JOYアグリスマルタ玉肥 小粒500g
シャガとは
シャガは、草丈が30〜50cmほどになる常緑多年草です。 春になると、黄色と紫色の模様がある特徴的な花を咲かせます。 アヤメに似た花姿をしていますよ。 葉は光沢のある緑色で、細長く厚みがあります。 その容姿と日陰を好むことから、様々な場所の下草として活躍しています。 シェードガーデンにもおすすめの植物です。
科名
アヤメ科アヤメ属です。 花がアヤメに似てるのも納得ですね。
学名
『Iris japonica』 「Iris」は、アヤメ属を指します。 由来は、ギリシャ神話に出てくる虹の女神の名前から。 英語で読むと(アイリス)、 ギリシャ語だと(イーリス)、 日本語では(イリス)とも読みます。 ギリシャ語で虹を意味する言葉はイーリスです。 シャガは中国原産ですが、なぜか“日本の〜”を意味する「japonica」を付けられています。
花名由来
シャガを漢字で書くと「射干」です。 葉が似ている檜扇(ヒオウギ)と間違えて名付けられました。 というのも、檜扇の漢名(中国での名前)は「射干(ヤカン)」で、 これを日本語読みしてシャガになりました。 ちょっと可哀想…でも別名があるから大丈夫です! 「著莪」と書かれたり、「胡蝶花(コチョウカ)」と呼ばれたりもします。
シャガ/品種・原種
あまり目立たない植物のため、詳しくは知らない人が多いかもしれませんね。 でも普通に自生していますので、見たことはあると思います。 日本では有史以前から存在している歴史のある植物なんですよ。
原産地
中国が原産地です。 日本へは、ずいぶんと昔にやってきました。 史前帰化植物のひとつです。 後から詳しく説明しますが、シャガには種ができません。 そのため、どうやって中国から日本にやってきたのか少し気になります。 遥か昔の船旅にもかかわらず、鉢植えで持ち込まれたのでしょうか。
分布域
原産地である中国からミャンマーにみられます。 中国では種をつけたり花の色や大きが異なるものもあります。 日本でも本州から九州で自生しています。 日本のシャガは種のできない性質のため、人の手によって広がったとされます。 人があまり入り込んだことのない所では、自生していません。
シャガ/花言葉・開花時期
シャガにも花言葉があります。 その意味から、プレゼントにはちょっと向きません。 花をあげる際には、どのような花言葉なのか知っておきましょう。 見た目も重要ですが、意味を知っておいた方が誤解を防げます。 それとシャガは、4月27日の誕生花でもあります。
花言葉
『反抗』『友人が多い』『私を認めて』 特殊な花言葉ですね。 意味深長を思わせる場面で、あまりシャガを使わない方が良さそうです。 敢えてなら別ですが…。
由来
剣のような葉の形や、陽の当たらない場所で花が咲くこと、 実をつけないために『反抗』とされます。 種ができないのに、根茎を伸ばして花をいっぱい咲かせることから 『友人が多い』との意味にもなりました。 「反抗」と被る由来ですが、日陰で花が咲くため『私を認めて』との花言葉も与えられています。
開花時期
4月〜5月頃の春に開花します。 朝方に花が開き、夕方頃にはしぼんで枯れていく一日花です。 でも新しくどんどん開花していきますよ。 なのでしばらく楽しめます。 花の大きさは直径5cmほど。 花色は白と青紫色で、紫と黄色の模様が入っています。
シャガ/特徴
シャガは種をつけません。 でも増えていくのが不思議ですよね。 考えるほど植物の生命力に驚かされます。 それにシャガは、旺盛な生育力でたくさん増えるんですよ! なぜ種をつけられないのか、どうやって増えていくのかを説明します。
シャガはなぜ種をつけないのか
シャガは三倍体のために種をつけることができません。 種をつけられる通常の植物は二倍体といって、染色体が2組になります。 三倍体の場合はこの染色体が3組になり、それが理由で種をつけられないのです。 四倍体植物と二倍体植物が掛け合わせることで、三倍体植物ができます。 シャガの他、有名な三倍体植物に球根で増えるヒガンバナがあります。
シャガはどうやって増えるのか
日本のシャガは種から増えるわけではないので、全て同じ遺伝子を持った同一品種になります。 長い地下茎に生まれる株から増えていき群生します。 人家に近いシャガが好む場所の日陰や湿地に生えていることが多いですね。 寺院などでも見かけます。 育てる場合も株分けで増やしていくことができますよ。
シャガ/育て方・栽培方法
難易度
初心者でも育てられます。 丈夫な植物で、耐暑性に優れ、耐寒性は普通、日陰でも育ちます。 根茎を伸ばして成長を続けます。 意図に反した場所でも育ってしまったり、増えすぎることもあります。 適切に処理しましょう。 日陰では育ちづらい植物が多いなか、シャガは気にしません。 他の植物を植えられない場所におすすめです。
場所
明るい日陰と、少し湿気のある場所が適しています。 暗過ぎてしまうと、花つきは悪くなります。 常緑樹や生垣の下、建物の陰などでも育ちますよ。 なので下草としてよく利用されています。 増えやすいので、それを想定して場所決めする必要があります。 耐寒性は普通ですが、寒冷地での地植えは厳しいです。
植え付け
3月、6月、9月が植え付けの適期です。 乾きづらい土であれば、特に土質は気にしなくても育ちます。 ただ、水はけの良い土の方がいいです。 草花用の培養土か、赤玉土小粒7割と腐葉土3割に混ぜた土を使えば間違いありません。 根茎をちょっと地面に隠す程度に植えます。 また、根茎は横に伸びていきます。
鉢植え又は地植えをする
鉢植えの場合は、5号鉢に1株を浅く植え付けます。 地植えの場合は、直射日光の当たる場所は避けてください。 株より一回り大きな穴を掘り、浅く植え付けていきます。 いずれも植え付けた後は、たっぷりと水をあげましょう。 根付くまでは、土を乾燥させない程度に水やりします。 根付いた後は、タフに育っていきます。
水やり
鉢植えで育てるなら、適度に水やりしなければなりません。 土の表面が乾いたらあげてください。 多少の乾燥は耐えられますが、あまりに水切れが多いと成長に悪影響が出て枯れることも。 地植えでしたら、根付いてしまえば基本的に水やりしなくても大丈夫です。 雨が降らない日が続き、冬場を除いて地面がカラカラになった時だけあげてください。
肥料
JOYアグリスマルタ玉肥 小粒500g
鉢植えの場合、肥料は6月に与えます。 花が咲いた後、油かす玉肥を株元へ2つか3つ置きます。 花が咲く前の3月頃に堆肥、 花後に化成肥料を施してもいいですが、与え過ぎには注意してください。 控えめにしておきましょう。 葉の色が黄色などに変色しているようなら、1週間ごとに3回ほど液体肥料をあげてください。 地植えでしたら肥料はいりません。
剪定
花は儚くも1日で終わります。 種がつかないので、株の消耗を心配する必要はありません。 なので、そのまま放っておいても問題なしです。 ただ見た目が良くないため、枯れた花と葉は取ってしまいましょう。 花はどんどん咲きますから、終わったらその都度摘んでいきます。 他に管理の手間があまりかからないので、 花が咲く時期はこまめに手入れしてあげてください。
植え替え
鉢植えの場合は、根がすぐに成長し根詰まりを起こしやすいので、 年に1回、一回り大きな鉢への植え替えが必要になります。 株分けをするならこの時が適しています。 地植えなら3年を目安に株分けしてあげます。 生えてほしくない場所に発生したシャガは、育てたい場所に移動させましょう。 または、増え過ぎることもあるため、いらない分は抜いてしまいます。
増やし方
種はつけませんが、株分けで増やすことができますよ。 株1つにつき3〜5芽になるようハサミで分けていきます。 その後、根付きやすくするために、1株についている葉を3分の1ぐらに減らしてください。 鉢植え、地植えの方法で植え付けし、同じように育てます。
病害虫による被害
病気や害虫による被害はほとんどありません。 手がかかりませんね。
シャガ/仲間の品種
日本のシャガは1種だけですが、近縁種や海外の品種もあります。 有名なものをご紹介します。
スジシャガ
学名は『Iris japonica 'Variegata'』 「Variegata」は、雑色、まだら、多様などの意味があります。 その名の通り、葉に白いスジが入ってるシャガです。 「斑入りシャガ」とも呼ばれています。 今から300年以上も前に発刊された、 日本最初の園芸書といわれる「花壇綱目」にも記載されています。 江戸時代から栽培されていたことが分かります。
姫著莪
姫著莪(ヒメシャガ)は、シャガと同じくアヤメ属ですが別種です。 シャガの花と似ていて小型なので、この名前が付けられました。 花色は白と薄紫で、一重と八重があります。 シャガと異なる主な点は、花数の少なさと、葉に光沢がなく細いこと、 冬に地上部が枯れる、種ができることがあげられます。 日本の山地に自生していますが「準絶滅危惧種」の指定を受けています。
中国青花シャガ
中国で見つかった品種で、青紫色の花が特徴的です。 日本のシャガに比べて、花がちょっと大き目。 葉も厚いからたくましく見えます。 草丈は30〜40cm程度。 グランドカバーに最適です。
アメリカシャガ
アヤメ科アメリカシャガ属に分類されるシャガの仲間です。 シャガはアヤメ属なので、属違いですね。 名前にアメリカと付いていますが、原産地は南米のブラジルです。 トビシャガとも呼ばれます。 化粧品に近い芳香があります。
まとめ
誰もが見かけたことがあるはずのシャガ。 特徴的なお花は可憐ながらも逞しい植物です。 ほとんど場所は問わないといった適応性に優れていますので、 どなたでも簡単に育てられますよ。 増やし過ぎて隣家に迷惑がかからないように注意してくださいね。 他の植物では難しい日陰などの下草やグランドカバーにもってこい! こういった場所に何か植えたいと思ったら、シャガがおすすめです。