検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

【冬山登山入門ガイド】初心者に必要な5つの知識と注意点をご紹介!

冬山シーズン到来です。昨今は熟年登山者というか、登山のベテランでも冬山で遭難する報道を耳にします。ベテランでも遭難する冬山ですから山の初心者ならなお準備が必要です。初心者向けの冬山を5つ紹介するとともに、冬山の装備や持ち物、レイヤリングについて解説します。
2020年8月27日
おわっシー
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

冬山登山をする前に

冬山登山とは?

冬山登山!?そんな危険なことを、と思うでしょう。 確かに冬の山に登るのは、なだれによる遭難や、十分な装備で無いための低体温症にかかったり、また吹雪で方角を見失い、足を滑らせての滑落事故等々の危険が伴うのが冬山です。

登山の前のトレーニング

特に冬山での初心者の遭難事故の報道をよく耳にします。 転落や吹雪によりルートの間違いなどで、遭難し山岳救助隊に出動してもらうなど、周りに迷惑をかけてはいけません。 その為には、冬山登山への知識と、念入りな準備、装備品や服装、持ち物のチェック、及び十分なトレーニングが必要です。 山のベテランでも時には遭難します、ましてや初心者は、なおのこと準備しましょう。

冬山の魅力とは!

危険を冒してまで冬山に登る要因は、それは雪山の美しさにあります。 眼前に広がる、真っ青な空と、大自然の美しさに出会った時、それまでの苦労は一瞬にして消え去ります。 そんな光景を求め、重い装備を背負い寒さに耐える服装をして、山に向かいます。 そんな雪山でテントを張るのも楽しみの一つと言えます。

冬山登山のメリットとデメリットは!

冬山登山のメリットとは?

①景色が美しい 一面の銀世界が広がる光景 ②他のシーズンに比べ、断然人が少なく、静かな登山ができる ③下りはスキーなどを使い、膝の負担がなく、早く下る事ができる ④冬山の厳しい大自然が味わえる感動が! ⑤一人でのテント泊で、満天の星空が独り占めできる

冬山登山のデメリットは?

①冬に雪山を登るのは、夏山を登る以上の体力が必要 ②冬なので、とにかく寒いため、防寒対策の服装が必要 ③雪崩や風説などの、天候によるリスクが大きく、遭難しやすい ④防寒のために持ち物が増え、装備が重くなるリスクがある ⑤防寒対策の為の服装は、レイヤリングを考えて選ぶ

冬山登山のリスクとは?

冬山登山での危険は、気温が低いため、低体温症や凍傷になる事と、積雪などのより雪崩が起るリスクがあります。 また登山ルートの判断に迷ったり、雪で歩行が困難になることや、強風のための、体温の低下や滑落事故などが起きる危険もあります。 冬山登山では服装にも十分注意が必要です、レイヤリングして体温調節を行いましょう。

時期による冬山の5つの特徴

冬山には風や降雪がつきもので、刻々天候が変わるだけで、随分と山の様相が変わって来ます。 どの時期が一番妥当か知っておくことが、冬山登山に大切なため、時期による5つの特徴をお教えします。

5-1.雪の多い 積雪期(11月〜3月・4月)

雪が積もる年末くらいから、翌年の3月・4月くらいの時期が年間でも雪が多く積もり、雪崩や、山の天候が荒れ、リスクが最も高い時期と言えます。 特に厳冬期の12月下旬から2月までの間に登れる山は低い山に限定されます。 また2,000M〜3,000M級の山となると、それなりに装備と技術が求められますので、初心者向けの登山ツアーがあります。 初心者は、これらのツアーに参加することをお勧めします。

5-2.雪の降り始めの初冬期(11月〜12月)


この時期の雪は降り始めたばかりの為、雪がしまっていないので、アイゼンが効きにくく苦戦を強いられます。 そのために降雪の有無などによっては、かなり難しい時期と言えるため、この時期は低山での登山がお勧めです。

5-3.一番厳しい 厳冬期(12月下旬〜2月)

1年で一番気象が荒れるため、登山には厳しい時期で、冬山登山の初心者には無理な時期です。

5-4.気象が緩む 春期(3月〜4月)

春が近づくにつれて、山の気象も緩んで来る時期で、初心者もツアーに参加して山に挑戦することが出来ます。 今のうちに、テントや装備品などの持ち物を準備しておきましょう。

5-5.残雪期(4月下旬〜5月)

この時期の山を春山といい、雪山登山の中でも一番雪崩の少ない時期になります。 気温も0度以上に上がるので、GWに営業を開始する山小屋も多く、高い山にアタック出来ます。 もちろん、ツアーに参加するのもいいし、一人で春山でのテント泊も楽しいです。

山の高さにより3段階に分かれる?

3-1.1,000M級の山!

このクラスはいわゆる低山で、入門中の入門で、初心者向きで、初心者向けの登山ツアーも沢山ありますので利用しましょう、そのことが遭難のリスクを下げることにつながります。 また、気象の変動リスクは少ないのですが、積雪の少ない地方では、道が凍っていることもあります。 ピッケルが必要なことも少なく、装備や持ち物も少なく、服装も夏用の服で良いためレイヤリングも簡単で済みます。

3-2.2,000M級の山!

このクラスの山になると、森林帯と森林限界が存在する場合がほとんどですが、森林限界を超えればリスクは一気に高くなります。 冬山初心者に必須のアイゼン&ピッケルの訓練は、この2,000M級のエリアで行なうことです、もちろんツアーもあるので利用しましょう。 またテント泊なども経験する事が出来ます。

3-3.3,000M級の山!

この3,000Mクラスになると、山岳エリアでの行動が中心となります。 従って、長時間の間、稜線や山岳地で行動するには、それなりの技術や経験が必要なため、ツアーなどに参加して経験を積むといいでしょう。 雪崩のリスクや、急な天候の変化をもたらす気象リスクが、隣り合わせになります、レイヤリングなども十分に考えて服装を選んでおきましょう。  

冬山のリスクは、エリアや地形に影響?

日本での冬山登山は、その山が日本海側なのか、太平洋側なのかにより、登山リスクは大きく変わります。 まして冬山登山となると、日本海側では積雪も多く、山の気象条件も太平洋側に比べても、かなり厳しくなります。 そのため同じ標高の山であっても、その登山の困難さは随分違ったものになります。

場所によって増えるリスクとは?

同じ山でも、斜面の向きによって、例えば北斜面か、南斜面かによって気温が変わり、北斜面なら雪が凍っていたりします。 同じことで、稜線を歩くのでも東側なのか、西側なのかによっても風の強さがまるで違います。 体温調節や、防寒の為のレイヤリングを考え服装を選んでおきましょう。 西高東低の気圧配置なら、西側の稜線は当然強い風が吹くため、歩く困難さは違って来ます、特に初心者の場合は風の向きに注意しましょう。

登る山の高さで変わる装備品!

スノーハイキング・スノーシュー装備とは?

ダブルストックと簡易なアイゼン(6本爪軽アイゼン)または、スノーシューを使って、お手軽な装備です。 これは低山向けメイン装備で、もちろんウエアは、レインジャケットを代用としても使えます。 シューズは、少し厚め(革製)のトレッキングシューズでも可能です。 軽装備で済むため、このスタイルは万人の登山者が楽しめるスタイルで、持ち物も少なくて済みます。


本格的な雪山の装備とは?

この装備は、尾根の縦走や登頂が目的となる装備で、12本爪アイゼン・ワカンとピッケルが必需品です。 プラス、オーバージャケット&パンツと雪山用の重登山靴が必要になります。 もちろんレイヤリングのために、何枚かのシャツも持ち物の中に入れておきましょう。 標高が2,000M級の山以上になると、この装備で無いと登ることは出来ません。 またテント泊を考える場合は、十分な防寒対策が必要です。

テクニカルな装備とは?

岩場や氷のあるエリアを登るための装備で、特に岩稜などを登るための装備です。 アイゼンは、縦爪のアイスMAX用アイゼンや、またピッケルも短く、ダブルアックス(パイル2本)であったりします。 この他、持ち物として、ロープ(ザイル)が必要で、ヘルメットやハーネスも着用します。

必要な装備とウエアー!

冬山に欠かせないウエアーとは?

冬の雪山は、常に低体温症や凍傷などの危険が付きものです、まして初心者はこれらのことをよく学んでおく事が大切になります。 また、夏山と違いウエアの着脱が大変です、レイヤリングなどの体温調節はこまめに行いましょう。 また、汗濡れしないような、ウエアやシャツを吟味しておく事も大事です。

レイヤリングとは?

そこでレイヤリングですが、アンダーウエアー、ベースレイヤー、ミドルレイヤー、アウターの順に着る基本を意識して選びましょう。 アンダーウエアーやベースレイヤーに選ぶのは、高い保湿性と吸汗速乾性も備えた素材を、そしてアウターにはゴアテックス:registered:プロダクトなどの防水透温素材を用いている、ハードシェルがおすすめ品です。

防寒に必要な手袋!

冬の雪山では凍傷にかからないためにも、防寒用の手袋が必要となってきます。そして低い山に登るのであれば普段使っているのでも問題はありません。 天候の変化の激しい山では、防寒だけでなく防湿用の機能のついたインナー手袋と、暴風防水機能のついたアウター手袋も準備しておくと安心できます。 特に冬山でテントを張る場合には、防寒のため不可欠のアイテムです。

足元を決める、登山靴と軽アイゼン!

登山靴を選ぶなら、防音防水素材のゴアテックスで内挿されているもので、しっかりした革製で靴底のしっかりした作りのものがおすすめです。 登山靴は登山用品専門店でキチンとアドバイスを受けながら、自分の足にあったものを購入することをお勧めします。 靴も夏用、冬用の2足を揃えておくと、行動範囲が広がって楽しみも倍加します。

アイゼンは6本爪以上必要!

冬山登山では、積雪や凍結に備えてのアイゼンが必要になります。アイゼンは6本爪以上がおすすめで、現地ですぐに間に合うよう、出発する前に装着し、調整しておくことが大切です。

初心者におすすめの5つの冬山登山!

5-1.冬山初心者におすすめ、高水三山

冬山登山初心者におすすめな低山は、奥多摩山域の都心側にある高水三山です。 ここは高水山759m、岩葺石山793m,惣岳山756mの3つの山が縦走できるため、人気のトレッキングスポットになっています。

高水三山・登山コース

軍畑駅〜青梅選踏切を横断し車道を北に歩く〜登山道(アルパインツアーリーダーから冬山登山の基礎知識) 登山口〜高源寺〜高水山(標高759m) 高水山山頂〜尾根を西に進む〜岩葺石山山頂〜尾根を南方に〜惣岳山山頂〜ゴール地点のJR御岳駅(標高247m)


5-2.黒斑山(くろふやま) – 長野県

黒斑山は日本を代表する活火山の一つ浅間山の外輪山の一つで、浅間山の展望と登りやすさから四季を通じて登山者が多い山です。 登山は、車で高峰高原の駐車場に車を駐め、出発して約3時間ほどの行程です。 特に春の残雪期のカラマツの芽の芽吹く光景や、浅間山の山肌に残る雪の縞模様の美しさが印象に残ります。

黒斑山コース行程 車坂峠登山口:1980m    ↓ 1.2km 槍ヶ鞘:2280m    ↓ 0.3km トーミの頭:2325m    ↓ 0.5km 黒斑山山頂:2404m ■登山口と山頂までの標高差:約 420m ■登山口から山頂までの距離:約2000m ■駐車地:高峰高原各駐車場 ■トイレ:高峰山登山道入口

黒斑山は浅間山の外輪山のため、噴火の危険が有る場合などは登山規制が行われます。 登る前に確認しましょう。

5-3.赤城山(あかぎさん) – 群馬県

赤城山は群馬県を代表する山として有名で、市街地から近く、手軽に雪山を楽しむことが出来ます。 特に最高峰の黒檜山(くろびやま)を周回するコースは、夏冬ともに人気があり、3時間〜4時間の行程で登山が楽しめます。 急斜面を登るためアイゼンが必要で、12本爪があれば持って行ったほうがベターで、風の強い日はしっかり防寒の準備をしましょう。

黒檜山(赤城山)登山ルート詳細情報 ルート 10月27日 大洞駒ヶ岳登山口(標高1,360m)⇒駒ヶ岳(標高1,685m)⇒黒檜山(標高1,828m)⇒黒檜山登山口(標高1,360m) コースタイム 3時間20分

赤城山への登山ルート詳細です

5-4.入笠山(にゅうかさやま)  南アルプス

南アルプスのハズレにあり、富士パノラマリゾートのロープウエイを使って、山頂駅に到着すれば正面には八ヶ岳の裾野が広がり、登山者を迎えてくれ、ここから山頂までは容易に登る事ができます。 また北寄岳より樹林帯が多めの為に、このコースは風の影響を受けることがありません。 そして山頂からの展望も良く、八ヶ岳と中央アルプスの展望が目の前に拡がります。

富士見パノラマスキー場山頂駅(標高1,770m)⇒入笠湿原⇒入笠山(標高1,955m)⇒大阿原湿原⇒富士見パノラマスキー場山頂駅

入笠山スノーシュー アクセス JR富士見駅⇔富士見パノラマスキー場 無料シャトルバス

5-5.北横岳(きたよこだけ) – 長野県八ヶ岳

北横岳は標高2480mの高峰ですが、雪山初心者の入門に選ばれているのは、冬場にロープウエーが運行されているため、標高2480mの地点から登山を開始でき標高差も少なく、コースタイムが山頂までの90分程度と短かめな為です。 またルート上には山小屋もあり、冬でも多くの登山者が歩いる事と、八ケ岳山域は冬場の天気率が比較的良いという点が、初心者向けの雪山に選ばれている理由です。

ルート 北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅(標高2,237m)⇒北横岳(標高2,473m) 駐車場 ■北八ヶ岳ロープウェイ無料駐車場 800台 核心部 特に難しい所はではありません。冬山登山初心者コースです。

このルートで行けば、2000mを超える雪山に登れるのですね。

まとめ

いかがでしたか、冬山登山の面白さが伝わったでしょうか。 登山の計画は念入りに、そして、装備や服装の選定はおこたりなく準備して、楽しく登山しましょう。 経験を積めば、雪中でのテント泊の楽しさが味わえます。