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イベリスの育て方!長く育てるための冬越しや手入れのコツもご紹介!

春になると花壇や植木鉢いっぱいに咲いている、砂糖菓子のような純白の花を見かけたことはありませんか。地中海原産の「イベリス」です。小さな花が株いっぱいに咲くイベリスは、育てやすく存在感のある花です。今回は長く育てる育て方や手入れのコツなどをご紹介します。
更新: 2021年12月16日
chika44
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目次

イベリスとは

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1cmほどの小さな花がボールのように集まって花房を作ります。株いっぱいに花がつく姿は、たくさんのキャンディのようでかわいらしく、見事です。花色は白が多く、ほかにピンクや紫、藤色などもあります。

株元から細い葉をつけた茎がたくさん伸び、その先に多くの花をつけます。

花は4枚の花びらを持ち、外側の2枚が大きく、内側は小さいです。咲き始めは平らに咲いていますが、咲きすすむにつれ、花の中心が盛り上がりこんもりと丸くなっていきます。

基本情報

■科名・属名:アブラナ科マガリバナ属(イベリス属) ■別名:トキワナズナ(常盤薺)、マガリバナ(屈曲花)、トキワマガリバナ(常盤屈曲花)、キャンディタフト ■学名:Iberis ■草丈:10~60cm ■原産国:南欧、北アフリカ、西アジア ■分布:南欧、北アフリカ、西アジアに数十種類が分布 ■育てやすさ:育てやすい

花名の由来

花名の「イベリス」は、原産地スペインの別名「イベリア」からきています。また、英名の「キャンディタフト」は、砂糖菓子の束という意味で、この花が集まってかわいらしく咲く様子に由来しています。

和名の「マガリバナ」は、中国名の「屈曲花」に由来し、太陽に向かって伸び茎が曲がることから名づけられました。

多年草である「イベリス・センペルヴィレンス」の和名は「トキワナズナ(常盤薺)」です。

花言葉

イベリスは、「初恋の思い出」「甘い誘惑」という、なんとも魅力的な花言葉を持ちます。これらは、その愛らしい花姿や甘い芳香に由来するといわれます。また、「こころを引きつける」という花言葉もあります。これは、太陽に向かって曲がって伸びていく花姿から名づけられたようです。

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イベリスを楽しめる季節

開花時期

イベリスの開花時期は春です。4~6月に株いっぱいの花を咲かせ、目を楽しませてくれます。 また、多年草種「イベリス・センペルビレンス」などは、春だけでなく、秋にも咲くことがあります。

イベリスの品種

イベリス・アマラ(一年草・二年草)

南ヨーロッパ原産。草丈が20~40cmほどになります。園芸品種として多くの種類が出回り、花穂が大きくなる種類もあります。花に甘い芳香があることが特徴です。

イベリス・オドラータ(一年草・二年草)

ギリシャや西南アジア原産で、比較的小型です。白花で、イベリス・アマラよりも強い芳香があり、和名で「ニオイナズナ」とも呼ばれます。

イベリス・ウンベラータ(一年草・二年草)

イベリスの中ではめずらしいカラフルな、ピンク、紫、藤色などの花色をもちます。草丈が60cmほどになる品種もあります。イタリア、スペインが原産です。

イベリス・センペルビレンス(多年草)

何年も花を咲かせる多年草の品種で、「宿根イベリス」の名で流通していることもあります。草丈は20~30cm程度で、地面を這うようにマット状にこんもりと咲き、生長すると低木状になります。

おもに白花ですが、ピンクや淡い藤色の花もあります。“スノーボール”や“スノーフレーク”、“ホワイトアウト”などの品種が出回っています。センペルビレンスは「常緑の」という意味です。


イベリス・マスターピース

南欧原産で新しく作られた園芸品種です。多年草種で、春から秋までと開花時期が長いことが特徴です。草丈も30~50cmとほかの品種にくらべると高めになり、ボリュームのある花姿を楽しめます。

イベリス・ジブラルタリカ

北アフリカ原産の多年草種です。白からピンクへと花色が変化するユニークさが特徴です。春から秋までと開花時期も長く、耐寒性も強く、岩場にも生えるなど性質が強靭です。グランドカバーなどにも利用されています。

イベリスの育て方

植え付け

アマラ種やセンペルビレンス種は、苗が数多く流通しています。3~4月か、10~11月頃園芸店に出回る苗を、鉢や花壇に植え付けます。日当たりや水はけのよい場所を選びましょう。

イベリスは移植すると枯れてしまうこともあるため、あらかじめ育てたい場所をよく考えてから植えつけましょう。

植え替え

一年草種は花の季節が終わったら枯れてしまうので、植え替えする必要はありません。 多年草種でも、移植を嫌うので、一度植えたらなるべく植え替えはしないようにします。

鉢に植えた場合は、育ちすぎると鉢の中で根が回りきゅうくつになります。秋に一回り大きな鉢に、根の周りの土を落とさないように気をつけながら植え替えるようにします。

種まき

アマラ種やウンベラータ種などの一年草は秋(9~10月)に、多年草種は春(4~5月)に種をまきます。イベリスは移植を嫌う植物です。種は育てたい場所に直まきをするか、ポットで発芽させ、苗が小さいうちに移植します。

用土

水はけのよい用土を好みます。水はけが悪い場合は、腐葉土を混ぜ込みます。また酸性土壌は嫌うので、地植えする場合は、2週間ほど前に苦土石灰を混ぜて中和しておきましょう。

鉢植えする場合は、赤玉土6:腐葉土4の割合で混ぜた土に植え付けます。または、草花用培養土に鹿沼土か軽石を2割程度混ぜ込むと、水はけをよくすることができます。

肥料

たくさんの肥料は必要としません。一年草の場合は、秋に種まきをして本葉が開いたら、薄めた液体肥料を1週間~10日に1回程度与えます。多年草の場合は、植えつける際に緩効性化成肥料を混ぜこむ程度で十分です。肥料を与えすぎると、茎ばかり伸びすぎて花付きが悪くなります。

日常の手入れ

日当たり

日当たりのよい場所で育てることが大切です。日当たりが悪い場所で育てると、茎ばかりひょろひょろと伸びて「徒長」してしまい弱い株になります。花があまり咲かなくなってしまうこともあります。

置き場所

寒さには強いので、特別な防寒対策は必要ありませんが、秋に種をまいたまだ小さい一年草は、霜が当たらない場所に置きます。多年草種は冬に地上部分が枯れてしまっても、春になるとまた芽を出します。

また、地中海原産のイベリスは過湿には弱いです。とくに多年草種は、高温期は風通しのよい場所で育て、上手に夏越しさせましょう。


水やり

土の表面がしっかりと乾いてから、たっぷりと水やりするようにします。イベリスは過湿になると蒸れて株が腐り、枯れてしまいます。水のやりすぎには注意しましょう。地植えの場合は、とくに水やりをしなくても大丈夫です。

切り戻し

枯れた花をそのままにしておくと、種を作るのに栄養を取られてしまいます。花がしぼんできたら、花の下で切り取る「花ガラ摘み」を行いましょう。

そうすることで、次の花が咲きやすく脇芽も増えてきます。 また、大株になりすぎた多年草種のイベリスは、だいたい花が咲き終わったころ切り戻しをすると、秋にまた咲き始めることもあります。

気をつけたい病害虫

アブラムシやコナガなどの害虫がつくことがあります。見つけ次第、早めに薬剤で駆除します。 また、多湿の状態で灰色カビ病にかかることがあります。なるべく、切り戻しをして風通しをよくしたり、日当たりをよくして予防しましょう。

冬越しの仕方

多年草の場合

多年草種のセンペルビレンスなどは、耐寒性が強いので、寒冷地でも冬越しできます。冬季は地上部が枯れますが、春になるとまた新芽が出て生長します。鉢植えの場合は、ときどき水やりをしてあげましょう。

一年草の場合

アマラ種やウンベラータ種のような一年草は、秋に種まきをした場合、冬の小さな苗に霜がおりると枯れてしまうこともあります。鉢植えの場合は暖かい場所で育て、地植えの場合は霜よけなどの防寒対策をしてあげましょう。

イベリスの花が咲かない原因

肥料のやりすぎ

イベリスは多肥にすると、茎ばかりがどんどん伸び、花が咲きづらくなります。生長期に薄い液肥を与える程度にしましょう。多年草種は植え付けた際に緩効性化成肥料を土に混ぜ込む程度で十分です。

日当たりが悪い

日当たりの悪い場所で育てると、徒長して茎がひょろひょろと伸び、花付きが悪くなってしまいます。鉢植えの場合は、なるべく日当たりの良い場所に移し、地植えする場合は、日当たりの良い場所を選んで植え付けてあげましょう。

過湿にしている

水をやりすぎたり、風通しの悪い蒸れるような場所で育てると、葉や根が腐ってしまいます。これも花が咲かない原因になるため、とくに夏場は切り戻しをして蒸れないようにする、水のやりすぎに注意するなど、過湿状態にならないよう気をつけましょう。

イベリスの増やし方

増やし方その1:挿し木(挿し芽)

多年草種のイベリスは挿し木(挿し芽)で増やすことができます。時期は花が終わった5月頃、または10月が適期です。 方法は、切り取った茎を使います。

5~10cm程度に切り取った茎の、下部の葉を取り除きます。数時間水揚げした後、挿し木用土に挿し、明るい日陰で水を切らさないよう注意しながら、発根させます。その後、育てたい場所に根を痛めないよう気をつけて移植しましょう。


増やし方その2:株分け

多年草種のイベリスは株分けで増やすこともできます。開花後すぐの生長期か涼しくなってきた頃行います。なるべく根を傷付けないようにていねいに手で根を分け、植え付けます。

株が大株になりすぎたり古くなると、夏に蒸れて枯れてしまいやすくなるので、挿し木(挿し芽)や株分けで新しい株に更新しておくといいでしょう。

イベリスで寄せ植えを作ろう

ピンクの花と

真っ白なイベリスの花は、ピンクのストックやパンジーなどの季節の花と組み合わせると、キュートな寄せ植えになります。春らしいやさしい色合いが楽しめます。

ブルーの花と

秋に出回る多年草種のイベリスを、爽やかなブルーの花と寄せ植えにして。パンジーやブルーデイジー、ネメシアなどの青を、イベリスの白が引き立てます。秋から冬の季節に、殺風景な庭を明るくする寄せ植えです。

ハンギングバスケットにこんもりと

株いっぱいにこんもりと花を咲かせるイベリスの特徴を活かして、同じく真っ白なアリッサムと寄せ植えをしたハンギングバスケット。まるで真っ白なブーケを飾っているようで美しいですね。

リースプランターに寄せ植え

リースプランターに色のある花や観葉植物といっしょに植えると、おしゃれな寄せ植えになります。小花のイベリスは、幅の狭いリースプランターにも植え付けやすいです。純白のイベリスの花はどんな植物とも相性がよく、ほかの植物をさらに引き立てます。

まとめ

イベリスの育て方についてご紹介しましたが、寒さにも強く、水やりや肥料にあまり気を使わなくていい手入れの楽なイベリスは、初心者にも育てやすい花です。

強靭なので、挿し芽など増やし方も比較的かんたんです。冬越しなどの育て方を覚えて、春の花壇をぜひイベリスのかわいらしい花でいっぱいにしてみませんか。