ズッキーニを育ててみよう!
ズッキーニはカボチャの仲間です、つるなしカボチャと言われています。そのため、夏野菜に分類され、定植は春先からで収穫は夏になります。また寒さに弱いウリ類に属するため、比較的暖かくなってから栽培がスタートします。 キュウリのように水分が多いズッキーニですが、実は様々な栄養素も含んでいます!しかし、スーパーや直売所でも見かけるのはごくわずか。なので、自家製ズッキーニ栽培に挑戦して夏野菜の栄養をしっかり摂取しましょう!
ズッキーニの基礎知識:栽培時期
日本の中部圏の「一般地」とされる地域では、育苗する場合の種まき時期は3月中旬〜4月、1ヶ月の育苗後定植は最低気温が8〜10度以上となる4月中旬〜5月に行います。苗から育てる方は、この時期に苗を購入しましょう。収穫時期は6〜8月中旬頃になります。 畑へ直接種をまく場合には4月下旬〜5月に種をまき、収穫時期は少し遅れて7月〜8月下旬頃になります。 梅雨前後は病気や虫にも注意しましょう!
ズッキーニの基礎知識:種類
よく目にする細長い緑や黄色のズッキーニの他に、卵型になるものや、断面(切り口)が星型になるもの、ミニのタイプのズッキーニもあります。タキイ種苗のズッキーニ種で有名なのは緑色のダイナー、黄色のオーラムあたりです。その他、丸型のゴールディや花ズッキーニでも楽しめるステラなど、たくさんの種類があります。 苗よりも種から育てる場合には、様々な種類があるので選ぶのもとても楽しいと思います!
ズッキーニの基礎知識:畑orプランター?
畑のメリット
畑の面積に対して何種類の野菜を育てるのかにもよりますが、プランターに比べて1度にたくさん栽培できるのはメリットですね。さらに土壌の保水力もあるので比較的乾燥に強いズッキーニなら、夏場の水切れの心配も少なくてすむかもしれません!
プランターのメリット
通常のカボチャとは異なり、ツルが伸びないのでプランターでの栽培もできるのがズッキーニのいいところ!といっても大きくなるので、1.5〜2mくらいの幅は用意しましょう! 育てる数が少ないので一つ一つじっくり観察できるので、病気などの変化に気付きやすく、また毎年変わる天候にも対応しやすいのがプランターで栽培するメリットです。
ズッキーニの基礎知識:何から育てる?
種から!
種はカボチャと同じような形状をしています。 種は直接畑に播くのではなく、ポットへ播種し育苗します。この時、1ポットに対して3粒ずつ播くので、種を購入するときは予め粒数を計算してから購入しましょう。 現在は通販サイトからも簡単に種を購入することができるのが嬉しいですよね!ただし、種には有効期限があるので、今年使いきれる分だけ購入するようにしましょう。
苗から!
育苗するのが面倒だったり、1株だけ育てたい場合には、苗を購入する方が便利です。 種に比べて販売されている種類は少ないですが、近年では家庭菜園ブームの後押しもあり、ホームセンターや園芸店に並ぶ苗の種類も増えてきたように思います! ゴールデンウィークでも十分植え付け時期なので、お子様と一緒に選んでも楽しいかもしれませんね♪
ズッキーニの基礎知識:連作はできるの?
そもそも「連作(れんさく)」って?
同じ場所に同じ「科」の野菜を植え続けることにより、土の中の成分が偏ってしまったり、病気が発生しやすい状態になってしまうことを言います。 連作にならないように、畑の栽培場所の計画を立て、植え付ける場所を上手に変えていく栽培方法を輪作(りんさく)と言い、連作の対策になるだけでなく土壌の肥料分を効率よく使うことができます。その他にも、連作に強い「接木苗」を使用するという手段もあります。
ズッキーニは連作できます!
ウリ科に属するので、一見連作には不向きのように思われますが、カボチャと同じ種類なので、連作を気にする必要はありません。 不安であれば、連作障害を防ぐ「連作障害ブロック」や「菌の黒汁」といった土壌改良剤を土壌に混ぜ込む方法が手軽です。
ズッキーニの栽培準備
●プランター(プランター栽培のみ)
他の夏野菜と同様、できるだけ大きなプランターを用意することが望ましいです。 プランターの容量=培養土の容量になるので、小さければその分ズッキーニの成長が小さくなってしまいます。春になるとホームセンターや園芸店では大型のプランターがたくさん販売されているので、大きく深いプランターを選びましょう。 野菜を栽培するプランターの底には、鉢底石の代わりにスノコがセットされているものもあり、便利です。
●培養土(プランター栽培のみ)
園芸店やホームセンターで販売されている野菜の培養土を購入すると便利です。予め元肥が含まれている培養土がほとんどですので、パッケージを見て肥効期間を確認しておきましょう。 ズッキーニは乾燥地を好む野菜のため、あまりにも水分を含みすぎているような培養土の場合には赤玉土や鹿沼土を少し混ぜておくと良いかもしれません。
●肥料
成分が安定していて即効性もあるのが化成肥料です。有機肥料は緩効性で野菜の旨味を引き出すと言われています。どちらの肥料でも野菜は育つので、初めての方は難しく考えずに、使いきれる大きさの肥料を選ぶと良いと思います。 プランター栽培なら500g入り程度の小袋肥料で十分ですし、畑で育てる場合には他の野菜と一緒に土づくりを済ませてしまう方がほとんどだと思いますので、ズッキーニだけに特別な肥料を用意する必要はありません。 注意するとすれば、花用として販売されている肥料や、芋・豆専用として販売されている肥料は避けておきましょう。
●支柱
1m程度の短めの支柱で十分ですが、しっかりと支えるために太さは16φくらいの太い支柱を用意しましょう。1株あたり2本の支柱を準備します。
●育苗資材(種まきからスタートの場合)
自分で育苗する場合には、9〜12cmポットと専用培土を用意します。専用培土とは種まき培土や育苗培土、両方に使える種まき育苗培土などです。通常の培養土と異なり、発芽しやすくなっているため、育苗する場合には必ず用意しましょう。
●マルチ(畑栽培であると便利)
色は黒マルチを選びましょう。 ちょうど良い地温を保ち、ズッキーニの生育が良くなります。また雑草防止や泥はねによる発病防止にも効果があります。 マルチをしない場合にも敷き藁などをしておくと良いでしょう。
●保温資材(あると便利)
畑へ直播する場合や、植え付け時期でも少し寒さが残る場合には、用意しておくと良いでしょう。 苗帽子としてかぶせるだけのものの他、透明なビニールとU字型の支柱や自在に曲げられるポールと留め具を用意します。ビニールは園芸店やホームセンターで切り売りしてもらえる場合も多いので、店員さんに尋ねてみてください。
●防虫ネット(虫が心配なら…)
ズッキーニにつきものなのは、飛んでくるオレンジ色の虫、ウリハムシです。もし心配であれば、定植後に防虫ネットをかぶせておくと安心です。防虫ネットを設置するためには、U字型の支柱や変形できるポールと、留め具も一緒に準備しましょう。
ズッキーニの栽培方法(畑のみ)土作り
畑ではズッキーニ以外にもたくさんの野菜を育てる計画をしていると思います。ズッキーニだけ特別な土づくりをする必要はなく、基本的な土づくりと同じで構いません。まずは石灰を施し、堆肥を入れたのち、肥料を混ぜ込みます。それぞれ、次のステップへ進めるためには土に馴染ませる期間が必要なので、前もって植え付け1ヶ月前には計画を立てて行いましょう。
ただしこれだけは注意して!
ズッキーニは肥料を吸収する力が強く、元肥が多いと葉や茎ばかりが育ちすぎる傾向があります。特にチッソ分の多い油カスはやりすぎ注意です。 バランスのとれた化成肥料でも1㎡あたり1握りほどにしておきましょう。
畝づくり
ズッキーニは乾燥地を好むため、過湿が苦手です。なので、畝は10cm以上になるように高畝にしてあげましょう。またカボチャのようにツルは伸びませんが、それでも葉は大きくなるので畝幅60〜100cmと広くとります。
ズッキーニの栽培方法⑴種まき
ポットに3粒ずつ、深さは1cmほどにして種を播き、軽く押さえてから、水やりを行います。3〜5日ほどで発芽し、本葉1〜2枚になったら一番元気な株を残し、残りの2本は間引きしてしまいましょう。 畑に直播きする場合は、気温が上がりきった4月下旬頃からにしましょう。それでもズッキーニにとっては朝晩が冷えるもの。できれば苗キャップやビニールをかけて保温しておくと安心です。成長や天気に合わせて換気を忘れずに…
ズッキーニの栽培方法⑵定植
育苗している場合は種まきから約1ヶ月で定植できる、本葉4〜5枚の大きさまで成長するので、そうなればいよいよ定植です! 苗を購入する場合も同じように本葉4〜5枚に成長した苗を選ぶと良いですが、どうしても小さい苗しかない場合には自宅で少し大きくなるまで育ててから定植するのも一つの手です。ヒョロヒョロと徒長してしまっている苗は大きくても避けておきましょう。 定植する時は、深植えしすぎないように注意しましょう。定植ができたら、たっぷりと水をあげましょう。定植の次には、支柱を立てる準備をしましょう。
ズッキーニの栽培方法⑶支柱と水やり
定植後に行う作業です。 支柱は1株あたり2本、株から5cm程度離して支柱を立てます。ズッキーニは上へ上へと大きくなるわけではありませんが、葉は大きく成長するため、倒れないように支柱を立てておく必要があります。 支柱を立てる時期は定植直後か、少し大きくなってから行います。 水やりは午前中、できれば10時までには済ましておきましょう。プランターの場合は夏場になってくると水切れになる時もあるので、夕方に様子を見て、元気がない時には軽く水やりをしても良いでしょう。 夏に向けてぐんぐん成長するので、毎日の水やりはもちろんですが病気や虫にも注意してしっかり管理していきましょう。
ズッキーニの栽培方法⑷人工受粉
いよいよ受粉作業です! 通常は蜂が自然に受粉を行いますが、人工受粉をしておくことをオススメします。特に雨が続くような場合には受粉を行う蜂も飛んでいないので、人工受粉を行なっておきましょう。 まずは雌花と雄花があることを確認します。花の下に膨らみがあるのが雌花で、雄花には膨らみはありません。雄花を摘み取ったら、花びらを取り花粉を雌花にまんべんなくつけて受粉します。あまり強く押し付けないようにしましょう。また人工受粉は午前中の早いうちに行いましょう。
ズッキーニの栽培方法⑸追肥
無事に受粉が成功し、実がつき始めた時期に1株あたり握りほど追肥を行います。畑の場合は株と株の間であればマルチを移植コテなどで破いてから、畝間が狭い場合には溝を掘って施肥しましょう。プランターの場合にはできるだけ株から離したところへまき、土と軽く混ぜておくと良いでしょう。 その後は2週間おきに追肥を行います。
ズッキーニの栽培方法⑹収穫
受粉・追肥の後は、収穫を待つのみです! 開花後4〜6日ほどで収穫できる20〜25cmほどに成長します。ハサミで、実の上の軸の部分を切り取ります。収穫遅れは株が疲れる原因になるので、時期を見計らって忘れずに収穫しましょう! ちなみに開花してすぐの花はサラダなどで食べられるんですよ!!
困る病害虫:虫編
ズッキーニにつきやすい代表的な虫といえば、てんとう虫くらいのサイズのオレンジ色をしたウリハムシです。カボチャやキュウリなど、ウリ類にはよく発生する虫です。 株がまだ若い時期に、実ではなく葉をまあるく食べてしまいます。数匹程度であればズッキーニの生育に問題ありませんが、被害が大きくなると成長にも影響が出てしまうので、見つけたら捕殺しましょう。 他にもネギのにおいを嫌う性質があるようなので、近くに植えてみても良いかもしれません。その他、株がある程度大きくなるまでは防虫ネットをかけておくのも一つの方法です。
困る病害虫:病気編
こちらもウリ類には強敵の病気といえば、うどんこ病です。梅雨の前と、梅雨後急激に気温が上がる時期によく発生する病気ですね。名前の通りうどんの粉をふりかけた状態になり、すぐに広がるのでおかしいと思ったらすぐに対処しましょう。周りにキュウリなどを植えている場合には被害が広がる病気なので要注意です。 薬剤はダコニール1000が使いやすくてオススメです。うどんこ病以外にも様々な病気に効果がある他、ズッキーニ以外の野菜にも広く使えるのがポイントです。他にも有機成分由来のスプレー剤などが充実していますので、放って置かずにすぐ行動しましょう! 他の代表的な病気には、モザイク病や疫病といった病気があります。
穫れすぎてしまったら…
もし食べきれないほど収穫できた場合は、新聞紙に包んで風通しがよく直射日光の当たらないところで保存する方法があります。涼しい場所がない場合には、冷蔵庫の野菜室でも可能です。 冷凍する場合は、切ってしまってから冷凍室に入れておくと、そのまま料理に使えて便利です。
ズッキーニの美味しい料理
オリーブオイルを使って焼いたり、トマトと相性が良いのでラタトゥイユにしたり味噌汁に入れてみたり、ピクルスにもなります。また揚げ物にしても美味しいですよ!油やチーズとも相性がよく、とにかく使い勝手が良いのがズッキーニですよね! 写真の料理は、なんとベーコンとチーズしか使っていません!ズッキーニの可愛い形を生かしながら、簡単にオーブンレンジで料理することができます。
ズッキーニは栄養もたっぷり!
ズッキーニに含まれる主な栄養素はカリウムやビタミンC、βカロテンなどです。 カリウムは高血圧予防になるだけでなく、利尿効果やむくみの予防・改善の効果が期待できる栄養素です。ビタミンCは美容効果があるとよく知れ渡っている栄養素ですが、その他に皮膚や粘膜を健康に保つ効果や抗酸化作用があると言われています。ニンジンで有名な栄養素βカロテンは、緑黄色野菜によく含まれています。目の健康を保つ効果ん他、免疫力を高めて風邪の予防にも効果があるとされています。 また、妊婦さんに嬉しい栄養素である葉酸も含まれています! 一見栄養がないと思われがちなズッキーニですが、実は結構いろんな栄養が含まれているんですね!!
まとめ
野菜を育てることは「収穫して食べる」という楽しみが待っています!ズッキーニももちろん、何の料理に使おうか考えながら毎日お世話をすることになるのではないでしょうか。様々な効能がある栄養素が含まれているのも嬉しいですよね! 準備や管理が難しそうと感じても、実際育ててみると全然そんなことはありません!それどころか、毎日成長するズッキーニを見ているのは楽しくて仕方がないはず!!受粉まで行ったら、もう我が子のように可愛いものです(^^) ぜひズッキーニ栽培にチャレンジして見てくださいね!
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