テッポウユリってどんな植物?
テッポウユリは、ユリ目ユリ科ユリ属の多年生草本球根植物です。テッポウユリの花は、ラッパに似た筒状の花を横向きに咲かせます。花が真っ白でゴージャスに見えるため、切り花として人気の花です。日本のみならず海外でも人気があります。テッポウユリの香りは、ほのかに香る程度ですが鼻につかず落ち着く香りです。
テッポウユリは、九州南部から沖縄にかけて分布しています。テッポウユリは、日本固有の花として知られていて、他の種類との交雑がしやすい品種のためテッポウユリを親としたユリの品種が多く存在しています。テッポウユリは、比較的育てやすい品種で、切り花や球根が多く生産されているなじみ深いユリとして知られています。地植えでも鉢植えでも、比較的簡単に育てることができます。毎年簡単に開花させることができ、分球も簡単なため球根初心者でも簡単に栽培することができます。
テッポウユリの花言葉
「純潔」「甘美」「威厳」
テッポウユリの花言葉には、「純潔」「甘美」「威厳」というもんがあります。どの言葉も、テッポウユリの白い花を想像させるものです。 「純潔」の意味は、汚れがなく純粋無垢という意味できれいな心も持ち主の女性に贈る花言葉だといえます。「甘美」の意味は、心地よくうっとりした気持ちにさせることという意味です。テッポウユリを見ているだけで、落ち着いた気持ちになることからこの花言葉がついたとされています。「威厳」という花言葉は、何事にも堂々としていて自信を持っているという意味です。この花言葉は、女性だけでなく男性にも贈ることができます。
ユリの品種
ユリは、品種登録されているだけで100以上の品種が存在しています。品種の増加とともにユリの色も豊富になってきました。白いユリのほかに、オレンジやピンク、グラデーションがついているものなど様々な品種のユリがあります。その中でも。オリエンタル・ハイブリットという品種についてご紹介します。
オリエンタル・ハイブリット
オリエンタル系の品種のユリは、大きな花に香りと美しい色で人気が高い品種です。他のユリより花が大きいのが特徴で、「ユリの王様」といわれています。そのため、切り花にするのにとても向いている品種です。花の大きさや形、花弁の色の異なった部分などはフラワーアレンジメントにすると際立つので、フラワーアレンジメントの主役になります。切り花として美しいだけでなく、花瓶に生けておいてもとても長持ちしてくれます。そして、一つの茎から多くて6輪の花をつけるので一つでも十分華やかにみせることができます。切り花が好きな人などに、愛されている品種です。
テッポウユリの種まきと球根での植え付け時期と方法
種まきから育てる方法
テッポウユリの種まきの時期は、11~12月の冬です。種はあまり販売されていません。なので、自分で種を採取して育てていきます。採取の方法は、花が枯れた後も放置しておくと種ができます。その種を採取してください。 種まきの場合は、きちんと発芽して球根を作らなければいけないので時間がかかり、あまりおすすめしません。種まきでもきちんと育つので、種まきから育ててみたい方は試してみてください。 種まきする場合の方法についてご紹介します。まず、育苗ポットに赤玉土(小粒)や種まき用の土を入れていきます。種をまいて上から薄く土をかぶせます。土が乾かないように水やりを行いましょう。発芽して、球根の大きさがある程度育ったのを確認してから、鉢や地面に植え替えてあげましょう。
球根から育てる方法
球根での植え付け方についてご紹介します。球根の場合も種の時と同じで11~12月に植え付けていきます。芽が出てくるのは、2月です。なので、水やりを忘れてしまいがちなので注意しましょう。球根の場合、鉢か地面に植えていきます。球根の下のほうから根が出てくるので15cmほど掘って植え付けましょう。鉢植えの場合は、球根と球根の間隔を10cmほど開けてあげましょう。地植えの場合は、20cmほど開けてあげましょう。
テッポウユリの育て方のポイント
日当りがいい場所で育てよう!
テッポウユリを長く楽しむためのポイントは、日当りのいい場所で管理することが大切です。しかし、真夏になり高温になってしまうと球根が乾燥してしまうので、鉢植えの場合は半日陰か日陰に移動させてあげましょう。地植えの場合は、水やりで感想を防ぎましょう。植えっぱなしにしておくのもよくありません。地植えや鉢植えの場合でも1~3年に1回は植え替えしてあげましょう。
球根の大きさに気を付けよう!
鉢植えでテッポウユリを育てる場合、球根の大きさを調節してあげましょう。鉢に対して球根が大きすぎる場合は、球根の外側にあるりん片を何枚か書き取ってあげましょう。球根は、植え付けの前に薬剤で殺菌してきましょう。そうすることによって球根腐敗病を防ぐことができます。
テッポウユリの土作りと肥料
テッポウユリを育てる土作り
テッポウユリを育てるための土作りについてご紹介します。テッポウユリを育てるためには、水はけのいい土を準備しましょう。鉢植えの場合、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合で土を作ります。市販の土を使う場合は、「草花用培養土」を使います。地植えの場合は、1か月くらい前に苦土石灰を混ぜて酸度を整えておく必要があります。球根を植える前に、土をよく耕してから腐葉土を混ぜておきましょう。
テッポウユリを育てる肥料
テッポウユリを育てるための肥料についてご紹介します。まず、テッポウユリを植え付けるときにゆっくりと効いていく「緩効性化成肥料」を土に混ぜておきましょう。そのあと、植え付けた球根から芽が出てきたら緩効性化成肥料を株の根元に与えます。テッポウユリの花が枯れるまでの間、月に3回ほど液体肥料を与えてあげましょう。水やりの代わりに与えても問題ありません。 肥料は、少なすぎても花が咲きませんし多すぎても病気の原因になります。毎年開花するためには、肥料を切らさないように気を付けてあげましょう。その時、肥料を与えすぎないように量を守って与えてあげましょう。肥料が多すぎるときの目安は、葉が黄色くなってきます。葉が黄色くなって来たら肥料の与えすぎなので、肥料の量を減らしてあげましょう。
テッポウユリの水やりと手入れ方法
テッポウユリを育てる水やり方法
テッポウユリに限らず、球根は乾燥に弱くできています。鉢植えの場合は、土の表面が乾いて来たら鉢底から水が流れ出てくるほどたっぷり水を与えます。地植えの場合は、土が乾いているように感じたら水やりをしてあげてください。開花時期に水が切れると花がすぐにしぼんでしまうので、水が切れないように気を付けましょう。
根が完全に乾燥してしまうと球根が使えなくなってしまうため、乾燥に注意し根や球根が乾燥してしまわないように注意しましょう。花が咲き終わった後も、茎葉が枯れてしまうまで水やりを続けましょう。 夏になっても球根を掘り起こさずにそのまま夏越しをします。植えっぱなしで大丈夫なのですが、夏に完全に球根を乾燥させてしまうと球根が枯れてしまうので乾燥しない程度に水やりをしてあげましょう。
テッポウユリの手入れ方法
テッポウユリは、草丈が高くなってきます。花の重みで茎が折れてしまわないように、支柱を立ててあげましょう。草丈が大体30cmほどに育ったら支柱を立ててあげましょう。
花が咲き終わった後の手入れについてご紹介します。花が咲き終わって、そのまま置いておくと種ができてしまい球根の栄養が種にとられてしまいます。なので、花が枯れたら茎ごと切り取る必要があります。葉は、光合成するのに必要なので、枯れるまでおいておきましょう。 花を切り取るときは、必ず手でおりましょう。テッポウユリをハサミで切ると、テッポウユリが持っているウイルスが他の植物に感染してしまう可能性があります。なので、感染を防ぐためにも手でおるようにしましょう。
テッポウユリの増やし方
「分球」での増やし方
テッポウユリの「分球」でも増やし方についてご紹介します。この増やし方は、テッポウユリの球根で土に埋まっている茎から出てくる根につく「木子」を植え付けて増やす増やし方です。植え替えの時に見つけることができるので、別の鉢や地面についでに植え付けてあげましょう。
「鱗片挿し」での増やし方
テッポウユリの「鱗片挿し」での増やし方についてご紹介します。3月または10月に、球根の鱗片の根元2/3を準備し、鉢に植え付ける増やし方です。土が乾いたら水を与えてあげると新しく芽が出てきます。
テッポウユリの開花時期
テッポウユリの開花時期についてご紹介します。テッポウユリの開花時期は、4月~6月の間です。開花時期は、液体肥料を与えましょう。毎年、開花時期に花を咲かせるためには肥料を忘れないように与えることが大切です。開花時期が来ても花が咲かない場合は、肥料切れを疑いましょう。毎年、開花時期に花が咲くように育ててあげましょう。
テッポウユリの気を付けたい病気と害虫
ウイルスにかかっている?
市販されているテッポウユリは、すべてウイルスにかかっているといってもいいです。このウイルスは、テッポウユリにとって特に問題があるものではありません。ですが、他のウイルスを持ったアブラムシなどがテッポウユリにやってくるとウイルスに症状が現れます。そのため、アブラムシには十分注意が必要です。きちんと薬剤を使ってアブラムシを予防しておきましょう。薬剤を前もって根元に巻いておき、アブラムシを見つけ次第駆除しましょう。アブラムシ予防になる薬剤は「ベストガード水溶液」や「モスビラン液剤」です。 他にも、予防しておきたい害虫がいます。ユリクビナガハムシという害虫です。5~6月くらいに発生しやすい害虫で、ユリの葉や蕾を好んで食べます。幼虫も成虫もユリを好んで食べるので注意が必要です。ユリの葉に泥状の黒い糞が葉にれば虫がいる証拠なので、薬剤を使って駆除しましょう。ユリクビナガムシの予防になる薬剤は、「スミチオン乳液」です。
テッポウユリを育てて凛とした生活を営もう
日本で生まれたテッポウユリは、その繊細な美しさや香りから日本人だけでなく海外の人にも人気があります。夏の間のお庭を季節の花、テッポウユリで彩ってみませんか?香りも非常によく、庭先に飾っておいたり切り花にして玄関先へ飾っても癒されること間違いありません。たくさんの楽しみ方があるので、気になっている方はぜひ育ててみてください。