺、神社などに多く植えられています。強風や潮風にも強いため、防風林として海岸沿いに植えられることもあります。
木材
タブノキは家具材や内装材などに使われます。タブノキは乾燥が困難で、厚みがある場合は時間をかけて乾燥を行います。タブノキはとても硬さのある木材です。耐久性に優れていて、腐食にも強い特徴があります。タブノキの硬さは、ノコギリで切ったりカンナがけをしたりする作業は容易ではありません。
線香
タブノキの樹皮に含まれている粘着力は、線香に利用されています。タブノキの樹皮を粉末状にして、線香の原料に混ぜます。
タブノキに似ている木
公園やお寺、神社などに多く植えられているタブノキは、クスノキやホソバタブ、マテバシイなどに似ていて間違われることがあります。タブノキとは、樹皮や葉の形、花や実に違いがあります。タブノキに似ている木の特徴と、タブノキの違いについてご紹介します。
クスノキ
クスノキは、クスノキ科クスノキ属の常緑高木です。クスノキの樹皮は黒褐色で、やや深い割れ目が短冊状にあります。若いクスノキは樹皮に葉緑体があるため、幹でも光合成を行うことができます。 クスノキの葉はたまご形やだ円形で、先端が尖っています。葉のフチは波打ったようになっています。クスノキの葉は、秋に古い葉が紅葉して落葉します。 クスノキは5~6月に黄白色の花が咲きます。11月頃には小さく丸い実が熟します。
ホソバタブ
ホソバタブとは、クスノキ科タブノキ属の常緑高木です。別名をアオガシと呼ばれる場合があります。 タブノキは、ホソバタブという木と似ていて間違われることがあります。タブノキの細長い葉と、ホソバタブの葉が似ているため間違いやすく注意が必要です。
マテバシイ
マテバシイは、ブナ科マテバシイ属の常緑高木です。マテバシイの幹は数本の幹立ちになることがあります。マテバシイの樹皮は灰黒色で白い筋がたてに細かく入っています。春の終わりに新しい芽を伸ばします。 マテバシイの葉は大きなだ円形で、表面には光沢があります。マテバシイの実は、ドングリと呼ばれています。ひとつの花軸に多くの実をつけます。ドングリの実は、加熱して食べることができます。
まとめ
タブノキについて、おわかりいただけたでしょうか? タブノキの実はアボカドに似ているといわれています。タブノキの実はアボカドに比べてとても小さな実で、鳥が好んで食べます。 タブノキは強風や潮風にも強いため、防風林として利用されたり、木材として家具や内装材として利用されることもあります。 タブノキの葉や樹皮には粘性があるため、樹皮は線香を作る際の材料として利用されることもあります。 タブノキは、クスノキやマテバシイと間違われることがあります。 クスノキは短冊状の深い割れ目があり、マテバシイの実はどんぐりということから見分けることができます。 タブノキとタブノキの実を見つけてみましょう!