まずはオピネルの事を知っておこう
オピネルとは、120年ほど続くフランスのナイフ製造会社のことです。 1890年にジョセフ・オピネルが考案し、今でもその基本のデザインはそのままで、世界中から愛されているブランドです。 ロンドンにあるヴィクトリア&アルバート博物館から、世界で最も美しい100選として選ばれるぐらい、その機能性とデザインは認められています。
オピネルのナイフはシンプルな構造だが、ある一定の長さからロック機能がついており、持つ人の安全も考慮しながら設計されています。 そこが世界中から愛される理由の一つといえるでしょう。 初めてこの世界に折りたたみナイフを広めた会社だけに、アウトドアを極めようと思う人にとっては、レジェンドのような存在なのではないでしょうか。
オピネルの黒錆加工をする前にやっておくこと
オピネルの黒錆加工は、準備がすべてを制するといっても良いでしょう。 ここからコツを掴んでしまえば、綺麗に仕上げることが簡単に出来てしまいます。
コツ1 黒錆加工をするナイフのブレードを確認しよう
オピネルのナイフは、ブレード(刃)の部分がカーボンスチールタイプとステンレススチールタイプの2種類あります。 ステンレススチールは錆に強いため、黒錆加工する必要はありません。 カーボンスチールは切れ味は良いのですが、赤錆が発生しやすいため定期的に黒錆加工をする必要があります。 必ず黒錆加工をする前に、オピネルのナイフのブレード部分がどちらのタイプのものなのかを確認しましょう。
コツ2 ブレードとグリップ部分を分解しておこう
分解するのが面倒な人が、たまに分解せずに黒錆加工をしてしまうようですが、綺麗に仕上げたいなら必ず分解してから始めましょう。 ブレードとグリップ部分を分解するのに必要なものは、プライヤーとポンチ、ハンマー、マスキングテープの4つです。 まず始めにブレードは折りたたんだままの状態で、ロックをかけましょう。 その次にロックパーツを外すのですが、その際にロックパーツが飛び出さないようにマスキングテープでしっかりと止めてください。 マスキングテープは剥がしても糊残りが少ないため、しっかりと止めても大丈夫です。 しっかり止めたら、プライヤーを使ってブレードを開きロックパーツを外します。 ブレード部分を触る時は怪我をしないように素手で触らず、必ずプライヤーでブレードを開いて下さい。 出っ張っている、かしめの反対側からポンチとハンマーを使って叩き、ブレードを止めているピンを押し出していきます。 ある程度ピンが出てきたらプライヤーを使って抜きます。 ピンを抜いたらブレードが外れるので、プライヤーを使って外します。 残ったグリップ部分の金属パーツを外したら、すべてのパーツの分解が出来たことになります。
コツ3 カーボンスチールの切れ味を試そう
購入した人の中で、カーボンスチールの切れ味があまり良くないと感じる人がいます。 おそらくオピネルのナイフの用途として、野菜や魚、肉料理などを作る際に、包丁代わりとして使う人もいれば、ロープや竹などを切るサバイバルナイフとして使う人もいたりと、様々な場面に使用出来るが故に、用途によっては購入したままの状態だと切れ味が悪いと感じてしまうようです。 もし、使ってみて切れ味が悪いと感じたなら、黒錆加工をする前にヤスリなどで研いでおきましょう。
コツ4 黒錆加工をする前に使っていた場合は、汚れを落とそう
綺麗に黒錆加工を仕上げたいなら、ここが重要なポイントになります。 ナイフに油分や赤錆などの汚れがついたまま黒錆加工をしてしまうとムラが出てしまい、せっかく時間をかけてやったのに残念な結果になってしまいます。 しかも一度失敗するとそのムラはなかなか取れません。 ムラを取る方法としては、もう一度研ぐところからやり直すことも出来ますが、それでもなお多少ムラが残ってしまうため、黒錆加工を綺麗に仕上げることはその時点で諦めるしかありません。 そのため黒錆加工をする前のベース作りは、黒錆加工にとって一番重要な工程になります。 ここだけは手を抜かず、アルコールやシリコンオフスプレーなどで使い、しっかりと丁寧に汚れを落としておきましょう。
オピネルの黒錆加工とオイル仕上げをする為に用意するもの
用意するものは、すべて普段の生活の中で使うものなので、スーパーに行けば揃えることが出来ます。 オピネル用に購入しても良いですが、普段の生活で使っているものをそのまま使用しても問題ありません。 アウトドアによく出かける人は分けておくことをお勧めします。
オピネルの黒錆加工をするために用意するもの
紅茶、お酢、針金、500mlのペットボトルの4つです。 今回はペットボトルを使って仕上げる方法にしましたが、他のもので代用して頂いても大丈夫です。 ブレードを縦向きにしても十分に入る容器であれば、基本はなんでもOKです。 紅茶の種類はなんでも良いのですが、濃い紅茶を使った方が綺麗に黒錆が出やすいと言われているので、通常に飲む時よりもかなり濃いめに作る事が必要です。 針金は、ブレードの穴に通せるぐらいの太さまでで、太すぎると入らなくなってしまうので確認が必要です。反対にあまり細すぎるとブレードの重さに耐えられず、ペットボトルに引っ掛けても、浮かしておくことが出来ないので、ブレードの荷重に耐えられる程度の太さは必要ですので注意して下さい。 500mlのペットボトルの飲み口は邪魔になるので、ブレードが入るぐらいのサイズにカットしておきましょう。
オイル仕上げをする為に用意するもの
乾性油と厚さ0.06ミリぐらいの透明の袋の2つです。 乾性油は、クルミオイルやひまわり油、べに花油、えごま油などがあります。 厚さ0.06ミリぐらいの透明の袋は、ジップロックやフリーザーバックなどがあります。
コツ5 オピネルの黒錆加工は一つ一つを丁寧に仕上げよう
紅茶は煮出しておき、事前に飲み口をカットした500mlのペットボトルに、紅茶8:お酢2の割合で入れてよくかき混ぜてください。 ブレードの穴に針金を通しペットボトルに引っ掛けて、ブレードがペットボトルの中心にくるように調整できたら、そのまま1時間漬け込みます。 泡が出てきて、つけ込む前よりも黒く濁ってきたら完成です。
ポイント1
紅茶は濃く作っておくことで、黒錆が綺麗につきます。 なぜ紅茶を使うのかというと、紅茶に含まれるタンニンが鉄と反応し、錆をつけてくれるという大切な役割を持っているからです。紅茶の種類はなんでも良いですが、濃くなるまで紅茶の葉を足して作るのがポイントです。
コツ6 オピネルのオイル仕上げは全体をしっかり漬け込もう
オピネルのグリップ部分は木製なので、水に濡れたときに膨張し、ブレードが折りたたみにくくなってしまいます。 水に濡れる前に、オイルに漬け込んでおくことで膨張を防ぐことが出来ます。 このオイル仕上げは簡単で、厚さ0.06ミリ以上の透明の袋の中にグリップ部分を入れます。 そこにグリップ部分全体が浸かるように乾性油を入れて密封します。 そのまま24時間以上漬け込みます。 24時間以上経ったら、グリップ部分を取り出して、乾性油を拭き取り今度は24時間以上乾かせば完成です。
ポイント2
厚さ0.06ミリ以上の透明の袋を使うことで、厚みが薄い袋に比べて破れにくいということと、透明の袋にした方が中身が見えるので作業しやすいというのがポイントです。
まとめ
オピネルの黒錆加工とオイル仕上げは、実際にやってみると愛着が湧いてくるという声が多く聞こえてきます。 約2日ぐらいかけて仕上げていくので、綺麗に仕上がるとやはり嬉しいものですよね。 綺麗に仕上がると早く使いたくなり、アウトドア意欲の向上に繋がっていくのかもしれません。 黒錆加工の方法は他にもいくつかありますが、アウトドアに対するモチベーションを上げる方法の一つとして、アウトドア仲間達と、誰が一番黒錆加工を綺麗に仕上げられるか競い合ってみるのも面白いかもしれません。 慣れてきたらオリジナルの方法を生み出して発表してみてもいいですね。 時間をかけたことさえも楽しかったと感じられるように、ぜひ面倒くさがらず楽しんでやってみて下さい。