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「すずらんの日」は大切な人に幸福を贈る愛の日。歴史や意味を解説!

大切な人にすずらんを贈るフランスのお祭り「すずらんの日」を詳しく解説します。 「すずらんの日」が制定された背景、すずらんの花が送られる理由、すずらんに込められた花言葉などを紹介します。 すずらんとフランスが歩んできた歴史を知ることができますよ。
2020年8月27日
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目次

すずらんの日とは?

すずらんの日は、大切な人にすずらんの花を贈る日です。 古くからフランス国内では、5月一日にすずらんを贈る風習があります。 すずらんは、幸福をもたらす花といわれているため、このすずらんの日には日頃の感謝や想いを込めて、身近な人にすずらんの花が贈られます。

すずらんが街中で売られる・すずらんの日

5月1日のフランスでは、すずらんの花が街のいたるところで売られます。 この日だけは、販売許可を持たない一般の人でもすずらんの花を売ることが可能です。 こどもや一般の人たちによって、たくさんのすずらんが街頭に並びます。 ただし、販売にはルールが設けられています。 「根がついていないもの」「切り花であること」「定められた距離にしたがい、花屋さんから離れたところで販売をする」 などのルールを守って、売ることが認められていますよ。 すずらんの日は、フランス中ですずらんの花を観ることができます。

すずらんはどんな花?

すずらん(鈴蘭)は、ユリ科に属する多年草の植物です。 夏の初めに茎をのばして、鈴の形をした花を咲かせます(釣鐘型)。 葉の間からのぞく白い花が特徴です。花はしおらしく、うつむくように垂れ下がっています。 すずらんの花はよい香りを放つため、すずらんの香りからは香水も作られていますよ。

すずらんの原産地

すずらんの原産地は、アジア、ヨーロッパ、北アメリカです。アジアでは、日本、朝鮮半島、ロシアのサハリン・シベリアに自生しています。 日本には、本州の高い山や北海道などの寒いところに生えていますよ。

すずらんの種類

日本に分布する種類は、東アジアに分布する種です。 ヨーロッパでは、ドイツスズランという種が分布していますね。 ドイツスズランは花が大きくて香りが強いことから、園芸・観賞用の品種でよく見かけます。 北アメリカで見られる種類は、アメリカスズランです。 ただ、一説によると、どの種類もドイツスズランから形を変えたとされています。 自生する場所が違うだけで、元は同じ種類という見方もあるようです。


すずらんの学名

すずらんの学名は、「Convallaria majalis var.keiskei」です。 「Convallaria」は、ラテン語の「convallis=谷」と「leirion=ユリ」の言葉を合わせて作られました。 すずらんが自生する場所と葉の形から、つけられたようです。 あとに続く「var.keiskei」は、日本の植物学者・伊藤圭介のことを指していますよ。 ちなみに、すずらんの英名は、「Lily of the valley」です。英語の名前にも、「渓谷」の言葉が使われていますね。

すずらんの別名とフランス語名

日本では別名に「君影草」「谷間の姫百合」の呼び名がつけられています。 フランス語では、すずらんを「muguet・ミュゲー」と呼びます。これは強い香りが、香水の原料に使われるじゃ香「musc・ミュスク」を思わせるためです。 また、フランスでは「5月のmuguet」や「森のmuguet」とも呼ばれていますよ。

贈るための花・すずらんの花言葉

すずらんの日は、次のような花言葉を添えて家族や友人、恋人へ贈られます。 ・幸運の再来 ・意識をしない美しさ ・純粋 ・純潔 「幸運の再来」は、いつまでも身近な人が幸せでいられるようにとの願いが込められています。 「意識をしない美しさ」「純粋」「純潔」は、葉に隠れ、地面に近いところでひっそりと花を咲かせる姿から連想されました。 そのため、すずらんの花は「花嫁の美しい姿・変わらない愛・純白のドレス」に合わせて、結婚式で花嫁が持つ花束に使われます。

すずらんの日が制定された背景

すずらんの日はフランスの歴史と関係があります。古くは中世ヨーロッパの時代までさかのぼりますよ。

はじまりはフランス王シャルル9世の時代

すずらんの日がはじまるきっかけは、フランス王シャルル9世の時代にあります。 あるときシャルル9世に、すずらんの花が贈られました。「幸運をもたらす」という花言葉の意味を知ったシャルル9世は、感激して、宮廷の女性たちへすずらんの花を贈ること決めました(1561年5月1日)。 そしてシャルル9世はすずらんの花を毎年、宮廷の女性たちへ贈るようになったのです。 このことから、フランスでは、すずらんの花を5月1日に贈る風習が続いています。

すずらんを身につけた舞踏会

フランスではすずらんを身につけて踊る「すずらん舞踏会」が開催されていました。 女性はすずらんに見立てた白いドレスを身にまとい、男性は上着の襟に空いたラペルホールにすずらんの花を挿して、踊ります。 舞踏会は1年に1度だけ開かれ、「すずらん舞踏会」は若い男女の出会いの場に使われていました。 このようにすずらんの花は、華やかな舞踏会でも好まれていたのです。

一般市民には19世紀の終わりから


舞踏会は貴族たちの集まりです。そのため、一般市民にはすずらんを贈ったり、身につけたりする習慣がありませんでした。 すずらんを身につける習慣が市民にまで広まったのは、19世紀の終わりごろからです。 そして、すずらんを贈る習慣が定着した日は、1976年の5月1日といわれています。

5月1日は「労働祭」

5月1日はフランスの祝日です。この日は、メーデーといわれ、世界の国で労働者たちが自分たちの権利を主張し、待遇の改善を訴えるデモが行われます。 デモに参加をする人たちは、シンボルに野ばらや赤い三角をつけていましたが、1976年からはシンボルをすずらんに変わりました。 こうして、5月1日は贈るためのすずらんのほかに、労働者の主張のためにたくさんのすずらんが見られるのです。

すずらんにまつわる伝説

すずらんにはいくつかの伝説が残されています。 すずらんにつけられた花言葉は、花の姿や形のほかにも、伝説に登場するすずらんから、その意味がつけられているようです。

森の守護神・セントレオナード

森の守護神は、修行のために森に入りました。 セントレオナードは、森のなかで迷ってしまいます。 そこへ、大きな毒蛇が現れました。セントレオナードは、3日3晩毒蛇と戦い続けます。 戦い勝利したセントレオナードは、体に大きな傷を負っていました。 傷口からは赤い血がしたたり落ちています。 そのとき、血に染まった草原からすずらんが生え、花を咲かせました。 森の精霊たちが清らかでたくましいセントレオナードを称えて、すずらんの花を咲かせた、という伝説です。

聖母の涙

すずらんには「聖母の涙」という別名があります。 イエス・キリストが十字架にはりつけにされたとき、聖母マリアは涙を流しました。 このときに流れた涙が、すずらんの花になったといわれています。

ノルウェー・春の女神

すずらんにまつわる伝説は、ノルウェーにも残されています。 春の女神は、春の到来を告げるため地上へと降りてきました。 ところが、地上では冷たい風が吹き荒れたままでした。 春の女神は、身にまとった緑の衣を裂いてすずらんの葉と茎をつくり、 雪をすずらんの花へと変えてしまいました。 こうしてすずらんの花が地上に誕生した、と伝えられています。

すずらんの日に贈る・すずらんの花束


すずらんは、花束にして大切な人へ贈られます。「すずらんの日」のほかにも、 結婚式の花束(ブーケ)によく利用されていますよ。

すずらんで作る花束・プリザーブドフラワー

すずらんの花は、「純潔」の花言葉があり、王室の婚礼で使われた過去があります。 そのため、結婚式の花束(ブーケ)によく選ばれています。 しかし、結婚式で使われる花束(ブーケ)は、式を終えたあとの、取り扱いが問題です。 いつまでも式の思い出を残してはおけません。切り花では、すぐに枯れてしまいます。 そこで、プリザーブドフラワーが用いられます。 プリザーブドフラワーにしておけば、保存することができ、思い出を結婚式のときのまましまっておけます。

プリザーブドフラワーとは?

プリザーブドフラワーとは、水分や色を抜いた花のことです。 花を専用の液に浸すことで、花の水分や色を抜き、花が吸い上げた保存液によって長い間観賞することができますよ。 結婚祝いの贈り物にも使われています。

王室の結婚式で使われたすずらんの花束

世界中に伝えられた女性たちの結婚式によって、すずらんの花束(ブーケ)は、結婚式で使われる人気の花となりました。 モナコの王室に嫁いだグレース・ケリーは、結婚式ですずらんの花束(ブーケ)を手にしていました。 控えめで美しい花嫁の姿は、選んだ花束(ブーケ)にもよく表れていたでしょう。 そして、イギリスの王室へ嫁いだキャサリン妃もすずらんの花束(ブーケ)を選んでいます。 すずらんの花を選んだ理由は、花に込められた意味から、結婚式で使う花束(ブーケ)に選んだといわれていますね。 こうして、すずらんの花は、世界中の女性が憧れる花束(ブーケ)として認識をされたのです。

まとめ

「すずらんの日」は、大切な人を想う日です。フランスの街中で売られるすずらんは、1年に1度人を想う心や労働者たちのために、用意されています。 この日にはたくさんのすずらんが観られて、買い求めることができます。 皆さんには大切な人がいるでしょうか。すずらんを街や花屋さんで見かけたら、買い求めてみましょう。 すずらんの日にまつわる歴史を思い出して、大切な人へ相手の幸福を願って、贈ってみてください。