サクラソウとは
サクラソウは可憐で小さな花を光に向けて広げる、とてもかわいらしい花です。 ひとつの茎からたくさんの花が出ており、そのどれもが「私を見て」とあなたにささやきかけているような健気さすら感じることでしょう。 まずは、サクラソウの基礎知識として科名や学名、花の名前の由来を見ていきましょう。
科名
サクラソウの花が属するのはサクラソウ科サクラソウ属です。 その数は世界中で1,000種を越えるほど。 豊富な種類を持つ植物の一種となっています。
学名
サクラソウの学名は英語で「Primula sieboldi」となっています。 Primulaという名前が示すとおり、プリムラとして花屋で販売されているものも同じサクラソウ科の植物です。 sieboldiとはドイツの博物学者シーボルトに由来しています。
花名由来
サクラソウの名前は、その名が示すとおり桜に似た花をつけることから付けられました。 現在はカタカナで「サクラソウ」または「さくら草」と書くことが多いですが、古くは「桜草」という表記も多く使われていました。
サクラソウの花言葉・開花時期
花言葉:初恋
サクラソウのには非常に多くの花言葉が伝えられており 「神秘な心」「勝利の寛容」「自力の強み」 「初恋」「憧れ」「純潔」 「青春のはじまりと悲しみ」「早熟と非哀」「運命を拓く」 などがあげられます。 これらの花言葉の由来は、サクラソウが咲く時期やその開花期間などから付けられています。
由来
サクラソウは春先のあまり長くない時期に花を咲かせます。このことから、まだ春の早い時期に咲く儚い花というところから連想され「初恋」などの花言葉が作られたといわれています。
開花時期
サクラソウの旬は春。開花時期は4月~5月となっています。
サクラソウの育て方・栽培方法
サクラソウを実際に育ててみたいと思った方のために、ここではサクラソウの栽培方法をご紹介します。 サクラソウの栽培難易度や種まきや株分けの時期などを見ていきましょう。
難易度
サクラソウの花の栽培難易度は5段階(数字が大きいほど難易度が高い)で2程度の簡単な部類に入ります。水やりをずっと忘れていたり冬の間の株の上にうっかり物を置いたまま春先まで放置してしまったなどということがない限り、しばらく放置していても春にはかわいい花を咲かせてくれるでしょう。 お手入れが簡単なことから公園などの植え込みの花としてもサクラソウが使われることもあります。
サクラソウを増やす時期
サクラソウを増やすにはふたつの方法があり、その時期も少しずつ違ってきます。一番ポピュラーなサクラソウの増やし方は株分けで、10月から2月の植え替えの時期に一緒に行われます。 古く黒くなっている根茎を取ると自然と株がいくつかに分かれますので、それぞれを鉢や庭に直接植え替えていきます。 もうひとつの方法は種まきで、サクラソウが花をつけたあと花殻を取り除かず種をつけるまでおいておきます。タネが取れる時期は5月から6月、そのまま蒔くと発芽は来春、花が咲く株に成長するまでは2年かかります。 ジベレリン溶液を50ppmにしてティッシュペーパーなどに浸し、その上に種を置き発芽させてから植えることで翌年に花を咲かせる株に育てることも可能です。
サクラソウの特徴
サクラソウは種でも増えていく多年草で、高原などの湿気のある土地を好む植物です。自然界で自生するサクラソウも少数であはありますが見ることができるでしょう。 株の中央から1本の茎が伸び、その先に小さな花をたくさん開花させます。しかし、その色数は白から紫までの変化のみであまり豊富とは言い難いです。 日本では江戸時代から野生のサクラソウを元にした品種改良が盛んに行われており、その数は日本にある数だけでも300種を超えるといわれています。
サクラソウの品種・原種
サクラソウの品種は非常に多く、サクラソウだけでなくプリムラもサクラソウの仲間として販売されていることもあります。 しかし、中にはサクラソウにアレルギーがある人が触れるとかぶれてしまう品種もあります。西洋サクラソウの一種である「プリムラ・オブコニカ」がその花です。 皮膚が弱くアレルギーの心配がある人は、この花を自宅に置くのは避けた方がよいでしょう。 このほか、サクラソウモドキ(桜草擬)と呼ばれるサクラソウに良く似た首を垂れた姿をしたサクラソウ科の植物もあります。
原産地
サクラソウの原産地は、シベリア東部から中国東北部にかけての地域です。 そのほか、朝鮮半島や日本でも野生のサクラソウを見かけることがあります。
分布域
サクラソウは日本では北海道から本州、九州にまで広く分布している植物です。耐寒性が強い植物なので、シベリアなどの寒い地方にも分布し、朝鮮半島など北半球で見ることができます。
サクラソウのその他おすすめ情報
サクラソウは埼玉県と大阪府の県花(府花)に指定されています。 特に埼玉県さいたま市桜区の田島ヶ原サクラソウ自生地はサクラソウの自生地として有名です。 国の特別天然記念物にも指定されていて、埼玉県の郷土かるたにもサクラソウが出てきます。
まとめ
サクラソウは栽培難易度も低く寒さにも強い丈夫な花です。株分けでも簡単に増やすことができますので、自分で育てたサクラソウの鉢植えをプレゼントしたり、寄せ植えなどに思い切り使用するなど利用価値の高い花といえるでしょう。 埼玉には広大なサクラソウの自生する公園もありますので、サクラソウ好きな方はぜひ一度足を運んでみるのもよいでしょう。 春の訪れを知らせてくれるサクラソウを、あなたの春の窓辺にぜひ飾って楽しんでみてはいかがでしょうか。



