はじめに
ふわふわ やさしいパステルトーンの花とはっきりと香る心地よい香り。 ストックは、お花屋さんで切花として、園芸店では、お花の咲いている苗やタネが比較的安く購入できる身近な植物です。 菜の花の仲間で、特にめずらい植物ではありませんが 近くで見れば見るほど、その色、姿、香りがたまらなくなるクセになります。女性でこの花を「嫌い」という人は少ないのではないでしょうか。
科名・属名
アブラナ科マッティオラ属
和名・英名
和名:アラセイトウ(紫羅蘭花) ストックがはじめて日本に来たのは、江戸時代とされ、茎や葉にうぶ毛が生えているのが、ポルトガルの布「ラセイタ」の手触りに似ていたことから「葉ラセイタ」と名づけられそれがなまって「アラセイトウ」になったとされます。 英名:Stock・・・その姿のとおり「しっかりとした茎」を意味します。
原産地
南ヨーロッパ ヨーロッパ南部、および西部が原産で、茎の根元が木質化します。 古代ギリシャやローマでは薬草として栽培されていたそうです。
花名由来
流通名は英語名なので先述とおり「しっかりとした茎」が花の名前の由来となります。 でも、その名前とはうらはらに茎はわりと折れやすいので要注意です。 学名 Matthiola incana こちらはイタリアの植物学者 Pierandrea Mattioli にちなんでつけらました。
ストックの花言葉① 愛の絆
花言葉由来
英語名の由来となった茎がまっすぐ伸びている花姿から、昔フランスの男性が、理想の女性に出会うと「一途に思い続けます」という意志を表すために、この花を帽子の中に入れて歩いたというお話からきています。
花色でも花言葉はかわります。
ストックの花言葉② 紫:おおらかな愛情
ストックの花言葉③ ピンク:ふくよかな愛情
ストックの花言葉④ 白:思いやり
ストックの花言葉⑤ 赤:私を信じて
誕生花がストックの日
1月10日 2月8日(ピンク) 2月9日 2月20日(紫) 3月2日 3月7日(白) 7月16日
ストック本来の開花時期
ストックは、本来、秋にタネをまき、翌年の春2~5月ごろ花を咲かせます。 今では、園芸品種の育種改良や、ハウス栽培もあり、お花の苗は夏以外、切花は一年のほとんどの時期にでまわるようになりました。
ストックの魅力
①花色が豊富
花色は、白~黄、赤~ピンク~紫、と豊富に存在します。
②シルキーな花の質感
花は茎先に多数まとまって花房をつくり、下から順に咲き昇ります。 一重咲きから八重咲きまでありそれぞれにだいぶ印象が変わります。特筆は、マットでシルキーな質感。この花びらの質感を持つお花はなかなかないと思います。
③心地よい花の香り
なんと言っても はっきりと香るお花らしい香りです。クセのない香りが万人に愛されて続けている理由のひとつです。
④草姿のバリエーションの広さ
ストックの草姿は大きく3タイプに分かれます。 ・1本に1本の茎のもの ・スプレー咲き ・1株に3~4本の枝が分かれる分枝系 3タイプだけでもまったく違う植物のようです。
ストックの花言葉を贈るシュチュエーション
こんな人におすすめ
言葉で愛を語るのが苦手な人 やわらかい色合いが大好きな人 お花屋さんの香りが好きな人 お値段がそんなに高くなく豪華なお花が好きな人
こんな場面におすすめ
花言葉から、まずは「ウエディングブーケ」にリクエストして使用したらとても素敵ですね。実際に ウエディングブーケとしてはかかせないお花だそうです。
プレゼントの贈り方
やさしいパステルトーンのストックだからこそ、様々なお花、グリーンともバツグンに相性が良く、小ぶりでも、大きく豪華な花束でも大活躍の花です。誕生日、各種のお祝いはじめ、花言葉を意識して愛情を示す記念日に必ず選ぶのもいいですね。 1月31日:愛妻の日、 2月14日:バレンタインデー 3月14日:ホワイトデー 11月22日:いい夫婦の日 ぱっと思いつくのでもこんなにあります。 花言葉を秘めながら、ストック一種類にしぼった大きな花束を贈ったら辺り一面ストックの香りにつつまれ、とても特別感が高まります。
切花で楽しむコツ
お花の日もちは 5~7日程度。お花屋さんで購入、アレンジ花束でいただいたなど、切花を花瓶に入れて楽しむ際はちょっとしたコツを取り入れると長持ちします。 ①よく切れるハサミで茎を水の中でカット。 ②新聞にまいて湯揚げ(※)します。 ③暖かい部屋では、よく水を吸い、水が減りやすいので、ひんぱんに水を替え、補給してください。 ※湯揚げ・・・ 茎をお湯につけ、導管の中の空気を外に押し出し、反動で導管内に水がスムーズに上がるようになるという処理です。
おすすめの飾り方
スプレー咲きのお花を選べば小ぶりにカットして小さなフラワーベースにかわいらしく活けることができます。ストックだけにする場合、同じ色と形の花をたくさん束ねるのが圧倒的におすすめです。 一重咲き種はまるで別のお花のような独特の美しさがあります。
参考例
白のストックを中心にホワイトグリーン系で統一。オリーブ、ユーカリ、フェイジョアなどの憧れシルバーリーフと組み合わせると都会的でクールなお部屋が演出できます。
下の写真のように濃いめのカラーでまとめた姿は意外性もあって豪華。 とっても勉強になりますね。
花言葉を知ったらストックを育ててみましょう!
苗を育てるための基本情報
【開花時期】2~4月 【草丈】20~100cm 【スタート方法】①タネをまくor ②苗を買う ●背の高い「高性種」・・・ 主に切花によく使用されます。
●背の低い「矮性種」・・・ 主に鉢植え・花壇などのガーデニングに人気です。
①ストックのタネをまく
●メリット・・・ お金をかけずたくさんのお花が楽しめます。 ●デメリット・・・ 発芽~定植までの管理が苗に比べると難しい。 欲しい花だけにしぼるのが難しい。
・ストックは「秋まき一年草」です。 ・8~9月中旬を目安にタネをまきましょう。 早めにまくことで苗が十分に育ちます。 ・育苗箱に筋まきして薄く土をかぶせます。 ・八重咲き種の中には、どうしても遺伝子的に一重咲きが混ざりますので タネ袋の説明書内・苗の見分け方を参考に必要があれば選抜してください。
・本葉2~3枚で3号ポットに移植。 ・庭植えする場合は、開花直前になったら20cm間隔で植えるのが基本です。
②ストックの花が咲いた苗を買う
①【販売時期】 秋→冬→春までが一般的です 真冬は霜の被害にあいやすいので購入はおすすめできません(※) ②【販売場所】 育てやすい人気定番のお花なので園芸店やホームセンターなど植物をあつかうお店に行けば手軽に購入できます ③【販売価格】 特別な品種でない限り300円以下程度で販売されています ④【購入後】 ポットから出して軽く根をほぐし、鉢や地面に植えます。真冬に植えるのは、成長が緩慢になっていて根があまり伸びず凍結の被害にあいやすくなるのでおすすめしません。 ⑤【環 境】 日向で育てます。 ⑥【水やり】 過湿に弱いので水はけの良い土で気持ち控えめに。乾いたらたっぷりと与えます。 ⑦【病害虫】 コナガがつくことがあります。 ⑧【ポイント】 寒さに弱いので霜よけをするほうがベター。高性種は倒れやすいので支柱を添えましょう。
(※)について
※12月以降の夜の気温が4度近くまでさがるころに植える場合は、霜にあたらないために、軒下や樹の下、屋根のあるところに植えることをおすすめします。天気予報の「最低気温4度」が、地面が凍り、根をいためるかどうかの目安です。
地面や花壇に植える場合
ストックは背が高く花にボリュームがあるので、他の花より奥に植えるシュチュエーションが自然と多くなります。 写真のように、低い場所で白い花が咲くイベリスと組み合わせるのも間違いなく素敵です。
単独で植えても美しく見栄えがします。 背が高い分、全体が倒れてしまわないよう、目立たない支柱で支えるのがコツです。
鉢に植える場合
鉢(器)でも同じです。 ストック単独でも、いろんなお花と植えても、スッとした縦のラインの草姿が他のお花を引き立ててくれます。 寄せ植えするには、お助け役として大活躍するお花です。 ビオラが販売されている時期(10~2月)に一緒に植えて、さらには、下に秋植え球根を一緒に植える~なんているのも、とってもおすすめです。
まとめ
【花言葉辞典】ストック いかがでしたか? 花言葉に「愛」の意味が強く込められた花「ストック」。 その色と香りには本当に癒されるので自分の部屋に率先してたくさんのお花を飾ってみるのをおすすめします。 また、大切な人にさりげなく選んで贈ると贈られた人はきっと静かなる愛の想いを感じてくれるのではないでしょうか。