サンダーソニアとは
科名
ユリ科、サンダーソニア属の球根植物です。 サンダーソニア属の植物は、このサンダーソニアのみ。珍しいパターンです。
学名
Sandersonia Hook
花名由来
ジョン・サンダーソン氏が発見したことにより、 「サンダーソニア」という名前がつけられました。
サンダーソニア/品種・原種
原産地
南アフリカのナタール地方が原産地です。 ナタールは、かつて「ナタール共和国という国でしたが、 現在は南アフリカの一部(クワズール・ナタール州)となっています。 発見者であるジョン・サンダーソン氏は、 このナタールにある園芸協会に所属していました。
分布域
南アフリカの高地に分布します。 サンダーソニアは発見されて以来、乱獲され、また土地の開発が行われたこともあり、現在は野生での発見は難しくなってしまいました。しかし保護区ではその姿を見ることができます。
サンダーソニア/花言葉・開花時期
花言葉
「望郷」や「祈り」、「愛嬌」といった花言葉があります。
由来
「望郷」「祈り」は、発見者であるジョン・アンダーソンが入植者だったため、遠い故郷を想う気持ちにちなんで付けられたといわれています。 「愛嬌」は、サンダーソニアの愛らしい花の形から付けられた花言葉です。
開花時期
植え付けから約40日で開花します。 非常に成長の早い球根植物です。 ただし、適温でないと、もっと時間がかかります。 日本では3月下旬から5月いっぱいまで植え付けることができます。 この頃に植えれば、6~7月には開花しますよ。
サンダーソニア/特徴
南アフリカの新しい球根植物
「サンダーソニアって聞いたことない」 「昔は知らなかった」 なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。 それもそのはず、サンダーソニアはまだ新しい植物なんです。 発見されたのは1851年のことであり、 日本に入ってきたのはそれから約100年後。 1959年になってからでした。 ちょうど東京オリンピック開催の1年前ですね。 当時、サンダーソニアは非常に高価でした。 それから研究が進み、その成果あって球根の大量生産が可能になりました。 結果、数が増やされていき、現在では手の届きやすい価格になっています。
サンダーソニアは、どこで買える?
ただ、チューリップやスイセン、ヒヤシンスといったポピュラーな球根類と比べてしまうと、 まだ流通が少ないといえるでしょう。 サンダーソニアを買いたい人は、 植え付けの時期(春)に大手種苗会社の通販サイトを覗いてみるのがおすすめです。
変わった形がかわいい! 生け花でも人気
サンダーソニアは形がユニーク。 南国らしいあざやかな黄色の花は、つりがね型で、他に見ないような個性がありますよね。 花だけでなく、花がぶら下がっている茎の部分もポイント。 とても細く、繊細な美しさがあります。 スマートな葉といい、なんだかスイセンのような趣があります。 生け花としても人気です。
5月26日、11月28日の誕生花
5月26日、11月28日の誕生花でもあります。 サンダーソニアは、誰からでも愛される繊細な外見と、 「こんな花、見たことない!」というサプライズ感を併せ持っています。 該当のお誕生日の方が居れば、 サンダーソニアを使った花束を贈るのも良いですね!
サンダーソニア/育て方・栽培方法
難易度
サンダーソニアの栽培は中級者向きです。 基本的に、あまり手入れを必要としない楽な植物なのですが、 球根の形が変わっていることもあり、まったくの初心者さんは株分けや植え付けに苦労するかもしれません。 でも、正しく植え付けて日光を与えれば、 特別な世話は必要なく、球根もどんどん増えてくれます。
時期
サンダーソニアを育て始めるベストシーズンは4月。 3月下旬~5月いっぱいまでの間なら植え付けを行えるのですが、 3月・5月は、極端に寒い日があったり、夏日が急に訪れたりしがちなので、 4月がいちばん良いでしょう。 寒さにはやや弱く、 かといって暑さにもそれほど耐性がない植物です。 夏が来るまでには開花させるようにします。
植え付け
球根というと、たまねぎ形の丸っこいものを想像するかもしれませんが、 サンダーソニアの球根はちょっと変わっています。 人間の腰から足先にかけてのような 2股に分かれているのです。 このつま先に当たる部分から芽が出ます。 植え付けるときは球根を寝かせるような形にしてください。 球根2つ分くらい、だいたい5センチ程度の土をかぶせます。 半つる性の植物なので、股の間に当たる部分に支柱を立てるのもお忘れなく! 球根をいくつか植え付ける場合、 15センチ程度の間隔を持たせるようにしましょう。 また、鉢に植えるときは、必ず最初に鉢底石を敷いて水はけを良くします。 鉢の形は縦長がおすすめ。サンダーソニアは縦に伸びる植物なので、浅く横に広い鉢に植えてしまうと、見栄えが悪くなります。
植え付けの応用テクニック
サンダーソニアの球根は、脚が長い方から先に発芽します。 なので、発芽点を上にして植えるなら、そちらを鉢の中心部に向け、短い方は鉢の縁側にしたほうが、見た目がきれいになります。もし均等な大きさに育てたいなら、長い方の発芽点を切り落とし、足の長さを揃えましょう。 切り落としてからは、切り口を数日間乾燥させて植え付けます。
場所
植え付けるときに欠かせないのが、場所選びです。 サンダーソニアは日当たりの良い場所で管理しましょう。 暖かい地域であれば花壇植えOKですが、 寒い地域で育てたいのなら、鉢植えにするのをおすすめします。 サンダーソニアは半耐寒性植物なので、 寒冷地では冬の間、屋内に移動させてあげられるようにしましょう。 寒さに当たりすぎると、球根が腐ってしまいます。 土は元肥の入った園芸用土でOK。肥沃な土壌を好みます。 自分で土を作る場合、赤玉土を多めにし、腐葉土を2割程度は混ぜましょう。
水やり
庭植えであれば、 ほぼ水やりの必要はありません。 鉢植えであれば、土の表面が乾いてきたタイミングで水を与えます。
肥料
1ヵ月に2度ほど、液肥を追肥として与えます。 春の生育期に肥料を与えることで、成長を促し、夏までに開花させるようにします。
病害虫
サンダーソニアは生育期間が短いので、 そのぶん虫にやられたり、病気にかかったりするリスクも少なめ。 特に、日当たりの良い場所で管理すれば、 とっても健康に育ちますよ。 ただ、まれにナメクジやアブラムシの被害を受けることもあります。 ナメクジは新芽や花芽を食べてしまい、サンダーソニアの生育を妨げます。食べられている形跡を発見したら、鉢底をひっくり返し、土の中にいるナメクジをつまんで追い払いましょう。
花後の管理
サンダーソニアは真夏を苦手とします。 夏頃には花が終わるように育て、半日陰に移動させましょう。 また、放っておくと花に種がつくことがあります。 この種は翌年以降の種まきに使えますが、種を作るために栄養を取られてしまうので、代わりに球根が大きくならなくなります。 球根を育てたいのであれば、 花が終わる頃に摘んでしまい、種をつけさせないようにしましょう。
増やし方1.種まき
採取した種か、増えた球根で増やします。 種まきをする場合、秋にまいて冬の寒さに晒しましょう。 寒さを感じないと発芽しません。 うまくいけば、春に芽を出します。
増やし方2.分球
球根で増やす場合、「マーブル」とよばれる分球から増やします。 花を摘んだ後の地上部が完全に枯れたら、もう水やりはせず、土を乾かしてください。 しばらくしたら土を掘り返し、分球ができているか確認します。 花がら摘み等でうまく球根に栄養が蓄えられていれば、人間の足のような形をした新しい球根が1~2個増えているはずです。 このとき、古い球根(今年花を咲かせたもの)はすでに消耗してしまっており、無くなっています。もしくはシナシナと元気のない残骸のような状態になっています。新しい球根と切り離し、処分してしまいましょう。
分球の保管方法
採取した分球の保管にはちょっとしたポイントがあります。 それは長期間の乾燥を避けること。 無皮球根のため、2ヵ月くらい適当な場所に放置すると、干からびてしまうのです。 球根の保存には2通りの方法があります。 ・地中に埋めたままにしておく ・掘り返し、数日間だけ乾燥させたら新聞紙で包み、10℃以下の暗く涼しい場所で保管する 涼しさに当てるのは、翌年に芽が出やすくするためです。 暖かい場所に置いてしまうと、発芽しない可能性があります。
花束やインテリアで活躍するサンダーソニア
サンダーソニアのドライフラワー
サンダーソニアはドライフラワーにもできます。 購入するとちょっとお高めですが、 黄色い花はパッと目を引き、とっても鮮やか。 ぜひインテリアに加えたいですね。 ドライフラワーというと、あせたような色になりがちですが、 これだけキレイに発色するサンダーソニアがあれば、一気に華やぎそうです。 他のドライフラワーと組み合わせて、こんな風にぶら下げるとおしゃれ!
サンダーソニアの切り花
サンダーソニアは比較的花もちが良く、 切り花としても親しまれています。 1輪だけ挿しても、とっても絵になるのが嬉しいところ。 アフリカの花なのに、和風のお部屋にも合うのだから不思議です。 庭で上手に栽培できたら、1輪だけでもお部屋にそっと飾ってみたいところ。
サンダーソニアの花束
超芸術的! こんな風に、他の植物とたっぷり組み合わせれば、すてきな花束が作れちゃいます。
まとめ
サンダーソニア、とってもかわいくて綺麗な植物ですよね。 繊細な見た目なので、 なんとなくデリケートに感じられるかもしれませんが、 ・寒さと暑さに気をつける ・春に植え、夏が来るまでに素早く成長させる ・肥料を使って成長を促すと安心 このポイントを押さえれば、ご自宅でも育てられます!
サンダーソニアを増やしたいのなら、
・花がら摘みをして、地上部が完全に枯れたら分球をカット ・分球は場所さえあれば植えっぱなしでOK ・分球は暗く涼しい場所で保存すると、来年も芽を出す この3点も押さえておきたいところ。 サンダーソニアはレア感のある植物なので、 人とは違うインテリアや、 贈り物としても大変喜ばれますよ! 現代的でオシャレ感も充分。 とってもおすすめな植物です!