スズラン(鈴蘭)に毒!?毒性や症状など、注意すべき3つのポイント!

スズラン(鈴蘭)に毒!?毒性や症状など、注意すべき3つのポイント!

かわいらしい白い花、スズラン(鈴蘭)に毒があるのはご存知でしょうか。花の姿とは裏腹に、死亡例もある恐ろしい毒なのです。毒性は、症状は、服用してしまったときの対処法は?スズラン(鈴蘭)の注意すべき3つのポイントの他、安全な楽しみ方までご紹介します!

記事の目次

  1. 1.スズラン(鈴蘭)には毒がある
  2. 2.スズラン(鈴蘭)とは
  3. 3.スズラン(鈴蘭)の毒とは
  4. 4.スズラン(鈴蘭)の毒の抽出
  5. 5.スズラン(鈴蘭)の毒の事故
  6. 6.スズラン(鈴蘭)の毒を摂取してしまったら
  7. 7.スズラン(鈴蘭)の取り扱い注意3つ
  8. 8.スズラン(鈴蘭)の毒をモグラよけに利用しよう
  9. 9.それでも、スズラン(鈴蘭)を愛でたい!
  10. 10.愛されている花、スズラン(鈴蘭)
  11. 11.おわりに

スズラン(鈴蘭)には毒がある

かわいらしいスズラン(鈴蘭)。その清楚な見た目と裏腹に、毒があるのはご存知でしょうか。実は、死亡例もある大変強い毒草なのです。 一体どのような毒で、楽しむにあたってはどのようなことを注意したらいいのでしょうか?ご説明していきますね!

スズラン(鈴蘭)とは

科名・学名

キジカクシ科スズラン亜科スズラン属 学名:Convallaria majalis 日本に自生しているものは学名:C. m. var. keiskei(君影草) 園芸でよく栽培されているのは学名:C. m. var. majalis(ドイツスズラン)

花名

和名:鈴蘭(すずらん)、君影草(きみかげそう)、谷間の姫百合(たにまのひめゆり) 英名:Lily of the valley(谷間の百合)、May bells(5月の鈴)、Our Lady's tears(私たちの貴婦人の涙)、Mary's tears(聖母マリアの涙)

原産地

ヨーロッパ、東アジア、北アジア

特徴

4~5月に咲く、多年草。 草丈は15~20cm。 花の形状は釣鐘状。 日本に自生するものは本州中部以北、東北、北海道の高地に分布し、山野草として取り扱われます。 園芸品種としてよく流通しているのはヨーロッパ原産のドイツスズランで、葉と花が同じ高さで開花し、強い芳香があります。白、ピンクなどが流通していますね。

スズラン(鈴蘭)の毒とは

毒の含有部位

なんと、スズランの毒は全草に含まれているのです! なかでも、花と根に多く含まれています。

毒性と致死量

強心作用をもつコンバラトキシン、コンバラマリン、コンバロシドなどが含まれています。 摂取して引き起こされる症状は、嘔吐、頭痛、めまい、血圧低下、心臓麻痺など。ほとんどの症状は1時間以内に発症します。最悪の場合は死に至ることもある恐ろしい毒です。 強心作用とは心筋の収縮力を高める薬理効果ですが、スズランは薬効を期待できる量と致死量が近いので、ほとんど用いられません。 致死量は、体重1kgあたり0.3mgで、青酸カリの約15倍の強さがあります。 体重50kgの人ならば15mg、5歳の子供17kgなら5.1mg、猫3kgならばたったの0.9mgでも致死量となってしまうのです!

スズラン(鈴蘭)の毒の抽出

スズランの毒の抽出は大変簡単で、スズランを水に生けておくだけでできてしまいます。 コンバラトキシンは水1Lに対して500mgの水溶性があるのです。

スズラン(鈴蘭)の毒の事故

日本においては、大変おいしい野草ギョウジャニンニクと若芽の形が良く似ているので、間違って食べて中毒症状を訴える人が出ています。加熱しても毒は残留します。 旧西ドイツでは、3歳の女の子が死亡しています。スズランを生けていた花瓶の水を間違って飲んでしまったのです。 北米では、ズズランの赤い実を食べた子供の死亡事例が毎年報告されています。

スズラン(鈴蘭)の毒を摂取してしまったら

もしもスズランの毒を摂取してしまったら、どうしたらいいのでしょう。

(1)119番に通報します。

救急車が到着するまで、以下の応急処置を行いましょう。

(2)食べた物を吐き出す。

食べ残し(あれば)、吐しゃ物は袋に入れて持って行きます。病院で毒の特定をしやすくなり、治療の助けになります。吐きにくいときは、0.9%の塩水(生理食塩水。水1Lに対し塩9g)を飲めば吐きやすくなります。

(3)水分を補給する。

水分を補給し、体内の毒の濃度を薄めます。 緑茶が効果的です。胃腸の粘膜を保護してくれるタンニンを含むからです。果汁や牛乳も効果的で、塩を一つまみ入れると下痢や嘔吐で減少したナトリウムを補給できます。

スズラン(鈴蘭)の取り扱い注意3つ

以上をふまえると、スズランを取り扱いには次の注意が必要です。

(1)幼児、ペットのいる家庭には持ち込まない

幼児もペットも体重が少ないため、ほんのわずかの量を口にするだけでもすぐに致死量となってしまいます。猫のように、葉をかじる習性がある場合もあります。犬が庭の土を掘り返す癖がある場合も、危険です。 家庭に持ち込まないか、手の届かない場所に置きましょう。

(2)スズランを生ける器と水に注意する

スズランの毒は簡単に水に溶出してしまいます。 日常の飲み物用のコップや水差し等に生けておくなど、紛らわしいことは避けましょう。また、日本の伝統的な花器は平たい水盤形です。犬や猫などが飲み水として飲んでしまうことがあります。 口のすぼまった花瓶が、誤飲予防には最適です。 生けたあとの水も、その場ですぐに捨てましょう。その際も、水が飛び散って他の食器にかからないように注意しましょう。

(3)扱ったあとは手を洗う

当たり前かつ簡単ですが、とても大切なことですね。 スズランは地下茎で増えますので、地植えすると根止めするために掘り返し、根や、浸出液に触れる機会があります。

スズラン(鈴蘭)の毒をモグラよけに利用しよう

田んぼのあぜ道などに、ヒガンバナが植えてあるのを見かけることはありませんか?ヒガンバナも球根に毒を持つ草で、モグラが穴をあけてしまうのを防ぐために植えてあるのです。 全草に毒のあるスズランも、同様に使うことができます。ガーデンのモグラ被害に悩んでいるなら、スズランの毒を味方につけてみてはいかがでしょうか。花も楽しめて、一石二鳥です。

それでも、スズラン(鈴蘭)を愛でたい!

と、ここまでスズランの恐ろしい毒性についてご説明してきましたが、スズランは、とてもとても愛らしい花です。筆者の家にも、猫と幼児がいますが、家庭内でも愛でたい・・・! そんな方への、楽しみ方、愛で方をご提案します。

スズランのハーバリウム

出典: https://www.creema.jp/item/3679343/detail

今注目のハーバリウムはいかがですか? ガラス瓶にプリザ―ブドフラワーやドライフラワーを入れ、オイルに浸して植物標本のように楽しむのがハーバリウムです。 気軽に、長期間、どこにでも飾ることができますし、密封されているのでペットがいても安心です。

スズランのプリザーブドフラワー

出典: http://www.jamming-shop.net/preservedflower/pf162/index.html

もちろんプリザーブドフラワーも美しいですね。 このように、ケース入りならば安心です。 スズランは、結婚式のブーケなどに使われる人気の花です。特別なセレモニーの思い出を、こうしていつまでも飾っていられたら素敵ですね!

スズランのドライフラワー

ドライフラワーも、また違った魅力があります。 やはり瓶詰めにして密封しましょう。 ハーバリウムやプリザーブドフラワーと違って、劣化していきますが、それもまた魅力です。

スズランの香りを楽しむ

スズランの香りは、香水や石鹸としても愛されています。フランス語のmuget(ミュゲ)という名に聞き覚えはありませんか? 実は「スズランの香り」は全て合成香料です。 スズランの花から抽出した天然精油は、スズランが毒草であるだけではなく、生花の香りからは全くかけ離れた香りがするため、利用されていませんのでご安心を。 一口に「スズランの香り」といっても、石鹸系の香り、植物の香り、甘い香り、レモンの香りと千差万別、どのメーカーもボトルの美しさまで競っています。 「ヤードレーロンドン リリーオブザバレー」はクリーンな石鹸系でシャキッとした凛々しいスズランの香りです。

出典: https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B5%E3%83%9C%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%82%A4%E3%83%A6-200%EF%BD%87-%E3%82%B9%E3%82%BA%E3%83%A9%E3%83%B3/dp/B007CU6X1Q

こちらはサボン・ド・マルセイユのスズランの香りの石鹸です。 上品で清楚、まさにスズランの花の香りがします。強すぎる香りではないので、プレゼントにもしやすいですよ。

愛されている花、スズラン(鈴蘭)

最後に、愛されている花としての「スズラン」をご紹介します。 スズランの花言葉は「再び幸せが訪れる」「純粋」「純潔」「謙遜」です。英語では聖母マリアの涙とも言われ、花嫁のブーケ、結婚式のテーブルセッティングにもよく使われます。 フランスでは、5/1は「スズランの日」です。愛する人やお世話になっている人にスズランを贈る習慣があり、19世紀の王シャルル9世が始めて以来、この日の前後にはフランスはスズランであふれかえることになります。

おわりに

いかがでしたか? スズランは全草に恐ろしい毒のある植物で、死亡例さえあり、抽出も非常に簡単でした。私たちの生活から遠ざける、それだけでいいのでしょうか? 私たちの愛する植物たちの中には、毒のあるものは決して少なくありません。アジサイ、チューリップ、ユリ、子供が小学校でよく育てるアサガオにまで毒は含まれているのです。 食卓に上がることの多いジャガイモ、トマトにも部位によって毒が含まれています。 そう、正しい知識をもっていれば、毒を過度に恐れることはないのです。 皆様の暮らしが一層豊かになりますように!

夏野のばら
ライター

夏野のばら

庭の改造に躍起になっています。ほとんど土木工事です。 屋内では、猫、金魚、めだか、どじょう、えび。時々編み物。


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