アレカヤシの管理方法をマスター!
ヤシ類の中でも代表的な観葉植物
アレカヤシは、ヤシの仲間の中でも代表的な観葉植物です。 置いておくだけで、空間がオシャレに華やぎます。 大人のくつろぎの場や、 家族で過ごすリビングルームを、ちょっとリッチに演出してくれるようなアレカヤシ。 でも、部分的に枯らしてしまったり、 見栄えが悪くなってしまったら、せっかくのインテリア性も台無しですよね。 枯らさずキレイに保つ育て方をご紹介します!
アレカヤシの栽培難易度は?
初級~中級レベル
アレカヤシは初級~中級レベルの観葉植物です。 冬越しと見栄えのメンテナンスには、多少手をかけてあげる必要がありますが、特別むずかしい育て方は必要ありません。 日当たりさえ確保できれば、 初心者さんでも育てられます。
販売場所は?
とてもポピュラーな観葉植物なので、 大型のホームセンターであれば入手可能。 ぜひ、自分の目で確かめたひと株をゲットしましょう。 花屋さんの観葉植物コーナーに置かれていることも。
アレカヤシの基本! 冬越しに必要な温度は?
どんな植物?
アレカヤシは3~8メートルの高さに成長する植物です。 お家に飾るために出回っているのは、 アレカヤシの幼木。 すでにこの時点で人の背丈ほどの高さがありますが、 本来はもっと大きく成長する、大型の植物なのです。 なので、放置していると、どんどん根が伸びてしまい、 鉢の中でぎゅうぎゅうとどくろを巻いてしまいます。 正しい育て方のもとで管理し、 植え替え作業を行う必要があります。
見た目の特徴
葉はヤシ類らしいフォルムで、 幹は竹に似ています。 この幹に黒い斑点がつくのが特徴。「これ、アレカヤシかな?」なんて思ったら、幹に黒い点々があるかチェックしてみましょう。 自然界では、湿潤な明るい場所に自生します。
冬越しには何℃必要?
観葉植物をキレイに枯れることなく育てる上で、 気になるのが「冬越し」ですよね。 アレカヤシの越冬温度は、10℃以上とされています。
冬越しのコツは、温かい環境を作ってあげること
寒い地域~関東周辺にお住まいの場合、 冬の時期にこの温度を保ち続けるのは、正直なところ、なかなか難しいものがあります。 枯れるのを防ぐためにも、 できるだけ暖房の効いている部屋に置いてあげましょう。 特に、光熱費節約のために「寝ている間は暖房を切りたい……」なんてとき、 朝晩の冷え込みにどれだけ耐えてくれるのかは、観葉植物を選び育てる上で重要なポイント。 温度管理をして、上手に冬越しさせたいところです。
激しい寒暖差も避ける
アレカヤシは激しい寒暖差を苦手とします。 できるだけ一定の温度下で育てましょう。 これも光熱費との兼ね合いが難しいポイントなのですが、 できるだけ外出中や夜間も、10℃以上は保てるように暖房を設定しておくのが無難です。
アレカヤシの日当たりと置き場所は?
「レース越しのやわらかい光」を当てよう!
アレカヤシの購入を考えるとき、 最初に悩むのが「どの場所に置こう?」ということですよね。 アレカヤシに限らず、 ヤシ類の植物たちは日当たりのよい場所を好みます。 「レースカーテン越しのやわらかい光」に当てて育てるのがベスト! なので、ほどよく明るく、直射日光が強く照りつけない場所を選んで飾りましょう。
日当たりが良すぎると、葉焼けの原因に!
ヤシ類の植物といえば、 南国のイメージですよね。 アレカヤシも、「光に当てれば当てるほど、よく育つんじゃないの?」と思われがちです。 確かに、アレカヤシはマダガスカル原産の温暖な気候を好む植物です。 ですが、直射日光に当てていると、「葉焼け」を起こします。特に真夏は注意が必要。 こうなってしまうと見栄えが悪いので、 南国の植物とはいえ、ガラスとレースカーテン越しのやわらかな光に当てるのが一番失敗しない管理方法なのです。
半日陰までならOK
日当たりを好むアレカヤシですが、 ある程度の耐陰性もあるのが嬉しいところ。 できれば日なたがベストですが、 半日陰までなら耐えてくれます。 ただし、葉が垂れ下がってきたら、日照不足の可能性アリ。 あまりにも暗い場所は避けて飾りましょう。
置き場所によって、状態が左右される
アレカヤシは適切な環境さえ作ってあげられれば、 たいへん美しい葉を楽しめる観葉植物です。 ですが逆に、置き場所が悪いと、葉焼けしたり外見も見苦しくなります。 ・直射日光が当たる場所に放置 ・日当たりが不十分 ・寒すぎる(10℃以下) この3点にはぜひ気をつけましょう。
おすすめはリビング
アレカヤシの置き場所として、 定番なのがリビング。 家の中でもいちばん大きな窓が付いていることが多く、 日当たりを確保しやすい場所です。 冬でも暖房であたたかく保てるので、 「枯れる!」だなんてことも回避しやすいですよ。
明るい玄関も◎
窓が付いている明るい玄関もおすすめ。 玄関の扉をパッと開いたとき、 目に飛びこんでくるアレカヤシがあると、 家のオシャレ感が高まりますよね。 また、葉が上向きのアレカヤシは、 風水において外の「気」を取り込むのにも向いているとされています。 運気アップを狙うなら、気の出入りする明るい玄関は最適といえるでしょう。 ただ、玄関は暖房が届かないことが多いので、 寒い時期はリビングへ移動させましょう。
こんな飾り方がオシャレ!
お部屋をリゾート風に演出
アレカヤシの魅力と言えば、 なんといっても細かく美しい葉。 トロピカルで非日常的な、 リゾート風の空間を演出してくれます。 和風モダンな雰囲気にもマッチしますよ!
葉を光に透かして
日当たりを好むアレカヤシ。 明るい窓辺で日光浴をさせてあげれば、 グリーンが光に透けてとてもキレイです。 (ただし、真夏はレースカーテンをお忘れなく!) 横にソファを置いて、 ゆっくり読書やティータイムを楽しみたくなりますね。
オフィスにもおすすめ
アレカヤシはオフィスに置くのもおすすめ。 葉が落ちにくく、 エレベーターホールから会議室の片隅まで、どんな場所にもよく馴染みます。 こんなグリーンがあれば、仕事場も潤いますよね! ファッショナブルな雰囲気も兼ね備えているのが、アレカヤシなのです。
アカレヤシの水やりは?
春~夏は土の表面が乾いてから
春から夏の水やりは、「土の表面が乾いてから」です。 成長スピードが速い植物なので、 コンパクトに育てたいのであれば、水やりは控えめにします。 植え替えが面倒、広い置き場所がない! という場合は特に、温かい時期も水やりを少なくしましょう。
冬は乾かし気味に
冬は乾かし気味に管理しましょう。 寒くなってきたら、水やりの頻度を減らしていきます。 土の表面が乾いて、しばらくしてから水やりをすると良いでしょう。 ただし、 ・葉が垂れる ・枯れる といった現象が見られ、根詰まりも起こしていないのであれば、水やり不足です。
葉水にチャレンジ
おすすめは「葉水」での水やり
「葉水」というお手入れ方法をご存じですか? これはジョウロではなく、霧吹きで葉の表面に直接水をかける手入れの方法です。 植物は葉の表面からも水分を吸収できるので、 ありがちな水のやりすぎでの根腐れを防ぎつつ、水やりができます。
アレカヤシに葉水を行うメリット
アレカヤシの水やり頻度は特別多くなくて良いのですが、 もともとは、湿気の多い南国に自生していた植物です。 なので、霧吹きで葉の表面に湿気を与えるのは有効なのです。 ホコリを取り除く役割もあり、葉をより美しく見せることもできます。 水の量の調整が難しく、乾燥しがちな冬の間は特に、葉水での水やりに挑戦してみると良いでしょう。
覚えておきたい育て方のポイント
肥料
春にゆっくり効いていく緩効性肥料を与えます。
カイガラムシ、ハダニ
つきやすい害虫は、カイガラムシやハダニです。 葉のつけ根や、葉の裏側を見ると、これらの害虫が付いていることも。 見つけ次第、殺虫剤で駆除します。
アレカヤシはなぜ枯れる?
水やりのしすぎ
水やりをしすぎて枯れるのは、特に冬の時期です。 寒くなってきたのに、春~夏と同じ感覚で水を与えてしまい、 失敗してしまうのはありがちなパターン。 鉢の土が乾いてから初めて、たっぷりと水を与えましょう! 「しょっちゅう少しずつ」より、「たまに、一気にたくさん」が水やりのコツです。
水やり不足
逆に、水やり不足ということもあります。 春~夏は特に、鉢の土が乾いてから長期間放置すると、枯れやすくなります。 コンパクトに管理したい場合も、極端な乾燥は避けましょう。 葉っぱの先だけが茶色くなっている場合も、水切れを起こしていた可能性が高いです。
日当たりが悪い
日照不足も枯れる原因のひとつ。 窓から遠すぎず、日当たりが良く明るい場所に置きましょう。 ただし、冬の窓辺は冷え込むので注意します。
寒すぎる
10℃以上の室温を保てていますか? アレカヤシは南国出身なので、厳しすぎる冷え込みには耐えられません。 北国にお住まいの場合、特に注意して冬越しさせましょう。 室温計を設置し、 冬の間どれくらい寒くなっているのか確認すると、観葉植物の管理が上達します。
水も日当たりも充分……それでも枯れるときは
根詰まりが原因かも!?
水やりも日当たりも悪くないのに、なぜか枯れてしまうときは、「根詰まり」を疑ってみましょう。 アレカヤシは成長が早いぶん、 鉢の中で根がいっぱいになってしまうのも早いのです。 こうなると、それ以上充分な成長ができなくなります。大きくしたくないから放っておけば良い……というものではないのです。栄養や水分も効率よく吸収できなくなるため、地上部もどんどん見た目が悪くなります。
葉先だけが枯れる原因
アレカヤシを育てていると、多くの方が、 「完全に枯れるわけではないけど、葉先だけが痛んで枯れる」という経験をされるかと思います。 この現象は、よくあることで、必ずしも根詰まりしているとは限りません。 剪定でその部分だけカットしてしまえばOKです。
外側の茎が枯れる原因
外側の茎だけが茶色く枯れてしまうなら、 環境変化に適応しようとしている証拠です。 葉が枯れてしまう前、置き場所を変えたりしましたか? あるいは購入してきたばかりかもしれません。 これらのケースに心当たりがあるなら、さほど心配しなくて大丈夫。 枯れてしまった外側の茎は、幹の付け根から剪定で切り取ります。 枝分かれしている場合、元気な方は残し、分かれ目の部分で剪定してください。
見栄えが悪くなってしまったら、仕立て直す
アレカヤシを仕立て直そう!
枯れる前に、アレカヤシを美しく仕立て直してあげましょう。 ①植え替え ②株分け ③剪定 この3つの方法をご紹介します。
アレカヤシの仕立て直し①植え替え
根詰まり防止のために必須
アレカヤシは大きな観葉殖物なので、 植え替え作業はちょっと重労働。 でも、根詰まりを防止するために、植え替えは欠かせない作業です。 最近元気が無いと思ったら、1~2年に1度のペースで、鉢底まで根が回っていないか確認しましょう。
植え替えの時期
5月~8月ごろが適期です。 寒い時期を避け、暖かなうちに行います。 時期が遅いと、越冬までに根が定着せず、 弱りやすくなってしまう可能性があります。
植え替えの手順
①鉢からアレカヤシを引き抜きます。このとき、ほとんど土が見えないほど根が張り巡らされていれば、根詰まりを起こしていると考えましょう。 ②ひとまわり大きな鉢を用意し、こちらに植え替えていきます。鉢底には粒子の大きい赤玉土(大粒)や、鉢底石を敷きましょう。その上から用土を少し入れます。 ③鉢の中央に、先ほど古い鉢から抜き取ったアレカヤシを配置します。まわりの隙間を埋めるように、残りの土を入れていきましょう。 ④これで完成です! たっぷりと水を与え、直射日光の当たらない日なたで管理しましょう。
アレカヤシの仕立て直し②株分け
アレカヤシをコンパクトにしたいときに
アレカヤシをコンパクトにしたいなら、 「株分け」で根ごと切り分けてしまいましょう。 切り分けた株は、別々の鉢に植え替えることで、増やしていけます。 不要なら元気のない部分を切り捨てていくだけでもかまいませんが、せっかくなら植え替えと同時に行って、数を増やすのがおすすめです。
株分けの時期
植え替えと同じで、 5月~8月の暖かな時期に行います。
株分けの手順
①まずは植え替えのときと同様に、鉢からアレカヤシを引き抜きます。 ②鉢の形に沿って、土と根が固まったような状態になっていると思います。この根鉢の部分を半分に切り分けましょう。ハサミでも切りにくい場合、ノコギリを使用します。株元から下に向かって、少しずつ刃を入れていきましょう。 ③根ごと2つに分けられたら、痛んだ根や古い土を取り除きます。根を切るときは、剪定用のハサミを使いましょう。ひとまわり小さい根にしてしまって大丈夫です。 ④あとは植え替えの時と同じように、鉢へと植え替えましょう。アレカヤシは根の生長が早いので、余裕のある大きめサイズの鉢を選びます。鉢底石、用土を敷き、株を固定して縁を埋めるように土を足す……という順で植え付け、たっぷり水やりをしたら完成です。
アレカヤシの仕立て直し③剪定
剪定とは
元気の無い葉はそのつど切り取り、 新しく生えてくる新芽に栄養を行き渡らせるようにしましょう。 この切り取り作業のことを「剪定」といいます。
剪定の方法
枯れた葉は根元から切り取ります。 葉先だけが茶色く痛んでいる場合、 その部分だけを剪定して切り取りましょう。こうすることで見た目が美しく整います。
黄色い葉も剪定で切り取る
黄色くなっている部分があれば、 そこも剪定で取り除いてしまってOKです。
根詰まりで植え替えるのが面倒!?
矮性種を選べば、大きくなりにくい!
矮性種(わいせいしゅ)ってご存じですか? 植物の種類の中でも、最終的にそこまで大きくならない、小型品種のことをいいます。 アレカヤシにも、この「矮性種」が存在するんです。 ただし、矮性種は通常のアレカヤシほど多く出回っていません。 まだ流通が少なく、レアなのです。お店で見つけたら、要チェックですよ!
矮性種のメリット
ヤシ類はどれもスピーディーに葉が拡がってゆき、 幹の数も増え、お部屋を圧迫しやすい傾向にあります。 でも矮性種を選べば、そこまで大きくならないので管理しやすいですよ! 根詰まりの心配も普通のアレカヤシより少なく、植え替え頻度も少なくて良いので、忙しい方、重労働が苦手な方にもピッタリ。飾る場所は、お部屋の角や、狭いスペースに向いています。
テーブルヤシという選択肢も
テーブルヤシとは?
テーブルヤシとは、 その名の通りテーブルに置けるくらい小さなヤシのこと。 「大きなアレカヤシは、やっぱり自分には管理が難しいかも……」 「植え替えできる自信がない」 「もう少し低い温度でも冬越しできたほうが安心」 なんて場合は、ぜひ視野に入れてみてください。
テーブルヤシの特徴! 冬越しさせやすい
テーブルヤシは、 5℃くらいの低温にも耐えてくれます。 アレカヤシのようなどっしりとした魅力はありませんが、 デスク上のちょっとしたグリーンとして最適! 小さい分お値段も低めで、500円くらいから買えます。 ヤシ類の入門用に試してみて、 それから床置きできる大型なヤシを買ってみるのもありですよ!
育て方まとめ! アレカヤシを美しく飾ろう
育て方で難しいのは、冬の管理と根詰まり
アレカヤシの育て方で鬼門と言えるのは、 冬越しに適した10℃以上の温度管理と、根詰まりのタイミングを見計らった植え替えです。 ここを外してしまうと、見栄えが悪くなったり、最悪の場合、枯れることもあります。
失敗しない育て方を押さえれば大丈夫!
しかし、そう身構える必要はありません。 アレカヤシがヤシ類の中でもっともポピュラーなのも、「それほど管理が難しくない」からなのです。いくら見た目が美しくても、日本で栽培できないような観葉植物は、ここまで出回りませんよね。 ・10℃以上で冬越しさせる ・植え替えをしてあげる この2点はお忘れなく! 失敗しない育て方を押さえ、美しい状態を長続きさせましょう!