アカニシ貝の分類
吸腔目アクキガイ科
アカニシ貝は吸腔目アクキガイ科に属しています。 アカニシ貝の科名になっているアクキガイは別名アッキガイとも呼ばれています。漢字で書くと『悪鬼貝』です。 なにやら恐ろしい漢字ですが名前に負けず劣らず見た目も恐ろしい形をしています。 通常の貝にトゲトゲが生えているような貝殻を持っており初めて見られる方は驚かれる方も多いと思います。
アカニシ貝の外国名
Top shell Rock shell Rapa whelk
アカニシ貝の外国名はTop shell Rock shell Rapa whelkといいます。 Topshellは『サザエ』という意味を持っています。Rapa shelkが『アカニシ貝』という意味です。
アカニシ貝の学名
Rapana venosa
アカニシ貝の学名はRapana venosaといいます。 venosaにはイタリア語で『静脈』という意味があります。またイタリアの地名にも同じ名前の自治体があるそうです。
アカニシ貝の由来
身の色から名づけられた
アカニシ貝の多くは貝の入り口がオレンジ色に近い色をしています。このことからアカニシ貝という名がついたと言われています。 アカニシ貝は地域によってはニシと呼ばれることがあります。
アカニシ貝の生息地域
日本各地で見られる
アカニシ貝は北海道から九州まで日本各地で採られているそうです。 また中国などでも採られていて非常に広範囲に生息していることが分かります。 また採られる地域によって味の違いがあるそうです。
アカニシ貝の生態
肉食性
アカニシ貝は肉食性の貝です。 肉食性の貝は他にダイオウイトマキボラなどがいますがダイオウイトマキボラが最大で70cmを超える超大型の貝なのに対してアカニシ貝は10~15cmほどです。 アカニシ貝は養殖されているカキなどを食べてしまうことがあるそうで養殖業を営んでいる方々の間ではあまり嬉しくない存在のようです。
アカニシ貝の特徴
殻の入り口が鮮やかなオレンジ色
アカニシ貝の殻の淵は鮮やかなオレンジ色をしています。この特徴は名前の由来にもなっているようです。 殻の外側の色は深い茶色をしており横方向に筋のような模様が走っています。個体によってはオレンジ色に近い殻の色をもつ場合もあるそうです。 貝殻の大きさは最大で15cmを超える個体も存在しています。 自慢の貝殻は非常に硬く簡単に割れることはありません。
アカニシ貝の取り方
潮干狩り
アカニシ貝は基本的に潮干狩りで採られることが多いそうです。 潮干狩りはその名の通り潮が引いた浅瀬へ向かい専用の道具を使って砂の中に潜む貝などを採取することです。 潮干狩りといえば同時にアサリなども採れるので食卓もにぎわいそうです。
潮干狩りの時期
潮干狩りは暖かい時期がベストシーズンになります。具体的には4月~9月くらいまでになるでしょう。 実は潮干狩り自体は1年中楽しむことが出来ます。しかし気温と水温の低下で動きづらかったり体調を悪くしてしまうことがあるので暖かな時期に行くのがいいと思われます。
潮干狩りの持ち物
潮干狩りをするにあたって持っていくものがあります。 まずは帽子です。強い日差しが直撃することになるので熱中症の予防に必ず持っていくようにしましょう。 次に鉄製の熊手です。これで砂の中の貝を掘って採ることになります。 採った貝を入れる容器も持って行きましょう。また水分補給のためのスポーツドリンクや軽食なども持って行くようにしましょう。
潮干狩りの注意点
家族や友達と気軽に楽しめるので非常におすすめですが注意点もあります。 ぬかるんだ泥地を進むので足腰に負担がきます。またずっと同じ体勢をとることになるので体力的にもキツいことがあります。しっかりと休憩を挟みながら行動するようにしましょう。 また普段海に行かれることが少ない方は潮の満ちるスピードに気づかずに思わぬ事故になる可能性があります。 大人なら落ち着いて対処できますがお子さんの場合はパニックになることもあります。念のためお子さんをお連れの場合はライフジャケットなどの着用をおすすめします。
裸足での移動は危険
またガラス片などが砂に混入していることもあるので裸足での移動は避けましょう。 最後に危険な生物についての注意点です。浅瀬にはアカエイが生息しています。 基本的にアカエイのほうから攻撃をすることはないと言われていますが万が一アカエイから刺された場合とてつもない激痛が体を襲うことになります。もしも刺されてしまったらすぐに救急車を呼び病院へ行ってください。
アカニシ貝の味
サザエに似て美味
アカニシ貝の見た目はサザエに似ています。味も同じようにサザエに近いようです。 また火を通しても硬くなったり食べづらくなることは無くとても美味しいという話をよく聞きます。
大きさはサザエと同じくらいですが、味も似たような味で非常に美味しい!
食べる人によってはサザエよりアカニシ貝のほうが好きという方もいるそうです。
アカニシ貝の選び方
生きている貝を選ぶ
アカニシ貝を鮮魚店などで購入する場合に気をつけることは死んでいるアカニシ貝を選ばないということです。 生きている貝は刺激を受けると身を伸縮します。また体液が漏れ出てしまっているものなどは選ばないほうがいいと思われます。
アカニシ貝の栄養
高たんぱく低脂質
アカニシ貝は高たんぱく低脂質の食材です。 たんぱく質と言うとよく聞く単語ですが実は凄く大事な栄養素です。 人間が生命を維持するために必要ないくつかの要素の中でも特に大切なものになります。 主な効果は細胞の再生、筋肉や血液の再生になります。また美肌効果もあるそうです。
ビタミンB12
アカニシ貝にはビタミンB12が豊富に含まれています。 ビタミンB12は細胞の修復や神経系を正常に保つ作用があります。 また血液成分の生成に関わっており貧血の防止にも繋がっているそうです。
アカニシ貝の料理
刺身
アカニシ貝を楽しむ料理の中で刺身は外せません。 アカニシ貝は噛み応えのあるしっかりとした食感で噛むたびに豊かな海の香りが口に広がるそうです。 貝殻の淵のオレンジ色と身の白さが非常に美しく見事な調和を生み出すので貝殻に刺身を盛り付けると見た目も楽しめる一品になると思います。
煮物
アカニシ貝の旨みは出汁としても最高の旨みを出します。 過度に主張しない上品な旨みを持っているので様々な料理に合うと思います。
アカニシ貝の調理方法
捌く手順
アカニシ貝を捌くにはまず貝と身の結合部分を切り離さなければいけません。 貝にアイスピックのようなもので穴を開けて身の結合部分を取り外します。貝に穴を開けたあと身を動かして引き抜いてもいいでしょう。貝殻を利用しない場合はハンマーなどで叩き割ってもいいと思います。 取り外した身は内臓を切り離し水洗いしましょう。また唾液腺と呼ばれる部分は確実に取り除いてください。もしこの唾液腺を取り除かずに食してしまった場合食中毒を引き起こす場合があります。 アカニシ貝の捌き方は魚と違って普段目にすることも少ないと思います。 また少しコツも必要で慣れるまでは難しく感じるかもしれません。
アカニシ貝の毒について
テトラミン
なにやら恐ろしい見出しになっていまいましたが知識として必要なものなので記述します。 アカニシ貝をはじめいくつかの貝にはテトラミンという毒を持っている種類がいます。 このテトラミンという毒は唾液腺と呼ばれる部分に含まれており唾液腺を取り除くことで食虫毒を防ぐことが可能です。 テトラミンという毒は加熱しても失われることはなく食べてしまうと激しい頭痛に始まり視覚障害など様々な症状を引き起こしてしまいます。更に唾液腺を取り除かないまま加熱してしまうと煮汁などにテトラミンが流出してしまうことがあるそうなので取り除くのを忘れたまま調理してしまった場合食べずに捨てたほうがいいと思います。 厚生労働省の調べによると2003~2016年までで104名の方が発症していますが死亡者は0人です。 もし食べてしまった場合はすぐに病院に向かいましょう。正しい治療を行えば数時間程度で症状は治まるそうです。