コブダイ/分類
スズキ目ベラ亜目ベラ科タキベラ亜科ベラ属
コブダイはスズキ目ベラ亜目ベラ科タキベラ亜科ベラ属に属しているお魚です。
コブダイ/外国名
Bulgyhead wrasse
コブダイは英名では「Bulgyhead wrasse」と呼ばれているお魚です。このBulgyhead wrasseとは「頭の隆起したベラの仲間」という意味合いを持ちます。
コブダイ/学名
Semicossyphus reticulatus
コブダイは学名では「Semicossyphus reticulatus」と呼ばれているお魚です。大型のお魚で、クセの少ないしっかりとした白身を持っている魚なので、その用途は広く、フレンチや和食や中華などの食材として優れています。市場ではやや安値な値段です。しかし小型のコブダイは評価が低いようです。
コブダイ/由来(漢字)
瘤鯛
コブダイは漢字では「瘤鯛」と書いてコブダイと読みます。この呼び名は主に関西や瀬戸内海、山陰地方などでの呼ばれ方です。コブダイは成長するにつれて頭部部分の目の上が膨れてきて瘤のようになる事からそう呼ばれるようになりました。 釣り人からは寒い鯛と書いて「カンダイ」という愛称で呼ばれている事もあります。これはコブダイが寒い時期に旬を迎える魚で、味もその頃が一番美味しい事から名付けられました。
コブダイ/生息地域・分布
コブダイの生息域は主に日本や朝鮮半島や東シナ海などに見られる大きな海水魚です。 日本では本州や四国や九州に多く生息しているお魚です。 温帯性のお魚で沖縄地方では見られないと言われている魚でもあります。
コブダイ/生態・生育環境
コブダイは沿岸の岩礁域に生息しています。そして食性は肉食の魚で、サザエや牡蠣、カニなどを捕食しています。コブダイの口の中はとても大きな歯があり、強靭な顎を持っていますので、硬い餌も容易に噛み砕いて食べる事が出来るのです。 喉の奥の方にも咽頭歯がある為、最初に砕いた歯をさらに細かく出来ます。そのような体の持ち主でありますから硬い貝殻や甲羅を丸ごと食べる事が出来ます。 また、コブダイは小魚の時は全てメスの魚でも知られています。成長し、やがて繁殖行動をし、オスに性転換します。 また、コブダイの産卵期は春季に訪れます。コブダイの寿命は長く20年程だと言われています。
コブダイを捉えた映像
こちらはダイビングの際、コブダイを捉えた映像となっています。その大きな体を持つコブダイが海中を優雅に泳ぎ回っている姿が映し出されています。なかなか見る機会もないと思いますので、是非ご視聴してみてください。
コブダイ/特徴・形態
まず第一にコブダイの特徴を挙げるとすればその大きな体です。お世話大きいもので体長1mあり、体重は15キロを超えます。ベラ科の魚の中で一番大きな体を持つお魚です。コブダイの体は大きくなるに従い、前頭部がこぶのように膨らんで行きます。このような特徴からコブダイと名付けられました。 また、吻端部分は尖っていて、口には大きな歯を持ち、強靭な顎で硬いものを捕食しています。海藻の茂る岩礁帯に生息している魚で、昼行性の魚で、夜間は岩陰などに潜んでいて、ほとんど活動しない魚です。
コブダイ同士での喧嘩
こちらはコブダイ同士で喧嘩をしている際を捉えている貴重な映像となっています。なかなか同じ魚同士で喧嘩をしている映像は見ることが出来ません。短時間ですが、あまり見ることのできない面白い映像となっていますので、是非ご視聴してみてください。
コブダイ/釣り情報
コブダイの釣り方は?
コブダイは主に定置網漁で漁獲されたり投げ釣りで釣る事が出来ます。市場では入荷量は少ないお魚ですが、とても珍しいお魚までとはいかず、とても大型で上質な白身の持ち主であることから、一定の需要を持つお魚です。 コブダイはイシダイと並んで、大物を狙う釣り人にとってターゲットとなる魚です。コブダイは大きな歯と強靭な顎で餌に食いついてきます。 コブダイは一年を通して釣る事の出来る魚です。しかしコブダイは寒鯛という愛称がある通り、寒い時期に旬を迎える魚であることから、この時期に狙う釣り人が多いです。実際には海水の温度が上がって魚が活性化する夏から秋にかけてが最も釣りやすいのも特徴の一つです。
コブダイを磯釣りする場合
コブダイは少々荒々しい岩礁域に潜んでいる魚です。イシダイ用に釣る竿を使用して釣り上げる方もいます。 釣り餌は、サザエや甲殻類のヤドカリやトコブシを利用します。 あたりがあればほとんど餌を飲み込んだ状態ですので、竿先を絞り込まれる寸前にアワセを入れます。引きはとても強烈です。リールを力強く巻き、逃がさないようにするのがポイントです。
コブダイ/味・選び方
コブダイの味は?
コブダイの旬は寒い時期で、産卵後以外は味が落ちにくい魚だと言われています。大きければ大きいほど味は美味しいです。コブダイの鱗はとても固いですが取りやすいのが特徴で、皮は厚みがあり、骨はあまり硬くないです。 身は白身で鮮度が良いコブダイほど透明感がある身をしています。身には全くと言っていいほどクセは少ないので、コブダイが初めての方でも抵抗なく召し上がれます。
コブダイの選び方は?
鮮度の良いコブダイの見極め方で、まず第一にあげられるのが、触って針があるものを選択しましょう。そして次に、体の色が赤いものコブダイや褐色の濃いコブダイを選択しましょう。 色味が薄いものや、張りのないコブダイは古くなっている証拠です。またコブダイは大きければ大きい物の方が味が良いので、市場なのでコブダイを選ぶ際はより大きいものを選択しましょう。
コブダイの捌き方
こちらはコブダイの捌き方を見れる動画となっています。大きな魚ですので、なかなか手間がかかりますが、こちらの動画をご参考にしてみてください。扱った事のない初心者にも為になる動画です。是非ご視聴してみてください。
コブダイ/栄養・寄生虫
コブダイ/料理・調理方法
コブダイは汁物や煮付けや刺身やソテーにして召し上がることのできる、深い味わいを持った白身魚です。様々な料理に活用できるその白身は、とても脂が乗っていて美味です。なかなか一般家庭では扱うことの少ない魚ですが、魚をメインに扱ったお店などで、食すことができます。どんな料理もとても美味しく召し上がれるので、機会があれば是非試されてみてはいかがでしょうか。
コブダイの煮付け
こちらはコブダイの煮付けです。コブダイの白身は、とても淡白で濃い味わいの煮付けによく合います。お酒のお供にしても合います。日本酒などと組み合わせて召し上がるのが良いです。
コブダイのしゃぶしゃぶ
コブダイはとても透明感のある綺麗な身を持つ魚です。そんなコブダイはしゃぶしゃぶにしても美味しく召し上がれます。まずはコブダイの中骨やあらと昆布で出汁をとり、そこに薄切りにしたコブダイの身をさっとくぐらせます。 お好みでポン酢、ごまだれなどを使用し食します。白身は半生状態になりますので、とてもプリプリとした食感を生み出します。コブダイの中でもあまりない食べ方なので、是非その機会がありましたら食べることをお勧めします。
コブダイのお鍋
コブダイのお鍋はあらと昆布と中骨で出汁をとり、塩や酒で味を整えます。そしてお好みの野菜を入れ、コブダイの白身を投入します。コブダイの身は癖がなくとても美味しく召し上がることができます。中骨でとった出汁は雑味がないスープです。心身ともに温まりますので、寒い時期になりましたら、是非召し上がってもらいたい一品です。
コブダイのあらだき
コブダイのあらだきは、コブダイの頭部部分の下にある脂身部分を中心にして煮付けた物です。コブダイの皮目や瘤下部分はトロッとしており、甘みがあってとろけていくような食感です。 冷めると煮こごりとしても美味しく召し上がることができます。煮こごりはお酒のお供としても召し上がることができます。
コブダイのアクアパッツァ
コブダイはこういった煮込み系のお料理との相性も抜群に良い魚です。魚から良質な出汁が出ますのでスープにコクが生まれます。アクアパッツァはワインとの相性がよく、特に白ワインがおすすめです。夕食時に出すと喜ばれる事間違いなしです。是非機会がありましたらご家庭で作ってみてください。
コブダイのキムチ鍋
一般的にどんな白身魚でもキムチ鍋とは相性が良いですが、コブダイもキムチ鍋の具材として美味しく召し上がる事が出来る魚です。その淡白な身は煮るととても歯ごたえがよく、淡白な味わいで美味しいです。他のお野菜と一緒に召し上がる事でより一層美味しく味わう事が出来ます。シンプルな作り方ですので、ご家庭でやってみてください。
コブダイのカルパッチョ
コブダイのカルパッチョです。コブダイは白身魚で透明感があり、とても綺麗な身をもつ魚です。薄造りにして、他の魚介類のタコなどと一緒に合わせて使用するのもよく、カルパッチョにして食べると美味しく召し上がれると思います。 作り方もとてもシンプルで、お野菜をたっぷり使用していますので、とてもヘルシーで低カロリーな料理です。材料さえあれば簡単に作ることができます。試してみてください。
コブダイ/その他
コブダイは小魚の時はメスとして生まれ、その後はオスへと変化を遂げる雌性先熟と言われる珍しい魚です。 その顔は少々強面ですがつぶらな瞳を持っています。 そしてなんといってもコブダイの習性として、ハーレムを作る魚としても知られています。雄のコブダイは自分の縄張りを守りつつ、複数の雌と群れを作りながら行動します。ここに他の雄のコブダイが入ろうとすると、果敢に立ち向かっていきます。
コブダイについてのまとめ
コブダイはその大きな体と額部分に大きなこぶを持つ特徴のある魚です。顔は少々強面ですが、つぶらな瞳を持ちます。一般家庭ではなかなか食べる事の少ない魚です。 しかし、その味はとても淡白な身で、食べ応えがあります。様々な調理法で活用されます。透明感があり綺麗な身を持つコブダイは、刺身として美味しく召し上がることができます。 他にも、煮付けやソテーや鍋物、 昆布締めや煮こごり、皮霜造りのお刺身や焼き霜造りのお刺身、味噌汁にして食べたり、フランス料理のムニエルやポワレなどにして食べても美味しいです。どんな料理にでも適応出来る味を持った魚です。 市場ではやや安値といったところの値段です。ご機会あればお試ししてみてください。お料理によってはお酒ともよく合いますのでおすすめですよ。