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イチイの木とは?御神木にもなるその特徴と基本情報まとめ【植物図鑑】

イチイの木は、日本国内では北海道から九州まで、広い範囲で見られる木です。特に北海道では、古くから庭の生垣や植え込みに使われている存在感のある木でもあります。また、北海道ではサカキやヒサカキなどがないため、神前の玉串にもイチイの木が使われています。
更新: 2022年1月16日
弓元一馬
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目次

イチイの木とは

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イチイの木は、日本では北の方でよく見られる常用針葉樹(一年中緑の葉をつける針葉樹)です。 生長すると、10~20m高さになります。 葉の形は、カヤやメタセコイアの葉を小型にしたような形ですが、チクチクすることはなく柔らかです。 北海道や東北北部などの寒冷地では、アイヌ語の「オンコ」という名で呼ばれ親しまれています。

また、この地方の和風庭園の生垣や植え込みの定番となっているのがこのイチイの木です。 また、イチイの木は雌雄異株となっており、雌の木になる赤い果実の果肉は甘いので、食用や果実主要として使われています。一方で、種はアルカロイドを含む有毒となっているので、食してはいけません。

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イチイの木/科名

イチイの木の科名は、イチイ科イチイ属となっています。 イチイ科には、イチイの木の他に日本で見られるのは、カヤやイヌガヤおよびこれらの変種などがあります。

イチイの木/学名

イチイの木の学名は、「Taxus cuspidata」です。 また、イチイの木の英名は「Japanese yew」といいます。

花名由来

イチイという名前の由来は、かつてイチイの木を用いて、冠位十二階で最も高い位階である正一位の人が使用するシャクを作っていたため正一位から「イチイ」になったという説と、イチイの木が他の木よりもはるかに緋色(赤色)であったため、「一番の緋色」から「一緋」となったという2つの説がある。

学名である「Taxus cuspidata」の「Taxus」はギリシャ語で裕美を意味する「taxos」に由来し、「cuspidata」は急にとがったという意味を表しています。 英名で「Japanese yew」と呼ばれる由来は、西洋には別のイチイの木があり、そのイチイの木の日本版ということで、「Japanese yew」という英語で呼ばれるようになりました。

イチイの木の花言葉・開花時期

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イチイの木は、どのような時期に花をつけるのでしょうか。 イチイの木の花の特徴を知ると、自ずと花にこめられた花言葉の意味が見えてきます。

イチイの木の花言葉は高尚

イチイの木の花言葉は、俗っぽくなく程度の高いことを表す「高尚(こうしょう)」です。 他には、「悲哀」や「悲しみ」や「残念」や「慰め」という相反するような花言葉もあります。


イチイの木の花言葉の由来

イチイの木の花言葉の1つである「高尚(こうしょう)」は、前述の通り位の高い人が使用するシャクの材料となることから付けられた花言葉です。とても上品な花言葉ですので、昇進祝いやお誕生日プレゼントなどに添える花言葉としては魅力的なのではないでしょうか。

一方で、「悲哀」「悲しみ」「残念」「慰め」などの花言葉の由来は、西洋でイチイの木が墓地に植える木として使われていることにあります。イチイの木の花言葉の悲観的な意味は、イチイの木のこのような役割からきていると考えられます。

イチイの木の開花時期

イチイの気に花が咲く時期は、3~4月です。 しかし、大きなイチイの木には不似合いの小さな花を咲かせるので、見つけるのは一苦労でしょう。 また、イチイの木の花を誕生花としているのは、9月23日と10月21日です。

イチイの育て方・栽培方法

難易度

イチイの木は、生垣や植え込みにも用いられることからもわかるように、土質を選ばず、育てやすい植物です。

イチイの木の種まき

9~10月頃になると、イチイの木の種皮が赤く熟します。まずは、種皮が赤く熟して種が落ちる前に採取しましょう。そして、採取した種は仮種皮を水で洗い流し、すぐに蒔くか、湿らせた砂と混ぜて乾燥させないようにし、ビニール袋に密閉して冷蔵庫で保存します。保存した場合は、翌年の3月にもう一度水でタネをよく洗ってから蒔きます。

この蒔く作業中にも、種が乾かないように注意しましょう。 そして、蒔いた後は、発芽するのに2~3年かかることもあるので長期にわたる管理が必要です。

イチイの木の植え付け

イチイの木の植え付け時期は、3月下旬から梅雨にかけてと、10~11月下旬の期間が最適です。植え付けには、適度な湿り気のある肥沃な土壌が適しています。イチイの木を植え付けする場所には、堆肥を多めに混ぜ込んでおきましょう。

水やり

イチイの木の水やりは、鉢植えや庭植えに関係なく、植え付けてから2年未満の木は、土の表面が乾いたら、たっぷりの水を与えましょう。一方、庭植えで植え付けから2年以上たつ木は、水やりの必要はありません。

肥料

イチイの木を庭植えしている場合は、2月頃に寒肥として有機肥料を株元周辺に埋めておくだけで、その他の肥料は必要ありません。 イチイの木を鉢植えしている場合には、3月に化学肥料を株元に追肥しましょう。


剪定

イチイの木の剪定は、新しく伸びた枝が固まる7月に1回と、11~3月の芽吹き前までに1回行います。年にこの2回剪定を行うと、イチイの木は枝が密生してキレイになります。

イチイの木の増やし方

イチイの木を増やすには、挿し木をする方法と取り木をする方法の2つがあります。では、挿し木やとり木のやり方を見てみましょう。 【挿し木のやり方】 イチイの木の挿し木をする時期は、3月下旬から4月上旬が最適です。 1.伸びた各枝の先端から15cm位の穂木を切り取る

2.切り取った穂木の下の方の葉を取り除き、切り口をカッターナイフなどで斜めに切り整える 3.切り整えた穂木に、2時間程度水あげする 4.水あげした穂木は、清潔な用土を入れた鉢にさす 5.鉢にさした穂木は、乾燥しないようにしつつ、直射日光と風を避けた明るい場所で管理する

【取り木のやり方】 イチイの木の枝が地表近くに出ている場合は、2~3月の間に枝の一部を地面に埋めてU字型針金で固定して発根を待ちます。その際に、埋めた枝の一部に切込みを入れておくと発根しやすくなります。発根したら、枝から切り離して苗木として育てます。

場所

イチイの木は、土質を選ばない育てやすい木ですが、肥沃な土で育て、強い日差しは避けた方がよく育ちます。イチイの木を育てる理想的な場所は、明るいけれども西日が当たらない場所です。

植え替え

イチイの木は、根が粗く水や肥料を吸うための細根があまり多くないので、植え替えには適していません。 もし、どうしても植え替えをするという場合には、植え付けの敵期である3月下旬からつゆにかけてか、10~11月上旬に行ってください。

そして、植え替え前には根回しを行って、十分に細根が出てから植え替えると失敗が少なくなります。

イチイの木の特徴

イチイの木は、岐阜県の位山が有名な産地であることから、岐阜県の県木になっています。 イチイの木の特徴は、木材として堅いが、堅い割には加工がしやすく、板材にしても割れや反りが少ないです。

それでいて、木肌も滑らかで光沢があり美しいのが最大の特徴です。そのため、仏壇や和家具などの材料として古くから使われてきました。 イチイの木は加工しやすいなどの特徴から、床の間の床柱や落掛、彫刻やなどにも使われるので木材としての価格は高く設定されています。

イチイの品種・原種

針葉樹といえば、やはり寒い場所に生息しているイメージがありますが、イチイの木の原産地や分布地はどのような場所なのでしょうか。

原産地


イチイの木の原産地は、本州や北海道、四国や九州、アジア東北部の亜高山帯や寒冷地に自生しています。

分布域

イチイの木の分布域は、本州や北海道、九州や四国や千島列島、中国東北部や朝鮮半島やロシア沿海地方に分布しています。 北海道では、標高の低い地域にも自然分布していますが、九州や四国地方では山岳地帯にのみ分布しています。 庭木として育てられているイチイの木であれば、沖縄以外の日本全国で一般的に見られます。

イチイの木のおすすめ情報

ギリシャ神話でのイチイの木は?

ギリシャ神話では、復習の女神エリュニスは、イチイの毒で復習をしていたと伝えられています。そのため、多くの神話で、イチイの木は死と再生の象徴とされています。

御神木としてのイチイの木

イチイの木には、周囲を清浄してくれる力があるとも言われており、日光二荒山神社をはじめ多くの神社や仏閣などでご神木として祀られています。

まとめ

今回は、イチイの木の基本情報についてご紹介しましたがいかがでしたか。 生垣や植え込みでよく見るイチイの木は、お手入れも簡単で1年中庭を緑に彩ってくれる素敵な木です。 あなたもイチイの木を育て、剪定してベランダや庭を緑に彩ってみませんか。