カスベ/分類
かすべの分類はエイ区エイ上目ガンギエイ目ガンギエイ科に属しています。 さらに真かすべはメガネカスベ属に、水かすべはソコガンギエイ属に分類されます。
カスベ/外国名
真かすべの外国名は「Mottled skate」です。 水かすべの外国名は「Raspback skate」です。
カスベ/学名
真かすべの学名は「Raja pulchra Liu」です。 水かすべの学名は「Bathyraja bergi Dolganov,1985」です。
カスベ/由来(漢字)
おいしくないかす滓のような魚だからかすっぺと呼ばれておりそれが転じて「かすべ」になった不名誉な由来があります。ガンギエイの仲間を全般的にこう呼んでいました。
カスベ/生息地域・分布
真かすべも水かすべも北海道を中心として北日本の日本海側、太平洋側の両方に生息しています。 真かすべ朝鮮半島やサハリン南部、千島列島にも生息しています。 水かすべは土佐湾や鹿児島近海にも生息しています。
カスベ/生態・生育環境
真かすべ、水かすべともに春に産卵期をむかえます。卵がとても特徴的で「かすべの煙草入れ」「タコの枕」などの異名が付いています。つまり長方形のからのついた卵を産むのがかすべの大きな特徴です。砂や泥の多い海底に生息しています。
カスベ/特徴・形態
ここでは真かすべ、水かすべそれぞれの特徴をご紹介いたします。
真かすべの特徴
真かすべは全長1mもの大きさになります。表面にまだら模様があるのが特徴ですが、一部にはないものもいます。浅い海から水深100mを超えるところまで広い範囲に生息しています。
水かすべの特徴
水かすべも同じく全長は1mほどの大きさです。体の全体に細かな棘がはえているのが特徴です。サメ肌を想像していただけるとわかりやすいかもしれません。尾にも棘がありますが、こちらは鋭いので十分に注意が必要です。水深100~500mくらいの深めの海に生息しています。
カスベ/釣り情報
一般的に釣りで狙うのは真かすべとされています。そこでここでは、真かすべの釣りについてご説明させていただきます。
真かすべを狙う時期
ずばり春に狙うべき魚です。というのも真かすべは普段は沖合の水深の深いところにいますが、春になると産卵のために接岸してくるからです。5、6月が特にねらい目になります。
真かすべを狙う場所
北海道北部の稚内から天塩にかけての海岸の砂浜で狙っていきます。このように、真かすべ釣りは北海道の一部でしか行われていない釣りです。
真かすべ釣りの仕掛け
真かすべ釣りの仕掛けは、簡単な胴付き仕掛けです。重りは針は15~18号、ハリスは7号前後を使用するのが一般的です。エサはイカの短冊やサンマを使い、狙うサイズに合わせて大きさを調整します。徐々に竿を引き込んでいくようなあたりが特徴で、竿がかなりしなるまで待つのが釣るときのコツになります。
カスベ/味・選び方
ヒレの部分をメインとして、身も食用にします。クセのない味わいで煮ることで柔らかくなり、ゼラチン質を楽しむことができます。 見分け方ですが、触ってみて確認するのが一般的な選び方で、張りのあるものがいいとされています。また、粘液が白く濁っているものはくさみがでているので、なるべく避けるほうがいいでしょう。
カスベ/栄養・寄生虫
かすべの栄養についてはコラーゲンが豊富という一言につきます。コリコリした軟骨の食感とプルプルの食感が織りなすハーモニーがたまりません。 寄生虫については特筆すべきものはなく、そもそもエイヒレとして干したり、煮たり揚げたりと加工をして食べるのであまり心配することはありません。
カスベ/料理・調理方法
こちらではかすべの代表的な料理を3種類ご紹介させていただきます。 1.かすべの煮つけ 2.かすべの唐揚げ 3.かすべのぬた
1.かすべの煮つけ
定番中の定番の煮つけ。食べやすいサイズに切って、水、酒、醤油、砂糖、みりんの煮汁で煮込むだけ。煮えたら一度冷まして味をしっかりとしみこませるとおいしくなりますよ。
2.かすべの唐揚げ
一口大に切ったかすべを、鶏のから揚げ同様にあげていきます。軟骨のコリコリとした食感がたまらないこの唐揚げ。ごはんのおともに、ビールのおつまみに最適な一品です。
3.かすべのぬた
北海道の冬の郷土料理、それがかすべのぬたです。真かすべが用いられ、水かすべはあまり適さないといわれています。まず軟骨を断ち切るように細切りにしたかすべを塩もみします。一度洗い、ひたひたの酢に一晩ほど漬け込みます。あとはそれを取り出し、ねぎを加え、酢味噌にあえれば完成です。さっぱりとした味わいが特徴のこのぬた、酒の肴に最高の一品です。
カスベ/その他
全国的に酒の肴やおやつとして提供されることのあるエイヒレ。このエイヒレのエイの代表としてガンギエイ、つまりかすべがあげられます。北海道を中心として親しまれているかすべですが、実は全国の様々なところで食べられています。
まとめ
2種類のかすべについての魚図鑑でしたがいかがでしたでしょうか? 北海道を中心に親しまれているこのかすべ、ダイナミックな釣り味においしい料理の数々、皆様にかすべの魅力をお伝え出来たのなら幸いです。