砂漠のバラと呼ばれるアデニウムの特徴と育て方をご紹介
アデニウムとは?
アデニウムは、東アフリカやアラビア南部原産で、キョウチクトウ科の可憐で華やかで、美しい花を咲かせる、「砂漠のバラ」と呼ばれる多肉植物で、塊根植物です。草丈は50㎝程度ですが、原産地では5mもの大きさに生長し、庭園樹に利用されます。耐寒性は弱いですが、砂漠の中で育つ花で、暑さや乾燥には強いです。 花の色は、赤や白、ピンクなどの光沢のある美しい花を咲かせ、樹形も、花も素敵な多肉植物で、「砂漠のバラ」とも呼ばれています。樹形は、木の基部が膨らんだとても面白いフォルムで、枝の先から伸びた葉など姿が特徴的です。鉢花は2月~11月頃にホームセンターや園芸店で売られています。乾燥にも強いので、室内でも育て方を知れば意外に簡単に楽しめます。
砂漠のバラと呼ばれるのは?
観葉植物アデニウムは「砂漠のバラ」とも呼ばれていますが、どこからその名前が付けられたのでしょうか?アデニウムには体内に水を蓄える仕組みがあります。雨が少なく乾燥した砂漠に自生しているアデニウムですが、どっしりした株元と、枝の先端に可憐で美しい花が咲く様子がとてもユーモラスです。 乾燥した大地に薔薇のように鮮やかで美しい花を咲かせる所から、砂漠のバラと呼ばれることになったのでしょう。
アデニウムの品種・原種
アデニウム・オベスム
レア度★★☆☆☆ 東アフリカのケニアや、タンザニアからジンバブエに分布しており、乾燥した土地を好み、肥大した茎の高さは1.5m~2m位まぜにもなる多肉植物です。短い枝を沢山だし、葉は楕円形で、枝の先に固まって付きます。英名は「デザートローズ」と呼ばれていますが、その名の通り鮮やかな薔薇色の花を咲かせます。 アデニウムと言う名前は、アデニウムの一種がイエメンのアデンに自生していることに由来しています。オベスムとは肥大したと言う意味で茎や幹の姿から来ています。
アデニウム・アラビカム
レア度★★★☆☆ アラビア半島原産で、インパクトのある樹形は、ボールや壺のような球状の塊茎から上に向かって枝が伸び、つややかな葉が付き、夏には鮮やかな赤い花を咲かせます。樹形の面白さと、美しい花の両方を楽しめる種です。乾燥や暑さに強く日差しを好みますが、寒さには弱いです。
アデニウム・タイ・ソコトラム
レア度★★★☆☆ ソコトラムの血統にオベスムやアラビカムなどの品種を加えた交配種です。交配種独特の強い個体で、形も様々あります。
アデニウム ・ソマレンセ
レア度★★★★☆ ソマリアやケニアなどの地域の原産で、シュッとした葉に主幹が伸びるのが特徴です。
アデニウム・ソコトラナム
レア度★★★★★ 「アデニウム・ソコトラム」はアゼニウム属の王様です。イエメンの神秘の島、ソコトラ島にのみ自生しています。ピンクの小さな花がたくさん咲き、大株に育ったアデニウム・ソコトラムが満開になった時の美しさは格別です。
アデニウムの毒性について
アデニウムは、キョウチクトウ科の植物ですが、キョウチクトウ科の植物にはアルカロイド、ウアバインまたは強心配糖体を含む有毒植物です。しかし、大量に服用しなければ問題はありません。剪定や手入れをする際に、手に樹液が付いた場合などはしっかりと洗い流して下さい。
アデニウムを鉢植えで買う場合の選び方
可能な限り園芸店などで、植物の状態を見ながら選ぶことをおすすめします。葉の色が綺麗で元気な、根元が安定している物をを選んで下さい。言うまでもありませんが害虫が付いていない物を選んで下さい。
アデニウムを種から植え付ける育て方
種はネット通販などで購入する事が出来ますが、秋から冬の期間は流通が少なく、値段も高くなりますので、春から夏の期間に購入することをおすすめします。購入後は冷蔵庫で1~2週間程(種が濡れないようにビニールバックや密閉ビンにいれて)保存して下さい。冷蔵庫で保存することによって種の品質が長持ちし、植えた時の発芽率も高くなります。 アデニウムの種はタンポポの種のように風に乗って飛んでいく増やし方など、過酷な環境を生き抜く知恵を持った植物です。
種を植える為の用土
用土は排水性と保水性のある土を使って下さい。赤玉土(中粒)3:鹿沼土3:腐葉土4を配合した用土を使うのがおすすめです。ただ、自分で用土を配合するのが難しいという方は、多肉植物、市販のサボテン用の培養土を用土として下さい。 庭の土をそのまま用土として使うのは、病虫害が潜んでいる場合がありますので、庭の土を用土として使用するのはお勧めできません。
アデニウムの種を蒔いての育て方
種は冷蔵庫から取り出し常温に戻したら、種を水に浸して下さい。種を丸1日浸すと水を吸い込み大きく膨らみます。 アデニウムの種まきの時期は、4月~8月の気温の高い時期に行って下さい。気温が低いと発芽しにくくなります。水はけと水持ちが良い用土に、元肥として暖効性肥料を施してから、種が重ならないように蒔いて、覆土はしないで下さい。種を流さないように気を付けて水やりをし、日陰で管理しましょう。 早ければ1週間位で芽が出てきます。発芽後は、乾燥に気を付けて下さい。ある程度育ったら、鉢に植え替えていきます。アデニウムを種から育てた場合は、花が咲くまでに3年位かかります。
アデニウムの管理・育て方
アデニウムを管理する場所として、日の当たる温かい場所に置いて育てて下さい。環境が合えば次々に新芽が出て、株元の膨らみも大きくなります。冬の寒さは苦手なので、部屋に置く場合は最低でも10℃以上の環境が必要となります。 しかし、いくら温かくてもエアコンの風が直接当たる場所は避けて下さい。また冬の冷え込む夜などは、窓際は温度が低くなりますので、寒さ対策に気を付けて下さい。夏場は、直射日光に当てると太い幹に育ち、5月~7月には綺麗な花がさきます。
アデニウムの夏場の育て方
アデニウムの夏場の水やりは、涼しい朝方または、夕方の時間帯にして下さい。室内に置いている場合は、水やりをした場合には、蒸れないようにするために、風通しを良くすることが必要です。
アデニウムの冬場の育て方
冬、アデニウムは寒さには弱いので、室内の窓際など日当たりのいい場所で管理しましょう。部屋の最低温度を10℃以上に保つようにして下さい。たとえ室内に置いていても0℃以下になると冬越しが難しくなります。アデニウムは休眠期になりますので、休眠期の水やりは腐る原因になりますので、水は与えないで下さい。しかし、暖房などで部屋の温度が高くなる場合は、土の表面が乾いたら水やりをして下さい。
★アデニウムの育て方・日常管理
アデニウムの水やり
砂漠地帯が原産のアデニウムなので、乾燥気味な用土を好みます。むしろ水のやり過ぎに注意が必要です。生育期の5月~9月までは、土の表面が乾いたら、鉢の底からじわじわと水が出てくるくらいに、たっぷりと水を与えて下さい。受け皿に溜まった水は必ず捨てて下さい。 寒くなって行くにつれて水を与える回数を減らしていって、1月~2月には完全に水やりを中止して下さい。冬越しできた株は気温が上がると葉が芽吹いてきます。春先に気温が上がり安定してきたら再び水やりを始めて下さい。ただし冬でも室内で15℃以上の温度が保てる場合は、必要に応じて水やりをして下さい。
アデニウムが枯れるのは?
アデニウムが枯れる多くの原因は、水のやり過ぎでしょう。アデニウムは乾燥地帯の植物ですので乾燥には強いですが、水や湿気が多いと病気になり易くなりますので、出来るだけ乾燥気味に育てて下さい。幹がブヨブヨしてきたり、鉢から匂いがしてきたりすると根腐れを起こしていることが考えられます。 もし気になる症状がある場合は鉢から出し、根の状態を確認しましょう。腐った部分(黒くなっている部分)は切除して、殺菌剤などで殺菌をした後に乾燥させて、新しく清潔な用土に植え替えて下さい。
アデニウムの花が咲かないのは?
①日照時間が少ないと花が咲かないことがあります。元々温かい日照時間の多い地域の植物ですので、特に室内で管理している場合は日光に気を付けて下さい。 ②肥料のあげすぎに気を付けて下さい。乾燥していて比較的栄養分の少ない土地が原産の植物なので、水だけでも十分育てる事が出来ます。 ③アデニウムの花が咲くのは通常4月~9月の温かい時期に限られていますので、常に15℃以上の温度が必要となります。しかし、温度だけではなく、日照時間も関係してきます。お部屋の中に飾る場合はなるべく日の当たる明るい場所で管理して下さい。
アデニウムの肥料
アデニウムに与える肥料は、植え付ける際や、種を蒔く前に、用土にゆっくりと効く暖効性の肥料を混ぜ込んでおいて下さい。その後は、5月~10月位まで液体肥料などを、2週間に1回位のペースで、定期的に与えて下さい。もともとそれほど肥料を必要とする植物ではありませんので、たくさん与える必要はありません。
アデニウムの葉が黄色くなったり、落葉する場合の育て方
秋から冬で、10℃前後になる時期は、葉が黄色くなったり、落葉が見られることがありますが、この場合は、越冬の準備に入っている可能性があります。しかし、水の与えすぎによって、葉や茎に影響を与える場合がありますので、葉が黄色くなったり、落葉したりする場合は水を与える頻度を減らして、乾燥気味に育てて下さい。
気を付けなければいけない病害虫
アデニウムは、カイガラムシ・アブラムシ・ハダニなどに気を付けて下さい。見つけ次第に不要になった歯ブラシやハケなどで払い落して早めに駆除するか、または、薬剤などを散布して駆除して下さい。特にカイガラムシは、薬剤が効きにくいので、歯ブラシやハケなどで茎からそぎ落として下さい。定期的なチェックが必要となります。
アデニウムを剪定する
アデニウムの剪定の適期は7月で、これ以外の時期に枯れた葉があれば摘み取って、常に株を清潔に保って下さい。剪定をするのは、枝の数を増やし、伸びすぎてバランスが悪くなってしまった幹を切り戻すためです。新芽が伸びて花が咲いた時の全体をイメージしながら剪定し、切り口の近くから新たな新芽が伸びるのでバランスをよく考えて、剪定して下さい。剪定で切り取った枝は挿し木での増やし方に使えます。 アデニウムの剪定は、茎ばかりが目立ってきた株は思い切って根元から3㎝位上の位置で切り取り剪定します。剪定後、切り口から出てくる白い樹液に触れないように風通しの良い日陰に置きます。2ヶ月位で新芽が伸びてきます。
注意メモ
茎を剪定や、挿し木のために切る時はよく切れるハサミを使用して下さい。切り口から白い樹液が出てきますが、肌に付くとかぶれますので触らないように、十分注意をして下さい。
アデニウムの増やし方
アデニウムの増やし方としては、種を蒔く増やし方や、株分けをする増やし方、挿し木で増やす増やし方などがありますが、種からの増やし方はなかなか難しいです。
挿し木の増やし方
挿し木の増やし方は、剪定した時に切り取った枝を挿し穂として使うと良いでしょう。剪定の時に10㎝程切り取った枝を、先端の葉を2~3枚ほど残して、下の葉を落として下さい。その挿し穂を、そのまま用土に挿すと腐ってしまうので、数日は挿し穂を日陰に置き、2~3日陰干しをし、切り口をしっかり乾かしましょう。植え付ける時と同じ用土を浅い鉢に入れて挿し木をします。約3週間位で根が出てきます。
種から育てる増やし方
種から育てる増やし方は、株元がとっくり状に太くなりますが、挿し木の増やし方で増やした物は、あまり太くなりません。アゼニウム独特の樹形を楽しみたい方は、種から育てる事をおすすめします。
アデニウムの植え替え
アデニウムを大きく育てたい場合は、1~2年に1回、4~8月に、根元が太くて土が見えなくなったり、鉢の底から根が出ているなど窮屈そうになったら、苗よりも一回り大きな鉢に植え替えて下さい。鉢の大きさは成長に合わせて徐々に大きくして下さい。最初からあまり大きな鉢を選ぶと、鉢の中央部分に根が無くなってしまいます。小さいままの状態で育てたい場合は、球根を1/4ほど切って同じ大きさの鉢に植え替えて下さい。
乾燥させることが大切
植え替えには、植え替える数日前から水やりを控えて、鉢を乾燥させて下さい。そして苗を鉢から取り出し、土を落とし、古くなった根をハサミで切り落とし、切り口を日陰で乾燥させてから植えて下さい。植え替えたあと、数日間は水やりを控えて、乾燥気味に管理して下さい。
この肥大な塊根が魅力的なアデニウムです。 元々アフリカ原産で砂漠の様な地帯に生息している為に砂漠のバラとも呼ばれています。 性質は強く管理もしやすいのですが、とにかく日光を好みますので日光不足に気を付けて、 お水は乾燥気味で与えて下さい。 これからまだまだ幹も大きく成長していくので楽しみです。
アデニウム(砂漠のバラ)の花言葉
アゼニウム(砂漠のバラ)は、8月20日の誕生日のシンボルの花です。 アゼニウムには、「純な神経」、「純粋な心」、「一目惚れ」と言うようなロマンチックな花言葉があります。ではこのような花言葉は、この花のどんな所から付けられたものでしょうか。 「一目惚れ」:ユニークな樹形と、見る人を引き付ける鮮やかな花の美しさからでしょう。 「純な神経」:「純粋な心」:砂漠の片隅で、一生懸命に美しい花を咲かせている所からでしょうか。
真っ白の花を咲かせているアデニウム、とても綺麗です。
おしゃれな鉢のご紹介
観葉植物はお部屋のインテリアにもなりますので、お部屋の雰囲気や植える植物に合った材質や、色の鉢を選んで下さい。
個性的な鉢もいいですね。 アデニウムの魅力を引き立ててくれる存在になりますよ!
まとめ
ぷくっと膨れたお腹がユニークで可愛らしい姿のアデニウムの育て方をご紹介しましたが、お役に立ちましたでしょうか。砂漠のバラなどと言う謎めいた名前を持つアデニウム。冬の時期は気温の管理が難しいかもしれませんが、意外と簡単に育てられ、大事に育ててあげると、周年で美しい花を咲かせてくれますので育てがいのある植物だと思います。アフリカからやって来た不思議な植物アデニウムを育ててみませんか。