イワダレソウとは
科名
イワダレソウの科名はクマツヅラ科です。
学名
イワダレソウの学名はPhyla nodifloraです。
花名由来
イワダレソウは繁殖力が大変強く、海岸などの岩肌でも生育することができます。そこから岩の上で育って垂れ下がっているようにみえることからイワダレソウ(岩垂草)とつけられました。
イワダレソウ/品種・原種
原産地
イワダレソウの原産地は日本や亜熱帯各地です。
分布域
イワダレソウは世界中の熱帯、亜熱帯に分布しています。 日本にも分布していますが特に本州南部から南西諸島にかけてよく広がっています。繁殖力の強さから海岸までしっかり生育します。 イワダレソウはアメリカにも帰化しています。
イワダレソウ/花言葉・開花時期
花言葉
イワダレソウの花言葉は忍ぶ恋です。 同種のヒメイワダレソウは、絆、私のことを思ってください、誠実という花言葉が有ります。
由来
花言葉の由来は岩のような過酷な生育場にしっかりと根を張って、可愛らしい花を咲かせることから忍耐があるということを連想させ忍ぶ恋という花言葉ができました。 誠実は夏のような暑い季節でも可憐な花をたくさん咲かせることから誠実という花言葉が由来されています。
開花時期
イワダレソウの開花時期は4~11月です。
イワダレソウ/特徴
イワダレソウの外観
イワダレソウは海岸の砂場が好きな植物なため、茎がつるのように分枝して長く伸びていきます。 そしてそのつるにある節から根を出して増えていきます。 葉のわきから10~20cm程の花茎を伸ばして円柱形の花を咲かせます。花の色は始めは白色です、次第に薄い紫色になっていきます。 葉は肉質で、乾燥地帯に見られるように水分を蓄えるような機構が見られます。
強力なグランドカバー
イワダレソウは大変強力で、耐暑耐寒性に優れている繁殖力が芝生の約10倍というもの。現在砂漠の緑化を目指す実験にも使われいるほど強力です。 日本に自生しているという事もあり、庭の外観を壊すことなく成長してくれます。また花を咲かせ、背丈は芝生程なので他の花の魅力を邪魔しません。 踏圧耐性という性質も備わっていて、踏まれても大丈夫なことから芝生のような扱いに適しています。
イワダレソウ/育て方・栽培方法
難易度
イワダレソウは初心者の方でも簡単に育てることができます。 広がりすぎて困っても、後処理は簡単にできるので安心して挑戦してみましょう。
植え付け
イワダレソウの植え付け時期は4~7月が適期です。 寒い地方にお住まいの方は適期に植え付けを行いましょう。暖かい地域では2月~秋頃にまでずらしても大丈夫ですよ。 イワダレソウは匍匐性なので、横に広がっていきます。 この性質を頭に入れながら平らな地面に浅く植えていくと綺麗に広がっていきます。植え付け間隔は100平米に4つがいいでしょう。 鉢植えで植える場合は、浅めの丸型ポットを使うと綺麗に育ちますよ。
種まき
厳寒、猛暑以外ならいつ撒いても大丈夫です。 25度前後がイワダレソウの生育適温になるので初夏と秋にまくと成長しやすいのでおすすめですよ。 外来種のヒメイワダレソウは極稀に種をつけます。その種を土に撒き、水やりをしていると自然に成長してくれますよ。 雑草抜きをしっかり行っておくとイワダレソウがきれいに広がるのでオススメです。
水やり
庭植えの場合は水やりは基本的に必要ありません。 イワダレソウは葉の作り上、水をためこむようにサボテンのような多肉植物の肉感があるためです。 鉢で管理している場合、夏の乾燥が激しい時のみ朝夕の2回与えるといいでしょう。 冬は与えなくても大丈夫で、気が向いた時に少し与える位が丁度いいです。
肥料
かなりやせすぎた土地でない限り肥料を与えなくても大丈夫です。海岸のような砂地が多いような環境がもともと好きな植物で、イワダレソウはグランドカバーとして利用されていることもあり、ほとんどの環境で生育してくれます。 鉢植えでまれに生育が悪くなることがありますが、その時はイワダレソウの状態を見てから緩効性の肥料を与えましょう。
剪定
イワダレソウには必要ありませんが、庭で広がりすぎていたり感染症にかかってそうな部位を見つけたらスコップで任意の部位を掘り返しましょう。 病気にかかっている部位を掘り返す場合は、感染部位よりすこし大きめに掘り返すとよいでしょう。 感染の拡大の防止につながります。
増やし方
株分けが一番簡単に増やすことができます。 イワダレソウの株分け適期は真冬以外はいつでもできるという魅力があります。そして、とても丈夫で握りこぶしの半分ほどの大きさに切って植えるだけで増えていきます。 イワダレソウは移植にも強いので庭の違う場所に植える予定がある時は鉢に移しておいて、後で植えなおしても大丈夫です。
場所
日当たりのいいところで管理するほうがよく育ちます。イワダレソウは半日陰でも成長し、3時間しか日があたらないところでも育つという性質もあります。 鉢植えで管理する場合は大丈夫ですが、庭植えで管理する際は芝生として起用するか、周りに他の植物を植えたいスペースがないか確認してから植えましょう。繁殖力が強いため他の植物が植えられなくなるほど成長するからです。
挿し木
イワダレソウは挿し木は不向きです。 株分けによって簡単に増やすことができますよ。
寄せ植え
イワダレソウの繁殖力が強いので寄せ植えには不向きです。 他の植物を駆逐する勢いで生育するので、鉢をまとめて管理している場合は侵食されないように、庭植えは広がりすぎないように注意しましょう。
植え替え
鉢植えで管理している場合は、株分けを兼ねて1年に1度行います。鉢の茂り具合を見て判断するとよいでしょう。 庭植えの場合はしなくて大丈夫です。 行うとしたら庭の様子を見て、自分の広げたいスペースまで達したかどうかで判断して植え替えを行うと良いでしょう。 庭から掘り上げた株は鉢植えに入れるか、可燃物として処理しましょう。
イワダレソウ/その他おすすめ情報
手入れがほぼいらない防虫草
手入れがほとんどかからない上に、イワダレソウがもつ繁殖力の強さによって害虫の餌になる植物を育てさせなくするためイワダレソウが防虫層になります。 また安心なことに、イワダレソウは花を咲かせても実を結ぶことがないので虫が寄ってきません。
病気の対策
イワダレソウが注意するべき病気は白絹病です。 名前は可憐なのですが、症状は枯れ葉のように葉を変色させます。そして回復することはないので、見つけ次第すぐにスコップで掘り返して除去しましょう。放っていくと尋常な速さで拡大感染していきます。 感染症の菌なので、園芸用の殺菌剤を1000倍ほどに薄めて散布すると予防と拡大防止になるのでオススメですよ。
生育旺盛といっても適温がある
耐寒性と耐暑性ともに優れるイワダレソウですが、マイナス5度以下になると弱ってきます。 適温は約15~35度で、15度以下になってくると休眠期に入ります。
気をつけておくこと
イワダレソウの繁殖力は芝生の10倍にもなります。 その為外来種のイワダレソウは日本の生態系を脅かすものとして危険視されています。 イワダレソウは数百種類ありますが日本で販売を推奨しているのがクラピアとイワダレソウです。クラピアという品種は改正種苗法に登録されているので扱いに注意が必要です。家庭外で楽しむ(販売の為の増殖、栽培など)は違法になります。 イワダレソウが邪魔になった時は庭植えの場合、除草剤を撒きましょう。イワダレソウは簡単に枯れます。 鉢で管理している場合は土を落として、可燃物として捨てるといいでしょう。
まとめ
イワダレソウは花もきれいでしっかりと庭を守ってくれるグランドカバーです。是非育ててみてくださいね。