雪山用手袋の例
バックカントリーの滑り
新雪を舞い上げて優雅にターンを繰り返し、岩や樹木を避けながら疾走する。雪山の斜面を滑り降りるバックカントリーのスノーボードやスキーの優雅な格好の良さは、誰にとってもあこがれ。雪山を堪能するその滑りをさっそく初めましょう。
バックカントリーとは
バックカントリーとは英語ではスキー場等と違い、整備されていない自然のままの雪山を指しています。明治の初めにスキーが伝来した当初から山スキーとして雪山の登攀や滑降に広く取り入れられました。その伝統は大学の山スキー部やスキー山岳部に残っています。
現在のバックカントリーとは
質実剛健な山男がアイゼンやピッケルを下げ、重装備の少し野暮ったい山スキー。その一方でバックカントリーはリフト、ケーブルカー、ヘリコプターを縦横に利用して登り、身軽にスマートに雪山の滑降を堪能するイメージが定着しています。
バックカントリーの始め方
バックカントリーに必要と成る知識、経験、技量や装備を挙げて行くと、とてもとても直ぐに初心者がマスターできる分野ではありません。初心者はゲレンデで滑降技術がある程度マスターしたら、ガイドツアーに参加することがお勧めです。
バックカントリーのナビゲーション
天候を読み、時々の自分の位置と地形を確認してコースを選ぶナビゲーションはバックカントリーではもっとも重要な基本。天候やコースの選びの間違いは遭難につながり、地形選定の誤りでは滑落や雪崩に遭遇する危険が高まります。
初心者とナビゲーション
ナビゲーションは習熟出来てもマスターは出来ないので、著名な山岳者でも遭難することもあります。初心者は滑降することより、雪山の登りを自分の足で踏みしめ歩きましょう。その中で自然に親しみ、ガイドからナビゲーションを学んで行きます。
バックカントリー装備とゲレンデ装備の違い
ゲレンデの装備との違いは登高用装備がいること。登高用装備にはスノーシュー(西洋式カンジキ)を使います。スノーシューはガイドツアー主催者からレンタルも出来るでしょう。スキーの場合はビンディングが山スキー用であればシールが使えます。
バックカントリー初心者でも必要な非常用品
バックカントリーでも遭難対策は不可欠。初心者でも最小限、チョコレート等凍らない行動食を携帯しましょう。また、雪崩ビーコンを装着することは欠かせません。雪崩ビーコンはガイドツアー主催者から借りられる筈なので確認しましょう。
バックカントリー(スキー対スノーボード)
スキーとスノーボードの大きな違いはスキーがシールを付ければ歩く、登れ、また下れます。これに対してスノーボードは多様な雪質の滑りに快適ですが、下りにしか使えません。細かいアップエンドダウンを歩く登りでもツボ足かスノーシューを使います。
バックカントリースノーボード
スノーボードとは横向きになって一枚の幅広板にビンディングで靴を固定して雪面を滑るスポーツ。サーフィンやスケートボードに似て居ます。そのスノーボードを使って雪山を滑る事をバックカントリースノーボードと呼んでいます。
バックカントリースノーボードの歴史
サーフィンにヒントを得て1960年代初めにミシガン州の科学者ポッペン氏によって考案され、子供用に販売されたスナッファーが発祥と云われています。ゲレンデへの乗り入れはやっと1980年代からです。それまではほとんどバックカントリーで使われていました。
スプリットボードの登場
スノーボードは下りの滑降にしか使えませんでした。コベルニックというボーダーが1980年代後半に鋸で半分に切って、歩く登りにも使えるスプリットボードを考案しました。スプリットボードはツアースキーと同じように使え、普及しました。
バックカントリースノーボードの危険性
バックカントリースノーボードには雪崩は勿論、凍傷、脱水症や低体温症の危険があります。さらに木々の根元の穴等の深い雪へ頭から転倒すると、ほとんど起き上がれません。雪で鼻と口が塞がれて呼吸が出来なくなり、窒息する恐れもあります。
バックカントリースノーボードの安全と事故防止
初心者が危険を避ける為の対策としては、正式な指導受講、複数での行動、十分な技量習得、登り手段確保等が挙げられます。それらに加えて気象条件、地形と雪面状態把握、雪崩安全対策等、危険な状況に遭遇しないナビゲーション判断を習得しなければなりません。
バックカントリースノーボードの用具(ギヤー)
バックカントリーには歩く登りが必ずあるので、スノーシューもしくはテレマークスキーを携帯しましょう。これらは滑降するときには携帯しなければならないので登りも可能なスプリットボードがお勧めです。滑降時に余分な道具を携帯する必要がありません。
どのタイプのスノーボードを選ぶか
バックカントリーのスノーボーダーは新鮮な粉雪のある斜面を好みます。バックカントリーボーダーが好むボードの形状は、中央部が下向きのロッカースタイルのボードです。このボードはバックカントリーに必要な柔軟さと操作性に優れています。
スノーボード用の靴
バックカントリーでは歩く登り(ハイアップ)に時間を費やすのでも使用できる登山靴を基本にした兼用靴が基本です。保温性が良くスノーシューやアイゼンとの相性が良い靴を選びます。そして自分の足にフィットする様に良く合わせておきましょう。
バックカントリースキー
バックカントリーとは本来、山スキーを意味しています。ゲレンデなど整備されたスキー場では無く自然の雪山に歩く登り、アイスバーンや新雪を岩の間や木立を避けて滑降するスキーです。雪山登山技術の1つとしてスキーでの山岳登攀ともされていました。
現在のバックカントリースキー
山岳地帯でのケーブルカーやリフトが整備され、スノーキャットやヘリコプターによる雪山での移動も可能になりました。加えて装備やウェアの進歩・軽量化によってスマートな雪山での滑走が可能となると共にバックカントリースキーの呼称が定着してきました。
スノーキャット(雪上車)
現在のバックカントリースキーの意味する範囲
現在のバックカントリースキーにはゲレンデのオフトレイルであるフロントカントリー、ゲレンデのエレベーターを利用できるゲレンデ場外のスラックカントリー、スラックカントリーの外でシール等も使って行動するサイドカントリーも含まれます。
バックカントリースキーの歴史
スキーは雪山や雪原を歩く為の手段として紀元前8,000年から6,000年前に中国やロシアで既に使われていました。その後スカンジナビアで使われ、バックカントリースキーの歴史的伝説に基づき1932年以来ビルケベイネルのレースが続いています。
バックカントリースキーの歴史的伝説とは
1206年にノルウェー軍のビルケベイネル戦士集団の2名が南北戦争中に2歳の幼児をスキーでドブレ山脈をリレハンメルからオステルダレンまで運びました。この幼児が後にノルウェー王国の最盛期を築いて偉大な王ホーコン・ホーコンソンです。
スキーのスポーツとしての始まり
18世紀になるとノルウェーのテレマーク地方でスポーツへの取り込みが行なわれました。滑降の速度を調整する為に回転技術のテレマークターンとクリスティが考案され、滑降速度を上げる為に構造もこれまでよりも狭くて軽いスキーが開発されました。
スチールエッジの開発
1928年にはオーストリアのザルツブルグでスチールエッジが開発されました。自然にたわむ木材に合わせられるので、スキーは雪山の固い雪上でも確実に斜面を捕らえられる様になりました。初期にはスクリューの脱落の為に予備のエッジが必要でした。
スキー板材の進歩
1970年代以降、スキーの板材に炭素繊維、プラスチック、、セラミックファイバー、ケブラー、ファイバーグラス等の素材が使用されるように成りました。強度だけでは無く、弾力性、減衰力やねじれ性能および高速基材として性能を大きく向上させています。
現在のバックカントリースキー
1990年頃からスキーの形状に革命的な変化が起き、従来よりもはるかに回転が容易になりました。2000年代に入ると深い雪の中でのスキーの操作を一層楽にさせる幅広スキーが普及し、装備の軽量化と相まってバックカントリースキーのブームを起こしています。
バックカントリースキーのアルペン派とテレマーク派
個人的にはテレマークスキーはアルペンスキーが普及する過渡的な技術と理解していました。しかし、愛好家が多く、スキー道具の進化と共にバックカントリースキーではアルペンと対比される程に普及しています。
アルペンとテレマークの比較
急斜面、アイスバーンや高速滑降など雪面を抑える強力なエッジングではアルペンがはるかに勝ります。キックターンや深雪ラッセルでもテレマークの方がビンディングの問題があり、体力を消耗します。その上、テレマークブーツは急斜面のツボ足歩行が不能です。
バックカントリーに初心者に対して
テレマークはバックカントリーで進歩して来たスキーの歴史的に自然なスキーの型式を引き継いでいます。初めてスキーを始める初心者にはお勧めです。すでにゲレンデでアルペンを経験した初心者にはアルペンでのバックカントリースキーがお勧めです。
テレマークスキーの習得
バックカントリーをテレマークスキーで雪山を歩く、登り降りするには目安としては初心者には1シーズンていどのトレーニングは必要です。一般的にはアルペンでバックカントリースキーは初めて慣れた後、テレマークスキーに習得する事がお勧めです。
テレマークスキーの普及
自然の中で雪山を登り、歩くそして滑るための道具が本来のスキーです。その発祥の地ノルウェー語の「自由(フリーエ)」を標語に、進化した道具を利用して様々に雪山を楽しむ活動を札幌に本部を置く日本テレマークスキー協会が普及・振興しています。
バックカントリースキーのウェア
楽しそうに感じられるバックカントリースキーを滑る地域はスキー場に近くても厳然とした雪山です。天気が良く素晴らしい新雪の斜面も一転して天候が悪化すれば遭難もあり得る危険な場所と成ることも想定した服装や装備が必要です(ボーダーも同様)。
アウターシェル
ハードシェルと呼ばれるようなゴアゴアしたアウターシェル(外衣)はバックカントリースキーには不向きで、ソフトシェルの方が向いています。しかし、雨やみぞれや雪に備えて防水性のあるゴアテックのアノラックや保温性のある中衣を必ず携帯しましょう。
オーバーズボン
前の節で触れた様に雪山では重ね着(レイヤリング)が原則です。防水性と保温性のあるオーバーズボンを携帯しましょう。オーバーズボンは軽く、スキーを履いたままで着脱できるサイドジッパーとインナースパッツ付きでポケットのある型式がお勧めです。
中衣(インナーウェア)
中衣(インナーウェア)は上下とも駱駝の下着など濡れても保温背のある毛織物が原則でした。現在は速乾性のある薄くて保温性の優れたフリース製品から上下とも選べます。ソフトシェルの薄手のものを複数枚携帯して中衣として使う方法もお勧めです。
下着(アンダーウェア)
吸湿性の良い綿製品で大体は間に合うと思われます。通気性、水分の発散性、伸縮性さらに速乾性を備えたベースレイヤーが広く市販されているので検討されても良いと思います。雪山の特に厳寒に中で用を足すには自分なりの工夫も必要です。
帽子
帽子は出来るだけ深くかぶれる毛糸の帽子がお勧めです。その他、ゴーグル、ヘルメットやサングラスをするのに邪魔にならず、耳を隠せればどのような型式でも良いでしょう。ただ、毛織の目出帽は予備として必ず携帯してください。
手袋
滑降用の厚手とオーバー手袋の他に予備を携帯しましょう。零下15℃以下の作業でうっかり素手のまま金属を触ると貼りついてしまいます。スキーの調整やシールの着脱等細かい作業する為の5本指の薄手をあらかじめはめて置くことがお勧めです。
雪山用手袋の例
スキー、スノーボード兼用
バックカントリースキーの装備
主な装備はスキーとビンディング、シール、ストック、ザック、地図と磁石(GPSを持って居ても必ず携帯しましょう)、食料などです。雪崩対策として雪崩ビーコン、携帯スコップ、ゾンデ棒、出来れば雪崩エアーバックを携帯しましょう(スノーボーダーもほぼ同様)。
スキー板
バックカントリースキーでは滑降と共に歩く登りを楽しむことも大切です。回転を重視すれば幅広の短い板、エッジングや深雪を重視すれば細く長い板となります。この様に好みによって形や長さ、厚さを選ぶのですが、厚さはセミファトの板がとりあえずお勧めです。
はやりのスキー板
1990年代頃からは先端部とテールの幅を広げて中央部を狭くして回転し易くしたカービングスキーが流行って居ました。現在は雪からの浮力を受け易いように先端部の反りが長したロッカー板が好まれています(語源はロッキングチェア)。
ロッカー板の長所と短所
雪の浮力を受け易いと共に接雪面が少ないのでクルクルと回転し易い。先端が上がりやすいので悪雪に強く、ラッセルも容易です。反面、硬い雪特にアイスバーンに弱く、極太化のため雪面に突き刺して立てることが難しいのが短所です。
バックカントリー用のスキー靴
バックカントリー用のスキー靴は歩きやすいように前傾固定が簡単に外せる構造になっています。靴底は登山靴としての機能を持たせる為にビブラムソールが使われます。ここでも足にフィットする靴選びが一番大切なことを忘れないでください。
バックカントリースキーのビンディング
普通のビンディングとの大きな違いは歩行や登高用の機能が付いています。この為、アルペン用スキー靴でもヒールロックしなければテレマークの様にシールを付けて登ることも可能です。クライミングサポートもあり、急斜面での足首の負担を軽減できます。
バックカントリースキーのシール
昔はアザラシの毛皮を使っていました。アイゼン・ピッケルを含めて自分の体重程のザックを担いだまま深雪でシールを着脱できなければ奥深い雪山には入れませんでした。現在では接着剤を付け、軽くて着脱の容易な合成繊維のシールが使われています。
現在のシール
今ではシールの材料はモヘヤやナイロンが殆どです。そのシールを着脱可能な特殊な接着剤でスキーの底板に貼り付けます。スキーの先端への取り付けフックがあります。スキーテールへの取り付けフックもあった方が剥がれにくいので初心者向きです。
ストック
通常のスキーストックのリングを大きなもの交換すればそのまま使えます。歩きや登高の他に付属品を付け、撮影などを楽しむにための道具にもなります。長さを調節できるストックや2本を繋いで雪崩捜索用のゾンデ棒として使えるものもあります。
アイゼンとピッケル
高山の山頂付近は急斜面でアイスバーンになっており、登高にはスキーを担いでアイゼンとピッケルを使います。アイゼンは8本爪以上であれば相当に効きますが、滑落した場合のピッケルでの制動は胸から何度も血を流す訓練をしてやっと出来る難しい技です。
スキーアイゼンと簡易アイゼン
急斜面のアイスバーンを登る為にビンディングにつける歯状の金具がありますが、使ったことが無いので効果は分かりません。スキーを担いで緩斜面をツボ足で登高する場合や、雪山に入る前の氷結した山道などには6本爪以下の簡易アイゼンは有効です。
ザイルと工具入れ
ザイルはアイゼンを使うようなアイスバーンでは支点の確保とかアンザイレンに使います。但し、アンザイレンは訓練を受けて無ければ、初心者にはむしろ危険です。雪山で装備が破損した場合に備えて、最小限の応急修理用の部品・工具は携帯しましょう。
バックカントリーでのナビゲーション
ナビゲーション(雪山を行動する為の術)には地形、位置、雪面・雪質の把握の他に気象変化の読み等、航海術に近い要素は含まれます。サバンナや沙漠踏破等ではナビゲーションやナビゲーターと云う用語が一般的です。
地形の把握
地形の把握は主に国土地理院発行の2万5千分の1の地図を使います(無い地域でが5万分の1)。先ずは夏山を登って(道がない場合は藪を漕ごう)、実際の地形と地図を見比べ、地図が立体的に見えるまで地形と地図に精通する必要があります。
位置の把握
位置の把握は地図と磁石を使います(GPSを補助的に使うことも有効)。出発点から地形や雪質やパーティの構成から方向と進行速度を把握して常に自分の位置を確認します。ホワイトアウト等でも地形による斜面の傾きの変化で確認は可能です。
雪面・雪質の把握
雪面の傾斜や状態と雪質を把握して、「歩く登高に安全なルート」や「滑降に安全なコース」を決めます。この場合、雪崩への配慮は特に必要です。下りは早いですが登りには時間が掛かるので「滑降する」コースの間違えは、深刻な遭難の原因です。
バックカントリーガイドの活用
自動車の走行制御に使われ程にGPSの精度が上がり、気象や位置・地形もスマホで簡単に知ることの出来る時代は数年以内です。そうであっても実地の雪山でのナビゲーションは精通して無ければできません。初心者は慣れるまではガイドの活用を強く勧めます。
バックカントリーでの安全と雪崩対策
バックカントリーの素晴らしい雪山や新雪を存分に楽しむにはそこに潜む危険を知り、的確に対応しましょう。陥りやすいのはナビゲーションのミスで、次に雪崩との遭遇があります。全て自己責任であることを十分に認識しておきましょう。
バックカントリー安全対策グッズ
ヘルメットは勿論、地図と磁石や修理用品・工具の他にヘッドライト、マッチ、非常食、予備の防寒服、救急医療品を最小限携帯しなければなりません。また、雪崩対策としての雪崩ビーコン、携帯スコップ、ゾンデ棒は必ず持ちましょう。
雪崩を知る
バックカントリーの滑降では薄い表層雪崩を起こしながら滑ることは珍しくはありません。雪山に入れば雪崩は普通に見られるので、どの様な状況でどの様に起きるか知りましょう。一般的には樹木帯では雪崩が起きにくく、尾根の下の裸の雪面では起きやすいと言えます。
雪崩ビーコン、携帯スコップ、ゾンデ棒
バックカントリー「三種の神器」と呼ばれる程、これらの携帯が重要視されています。ビーコンは発信受信両用なので使い方を習熟しましょう。スコップとゾンデ棒(プロープ)も全員の携帯が求められ、軽量化と収納性能が向上した製品が市販されています。
雪崩エアーバック
バックカントリーでの行動では雪崩との遭遇は避けられません。多くはつま先か膝下程度で大きな被害はありませんが、雪崩に巻き込まれた時に膨張する雪崩エアーバックの携帯がお勧めです。雪崩の表面に出るのを助け、空間を作り窒息を防ぎます。
バックカントリーでの遭難や事故
スキー場のゲレンデの外に出てバックカントリーを楽しむスキーヤーやボーダーが増えました。それと共に事故や遭難も急増してきています。自己責任であり、スキー場としては「注意喚起」と「スキー場管理区域外」との看板を出すこと以上はできません。
過熱するバックカントリーブーム
「自然の地形を滑り、景色を各別に堪能できる」との感想が多い。「ひとたび事故が起これば命の危険がある雪山」であることが軽く見られている。これは数年にNHKの特集記事の抜粋で、雪崩で数百メートル流された男性の体験等も掲載しています。
バックカントリーが広がった背景
NHKでは体力の衰えたボーダーが新しい楽しみとしてバックカントリーに向かったと指摘しています。スキーやスノーボードの装備の技術革新や軽量化で新雪や悪雪での滑走が容易になったことも大きな原因です。さらにパウダースノーを求める外国人も増えています。
雪山のリスクを軽視する風潮への危惧
整備されたスキー場では無く、自然の雪山の上を滑りたい。現在では歩く必要はなくケーブルやリフトで簡単にアクセスできる。しかしながら、その裏にある地形、天気、パターン、積雪量等に伴う「雪山の危険」を無視している。山岳遭難防止対策協議会などでは強く危惧しています。
2017シーズンでの事故遭難の記録
突然の亀裂が走り、数百メートルに渡って大量に雪が崩れる雪崩。50センチも埋まれば身動きも息も出来ない恐怖。立木との衝突。帰り道も分からない。2017シーズンでのそんな事故や遭難は、あるスキーヤーの記録では38件で死亡者10名行方不明者45名です。
まとめ
多くの動画がネットで紹介されているようにバックカントリーはエキサイティングで素晴らしい体験です。経験、知識、技量や経験の豊富なバックカントリーガイドを活用して事故や遭難を起こさず、その体験を十二分に堪能しましょう。
ソフトシェル