検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

甘酸っぱくて料理に合う!コケモモの基本情報まとめ【植物図鑑】

「コケモモ」って知ってますか? 日本ではマイナーですが、北欧ではなじみ深い、赤い果実をつける植物です。酸っぱいので生食には向きませんが、ジャムやジュースなど、加工の楽しみがたっぷり! コケモモの基本情報から、育て方、加工のアイディアまでご紹介します!
2020年8月27日
三ツ矢ナオ
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

目次

コケモモとは

科名

コケモモは、ツツジ科スノキ属。 赤い果実を付ける低木です。

学名

コケモモの学名は「Vaccinium vitis-idaea」。

花名由来

学名である「Vaccinium vitis-idaea」の「Vaccinium」とは、「vaccinus(牝牛の)」というラテン語からきているとされていますが、なぜそんな名前が付いたのかは、ハッキリしていません。

コケモモ/品種・原種

原産地

原産地は北欧を中心としたユーラシア大陸北部や、北アメリカです。

分布域

コケモモの分布地として有名なのは、やはり北欧でしょう。 フィンランドが生んだ有名な児童文学「ムーミン」の物語中にも、たびたびコケモモが登場します。日本ではあまり馴染みのない植物ですが、「ムーミンでコケモモを知った」という方もいらっしゃるかもしれません。

コケモモ/花言葉・開花時期

花言葉


コケモモの花言葉はたくさんあります。 『反抗心』や『冷淡』、『背信』、『不実』、『不信』……。おもにマイナスイメージな言葉が並びます。他には『くじけない』、『幼い心』なんて花言葉もあります。

由来

まずは比較的プラスイメージをもつ花言葉に注目していきましょう。 『くじけない』という花言葉は、コケモモが極寒の中でも育つところからきています。 なんと北極に近い場所にも自生しているんです。マイナス40度以下でも大丈夫というのだから、驚きです。寒い地方で育てやすい植物なのです。 『幼い心』は、コケモモが背の低い植物であるところから。 背丈は15センチ前後しかなく、葉も実もちょこんとしていて、幼さを感じさせます。 マイナスイメージをもつ花言葉は、その寒さに耐え抜く姿=冷たい心を持つ植物、と解釈されてしまった結果のようです。

開花時期

晩春~初夏頃に開花します。 地域にもよりますが、5~7月です。

コケモモ/特徴

ちょっとマイナー?

コケモモは栽培するというより、野生のものを摘んできて、ジャムやジュースにするのが長年海外で主流でした。 そもそも日本では馴染みが薄く、ブルーベリーのような同じ涼しい気候を好む植物は広く流通していても、「コケモモ」というのは最近知った! という方も少なくないのではないでしょうか。 コケモモ自体を知らない方も、まだ日本には大勢いらっしゃいます。 しかし、最近は徐々に注目されつつあります。

コケモモが注目されてきたのは、北欧ブームやムーミンの影響?

ここ数年の間に、「北欧ブーム」がありましたよね。 特に、インテリアの世界で流行りました。「家具に北欧のテイストを取り入れよう!」という風潮です。 飾り気がありすぎず、それでいてスマートでおしゃれな北欧スタイルは注目を集め、雑誌やテレビでたくさんの特集が組まれたのは記憶に新しいかと思います。 その流れで、同じ北欧の文学である「ムーミン」の世界も注目を集めました。 ムーミングッズはもちろん、ファッション・ライフスタイル関係の雑誌でもストーリーや舞台であるフィンランドが取りあげられ、人気を集めたのです。 このムーミンの中に登場するのが、「コケモモ」。 北欧ブームで「もっと北欧のものを暮らしに取り入れたい!」と思った方や、 ムーミンを読んだ方々が、 「コケモモ」に注目するようになった……という流れがあったのです。

他のベリーと混同されがち

コケモモは正直、日本ではまだまだ知名度が低いだけに、よく他のベリー類と混同されます。 特にクランベリーと混同されやすいです。 クランベリーとの見分け方は、花の色。コケモモのほうが花が白っぽいんですよ。また、よーく見ると花の形自体も違います。実がついてからは、コケモモの果実ほうが丸っこい、という部分で見分けられます。

酸っぱい実! 加工して食べるのが主流

コケモモの果実はとっても酸っぱく、そのまま生食用にするには不向き。 食べるなら、砂糖を加え、ジャムやジュース、コンポートに加工するのが一般的です。酸っぱくてそのまま食べづらい(手間がかかる)ことも、多くは栽培が行われてこなかった理由のひとつでしょう。

コケモモにはどんな効能がある? 肥満防止!?


あまり広く知られている話ではありませんが、コケモモは肥満防止に良いのでは? と言われているんです。 スウェーデンのルンド大学というところで、マウスを使ったコケモモの肥満防止実験が過去に行われました。その実験で、劇的ではありませんが、効果が確認されたのです。今後ますます研究が進んだら、もっとコケモモが注目されるようになるかもしれません。

コケモモ/育て方・栽培方法

日本ではなかなか果実が手に入りにくいコケモモ。 「どんな味なのか興味がある」「食べてみたい!」と思っても、なかなか難しいですよね。 それなら自分で育ててしまいましょう! コケモモの育て方を解説します!

難易度

正直なところ、コケモモ栽培は上級者向きでしょう。 耐暑性がないので、日本の暑さはコケモモに向かないのです。 しかし逆に、寒さにはいくらでも耐えられます。 「自分の住んでいる場所は寒すぎて、なかなか越冬できる植物が見つからない」という方は、チャレンジしがいがあるかもしれません。

時期

栽培をスタートさせるなら、冬が適切です。 植え替えをしたい場合も、春か秋の涼しい時期に行います。 暑さが苦手なので、夏に作業を行うと、株が弱ります。

場所

コケモモは高山植物なので、 できるだけ自生地に近い、涼しい環境を作ってあげることが重要です。 あたたかい地域では特に、 夏の直射日光を避けられる場所を選びます。 ただ、本来は日光を好む植物。 完全な日陰はNGです。このバランスを取るため、夏の間は半日陰に移動させると良いでしょう。

植え付け

覚えておきたいのは、アルカリ性の土壌ではうまく育たないということ。 ブルーベリー等と同じく、酸性の土を好みます。 以前、ほかの植物を育てるために石灰をまいたようなところを避けて植え付けてください。 この条件さえ覚えておけば、やせた土でも大丈夫です。ピートモスを用いて土を酸性に傾け、腐葉土や鹿沼土を混ぜると良いでしょう。水はけの悪い土にならないよう気をつけます。

水やり

コケモモは乾燥を嫌います。 湿気の多い環境を意識しましょう。 土の表面が乾いていないか、こまめにチェックします。 乾いてしまったら、たっぷりと水を与えましょう。

肥料


コケモモはやせた土でもよく育つので、 肥料はあまり必要としません。

コケモモの食べ方! ジャムやジュースに加工しよう

コケモモのジャム

コケモモの真っ赤な実が採れたら、 ぜひ1度はジャム作りを楽しみたいものです。 収穫した果実をよく洗ってざるにあげ、砂糖と一緒に煮詰めます。 ジャムを入れる瓶は、あらかじめ沸騰したお湯に浸けておき、殺菌しましょう。しっかりと密閉し、パンやホットケーキにかけて楽しんでください。アイスクリームにかけても美味しいですよ! 砂糖の分量を調節し、煮詰める時間を短くすると、コケモモのソースにもなります。 酸っぱくなりすぎてしまった場合、スイーツだけでなく料理にも使ってみると、また違った味わいが楽しめます。

コケモモのジュース

ミキサーを持っているなら、 収穫したての果実で作るフレッシュジュース作りもおすすめ! 砂糖と一緒にミキサーに入れ、攪拌するだけ。 作った後はできるだけ早く飲みましょう。

コケモモのコンポート

カクテルやスイーツにはもちろん、 肉料理にも相性が良いのがコンポート。 果実の形を保ったままできる加工方法なので、トッピングにしたときの見栄えもいいですよ。

まとめ

コケモモは北欧の酸っぱい果実

コケモモは寒い場所に自生する、酸っぱくて加工向きの果実です。 暮らしに取り入れると、北欧気分を味わえちゃいますよ。 日本の気候だと、ちょっぴり育てるのが難しい植物ではありますが、 寒い地方にお住まいの方はぜひ挑戦してみてください!